士別市議会 令和2年第4回定例会 2020年12月15日
地方行政の財政確保と地域経済の回復・発展のために
2020年12月15日、士別市議会の一般質問で、渡辺英次議員が「地方行政の財政確保と地域経済の回復・発展のために」について質問し、市長 牧野勇司、副市長 相山佳則が答弁しました。
- 質問者
- 渡辺英次 議員
- 答弁者
- 市長 牧野勇司、副市長 相山佳則
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は市のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 10番 渡辺英次
通告に従い一般質問を行います。今回は、本市における自治体運営を安定的なものにする上で重要な財源確保の観点から、国政のかかわりにも触れますが、地方交付税が歳入の主軸となっている本市においては、国政に対する考え方は切り離せるものではないとの考えから、このたびの質問テーマといたしました。資料を準備いたしましたので、資料を用いながら質問を進めます。本年、令和2年は本来であれば7月22日から8月9日の日程で東京オリンピック・パラリンピックが開催され、東京都はもちろんのこと地方への経済効果も期待されておりました。しかしながら、新型コロナウイルスによる世界的な感染拡大により開催が1年延期となり、現段階ではIOC、日本政府及び組織委員会も規模縮小を視野に入れた中で実施する方向と発表していますが、今後、パンデミックがどのように収束するかによっては予断を許さない状況と言わざるを得ないと思います。日本は20年以上にも及ぶデフレ下により、特に地方経済は危機的状況にあります。本市においては、財源の多くが国からの地方交付税や各種補助金等により運営されていることから、財源確保が何よりも重要なことであることは言うまでもありません。このように、経済情勢や自治体運営の現状、あわせてコロナ禍による先の不透明さを考慮すると、首長の責務は地域の活性化を踏まえた自治体運営であり、このたびの質問は歳入、すなわち財源確保に対しての市長の考えを問うものです。本市では現在、士別市財政健全化実行計画の策定に向けて準備を進めています。計画案によると、令和3年度から令和7年度までの5カ年間で31.7億円の収支不足が発生する危機的状況にあるとの見解を示しました。年平均で6.3億円の収支不足となることから、計画案では市職員の定員削減や職員の給与独自削減、補助金を含む各種事業の廃止や凍結、公共施設の存続も示唆する内容となっております。一方、歳入の確保については、市税歳入の確保、ふるさと納税制度の活用、J-クレジット制度の活用、未利用財産の計画的売却、そしてその他あらゆる歳入の確保と示されております。まずは歳入の確保に挙げられた項目に対してどの程度の歳入増加を見込んでいるのか、お示しください。また、あらゆる歳入の確保と示されているこの抽象的な項目はどのようなことを想定しているのかもお知らせください。あわせて、このたびの計画案では、いわゆる緊縮財政となっており、行政が縮小することは本市全体の経済やサービス並びに市民自治の後退につながると考えます。さきに佐藤議員も質問していましたが、改めてどのような見解をお持ちか、市長の考えをお聞かせください。職員数では5カ年で30人の削減をするとの内容が組み込まれていました。本日付の新聞報道によると、市職員労働組合連合会との労使交渉で、12月8日妥決になったとありましたが、公務員の責務は平常時の市民サービスだけに尽きません。根底にあるのは、災害やこのたびのコロナ禍のような非常時に確実に市民の命と財を守ることだと考えます。さらに30人の削減は本市内の雇用の場を30減少させるということにもなりますが、この30人削減の根拠、あわせて計画案に示されている定員適正化について、適正人数の根拠もお示しいただきたいです。さて、本市の自治体運営の財源は、市税や基金の取り崩しなどを含めた自主財源は25%ほどで、残りの75%が地方交付税、国・道支出金、地方債などのいわゆる依存財源となっております。このような比率が実情であることから、財源を安定的に確保するためには地方交付税などの減額は非常に痛手となることは明らかです。そこで、まずは地方交付税について質問します。