当別町議会 令和7年第2回定例会 2025年6月19日
町の再犯防止施策の方針について
2025年6月19日、当別町議会の一般質問で、角田広佑議員が「町の再犯防止施策の方針について」質問し、町長 後藤正洋、福祉部長 森淳一が答弁しました。
- 質問者
- 角田広佑 議員
- 答弁者
- 町長 後藤正洋、福祉部長 森淳一
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 角田広佑
おはようございます。角田でございます。私の議席の左側に温度計があるのですが、26度ということで、今日もどんどん暑くなっております。私も議長の許可いただきましたので、今日は半袖で質問に立たせていただいております。皆様もお体ご自愛いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。議長の許可いただきましたので、一般質問入らせていただきます。その前に、私3月定例会一般質問で詐欺被害事件について、町で起こった部分について取り上げさせていただきました。以降当別では、3月、4月、5月と3件連続で発生をしておりましたが、私の一般質問、それから昨日山﨑議員の一般質問でも町長の答弁では、地域の見る目、地域の監視の目で防犯をしていくということでご答弁がありました。そして、3件目の事件は、犯人、受け子に当たる者が逮捕されたということで新聞報道がございました。この事例、町民から役場に連絡が入り、そこから警察への迅速な情報提供と注意喚起がなされた結果、犯人逮捕に至ったと担当部局より伺っております。これは、もう町長以下部局への対応方針が浸透していたこと、それからそれぞれの部局職員が自分ごととして対応した成果だと思います。対応された方々に心からお礼と感謝、そして敬意を表したいと思います。また、この逮捕以降事例が聞こえていないことから、ちょっと言葉はあれなのですけれども、当別はやばいということで犯人グループも認識をしたのかなと思いまして、私もそうやって考えております。今後も引き続き対応のほどよろしくお願いしたいと思います。今回一般質問、それに関連して刑法の改正に関する部分を今回一般質問させていただきました。通告に従いまして、質問を始めさせていただきたいと思います。また、本日ちょっと資料が多うございまして、資料8までご用意をしております。あわせて、適宜お示ししながら、参照していただければと思います。令和7年6月1日より改正刑法が施行されました。今から118年前、明治40年に制定された同法は、以来刑罰の内容が変更されることがありませんでした。この改正は、そういう意味でも歴史的な法改正であると言えます。まず、資料1、改正の内容について整理をしたいと思います。これまでの日本の刑罰は、主に刑務所での労働などの刑務作業が義務づけられた懲役とこうした作業の義務がない禁錮に分けられていましたが、刑法の改正に伴い拘禁刑に一本化されました。拘禁刑では、懲らしめの意味合いでの刑務作業がなくなり、高齢者や障がい者、依存症の人など、受刑者の特性に合わせて必要な指導をすることとされています。この背景には、出所した人が再び罪を犯す、以降再犯と呼称しますが、そのケースが多い現状があり、受刑者が社会に戻ってから再び罪を犯すことがないよう立ち直りを重視したものとなっています。次に、資料2を御覧ください。拘禁刑では、受刑者の特性に応じて24の矯正処遇課程が設定され、最も必要性が高い課程を1つ指定し、当該処遇課程を中心に実施します。資料2の上の表、右側になりますが、特に新設された課程には薬物等の依存症回復処遇、高齢者や障がい者、精神疾患者への支援課程が新設され、このように受刑者の特性に合わせた矯正が取り入れられた特徴があります。続いて、資料3になりますが、それらの課程の処遇イメージが示されております。細かいところについては、後ほどご参照いただきたいところですが、それぞれの出所後において高齢者や障がい者へは再犯防止に必要な福祉サービスの提供、若年者については就業を中心とした社会生活の確立、薬物依存への受刑者へは継続治療の提供など、それぞれの特性に合わせた支援体制を構築することとされています。つまり今後受刑者は、出所後にそういった公的、民間の医療、福祉サービスを利用しながら、再犯を犯すことなく社会への復帰、そして定着を目指すということになります。次に、再犯防止推進計画について、質問内容に関連しますことから、先に概要を説明させていただきます。資料の4番になります。こちらは、厚生労働省社会・援護局関係主管会議の資料でして、第2次再犯防止推進計画の概要となります。これによりますと、傾向として犯罪の認知件数は戦後最少を更新し、年々減少している一方で、再犯率は上昇傾向にあります。この現状に対処するため、平成28年12月、再犯防止推進法を閣議決定、翌年12月に再犯防止推進計画を閣議決定しております。