士別市議会 令和5年第3回定例会 2023年9月13日
コミュニケーション支援条例制定について
2023年9月13日、士別市議会の一般質問で、加納由美子議員が「コミュニケーション支援条例制定について」質問し、健康福祉部長 東川晃宏、生涯学習部長 三上正洋が答弁しました。
- 質問者
- 加納由美子 議員
- 答弁者
- 健康福祉部長 東川晃宏、生涯学習部長 三上正洋
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は市のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 5番 加納由美子
続きまして、コミュニケーション支援条例制定について伺います。北海道障害者の意思疎通の総合的な支援に関する条例において、障害の特性に合わせて、社会的障壁を解消するための多様な手段があることへの理解が進んでいないので、支援する者の養成等の推進を道、市町村、道民、障害者意思疎通支援者を支援する者、関係団体及び事業者がそれぞれの役割を認識し、一体となって取り組んでいかなければならないとあります。士別市も、この条例にのっとり、当事者の声を踏まえ、支援者、関係団体と取り組んでいることと思います。現在どのような施策がなされているのでしょうか。障害に応じて、点字、音声、手話、要約筆記、文字拡大、絵図等の提示、平易なまたは具体的な表現と数多く存在いたします。聴覚障害者へのコミュニケーション支援は、聞こえない人と聞こえる人の間に入り、円滑に意思疎通ができるように支援します。これは、言葉の置き換えだけではなく、ろう文化とも言われる、ろう者の方々の考え方を尊重しつつ、聞こえる人と双方の対人支援も含まれます。手話に対して差別や偏見の歴史が長くあり、音声言語が上で、手話は語彙が少なく身ぶりが差別的な偏見があった長い歴史がある中で、対等な言語であることの理解への普及も求められます。手話サークルは、手話を学ぶための入り口ではありますが、通訳者養成の場所ではありません。士別市を含む上川北部8市町村の広域による手話奉仕員養成講座が毎年開催されています。市町村の必須事業となっており、要約筆記の講座に奉仕員養成はありません。この講座は誰でも受講できます。手話の講座は入門、基礎合わせて40講座を5月から11月まで週2回通います。受講後身につく技術は、特定の聴覚障害者とならば手話で日常会話ができるようになるということです。通訳者と呼ばれる資格を得るためには、手話通訳者養成講座を受講し、試験に合格せねばなりません。通訳者養成講座は、旭川か札幌に行く必要があります。交通費、宿泊費はもちろん、テキスト代から試験料まで全て自己負担です。私たちの年代は中学、高校で6年間英語を習いましたが、日常会話はおろか、挨拶すら自信がないと感じているのは私ばかりではないはずです。手話という新しい言語には、多くの聞こえる人は、成人と言われる年代を過ぎ、生活が一段落し、以前から興味があったので始める人が多いのです。手話通訳を仕事として成り立たせるための職業枠が非常に狭き門であり、試験が難しいということも壁となっています。職業として成り立たないため、支援者は女性が多いのです。家庭や仕事と両立させながら、触れたことのない手話という言語を身につけるのは容易なことではありません。一方、ろう者にとっては、職場の人間関係、病院の受診等、命や自分の生活に関わる通訳を依頼するのですから、信頼でき、技術の確かな人に頼みたいものです。手話と要約筆記登録者は、通訳の責任は重く、守秘義務等の倫理感、円滑に現場を乗り切る力量を身につけるために各種研修会に自腹で参加します。士別市が予算をつけていただいている研修は年1回90分程度です。要約筆記者の育成も同様に全て自己負担となります。次の世代の通訳者を育てるため、そして現在活動している登録者が今後も活動し支援を続けるためには、養成と技術を維持するための学習機会を保障するための条例が必要だと考えます。昨年、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が施行されました。アクセシビリティーとは、近づきやすさ、利用しやすさ、便利であることです。基本理念は、障害の種類、程度に応じた選択ができること。防災、防犯の情報習得や緊急通報の仕組みの整備、手話通訳者、要約筆記者の確保、養成、資質の向上も明記されています。この法律ができて1年以上経過しています。市としてはどのようなお考えなのでしょうか。視覚障害についても、見え方は人によりいろいろです。加齢や病気があり、見えづらい人から全盲の方までおられます。聞こえに関しても同じです。最近聞き取りづらくなってきた、声は認識できるが何を言っているのか意味が分からないという経験は私も同様にあります。