地方交付税については、本来、地方の税収入とするものを国が国税として徴収し、合理的な基準に基づき再分配することで全ての地方公共団体における財政の不均衡を調整し、一定の水準を維持することを目的としています。また、地方交付税の内訳は、普通交付税が94%、特別交付税が6%となっております。普通交付税については、基準財政需要額から基準財政収入額を引いたものが充当されることになっており、普通交付税を増額するためには基準財政需要額が増えなければならないということになります。基準財政需要額の積算については、定められた項目ごとの測定単位に単位費用と補正係数を乗じたものとなっており、つまり現制度においては、国に定められた単位費用もしくは補正係数を見直さない限り増額は見込めないということになります。この件については、本年11月に提出された北海道市長会の国に対する要請書において見直しに関する要請がなされていましたが、これまで要請内容どおりに国の対応がなされてきた経過はあるのか、お知らせください。また、要請とは逆に平成25年ごろから本市における地方交付税は減額されてきておりますが、この要因は何か、あわせてお伺いいたします。次に、ふるさと納税について質問いたします。平成20年の地方税法の改正によりふるさと納税制度がスタートし、丸11年が経過しました。本市においても制度を活用し、初年度は440万円ほどであった寄附額も年々増加し、昨年、令和元年度は6,000万円を超えることとなりました。一方、本市在住の市民が他の自治体に行った寄附は238人で、寄附額は1,611万4,500円となっております。また、全国における利用では、制度開始の平成20年から平成26年度まではそれほど増加をしていなかったものの、平成27年のふるさと納税ワンストップ特例制度の創設で手続上の簡素化が図られたこともあり、利用者が急増しました。昨年、令和元年度には、受け入れ額がおおよそ5,000億円、件数では2,300万件を突破しました。これだけの巨額が動く制度になったわけですが、この制度の本来の目的は税収の減少による地方間格差の是正とも言われております。しかしながら、実績を見る限り、実際は格差が開いているとも言えるのではないでしょうか。本市としては、これをどう捉えているか、見解をお伺いします。また、ふるさと納税は同一人物で利用件数が増えるほど居住地の自治体に納める税金が少なくなるという仕組みであり、受益者負担の原則から逸脱することになるわけですが、これについてもどのようにお考えか、お示しください。さらには、地方交付税不交付団体については、居住者が他の自治体に寄附した場合、控除額に対しての交付税措置がされず、居住自治体の100%負担となる制度であり、公平性が欠落していると考えますが、見解をお伺いします。先ほど本市における地方交付税が減額傾向にある要因をお伺いしましたが、ふるさと納税が始まって以来、国からの地方交付税総額も平成24年をピークに減少し続けています。本市に限らず地方交付税交付団体にとっては地域経済や住民サービスを維持することが極めて厳しい状況であると言えます。ふるさと納税と地方交付税の減額で起こった現実は、目的の逆である、地域間格差の拡大ではなかったか、ふるさと納税と地方交付税減額の関係をどのように分析しているか、お示しください。次に、国債発行についての市長の考えをお伺います。これまでメディア等を通じて、国の借金1,000兆円、国民1人当たり900万円の借金であるとか、将来世代の大きな負担になどという文言を目にしたことは多いと思います。また、これ以上国債を発行すると国が破綻すると言われている経済評論家も少なくありません。そういったことからも、そのような心配をされている国民は非常に多いものと考えています。しかし、本当にそうでしょうか。日本は管理通貨制度により日本円によって通貨を管理しています。1882年に日本銀行が設立され、1942年の日本銀行法により管理通貨制度が開始されました。管理通貨制度の目的は、通貨当局が通貨の供給を政策的に行い、物価の安定、経済成長、雇用の改善、国際収支の安定を図ることとされています。この制度は日本だけではなく、多くの国で取り入れられている通貨制度です。日本において通貨当局とは日本銀行を指し、政府並びに日本銀行が政策的に通貨量を管理する仕組みとなっています。そして通貨を管理するために政府が持っているのが通貨発行権と徴税権です。通貨発行権を有する政府が国民に通貨を供給するためのプロセスが国債発行です。