みんなの議会

鹿追町議会 令和4年第1回定例会 2022年3月16日

「鹿追町修学資金貸付事業」の拡充と奨学金返還支援について

2022年3月16日、鹿追町議会の一般質問で、山口優子議員が質問し、町長 喜井知己、学校教育課長 宇井直樹が答弁しました。

質問者
山口優子 議員
答弁者
町長 喜井知己、学校教育課長 宇井直樹

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は町のサイトの一般質問の一覧の表記です。

質問 2番 山口優子

議長の許可をいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。「鹿追町修学資金貸付事業」の拡充と奨学金返還支援について。御答弁は町長にお願いいたします。大学などの学費の高騰により、大学生の2人に1人が何らかの奨学金を利用しています。奨学金制度は、教育に対する公的支出の水準が低い日本では、今や重要な社会インフラのひとつとなっています。鹿追町にも「修学資金貸付事業」があります。4年制大学の例では、月 10 万円、合計480 万円を無利子で借りることができます。この事業は、鹿追高校の入学者の確保を目的としているため、鹿追高校卒業生以外は利用できません。この制度を拡充し、ほかの町民にも奨学金を利用できるようにしてほしいと思いますがいかがでしょうか。また、国は「奨学金を活用した若者の地方定着の促進」を進めています。大学などを卒業後に、町内に居住、又は就業した若者に対し、奨学金返金を支援するなどの取組をしている市町村に対し、特別交付税措置を行なっています。この「奨学金返還支援」は、令和3年6月時点で全国で 33 府県 487 市町村が取り組んでいます。この中には鹿追町も含まれており、鹿追高校卒業かつ医学・介護福祉分野への町内就職が条件となっております。他市町村の取組例では、自治体独自の奨学金の返還を免除する場合と、日本学生支援機構の奨学金の返還を免除する場合と大きく2つのパターンがありますが、地域へのUターン・Iターンを促進するため、出身高校の条件なし、就業先の業種の指定なし、としているところもたくさんあります。鹿追町修学資金貸付事業の対象者を拡充すること、また、定住促進のための奨学金返還支援について、町長のお考えをお伺いいたします。

答弁 町長 喜井知己

山口議員からは、「鹿追町修学資金貸付事業の拡充」と「奨学金返還支援について」二点御質問をいただきました。お答えいたします。まず、一点目の「修学資金貸付事業の対象者の拡充」についてお答えいたします。修学資金貸付制度につきましては、地元鹿追高等学校の特色ある教育活動を支える教育環境整備の一環として平成9年に条例を制定しまして、鹿追高等学校を卒業した生徒が大学等に進学した場合、希望する方に無利子の修学資金の貸し付けをして、保護者の負担軽減を図るとともに、生徒の希望する進路の道を切り開き、優秀な人材の育成を図ることを目的として実施をしているところであります。過去に貸付対象の拡大等も行なってきたところであります。また、本町では約 20 年にわたり、幼小中高一貫教育を教育政策の柱に据えて、これまで多くの諸課題を乗り越えながら、鹿追高等学校、町の最高学府と位置づけて、魅力ある高校作りに最大限の協力を行なってきておりまして、更に中高連携の指定を受け、町内中学生に限っては入学者学力選抜の方法によらず英語による面接で連携入試を行うなど鹿追高等学校への進学を前提とした特色ある一貫教育に取り組んできているところであります。さらに、カナダのストニィプレイン町の海外派遣事業、通学費補助、あるいは公設塾など様々な支援策を講じているのは御承知のとおりであると思っております。この修学資金の貸付制度はこういった趣旨で設計された制度であります。他の高校へ進学した場合との相違点が当然特徴であります。対象者を拡大するということは、元々のこの修学資金の趣旨とは異なるということもございます。現状としては困難ではないかと考えているところであります。今後におきましても、本町の特色ある一貫教育の継続について改めて町全体の機運の醸成、これは図っていく必要があると考えているところであります。次に二点目の定住促進のための奨学金の返還支援についてお答えいたします。平成 10 年4月のこの貸付事業の開始以来、現在まで 195 人の方々が利用をされておりまして、貸付総額も4億円を超える状況にあります。また、この返還免除、債務免除については医療の関係に加えて介護等の福祉においても一定の条件を満たした場合に償還債務の免除を対象とするなど、制度の拡充も図ってきているところであります。一方、定住促進を目的とした奨学金の返還支援については、人口減少の克服や地方創生の取組で経済的負担の軽減を図り、若者のふるさと回帰、地域産業の人材確保、あるいは労働力の定着と地域活性化に資するメリットも当然あると考えているところでありますけれども、国が実施している給付型の奨学金もあります。町が、単独で支援する場合については地域づくり・人材育成の観点、あるいは全体的な公平性なども含めて慎重に検討する必要があると現時点では考えておりますので、御理解、御協力をお願い申し上げまして答弁とさせていただきます。ありがとうございました。

