みんなの議会

標茶町議会 令和7年第3回定例会 2025年9月2日

不登校の子供の権利を尊重し、子供も親も安心できる支援を

2025年9月2日、標茶町議会の一般質問で、深見迪議員が「不登校の子供の権利を尊重し、子供も親も安心できる支援を」について質問し、教育長 青木悟、指導室長 富樫慎也が答弁しました。

質問者
深見迪 議員
答弁者
教育長 青木悟、指導室長 富樫慎也

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 1番 深見迪

それでは、質問いたします。子供の不登校についての質問であります。子供の不登校は、この10年で3倍と急激に増加し、小中学校で35万人近くになったとの報告がありました。これまで少なかった小学校低学年でも増えています。以前も質問しましたが、本町の現状はどうでしょうか。まだ内容的には不十分であると考えていますが、文科省は、2017年に施行した「教育機会確保法」は、従来の不登校に対する考え方を大きく変えるものであったと認識していますが、どのように変わったのか教育長の考えを伺います。「学校が嫌い」という子供が急増したわけなので、子供が通いたくなるような学校にしていくことが重要であると考えますが、いかがでしょうか。そのため、どのような取り組みを行っていますか。また、具体的な成果はあったのでしょうか。いわゆる不登校の要因の大きな一つに、学校に極端な競争と管理を持ち込み、学校が子供に合わなくなってきたことではないかと考えます。不登校は子供に問題があるとは考えていませんが、この点での教育長のお考えを伺います。国の最新の不登校対策である「COCOLOプラン」では、タブレット端末による不登校ぎみの子供の「早期発見」を強調し、行き渋り傾向の子供をあの手この手で登校させることに重点が置かれ、子供の気持ちを尊重する対応が少なくなってきていると思います。不登校「当事者ニーズ全国調査」(多様な学びプロジェクト、2023年)によれば、子供の最も「嫌だったこと」は「登校強制・登校刺激/望まぬ干渉・接触」、これが44.7%であることからも、そのことがうかがえます。子供の気持ちを尊重する対応が何より重要であると考えますが、いかがでしょうか。親への支援も必要ですが、学校外の公的窓口などを設け、親子が信頼できる相談者とつながれるようにしたり、各地の事例に見られるように「親の会」等の支援、オンラインによる学習や交流や全ての学校、自治体に「学習」に限定されない居場所を設置し、子供に必要なことが保障され、どの子供も安心して過ごせる環境を整えることが今必要と考えますが、いかがですか。