すなわち、政府の国債発行は国民に資産を与える行為であるということです。これは紛れもない事実であって、本年においてはそれを明らかに証明しています。本年はコロナ禍により、国の補正予算が行われてきました。全国民に対する特別定額給付金を初め、地方自治体には新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などが実施され、財源については租税収入ではなく全て新規国債発行での補正でした。令和2年度の当初予算では9.2兆円の新規国債発行を計上していましたが、第1次補正予算では25.7兆円の追加補正、第2次補正予算では31.9兆円の追加補正が行われ、これまでの合計新規国債発行額は67兆円ほどの規模になっております。12月8日には、第3次補正予算案が閣議決定され、予算案が可決されましたら19.2兆円の規模になるとされています。政府の当初予算は100兆円ほどですので、本年1年で2年分に近い予算執行になるわけです。この規模の国債を発行しても急なインフレ上昇率も金利の上昇もしていません。そして実体経済の通貨量であるマネーストックが増加しました。この図でわかることは、デフレにより実体経済では通貨の信用創造がされていないため、これまでは通貨量があまり増えていないということ。そして、このたびの財政出動により、国債を発行することでマネーストックが急増したのですから、政府の借金は国民の資産であるという事実が明らかになったのです。市長の重要な使命のうち、例年行っている各種の要請や陳情があります。財源確保のための事実上の国との折衝とも言えると思います。さきにお話をいたしました11月に全道市長会が国に提出した要請書についてですが、内容を確認したところ、地方財政の関係から始まり、各種分野について、さらには新型コロナ感染症対策について、60項目、全133ページに及ぶ要請書となっておりました。全ての項目の前文には、適切な措置が講じられるよう強く要請いたしますと書かれております。その他については多岐にわたる内容ですので割愛いたしますが、多くの施策に関して財源が必要であることから、国において必要な財源を確保することと要請されておりました。恐らく例年同様の要請をしていると推測いたしますが、これまで国は地方からの財源確保にかかわる要請についてどういった見解を示してきたか、経過についてお知らせください。多岐にわたるきめ細かな要請内容となっておりましたが、非常に残念に感じたことがあります。それは先ほど来お話ししているとおり、本年はコロナ禍により本市においても地域経済は非常に危機的状況にあります。そのような状況にもかかわらず、新規国債発行による財政出動の文言が一言も入っていないことです。現在の日本は、長期にわたるデフレ化でのコロナショックです。もともと所得が上がらない中で、コロナ禍による所得の低下や雇用の喪失、さらには自粛による経済悪化により、実質消費指数は2001年以来過去最低のマイナス16.2%まで落ち込みました。こういった状況下では、税収を財源とした財政支援は全くもって意味をなしません。なぜなら、先ほど図で示したとおり、税収を財源とする財政支出は実体経済にある通貨が循環するだけだからです。経済が冷え切っているときには通貨料を増やさなくてはならないため、国債発行による財政出動をする必要があるのです。先ほど申し上げたとおり、国債発行は実体経済の通貨料を増やす行為です。管理通貨制度における通貨発行権を駆使するときであるはずです。新規国債発行による財政出動を間髪入れず、かつ継続的にすることが必要だと考えているだけに、このたびの要請書については一番重要なことが入っておらず非常に残念です。このたびの要請書をまとめるに当たり、新規国債発行についての協議はされていたのか、また市長におかれましては新規国債発行による財政出動に対してどのような見解をお持ちか、お伺いいたします。このたびの質問については、国政のことと思われる方が多いかもしれません。しかし、本市のように地方交付税などの国からの支援があって成り立つ地方自治体は、行政のトップである首長が国の予算の考え方や国債、すなわち通貨発行に対する認識、さらには市内経済を活性化させるためにはマクロ経済をどのように分析するかが非常に重要なことと考えています。なぜならば、それらを認識していなければ国との折衝において強く財源確保に対して訴えることはできないと考えるからです。これからの地方は衰退から消滅への危機へ向かっています。緊縮財政で最終的に困るのは市民だということは紛れもない事実です。確実な財源確保と間違いのない政策をお願いいたしまして、一般質問を終わります。 (降壇)