主な取組としましては、満期釈放者対策の充実、強化、地方公共団体との連携強化、民間協力者の活動の推進を行うものでした。これにより出所受刑者の2年以内再入率、再入率というのは再犯し、再び受刑者となる者の割合を指しますが、目標16%に対し、令和2年時点で15.1%となり、目標を達成したこととなります。これを踏まえまして、令和5年度から9年度までを第2次再犯防止推進計画、以降第2次計画と呼称しますが、これを位置づけました。主な取組は、資料4の左下、3つの項目、①番、個々の対象者の主体性を尊重し、課題解決について継続的に支援すること、②、相談拠点や支援拠点を設置し、ネットワークを構築すること、③、地方公共団体の主体的かつ積極的な取組の促進と国、地方公共団体、民間協力者等の連携をさらに強固にすることが盛り込まれているところであります。続いて、資料5になりますが、第2次計画では地域による包摂の推進を掲げ、国と地方公共団体の役割分担を示しています。市区町村においては、地域住民に最も身近な基礎自治体として福祉等の各種行政サービスを必要とする犯罪を犯した者、特にサービスへのアクセスが困難である者に対し、適切にサービスを提供するように努めるとあり、刑期を終えた者が社会から疎外され、取り残されないように適切に対応することが求められています。また、資料6については、地域再犯防止事業として市町村に対しての情報提供の会議開催、理解促進や人材育成、都道府県が行う直接支援などが示されています。そして、市町村は、再犯の防止に関する施策の推進に関する計画、いわゆる地域再犯防止推進計画を定めるという努力義務が規定されています。これは、単独制定だけではなく、政策的に関連の深い他の計画等と一体のものとして策定することも可能とされています。次に、資料7を御覧ください。令和6年4月時点で市区町村では748団体、そのうち包含で策定したもの、他の計画と一体型で策定したものは83.6%、計画単独で策定したものが16.3%となっております。北海道では、道、札幌市のほか33市町村で制定をされており、近隣では北広島市、岩見沢市、月形町などで策定をされているところであります。当別は、札幌市、月形町と刑務所所在の自治体に挟まれているなかなか珍しい自治体でございまして、そういった中では出所者が地域定着を求め、この当別町に入る者も一定数増えるのではないかと想定をしているところであります。最後、資料8について説明をさせていただきます。資料8、こちらは受刑において何らかの障がいを抱えた者がいるかを調査したものでございます。実は、これについては大規模な全数調査というのは行われた実績がなくて、調査時期が違う、そして指標の物差しも違うということで、その辺を前置きした上で説明をさせていただきます。まず、この上の部分は、少しデータは古くなり、平成18年のデータになるのですが、知能指数、いわゆるIQと呼ばれるものが69以下の受刑者数を示したもので、これは22.9%、約2割が何らかの障がいを抱えている、発達障がいがある、もしくは抱えている者というふうに示されているところです。続いて、下の部分ですが、発達上の課題を有する受刑者の概要調査ということで、キャパスという能力検査を指標としています。キャパス能力検査は、刑務作業の振り分けに使われる刑務所内での能力検査なのですけれども、それによると発達障がいのある者と示された割合は11.6%を示しています。さらに注目すべきは、この中にある表の下の表なのですけれども、こちらは発達障がいもしくはその疑いがある者が再犯し、受刑者となった者の割合です。つまり再び刑務所に入った者の割合、こちらは54.9%と出所後の半数者が再犯で再入するということが示されています。これを見て、受刑者において発達障がい、その疑いのある者は、再犯するリスクが高い可能性があることを示しており、さらにそれらの者に身寄りがない場合、刑期を終え出所したとしても行き場がない、家がない状態となり、結局犯罪を犯し、逮捕され、刑務所へ逆戻りというスパイラルが発生するリスクが高い状態にあることを意味しています。以上を鑑みますと、発達障がい等何らかの障がいを持つ受刑者は、再犯の可能性が高いと同時に、それらの者に何らかの福祉的支援を提供することでそのリスクは低減することが見込まれ、そのためには自治体と事業者、官民が一体となり、連携して支援策を打ち出すことが肝要と私は考えます。前置きが大変長くなりましたが、これより質問に入ります。町長にお伺いをいたします。1つ目、当別町における現時点で地方再犯防止推進計画は作成されておりません。今後町として策定するお考えがあるかお聞かせください。2番目、受刑者の一定数において何らかの発達障がいを抱える者も存在し、福祉的支援体制がないことによる再犯リスクの高まりが示されています。それらの受刑者の受入れにおける再犯防止対策について、町が率先して福祉的な支援方針を打ち出すお考えはあるかお聞かせください。3番目、受刑者が社会復帰の場所、住みかとして町に在住することを選択した場合、町としての支援体制やバックアップ体制を拡充させるお考えはおありでしょうか。以上、1回目の質問となります。ご答弁よろしくお願いいたします。