年齢を重ねると、見えづらい、聞こえづらいが日常となってきます。時代の変化で新しい言葉が多く創出されますが、聞き慣れない言葉は聞き取れないものです。近づきやすく、便利であるためには、お金をかけなくても文字を大きくする、絵を含めた表示を心がけることで利用しやすくなるものです。士別市の高齢化率は今後も増加が予想されます。情報をスムーズに伝える取組は、生きる質の向上に直結します。住みやすいまちづくりとなります。士別市まちづくり条例において、第26条、市民、議会、行政は、高齢者や障害のある人などもまちづくりに参加できるよう、その環境づくりを進めますとあり、環境づくりといっても漠然としています。士別市人づくり・まちづくり推進協議会条例の中に、委員が10名以内となっています。その中に障害当事者は何人いるのでしょうか。SDGs、持続可能な開発目標の考え方は、アルファベットの羅列ということもあり、何度聞いても、意味が分からないという人もいるかもしれませんが、士別市も積極的に取り組んでいることと承知しております。SDGsの観点から、士別市のコミュニケーション支援をどのように推進する予定なのか、お考えを伺いたいと思います。障害のある方が生活しやすい場所は、全ての人にとっても快適なものになります。コミュニケーション支援条例は、まちづくり条例となります。福祉条例ではなく、市内に生活する皆さんが、該当し得る大切な条例です。条例制定に向けての提案と市の見解を伺い、質問を終わります。 (降壇)
答弁 健康福祉部長 東川晃宏
ただいまの御質問にお答えします。初めに、北海道障害者の意思疎通の総合的な支援に関する条例、通称北海道意思疎通支援条例に基づいた市の取組についてです。この条例では、障害者の意思疎通支援に関して、道の責務や道民、障害者、事業者の役割を明確化するとともに、市町村にはその支援に関する取組に対して連携や協力することが求められています。市は本年8月、意思疎通の支援が必要な場面へ手話通訳者や要約筆記者、いわゆる意思疎通支援者を派遣する聴覚障害者等意思疎通支援事業を見直しました。見直しに当たっては、聴覚障害者とその支援者の双方から御意見をお聞きし、派遣対象事業の明確化や支援者の増員など、より利用しやすい制度となるよう協議を進めてきました。市では、この事業に限らず、障害福祉に関する事業の新設や見直しを図る場合は、利用者やその支援者、関係機関からの御意見等を踏まえた制度設計を心がけているところです。次に、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律、通称障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法についてです。この法律は、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目的としており、市町村には障害者による情報の取得や利用、意思疎通に係る施策の実施等が責務として求められています。市では、さきの質問に市長が答弁いたしましたが、登録者応用講座や市民手話講習会、上川北部広域手話奉仕員養成講座の周知など、手話や要約筆記の普及、技術向上に努めています。特に広域手話奉仕員養成講座は、来年度、本市での開催も検討されており、受講のしやすさから、手話奉仕員の拡大につながるものと期待しているところです。また、市では障害者の日常生活に必要な生活用具等を給付する日常生活用具等給付事業により、時刻や通知などをフラッシュや振動で知らせる聴覚障害者用屋内信号装置の給付をはじめ、視覚障害者が外出先でも文字の読み取りが可能な持ち運び式の小型拡大読書器、電子ルーペを給付の対象に加えるなど、支援の充実に努めているところです。また、今月の下旬には、聴覚障害者からの119番緊急通報に対応するため、本人と消防署が打合せを行い、その対応について確認を行う予定であります。こうしたことなどは一例ですが、市は、障害者が安全で安心な日常生活、社会生活が営めるよう、障害の種類や程度に応じ、必要な意思疎通の支援方法を整えておくことが必要と考えており、国や道のサービスを活用するなど、可能な限りの支援充実に努めてまいります。次に、士別市人づくり・まちづくり推進協議会の委員についてです。この協議会は、市の生涯学習の総合的かつ効果的な環境や条件等整備を図ることにより、生きがいと住みよいまちづくりの推進を目的に設置しています。委員は、様々な職業、世代の方で構成され、障害の当事者は委嘱されておりませんが、社会福祉法人に勤める方も参加されており、福祉の視点からの御意見などもいただいているところです。次に、SDGsとコミュニケーション支援の推進についてです。SDGsは持続可能な世界を実現するため、17の目標と169のターゲットから構成され、誰一人として取り残さない社会の実現を目指す、2030年までの国際社会全体の開発目標です。