答弁 市長 牧野勇司(市長は2021年6月まで)
渡辺議員の御質問にお答えいたします。最初に、私から財政健全化実行計画案及び国に対する要請・陳情について答弁申し上げ、地方財政計画及びふるさと納税については副市長から答弁申し上げます。まず、財政健全化実行計画案についてです。本市の財政状況は、一般財源総額がおおむね110億円台の水準となっており、その約9割は地方交付税と市税で占められています。市税と地方交付税の総額については、制度上一定の水準が保たれ、大きな増額を見込むことは困難であり、さらなる市税の確保に向けた対応のほか、ふるさと納税制度の活用など例示した確保策や使用料・手数料、国や公共的団体などの補助金や助成金といったあらゆる手段の歳入確保策を講じることで、一般財源の増額、確保を見込むものです。また、具体的に取り上げた歳入確保策においては、未利用財産の計画的売却として5,000万円の効果額を見込んでいます。財政健全化実行計画案は、将来にわたって安全・安心な市民サービス、まちづくりを実施していくため、行財政の健全化を図るものです。本市は、構造的に経常収支比率が高い傾向にあり、現状では99.5%と経常的収支が逼迫していることからも、さまざまな事業にわたり見直しをしていかなければなりません。市民の皆様には行政サービスの質を維持するため、御理解をいただかなければならない点もございますが、最少の経費で最大の効果を発揮するため、工夫を持って経費の節減とサービス水準の確保に努めてまいります。また、地域経済に対する影響については、本計画に人件費の独自削減や投資的経費の抑制などを盛り込んでいることから、地域経済にも影響を与えるものと考えており、国営・道営事業の実施や補助事業等の活用による事業量の確保に努めるなど、影響を最小限に抑えてまいります。定員適正化については、本計画作成に当たり、今後の財政推計において職員定数についても市民サービスの維持向上や市民の安全・安心の確保を基本とする中で、全国の類似団体との比較、今後の人口減少、再任用職員のあり方、定年年齢の見直し等も考慮するとともに、引き続き組織体制の見直しと機構改革を進めることなど、総合的な判断により30人削減を目標としたところです。今後も、よりよい組織対象のあり方を検討していくとともに、組織力の強化に努めてまいります。次に、国に対する要請・陳情についてです。国への要請や陳情については、市長としてさまざまな案件に対して随時実施しています。また、私は現在、北海道市長会の副会長の任を担っていることから、春と秋の要望など北海道市長会の立場での要請・陳情も行っています。その中で、北海道市長会からの国の予算に関連する要請については、お話にありましたように、地方財政計画に関連する財源確保を初め北海道内都市の実態を踏まえた政策や事業の実施や予算の確保などを要請しています。次に、新規国債発行についての協議や財政出動についてです。要請・陳情においては、国の政策や新年度予算への反映に向けて実施しているところであり、財源措置の手法については国が判断するものであることから、要請書において言及していません。また、新規国債を活用した財政出動については、政府が財政運営に対する市場の信任やさまざまな財源の確保策などを含め総合的に判断すべきものであり、引き続き財政健全化の取り組みを進めていく必要があるものと存じます。以上申し上げ、私からの答弁といたします。 (降壇)
答弁 副市長 相山佳則(副市長は2021年6月まで)
私から、地方財政計画及びふるさと納税について答弁申し上げます。まず、地方交付税についてです。地方交付税は、地方財政計画で総額が決定され、地方交付税算定の合理的な基準によって地方自治体に交付されます。地方財政計画は、国の予算と整合性を保ちつつ、地方が標準的な行政水準を確保できるよう、地方財源を保障するため歳出を積み上げ地方交付税で収支を均衡させます。そのため、地方財政対策においては、地方財政計画の一般財源総額を確保することが最も重要となります。その上で、単位費用や補正係数など合理的な基準で地方自治体に配分される仕組みです。