答弁 町長 後藤正洋
角田議員の一般質問にお答えをいたします。資料を説明しての新しい制度のご説明いただきまして、ありがとうございました。まず、地方の再犯防止推進計画に関してのご質問でありましたけれども、犯罪をした人などの中には貧困ですとか疾病、厳しい生活環境など様々な生きづらさを抱え、立ち直りに多くの困難を抱えている人たちが少なくないと認識をさせていただいているところでもございます。犯罪をした人などが社会的に孤立することなく、再び社会を構成する一員として地域に定着できるよう支援をすることが再犯を防止し、安全で安心な社会の実現につながるものとの認識の下、北海道といたしましては令和6年3月に第2次北海道再犯防止推進計画を策定しております。町といたしましても国、北海道の推進計画を勘案し、再犯防止の取組について必要性を認識しているところであり、現在改定作業に着手し、令和9年度から運用開始予定の新たな地域福祉計画の策定において地方再犯防止推進計画を一体的に取り組むことができるよう検討してまいりたいと思っております。次に、障がいを抱え、再犯リスクの高い方への福祉的支援体制についてでありますが、町では矯正施設出所等の情報を把握することはできませんが、保護観察所や地域生活定着支援センターなどからの依頼があった際やそのような支援を必要とされる住民の方からの相談があった際においては、福祉行政の中で必要な支援を行ってまいりたいと考えております。次に、民間事業者と連携した住居の支援や事業者への支援やバックアップについてでありますが、こちらにつきましては地域住民のご理解が重要であると考えます。さきに申しました地域福祉計画の策定委員には地域住民の方も参加しておられますことから、地域の声を吸い上げ、相談させていただきながら、計画の策定を進めてまいりたいと考えております。以上、角田議員への一般質問に対する私からの答弁といたします。
質問 1番 角田広佑
丁寧なご答弁誠にありがとうございました。1番目の質問については、生きづらさを抱える方、貧困、疾病もそうですし、生まれながらに障がいがあってもそれをフォローできていない、見過ごされてしまったという方もやっぱりいらっしゃって、そういった方々に対して支援をすることでこういた部分というのも一定数抑止できるのではないかなと思いますので、そういった部分につきましては町としても率先して取り組んでいただきたいところであります。1つ目の質問の地域福祉計画の改正、改編に伴って、そこにというところでご答弁いただきました。例えば隣の月形町、それから小樽市なんていうところも地域福祉計画に包含した計画を策定しておりますので、事務負担や費用負担が過重とならないように、どうぞしっかりとご検討いただきたいと思います。それから、3つ目の質問でございましたが、そういった部分について、居住支援につきましては、実は法務省、国土交通省においても住宅確保要配慮者、いわゆるホームレスとか、そういった方々に対しても住居に対する支援を行っていますが、その一環として保護観察対象者、先ほど保護観察所という言葉もありましたが、保護観察の対象者もしくは更生緊急保護、これは刑務所を満期で出所しても行き場のない人とか、結局家がない、つてがないという人が再度保護観察所に支援を要請する方、そういった方々も対象者に含まれていますので、そういった制度等を用いた住居支援の対策も行うことができます。住居確保要配慮者というところについては、また今後何らかの機会でご質問をするかと思いますが、町においてはぜひとも当該事例が発生した際には、事務手続の遅滞がないよう準備についてはしっかりと整えていただきますよう重ねてお願い申し上げます。①番、③番の質問については再質問はございません。では、2番目の部分について再質問させていただきます。福祉サービスの対象者となる方はもちろん、本質問のような刑務所から出所した者に対しても特にプライバシー、厳重な個人情報保護、プライバシー管理、それから情報漏えい対策というところは万全を期すことが求められます。一方、今回の刑法改正、そして第2次計画におきましては切れ目のないシームレスな支援が重要であるとしておりまして、そのためには自治体等の推進策だけではなく、町長も先ほどありましたが、住民理解の促進というのも大変重要であります。刑務所から出所してきたというワードがどうしても独り歩きをしてしまって、ネガティブなイメージが先行してしまうのではないかと危惧するところでもあります。先ほど資料6でも示しましたが、基礎自治体における理解促進、人材育成が示されております。これについては、ぜひとも町の職員のほうにも取り組んでいただきたいところでありますが、これに加え町民への理解促進というのも大変重要になってくるわけであります。さきにお示ししたとおり、受刑者の一定数に何らかの障がいを抱える方がいること、生きづらさを抱え、支援体制がないことで再犯を繰り返す者がいる、支援を受けることで再犯を防止、抑止できる、こういったことを広く啓発する必要があるのではないかと思っております。ここで町長に再度お伺いいたします。第2次計画の趣旨にのっとり、町民理解の促進についてどのようなお考えがあるかお聞かせください。