障害者に関係するSDGsの目標は、4、質の高い教育をみんなに、8、働きがいも経済成長も、10、人や国の不平等をなくそう、11、住み続けられるまちづくりをなど6つの目標が考えられます。10、人や国の不平等をなくそうでは、ターゲットでは2030年までに障害者など全ての人々に社会的、経済的、政治的に排除されず、参画できる力を与え、その参画を推進すると示されています。国も障害者差別解消法に基づき、不当な差別的取扱いの禁止や、それぞれの障害者に寄り添うための合理的配慮の提供など、差別解消に向けた取組を進めており、市も法やSDGsの考え方に基づき、2030年の目標達成に向け、障害者が安心して住み続けられるまちづくりと意思疎通の円滑化に努めてまいる考えです。次に、コミュニケーション支援条例についてです。この条例の制定状況は、全日本ろうあ連盟の資料によりますと、本年7月現在で全国の108自治体、道内では北海道、札幌市、小樽市の3自治体となっています。コミュニケーション支援は、手話や要約筆記以外に、点字や音声など、障害の特性に応じて多様な手段を用意することに加え、市民や事業者の理解と配慮、支援者の養成、確保等が求められており、そうした環境を整えることが難しいことなどから、条例化が進んでいないものと推測いたします。このため、まずは意思疎通支援者の養成や技術の向上など、当面の課題を解決するため、手話通訳者、要約筆記者養成講座の受講支援や要約筆記者の機器更新助成など、新たな支援策の検討を進めてまいります。条例化には、市民や障害者、事業者それぞれに役割を設け、市が行う支援施策への協力や、手話や要約筆記以外にも多様な手段を整えることなど、手話言語条例よりもさらに多くの関係者や事業者、障害者等からの御意見を踏まえる必要があります。このようなことから、既に条例化している札幌市や小樽市の取組や、国、他自治体、障害者団体等の動向を注視する中で、必要性やその効果等についての調査・研究に取り組んでまいります。以上申し上げ、答弁といたします。 (降壇)
再質問 5番 加納由美子
今御答弁いただいた内容から、再質問させていただきます。まず、支援者の養成に関して、さきの手話言語条例のときに市長のほうから5名から7名を目指しますとありましたが、そちらの目指す、どのような順序で目指していくのか。私の質問では、個々人の自腹、自分の意思と自分のお金で登録になったり、手話通訳の資格を得たりしているので、今後は支援をしていただきたいというお願いをしたつもりだったのですが、単に5人から7人を目指すということに関しては、コミュニケーション支援条例を制定する中において、立場をきちんと、しっかりとした中で、お金も支援するという方向の条例をつくってほしいというのが私の考えの中にあります。あと、障害当事者は何人いるのでしょうかということに関して、現在はいないということでしたが、関係者はいらっしゃるということですが、福祉関係の方が、福祉課の方でしたら、私たちのことを私たち抜きに決めないでほしいという大きなスローガンがある中で、当事者が今入っていないという現状に対してどのようなお考えなのか、今後は、私はやはり入ってもらって一緒に相談をしていく、環境づくりをしていくということが一番大切なこと、そこがベースになると思っていますので、関係当事者がいない中で相談をするということに関してどのような問題意識を持っていらっしゃるのか、その辺りを伺いたいと思います。
答弁 生涯学習部長 三上正洋(生涯学習部長は2025年3月まで)
ただいまの御質問にお答えさせていただきます。私のほうから、士別市人づくり・まちづくり推進協議会の委員についてということで教育委員会のほうでこちら事務局を持っているということなので、それに基づいて私のほうから答弁をさせていただきたいと思います。今、東川部長のほうから答弁がありました。障害者当事者は委嘱されていないということが今の現状でございます。今の議員の様々な御意見もいただいた中で、次回のこの人づくり・まちづくり推進協議会の中で、そういった障害者の当事者、これに対しての中に入って一緒に議論をすべきというところの有用性は今私も感じておりますので、その辺の議論を進めさせていただきたいと思います。以上です。
答弁 健康福祉部長 東川晃宏
加納議員の再質問にお答えします。最初の1問目の意思疎通支援者の養成という部分での支援という部分で、答弁の中でお答えさせていただきましたが、新たな支援策の検討を進めますということで、手話通訳者や要約筆記者養成講座の受講支援、もちろんそこにかかる費用については一部を行政のほうで助成していきたいという考えでありまして、時期についても来年度の予算に向けて、そこについては考えてまいりたいというところで答弁させていただいたつもりでありました。