したがって、北海道市長会を初め多くの団体において地方の財政需要の適切な積み上げや地方の財政運営に必要となる地方交付税総額の確保、地方交付税の算定項目などについて例年要請をしているところであります。要請によるこの間の国の対応については、地方財政計画における一般財源総額の前年度水準の確保については実施されていますが、残念ながら法定率の引き上げについては改正されてはおりません。単位費用や補正係数など地方交付税の算定項目に関連する要請については、各地方団体の地方交付税法に基づく交付税額の算定方法に関する申し出として実施されており、昨年度においては道内関係分では8案件中1件が採用されていますが、市長会へ要請のあったものについては要請書に付記をすることとなっております。平成25年度以降の地方交付税減額の要因ですが、地方財政計画のマクロベースの理由としては、リーマンショック後の緊急の景気対策として措置されていた歳出に関する歳出特別枠と歳入に関連する別枠加算が縮小されてきたことなどから、地方交付税の総額は減少傾向にありましたが、交付団体における一般財源総額としては平成25年度の59兆円から令和2年度の61.8兆円まで前年度を超える一般財源が確保されてきました。本市算定においては、合併算定替の縮減や経常的経費の積み上げである包括算定経費の減少により、30年度までは減少傾向にありました。令和元年度から交付税算入公債費の増加、2年度においては地域社会再生事業費の創設などにより交付基準額は増加していますが、臨時財政対策債を合わせた実質的な交付税額は平成25年度と比べ約7億円減少しております。来年度については、リーマンショック時と同様、大幅な市税減収も見込んでいることからも、地域特性を踏まえた財政需要を的確に確保していけるよう国へ求めてまいります。次に、ふるさと納税についてです。ふるさと納税制度は、ふるさとや地方自治体のさまざまな取り組みを応援する気持ちを形にしていく仕組みとして平成20年度に創設されました。ふるさと納税の理念としては、第1に、納税者が寄附先を選択できる制度であること、第2に、ふるさとはもちろん、お世話になった地域やこれから応援したい地域の応援ができること、第3に、地方自治体がみずからの取り組みを積極的にアピールするなど地方創生に向けた取り組みを創造するきっかけにつながることといった3つの大きな意義があります。特に近年は自治体間における返礼品の内容を争う動きが激化し、本来の趣旨を損なう事案も発生したことから、国は地方自治体に対して返礼品の調達に関し一定の基準の設定やふるさと納税対象団体の指定に関する地方税法の改正を行ったほか、良識ある対応を徹底するよう通知をいたしました。地方税の税源を地方団体間で移転させるというふるさと納税の現行制度においては、税源の流出により御指摘のような問題もありますが、本市としてはふるさと納税の目的を単に自治体間の税収格差の是正と捉えるのではなく、ふるさと納税制度の趣旨を踏まえて適切な制度運用に努めてまいりたいと存じます。また、ふるさと納税と地方交付税の減額の関係性ですが、地方交付税の総額となる国税五税には所得税が含まれていることから、ふるさと納税により交付税減への影響はありますものの、臨時財政対策債を含めた実質的な交付税額には影響はないものと考えております。以上申し上げ、答弁といたします。 (降壇)
再質問 10番 渡辺英次
再質問いたします。一番最後に質問させていただいたんですが、国債発行に対する市長の考え方についてという部分にかかわります。市長の答弁にありましたとおり、当然国政のことですから最終的に判断するのは国が判断するということについては間違いないと、そのとおりだと思います。今回ちょっと質問するに当たって、私もこれまで自分が思っていた考え方が間違っていたということを踏まえて、今回皆様にも周知したいという気持ちも含めて質問させていただいたんですが、まず、国債発行に対する市長の見解をいただいたんですが、やはりこれは地域から要請を出さないことには、判断するのはもちろん国だと思いますけれども、地域から声を上げないといつまでたっても変わらないんじゃないかと私は思っております。そこで、私が、市長に今答弁いただいたとおり、なかなかそういうところに実質踏み込んでいないというのが現状だと私捉えたんですが、その理由の一つに、先ほど質問でも触れましたけれども、管理通貨制度における信用創造という部分で、私もこれまで間違って把握していたんですけれども、その部分が大きなネックになっていると思います。