答弁 教育長 青木悟

1番、深見議員の不登校の子供の権利を尊重し、子供も親も安心できる支援をとのお尋ねにお答えいたします。1点目の子供の不登校は、この10年で3倍、35万人と急激に増加し、小学校低学年でも増えている、本町の現状はどうかとのお尋ねですが、本町において令和6年度の不登校児童生徒数は、小学生7名、中学生18名であります。10年前の平成27年度は、小学生ゼロ名、中学生14名であり、小学校においては、令和元年度から、年によって増減はございますが、増加傾向にあります。中学校においても、不登校生徒が一定数おり、増加傾向にあります。2点目の教育機会確保法は、従来の不登校に対する考え方を大きく変えるものであり、どのように変わったのかとのお尋ねですが、それまでの不登校は問題行動として捉えられる傾向があり、学校に登校することを第一主義とする指導が中心でありました。しかし、この法律では、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、不登校児童生徒の休養の必要性と、学校外における多様な学びの重要性を認め、必要な支援を講ずることを定めております。3点目の学校が嫌いという子供が急増する中、子供が通いたくなるような学校にしていくことが重要であると考えるがどうかとのお尋ねですが、子供が通いたくなるような学校にしていくことが重要であるという点に関しては、議員と同様の考えであります。そのためのポイントは3つあると考えます。1つ目は、学校生活の大部分を占める授業を魅力あるものにしていくこと、2つ目は、教師への信頼感や学校生活への安心感を高めること、3つ目は、児童生徒が主体的に参加できる教育活動を充実させることです。標茶町では、ICTを活用して、子供たちがそれぞれのよさや持ち味を生かし、みんなが活躍できる授業づくりに取り組んでいます。また、ふるさと教育の充実を図り、カヌー体験や馬の学習など魅力ある教育活動を展開しています。信頼感を高める安心な学校づくりにつきましては、定期的な相談活動や、SOSの出し方に関する教育の充実、教師と子供、子供同士の交流を重視した活動に努めています。主体的な教育活動においては、児童会、生徒会における全校遊びやあいさつ運動、思いやりカード運動、いじめ根絶に向けた1学校1運動などの活動を行っています。これらの成果につきましては、児童生徒が安心して自己を表現できるようになった事例や、学習意欲の向上、登校日数が徐々に回復した事例などが報告されています。4点目の学校の競争、管理が不登校の要因の1つではとのお尋ねですが、不登校は社会全体や教育の在り方を含む多様な要因が複雑に関わって生じているものと認識しております。その意味で、ご指摘のように学校の教育活動や学校運営の在り方が子供に適合しにくくなっている側面があることも十分に留意すべき課題であると受け止めております。各学校においては、子供たち同士の学び合いや自己肯定感を高める取り組みを進めており、教育委員会は、学校とともに誰もが参加しやすい安全で安心となる居場所、学びの場を創出するために教育環境を整えてまいります。5点目の国の不登校対策であるCOCOLOプランは、不登校ぎみの子供の早期発見を強調し、登校させることに重点が置かれており、子供の気持ちを尊重する対応が何よりも重要であると考えるがどうかとのお尋ねですが、文部科学省が令和5年3月に策定したCOCOLOプランでは、不登校により学びから離れてしまっている子供たちをゼロにするにことを目指し、3つの柱を中心に構成されているものです。1つ目は、学びの選択肢を多様化し、いつでもつながれる環境を整えること、2つ目は、心の小さなSOSを見逃さず、支援につなげるチーム体制を整えること、3つ目は、安心して学べる学校風土の見える化を進めることであります。一律に登校だけを求めるのではなく、一人一人が学びたい、安心したいと思える多様な環境構築を目指す包括的かつ柔軟なプランになります。議員のご指摘のとおり、子供の気持ちを尊重する対応を重要視しつつ、教育機会の確保と学びの継続を両立させるため、各学校と連携してまいります。6点目の保護者及び子供への支援に係る環境整備が必要と考えるがどうかとのお尋ねですが、保護者への支援、公的窓口の設置及び相談先との連携、オンライン学習の提供、居場所づくりを含む全方位的な支援体制の整備は必要と考えております。公的窓口は、現在、教育委員会指導室が担っており、民間の相談機関と連携するとともに、学校と家庭の橋渡し役として相談から具体的な支援を進めているところです。また、町内全ての学校にスペシャルサポートルームを設置し、子供たちが落ち着いた空間の中で自分に合ったペースで学習、生活できる環境を整え、活用が図られているところです。教育委員会としましては、先進事例を参考としながら、学校、地域、関係機関との連携を深め、保護者支援を含めた環境整備について研究してまいります。

質問 1番 深見迪

まず初めに、平成27年と令和6年の比較で町内の実態を述べられましたが、児童生徒数の減少から考えると、この令和6年の小学校7名、中学校18名の不登校というのは決して少ない数ではない、私から見ると急激に不登校が増えていると、そういうふうに思うのですけれども、その点についてどういう認識でおられるのか伺います。

答弁 指導室長 富樫慎也

お答えいたします。平成27年の小学校ゼロ名、それから中学校が14名ということになりますけれども、その間の人数のほうをお示ししたいと思います。小学生にかかわっては、平成27年から30年までゼロ名、中学生は平成27年から30年までは、平成27年が14名、そして平成28年が3名、平成29年が14名、平成30年が11名となっています。令和元年から令和5年までにつきましては、小学生が令和元年は2名、令和2年が6名、令和3年が5名、令和4年が13名、令和5年が3名ということになっておりまして、小学生につきましては、やはり年については増減がございます。そして、中学生にかかわっては、令和2年が9名、そして令和3年が14名、令和4年16名、令和5年が23名ということで、やはり児童生徒の減少、そしてその値ということでは、増加傾向ということに感じております。なお、先ほど教育長もお話ししましたけれども、各学校の未然防止、それから早期発見、早期対応、これらについて積極的に講じているところでございます。以上です。