答弁 福祉部長 森淳一(福祉部長は2025年12月まで)
ただいまの角田議員の再質問にお答えいたします。令和元年度に北海道が行った道民への意識調査によりますと、犯罪をした人の立ち直りへ協力しない、あるいはできないという回答の理由を問う設問におきまして、自分に何ができるのか分からないといった答えが一定数ございました。再犯リスクを抱える方への支援につきましては、議員もご指摘のとおり、行政だけではなく地域の方のご理解とサポートが必要というふうになります。町といたしましては、石狩地区保護司会当別分区と連携し、社会を明るくする運動などを通じた更生保護の普及啓発に取り組んでおりますが、今後におきましても様々な生きづらさを抱えた方への福祉サービスの提供はもとより、地域の方へのご理解を深めていただくため、情報の提供や啓発に努めてまいりたいというふうに考えてございます。以上、角田議員の質問に対する答弁といたします。
質問 1番 角田広佑
担当部局からのご答弁ありがとうございます。おっしゃるとおり、本当に何を、どういう協力をしていいかが分からない、そのとおりでございまして、やはりそういったところでそういった方々への部分での啓発も必要であるでしょうし、それから今お話あった保護司、そういった受刑者、刑務所から出た方に対しての面談等をして更生を支援するという立場の専門職がおります。そういった方々とも今社会を明るくする運動を行いながら、啓発を行うということでご答弁いただきました。私も社会福祉士として、そういった受刑者への面談等をさせていただいておりますが、重罪人というのはそんなに多くはないというか、いわゆる常習の窃盗、万引きを繰り返す人であるとか、あと薬物とか、そういった方々と関わることが結構多くて、やはり地域の生きづらさであるとか、生活どうしていいか分からないという実例もあります。そういったところを私もいろいろと協力していきながら、啓発に向けてやっていきたいなと思っております。ご答弁ありがとうございました。それで、最後なのですけれども、冒頭にお話をしました詐欺被害で犯人が逮捕された案件、町の担当部局等が非常にスムーズな連携で犯人逮捕につながったというふうに理解をしております。最後、これについて町長の所感をお伺いをして今回質問終わらせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
答弁 町長 後藤正洋
刑法が変わったということに関連をして、この3月からいろいろと町内で起きているという前提も踏まえまして意見を求められたのかなというふうに思います。今回2月から3月にかけて起きた事件、そして先月起きた事件、そして今月とありましたけれども、やはり地域がまとまっているという、この地域性といいますか、そこを最大限に活用、活用と言うとちょっとおかしな言い方になるかもしれませんけれども、そういった連携がしっかりしている地域力というものが今回の逮捕劇に私はつながったのかなというふうに思っております。特にそれぞれの町内会組織ですとか、あるいはSNSを駆使した連絡網ですとか、あるいは町内会独自の連絡網、そしてまたそれぞれの福祉関係の人たちですとか、あるいは町内会のいろんな連絡網、そういった中でやはり自分たちの近所におられる独身のご高齢の皆さんにしっかりと寄り添って、そういった人たちの安心、安全を確保しよう、そういった思いがふだんからいろんな組織を通じてお願いをしていっている。そのことをそれぞれの立場で実践をしていただいていることが今回の連携の早さ、そしてそこが抑止力にも当然なっていますし、今回の逮捕劇につながったのかなというふうに思っております。そういった意味では、行政が単にいろんな情報を流して迅速にということだけではなくて、そういったこれまでのいろんな地域、あるいはそれぞれの役割の中での取組の積み重ねがあったおかげで今回の結果が出たというふうに私は理解をしておりますので、今後もこの当別のいい意味での地域性をもっともっと伸ばしていく中で、犯罪の少ない、あるいはそのこと自体が抑止力になるような地域づくりができていければいいかなというふうに思っております。以上、十分ではないかもしれませんけれども、それぞれ取り組んでいただいている多くの皆さんに私からもお礼を申し上げさせていただきまして、今回の評価につなげたいというふうに思います。以上です。