国会でもそういった質問答弁がありまして、第200回国会、昨年の10月23日、信用創造についての質問を安藤裕衆議院議員が行っております。そこでは、かいつまんで言いますと、銀行がお金を貸し出すときには、銀行の貸し出し段階で預金は創造される仕組みである。つまり、誰かのお金を貸すわけじゃないというのが信用創造だということをうたっております。要するに、お金を借りたときにマネーストックが増えるということです。先ほどの図でいうと13ページになりますが、今回、先ほどお話ししたとおり、コロナ禍ということで、1次補正、2次補正で巨額の新規国債発行をいたしました、国は。それで、13ページのとおり、一番右がちょっと文字見えづらくて申しわけないんですけれども、一番右側が本年度です。20年度です。先が急上昇しているんですけれども、これはまさに国がいわゆる借金をしたことによって我々の資産が増えたということをあらわしているということになると思います。そういった意味から、やはり地域からは声を出すときには、こういった現象が実際ありますので、国の借金であるとか、例えば要請に行ったときに、国はこれ以上借金できないからという理由でもし断られることがあるんであれば、それはやはり首長としてしっかりとその辺も踏まえて今後要請していく必要があると思うんですけれども、これまではそういった取り組みだったことは重々承知しましたが、今後においてこういったことも、ある意味、市の中でも勉強会等を含めてやるべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
答弁 市長 牧野勇司(市長は2021年6月まで)
渡辺議員の再質問にお答えいたします。国債の発行につきましては、このたびコロナ禍におきまして、第3次補正も含めると新規国債発行で110億円超えているという、こういうことでございます。それで、先ほど申し上げたとおりでありまして、国債発行というのは、あくまでこれは国の事務でございますから、ここで一般質問をいただいて市長がそれに答弁をするということについては差し控えさせていただきたいと存じます。今日まで全道市長会でも相当ないろんな幅広い議論が行われています。先ほどの質問でございましたけれども、春と秋に要請活動を行っているわけでありますが、膨大な要請の内容になっていますけれども、これは35市の。ちょっと時間いただいてよろしいですか。
答弁 市長 牧野勇司(市長は2021年6月まで)
35市の各部長が集まって参与会議を行って、各地域の要望をまず出します。その後に全道副市長会議を行って、その中でまたいろんな精査をしていきます。最後に、全道市長会議の中でそういった要望を決定しながら、役員が北海道並びに国に対して申し上げていくと、こういうことであります。それで、今回の経済・財政理論については、渡辺議員も相当勉強されて、資料も私もいただきましたし、私も勉強もさせていただいているところでありますが、今までかつて全道市長会の中で国債の発行の出動について要望に入れるべきだという発言がただの一度もございません。これは文字どおり市町村長の役割というのがあるわけであって、そして国家には国会議員がいて、なおかつ総理大臣がいて、国家レベルの問題で、国の段階では質問もあるし質問主意書も出ているのも全部私は熟知してるのでありますが、それらについても政府の考え方も、必ずしも国債をどんどん、赤字国債も含めて発行すればいいという、こういう考えではないと私は考えてます。それでは全道市長会で、私も行って何をやっているのかということがありますけれども、先ほど答弁申し上げたのでありますが、大体士別市を中心に交付税の不交付団体は別としても、地方交付税と市税によって大体8割から9割を歳入を賄ってるのが実は現状であります。であるとするならば、全道市長会として何が必要なのか。これは町村会も同じなのでありますが、全国規模として税配分を国と地方の割合をしっかりと変えていく。今は国に税が6割、自治体に4割です。しかし、実際仕事しているのは国が4割、自治体6割なんです。ですからこれは5対5に税配分をすべきだというのはずっとこれはしっかりと要望しています。それから、地方交付税の交付率を引き上げていただきたいと。地方交付税というのはどういう形で求められるかといいますと、所得税、法人税、それから酒税、消費税、それから地方法人税、これだけです。