質問 2番 山口優子

御答弁ありがとうございました。奨学金の利用者については、1996 年でしたら5%、2014 年で 20%、2016 年以降は 50%の学生が奨学金を利用しているということでございます。元々は貧困対策ですとか経済的困難みたいな話だったのですけれども、大学や専門学校の学費がものすごく高騰していて、国立大学の学費は 1975 年では年間3万 6,000 円、私立大学は 18 万円だったところが、近年は国立大学で 54 万円、私立大学だと年間 100 万円とものすごく高騰していまして、4年間の授業料だけで 216 万円から 400 万円ぐらい、また自宅外から大学へ通うとなると、それに加えて 400 万円から 500 万円更にかかるという状況です。日本学生支援機構の 2018 年のデータでは、平均の借入総額は 1 人当たり 343 万円となっています。これは毎月 1 万 7,000 円を返済してそれが 15 年間続くイメージです。大学を卒業して 40 歳近くまで返済があるイメージかと思います。この 40 歳までの間には、やはり結婚や出産といった生涯のお金がかかるイベントとかもありますし、こういったことで若者が結婚に前向きになれないとか少子化の原因になっていると言われています。町長からは、鹿追高等学校を支援するための元々の趣旨で始まったということなので、対象者を拡充することはちょっと趣旨と変わってくるというようなお話でございました。元々鹿追高等学校を支援するために始まった制度だということは私も十分理解しておりますし、決してその趣旨を否定するものではございません。ただ、鹿追高等学校存続のための支援は行政課題であって、今私が申し上げているのは、鹿追町民高校生全体に対する教育支援、子育て支援で、鹿追町の全ての子供たちが家庭の経済状況に関わらずに、進みたい道へ進むための支援についてはどうかという点でお話をしております。もちろん鹿追高等学校に進学した場合、また他の高校へ進学した場合、これの差別化は必要だと思いますので、鹿追高校生と全くの同額ではなくても、例えば鹿追高等学校を卒業した方については、毎月 10 万円を支援する、他の高校へ進学した人については5万円と差をつけても構わないと思います。全ての鹿追町民の高校生を対象とした支援を考えていただきたいなと思っています。鹿追高等学校を卒業した方と同額ではなくても、何らかの教育支援があることで鹿追町は町外の高校へ通う高校生・大学生のことも考えていると、気に留めている姿勢を見せることができると思います。そういう姿勢を高校生・大学生のうちに鹿追町が見せることで、学生たちは「自分は鹿追町民である」という自覚が生まれるかと思いますし、鹿追町とのつながりを感じて自分が育った町というのを忘れることがないのかなと思います。そういう意識が将来的に鹿追町で就職しようとか、鹿追町に戻ってこようとか、また町外に出ていっても鹿追町にふるさと納税しようかなとか、そういう気持ちにつながるかと思うのですが、その点お伺いします。

答弁 町長 喜井知己

お答えいたします。現状の鹿追町修学資金の貸付条例の趣旨については、山口議員も御承知をいただいているとおりと思っています。以前にも山口議員からの御質問をいただいております。そのときもおおむね同様のお答えしていると、議事録を見ましたけれども、そういったお答えでありました。修学資金条例についての趣旨はお話ししたとおりでありまして条例の内容を変えて鹿追高等学校以外の方にということは、何回も申し上げたとおり、この制度を拡充して鹿追高等学校に進学した子以外のという形は、私は現状では考えておりません。もし仮にあるとすれば国、あるいは他町で実施をしている奨学金の返済に係る助成制度の可能性はあるのかなと思っております。鹿追高等学校に進学した方に対する修学資金の貸し付けをしているので、他の学校に通っている子と区別をしようという元々の趣旨ではなくて、鹿追高等学校を存続するというのがこの無利子の貸付条例の一番の趣旨でありますから、違う趣旨であれば違う方法を考えるべきなのかなと私は思っております。当然、将来的に鹿追から巣立った方が将来鹿追で就職していただいたり、いろいろ活躍していただくというのは、これは大変ありがたいことですので、この修学資金だけに限らず地方への移住とか、地方へ住んでいただく政策という中でも含めて、いろんな方法が多分あるのかなと思っておりますので、繰り返しになりますけれども、現状の町の修学資金条例を、今のところ改正して他校への進学の方ということは今のところ考えておりません。国やいろいろな形で修学と奨学金の制度がございます。授業料等々多額になっていることも私も承知していますし、授業料のほかに家から通えるわけではないので、いろんな経費が当然かかります。これはもっと大きな視点でいくと、国で給付型の奨学金みたいなものも所得に応じて措置されておりますが、もっともっと拡充がされる必要があるのかなと、全体的には私は考えております。