答弁 教育長 青木悟

お答えをいたします。議員ご指摘のとおり、児童生徒数が減少しているにもかかわらず減らないと、小学校においては今お話ししたとおり年度によって差はあるのですけれども、やはり増えていることには変わりないのかと認識しております。大きく増えたのは令和元年あたりからかと、それまではゼロが多かったですから、私は、これは2つやっぱり要因があると捉えています。社会的にも言われていた、1つはやっぱりコロナによって学校の生活が大きく制限され、来られなくなってしまった期間があったこと、これをきっかけに全国でも増え始めております。2つ目は、議員がご指摘のとおり、教育機会確保法の施行によって、社会の考え方が大きく変わったという点であります。不登校は問題行動ではないのだよと、必要な休養期間もあるのだと、こういう認識が平成28年に施行され、29年に方針が発表され、令和元年から社会にどんどん広がっていきました。それとともに学校は無理をして行かなくてもいいのだよという、こういう雰囲気が広がったことも大きく影響しているのかなと思います。したがって、全国的に増えているこの不登校の増加も、完全に否定的なものなのか、不登校に対して適切な休養であるとか、あるいは多様な現場に橋渡しをしていく活動が始まったのか、ここはやはり精査して見ていかなければいけない面だと考えています。以上です。

質問 1番 深見迪

今の教育長の確保法の捉え方というか、従来の文部科学省の不登校に対する見方がもう本当に大きく変わったと思うのですが、今、問題行動ではないのだと。それから、そういう子供たちには必要な休養、休養という言葉が正しいのかどうかちょっとあれですけれども、必要なのだという、しかも数的には急激に増えていると。こういう実態を見ると、教育長は休養が必要だと言いますけれども、この受け皿、これがどうしても必要でないかなと思いますし、私、以前も大学の教育専門の先生、教授だったのですが、自分の子供が不登校になって地獄を見たという講演を聴いたことがあります。親の不安、どうしていいかわからない、そういう状況、これはこの小学校7名、中学校18名の親が皆さん思っていらっしゃると思うのですが、ここをつなぐ、さっき最後のほうでオンラインと言いましたが、これは子供のオンライン学習のことではなくて、オンラインで親同士がそれを話し合うと、悩みを打ち明け合うというような体制とか、あるいは休養がどうしても必要だと捉えるのであれば、その時点での子供の居場所、これらが近くになければならないのですね。仮に標茶でできなかったにしても、例えば釧路なら釧路にその居場所を見つけて行くにしても、これは学者が言っていることですが、例えばその際の旅費とか、それを保障できるような体制が自治体も教育委員会も持たなければいけないというようなことを言っているのです。そういう点で、こういう急激に増えた実態があるのだけれども、それの受け皿とか、休養するにしても、ほったらかしにするという意味ではないと思いますし、どういう休養の取らせ方をするのか、あるいは親同士の悩みの打ち明け合いとか、あるいは専門的な人たちの話を聞くようなオンラインの勉強会みたいな、こういうことについてはこういう数字が出ても具体的に何か考えていることはありますか。

答弁 指導室長 富樫慎也

不登校児童生徒、それから保護者を含むこれらの支援につきましては、教育長からの答弁もありました包括的な支援、保護者、特に同じ悩みを持つ保護者同士のつながりである親の会、そういう活動は孤立感を和らげ、子供への理解も深める大きな力になると認識しております。よって、教育支援センターという名称で町として実際に立ち上げ、設置できないかという部分においては、教育委員会の中でも協議しているところでございます。ただ、人的確保、それから財源の確保等もあります。さらに様々な場所の部分だったりだとか、教材、それから安心して生活できる環境を整えることにも課題が山積しているという状況もありますが、先ほど教育長の答弁もありました先進事例を参考としながら、学校、それから地域、関係機関との連携を深めて、支援を含めた環境整備について研究してまいりたいと考えております。