100%入ってくるのは地方法人税だけです。あとは極めて率が低いんです。この率をしっかり上げていただければ地方に対する地方交付税はしっかりと入ってくるわけでありますから、こういう基本的な要望をしています。その地方交付税を多く配分するために何が必要なのか。デフレの状況であれば、例えば国が新規国債発行してでもやるべきだ、それは国の問題であって、我々はしっかりそういう要望をしているんです。今回もう一つ何をやったかといいますと、これは北海道、北海道市長会、北海道町村会で共同でやってるんでありますが、ことしの10月に新たな交付金の創設に関する要請書というのを正式に上げました。これは何を意味するかというと、新型コロナウイルス感染症における地域経済への影響が拡大していると。新たな日常下においても地域の創意と工夫で地域経済の再興を図ることができる。仮称でありますけれども、地域経済の再興に向けた交付金を創設することという正式な要望も、これは北海道として全自治体がまとまって上げたんです。では、こういったことについて国は何をしてるのかといいますと、今、800以上ある全国の市長会の会長というのは立谷さんでありまして、福島県の相馬市長です。年に3回、国と地方の協議の場というのが持たれています。これは地方六団体です。全国知事会、全国市長会、全国町村会、それから全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議長会です。ここでいろんな協議をしているわけです。ですから今まで私が申し上げたような内容ももちろん事務レベルでも話しているし、こういう要望会でもやっている。それで今回出てきてるのが、今回第3次でコロナ関係の地方臨時交付金ですね、1.5兆円。その前は2兆円、1兆円ということで、第1回から第3回まで来ているわけでありますが、そういうものを積み上げていって全国規模で要請するのが各自治体の役割だと思うんです。ですから、先ほど申し上げたとおり、新規国債の発行、こういったものについては、これはやはり国がしっかりと議論をして行うべきだと。そして国債における財政出動等々についても、これは学者なんかからもいろんな議論があるわけでありますから、偏った議論だけにとどまるのでなくて、幅広くいろんな見聞を深めながら行っていくべきだと、このように考えているところでございますので、この国債の新規発行の関係については、以上ちょっと長くなりましたけれども、申し上げておきたいと思います。
再質問 10番 渡辺英次
しつこくて申しわけありません。今、最後に国債のお話をいただいたので、また改めてそのお話になるんですが、今の考えてる市長の見解はよく理解しました。国の決めることであるからそこの部分には地方としては触れないという見解であるということがわかりました。ただ、国債について最後に言われたのが、いろいろな理論があるからというお話がありましたが、きょう私が質問した内容については、理論の部分は一つも入っていなくて、事実のみです。先ほどの信用創造もそうですし、管理通貨制度も事実です。何も理論じゃないんです。なので、その辺もしっかりやはり把握するということが必要なのかなという意味で私は今回の質問をさせていただきました。そしてまた、理論の部分でいうと、今お話があったので改めてちょっとお話させてもらいたいんですけれども、理論の部分でいうと、先ほど私も申し上げたとおり、例えば国が破綻するとかという部分が理論だというと思うんですけれども、その部分に関しても、財務省でしっかりと、もうそれはあり得ないということを、これはムーディーズというアメリカの民間企業の債権の信用の格付をやる会社に対して、格付を下げるといったときに、日本はそんなことないんだということで、日米などの先進国の自国通貨建ての国債のデフォルトは考えられないという、これも事実です。財務省が言っているんですから。ですから、そういうことを踏まえた上で、要するに国から、これ以上国は借金できないから財源つけられないんだと言われたときに、こういう情報を持っているか持っていないかで全然変わってくると思うので、そういった意味での趣旨の今回質問でしたので、何かの機会にぜひ、例えば全道市長会とかでも構いませんので、ぜひ一度こういった部分、じっくりと研究をしていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。