質問 2番 山口優子

元々の設立の趣旨と変わってくるので現状では考えていないという御答弁でした。私は条例の趣旨がこうだからもう変えないということではなくて、今後、子育て支援・教育支援をどうしたらいいかということを考えたときに、この事業をリフォームといいますか、拡充したり改変したりすることによってより対応できるのではないかと思いますし、時代の流れですとかそういう学費が高騰している状況、平均賃金が上がっていない状況、そういう状況を見て柔軟に対応するべきかとは思いますが、町長のお考えは理解できました。奨学金を活用した若者の地方定着の推進についてですけれども、こっちがまだ可能性はあるのかなと町長おっしゃっていただいていたので、こちらに話を進めたいと思います。まず鹿追町の修学資金貸付制度についても債務免除の規定があります。これは、鹿追の国保病院で医師として6年勤務、又は鹿追町内の福祉施設で介護福祉士として6年勤務の場合免除と。6年以下でもパーセンテージがあって免除があるのですけれども、この制度で過去に免除になった方というのはいらっしゃるのでしょうか。

答弁 学校教育課長 宇井直樹(学校教育課長は2024年3月まで)

今この制度を使って免除になっている方は1件いらっしゃいます。

質問 2番 山口優子

それは介護福祉士の方ですか。

答弁 学校教育課長 宇井直樹(学校教育課長は2024年3月まで)

はい。

質問 2番 山口優子

はい。分かりました。この介護福祉士として6年勤務したときに免除になるということは免除を負担するのは町内の事業所で免除するということで町では負担はしておりません。また国保病院で医師として6年勤務というのもなかなか対象者が狭くて、ないとは言いませんけれど、なかなか厳しい例なのかなと思います。ですので例えば他の町村でやっているように、看護師ですとか薬剤師、また保育士とか今後町で人手不足が想定されるであろう職種にも検討してはどうかなと思っています。この奨学金を活用した若者の地方定着の推進、これはもう国としても進めていまして、町としては、移住定住促進というメリットがあります。若者にとっては経済的な負担軽減・就職支援、また町内の企業・事業所にとっても人手不足・担い手不足の解消であったり人材の確保、従業員の定着、そういったメリットがあります。町長からはメリットがあることは分かっているけれども、公平性なども含め慎重に検討するという御答弁でした。近隣の町村ではもう取り組まれているところが多くて、清水町ですと5年の居住で最大72 万円の免除ということになっています。清水町の場合は、清水町に住んでいて町民税が課税になっていれば、勤務地は帯広市でも近隣の町村でもどこでも可能ということになっています。陸別町は4年で、町内の就業で最大 240 万円の免除とすごい額なのですけれども、また芽室町でも、34 万 5,000 円の免除。これは総額になりますので複数年です。士幌町では、士幌高校生とそれ以外と二つになっていまして、士幌高校生は就農した場合や教員になった場合。条件がなく士幌高校生以外にも門戸を開いている場合では看護師や介護福祉士など条件の職種を指定して、年間1~2人募集しているということなのですけれども、取り組んでいる町がたくさんあります。町民税の課税という清水町みたいな条件をつければ、町の負担というのはそんなに大きくないかなと思います。その方の町民税に対応する額分ぐらいの奨学金を支援するみたいなイメージで制度を作っていただければいいかなと思うのですけれども、そうすると町の持ち出しはほとんどないですし、さらにその人がもたらす経済活動ですとか、経済効果、人のにぎわいというところは、かなりあると思いますが、そういった点の公平性を鑑みて慎重に判断というお話でしたけれども、もう少しその辺りどのようにお考えなのかお願いします。

答弁 町長 喜井知己

お答えいたします。前段の町の現行の修学資金の返還免除、介護士の関係については、これはそもそも事業者からぜひこういった形で実施をしてほしいというのが一番のきっかけで、人材確保の面から、その法人で負担したいということで始まった制度と認識しております。今の他町での奨学金返済の助成についていろいろ事例も紹介をしていただきました。まず一つとしてうちの町は独自に鹿追高等学校の生徒が対象ですけれども、無利子の修学資金の条例があるということで、これはほかの町とはっきり違うと私は思っています。それは鹿追高等学校の支援という側面がもちろん大きいですけれども、そういったことで地元の子供たちを支援したいことも、大きな一つの状況だと思っております。奨学金のこの返済免除あるいは助成について、いろいろやり方があるとは思います。ただ、これは当然一部特別交付税の措置があるとはいえ、当然対象をどんどん広くすればするほど一般財源の持ち出しも多いわけであります。特別交付税といっても全額をみてくれるわけではありませんので、もし実施するとしたらしっかりとした制度設計をしなければなりません。先ほど山口議員から税金相当云々という話もしましたけれども、現実的にはその人がどういった状況になるかは計り知れないところであります。特別交付税の措置を受けられる条件も全ての方が特別交付税の対象になるということでもありませんので、いろんな条件もありますので、この関係についてはしっかりと研究をしていかなければならないのかなと思っております。この制度を利用して鹿追に戻って来ていただける方が増えるのがもちろん理想でありますので、これはしっかりと研究をさせていただきたいと思います。