質問 1番 深見迪

つまり、そういう考えは持っているけれども、それは現状ではまだ具体化していないということですか。

答弁 指導室長 富樫慎也

設置についての具体化はまだでございます。まず学校、それから保護者、そしてその支援ということで、様々な多方面からの支援を、今、講じているところでございます。

質問 1番 深見迪

どうも具体的な答弁になっていないような気がするのですが、だからといって教育委員会が何もしていないというふうには私は思っていませんけれども、これは急がなければならないのではないですか。それが1つと、先ほど教育長が、文科省の考え方が随分大きく、本当にびっくりするほど変わったと。それでも、まだ問題点は僕なりに思っていますけれども、教育長のご答弁の中に学校運営の在り方も考えていかなければならないと、子供に適合していく、そういう学校づくりをしていかなければならない、これは具体的にどういうことを考えていらっしゃいますか。

答弁 教育長 青木悟

学校を変えていかなければいけないという部分につきましては、調査の中でも、学校風土の具体化、見える化と改善というものがあります。不登校の子供たちの学校に来られない要因の1つに、集団で行動することに対する拒否感ということがあります。例えば、みんなで給食を食べること、あるいは集会で大きな体育館に一緒に並ぶこと、あるいは教室で勉強すること、そういった集団で一緒に行動することに対しても圧迫感を感じる子供もおります。それも要因の1つとして比較的大きな数値になっています。あるいは児童会、生徒会に対する活動であるとか、学校の校則であるとか、そういったことに適応できない子供たち、そういったことが増えております。同じことをやることに対して、それができないということであります。学校においては、やはり子供たちの自主的な活動を進めていくこと、あるいは授業においても一人一人の考えを尊重した授業づくり、一斉ではなくて、そういったことを進めてまいります。例を言うと、今年度、標茶小学校で学習委員会というのが立ち上がりました。この前、行ってきて非常に感銘を受けたのですけれども、子供たちが自主的に家庭学習を、計画を立てて様々な取り組みをして、廊下にも掲示をしております。子供たちの主体的な活動によって、そういった教師が勉強しろということではなくて、子供たち自らがそういう活動を企画していくような活動、そういった同じ学級会や、あるいは生徒会活動、児童会活動でも、子供たちを中心にした活動をこれからも進めていかなければいけないと考えているところであります。学校においては、やはり一斉的な活動、社会性を身につける場所でもありますので、全て子供のニーズにかなったものにできるかどうかはわかりませんが、できることを一つずつ、少しずつ進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解賜ればと思います。以上です。

質問 1番 深見迪

今の子供の不登校の実態については、ほぼほぼ認識を一つにするというふうに考えています。ただ、一言言わせてもらえれば、文科省が出している教育機会確保法も、依然として勉強、学び、これを究極的な目標にしているかのように私には見えるのです。だけれども、先ほど教育長がおっしゃった子供に適合しているというか、自由、子供たちの不登校に対する理解というかな、居場所、これをきちんと理解しなければいけないというような考え方は、私はすごく大事でないかなと。これから、まだまだこういう問題というのは増えていくような気がするのですよ。しかも急激に増えているのですね。誰が首相の時代から急激に増えたかというデータもあるのですけれども、それはこんなところで言っても仕方がないので言いませんけれども、ぜひ、一番急いでほしいことは、不安を持っている、苦悩している、子供の不登校のために失業してしまったというような事例もありますから、早く親同士のつながり、オンラインの学習でもいいですから、これをぜひ急いで、まず手をつけていただきたい。そこから見えてくるものがたくさん出てくるのではないかと思うので、これからの取り組みをよろしくお願いしたいとお伝えして、私の質問を終わります。

出典:標茶町議会 令和7年第3回定例会 2025年9月2日 議事録 PDF(18ページ) 間違いを知らせる