質問 2番 山口優子

若者にとっては奨学金の返還を支援してもらうということは鹿追町内で働くことのモチベーションであったり、その企業や鹿追に対して愛着を持つことにつながると思いますし、地元で頑張ろうであったり、その企業に貢献しようという気持ちにつながるのかなと思っています。京都府の例ですけれども、奨学金の返還を6年で 90 万円支援しているのですけれども、これは6年間で 45 万円ずつ京都府とその就職先の企業と半分ずつ負担しています。従業員の定着に着目し、離職率が高い3年未満に注目して3年目までを手厚い保障にしています。どの企業の事業所にとっても新入社員が1年、2年で辞めてしまうということのコストや、それを税制上経費にできるというメリットを考えて、奨学金返還支援制度を活用する企業はどんどん増えていっています。2021 年4月から奨学金の代理の返還が税制上の優遇措置を受けられるようになったので、例えばトヨタグループであったり、大和証券グループであったり、そういった企業 120社ほどの企業が、新入社員に対しての奨学金の返還の支援の制度をもっています。これはどんどん増えていくと思いますし、やはりそういった返還支援をしている大企業、都会にある大企業と比べて鹿追町にどういったメリットがあるのか、どうやって鹿追町に移住してもらうのか、定住してもらうのか、そういった点をやはり考えていかないといけないと思いますし、そういう制度があるからといって移住者が爆発的に増えるとは私も思っておりませんけれども、ほかの町村で取り組んでいることをただ見ているだけではやはり置いていかれるのかなと思います。都会から田舎へ、自然豊かなところへUターンしたいとか、Iターンしたいと思うような人生のタイミングは3つありまして、まず1つは、子供が生まれたときだそうです。子供にとってよい環境で子育てをしたい。ここに注目していろんな自治体が子育て支援、鹿追町も充実させていっていますけれども、子育て支援を手厚くしていっています。二つ目が定年のときです。定年を迎えられたとき。三つ目は 25~29 歳の入社して3年ぐらいのときに転職したい気持ちが高まるのだそうです。また、最近ではコロナ禍でやはり住む場所問わずにテレワークで仕事ができることもありますし、そういう 20 代で移住しようかな、Iターン、Uターンしようといった思いがある人に対しての施策というのも必要かと思います。例えばそのときに鹿追町に3年住めば奨学金返還の支援があるとかが分かれば、若者にとってはすごく魅力的だと思います。又、企業版ふるさと納税の制度を活用して、奨学金返還支援に対しての基金に寄付をしてもらう方法をとっている自治体もあるそうです。私の質問をこれで終了としますけれども、最後に移住定住に向けてどう取り組んでいくのか、町長のお考えをお伺いします。

答弁 町長 喜井知己

移住定住というひとくくりでは非常に範囲が広くて、今回、奨学金等々の返済支援という観点ですから若者ということになろうかと思います。確かにおっしゃるとおり、鹿追町に来て定住なり職に就けば奨学金の一部の支援があるというのは当然メリットであることは間違いないと思います。それによる効果も当然期待できるわけですけれども、いずれにしても自治体と企業が協力してというケースもあります。先ほどの介護施設の関係は、町は負担をしていないわけですけれども、ただ、町は原資としてしっかり修学資金を基金に積み立てるなりして、資金の運用もやっているわけです。今は何とか皆さんきちっと返済をしていただいていますけれども、やはりこれからの社会情勢で厳しい面ももしかしたら出てくるかも知れません。町としてもしっかり対応していると私は思っております。ただ、今回いろいろお話がありました修学資金、奨学金の返済支援についてはいろんな事例、それから近隣町の状況ももっと状況を調査して、実施するとしたらどういった形がいいのか、先ほど申し上げたある程度やはり公平性も考えなければなりません。それから町の負担も総合的にしっかり検討してまいりたいと思っております。

質問 2番 山口優子

はい。ありがとうございます。

出典:鹿追町議会 令和4年第1回定例会 2022年3月16日 議事録 PDF(24ページ) 間違いを知らせる