標茶町議会 令和3年第2回定例会 2021年6月8日
有償のデジタル教科書導入はあり得ない
2021年6月8日、標茶町議会の一般質問で、深見迪議員が「有償のデジタル教科書導入はあり得ない」について質問し、教育長 島田哲男が答弁しました。
- 質問者
- 深見迪 議員
- 答弁者
- 教育長 島田哲男
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 8番 深見迪
質問いたします。1点目は、有償のデジタル教科書導入はあり得ないということで質問したいと思います。国は、デジタル教科書について、2024年度の本格導入に向けて取組を急ピッチで進めています。文部科学省は、2021年度の「学習者用デジタル教科書普及促進事業」として22億円の膨大な予算を計上しています。当面1万5,000校で無償配付する予定と聞いていますが、デジタル教科書についての情報について伺いたい。導入は各教育委員会の判断で決定し、どの程度デジタル教科書を使用するかは「教育委員会の管理のもと、各学校の状況や意向を十分踏まえた活用の仕方」になるとしていますが、本町のデジタル教科書の導入について方針を伺いたい。文部科学省の検討会議での最終報告では、「デジタル教科書を無償措置の対象とすることは、直ちには困難」とし、義務教育でも保護者の負担になる可能性があると述べています。そのようなことがあり得ますか。義務教育はこれを無償とするという憲法原則からすると有償はあり得ないと考えるが、いかがですか。デジタル教科書導入についての問題点をどのように考えていますか。以前質問した電磁波による影響や、実物を観察したり、手で作業したり、議論したりすることがおろそかになり、知識や能力が身につかないことへの危惧、教師のさらなる負担など心配な点はありませんか。以上。
答弁 教育長 島田哲男(教育長は2022年9月まで)
8番、深見議員の有償のデジタル教科書導入はあり得ないとのお尋ねにお答えいたします。1点目の国からのデジタル教科書の本格導入に向けての情報に関するお尋ねですが、文部科学省デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議第一次報告案では、次の小学校用教科書の改訂時期である2024年度を本格的に導入する最初の契機として捉え、着実な取組を進めるべきであるとまとめられています。また、本格的な導入に向けて、全国規模で実証的な研究を行いつつ検討することが必要であるとの報告書が出されております。その実証的な研究として文部科学省では、学習用デジタル教科書普及促進事業として予算化し、令和3年5月現在、全国の小学校段階約7,900校、中学校段階約4,300校、合わせて約1万2,200校にデジタル教科書を提供し、クラウド配信による検証や、実際の使用による効果、影響の検証を実施するというもので、本町においては小学校3校、中学校2校で取り組みます。2点目の本町のデジタル教科書の導入方針についてのお尋ねですが、1点目でお答えした実証事業による本町独自の効果や課題検証と併せ、各学校の状況や意向、通信環境の整備状況などを十分踏まえた上で方針を示すことと考えております。3点目の義務教育下でのデジタル教科書の有償はあり得ないと考えるがどうかとのお尋ねですが、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の目的においても、「教科用図書の無償措置による義務教育の充実を図る」とあり、有償はあり得ないという考えに同じくするものであります。デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議においても「無償措置の対象について検討することが望まれる」と報告されておりますので、今後、文部科学省の動向を注視してまいりたいと考えております。4点目のデジタル教科書導入についての問題点をどのように考えるか、心配な点はないかとのお尋ねですが、デジタル教科書については、文部科学省による実証事業により、国においても様々な角度から課題が整理され、議論されるものと認識しております。しかしながら、これまでも議員よりご指摘いただいております健康面への影響については、デジタル教科書導入に限らず、ICTを活用した教育活動全般において課題であり、適切に対応すべきことであると考えております。本格的な1人1台端末の導入に際し、児童生徒の健康面への配慮を徹底するよう、校長会、教頭会を通して既に学校にお願いしておりますが、今後、家庭で利用する場合を想定し、児童生徒や保護者に対しても健康へ配慮する際の具体的なポイントについて周知してまいります。また、知識や能力が身につかないことへの危惧や、教師のさらなる負担等のおそれについてですが、多様な子供たちの学びを保障するためのツールとして、デジタル教科書等、ICT機器を活用していくのが本来的な趣旨であると同時に、教師の業務効率化も期待されております。議員ご指摘の心配がないよう努めてまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。
質問 8番 深見迪
心配がないということで、私は4点目のことを中心に伺いたいなというふうに思っています。この間、いろんな論文やレポートを私、見聞きしたのですが、世界的にこのデジタル化についての、子供の健康ももちろんそうですが、学力に大きな負の問題があるという研究の成果が、次々に発表されているのです。例えばノルウェー、これは調査をしているのですね。手書きをしたときのほうが、脳の活動が活発化していることが分かったと。手書きは自分の考えを頭の中で整理してから書くという訓練にもなると、現地の教員は話していたと。だから、現場で実際にそれを指導していく教員の考えというか、これ、すごく大事だと思うのですよ。これからの話になってくると思うのですけれどもね。それから大学でも、言語と脳の関係。メモを取れる学生が減っているように感じると、手書き活動の減少は学力低下につながると思うという大学教授の意見もあります。ノートを取るときは、脳はただ文字を書き出しているのではなくて、複数の情報を同時に脳に記憶させると。脳を活発化させるということですよね。だから、そういうタイピングと比べると、手書きは遅く感じるけれども、その分話し手の話を脳内でそしゃくしてまとめながら書けます。このように手書きは、自分の頭で考えるという活動が加わるけれども、タイピングは話している内容をそのまま打つ傾向が強く、上澄みだけをすくっていきがちだと。タイピングでは深い思考に結びつきにくい。脳の働きから見れば、その人がきちんと考えを巡らすスピードに手書きは適しているのだと。教科書の場合、線を引いたりメモをすることがあるけれども、紙媒体に書いたほうがスマホやタブレットに記録するよりも記憶に残りやすいという実験結果もある。世界的にこの面での研究は進んでいるのです。警鐘を乱打しています。そう言っている私も、めっきり手書きが少なくなってきているので、強いことは言えないのですけれどもね。幾つかの論文を見ると、紙と鉛筆の場合は前頭前野の活動が盛んだけれども、スマホ、パソコンを使うときは抑制されると。釈迦に説法みたいなものですけれども、手書きの場合は、時間はかかるけれども前頭前野の活動が活発になると。インターネットですね、スマホ、タブレットを過剰に使用している子供は、大脳皮質の前頭前野6領域などの体積が3年前より増えておらずという、増えていないという研究結果も出ているのですね。発達が止まっていたと。前頭前野以外にも、小脳、海馬、扁桃体、視床などにもこの傾向が見られたという研究が次々に今出ているのですね。今、教育長がお答えになったことについては、そういう調査、資料があまり出てこなかったのですけれども、この間も北海道新聞5月30日付で文部科学省はデジタル教科書を紙と併用するという記事が出ましたよね。多くの人たちのこういう研究の成果から、どうもデジタル1本で突き進むというのはまずいかなと、多分そうだと思うのですね。そういう点では、文科省の会議でも慎重論がかなり出てきていると。ただ、財務省のほうは、紙との併用は予算が膨らむおそれがあるなんていう横やりを入れているようなのですが、これは入ったばかりでまだそういう検証が十分なされていないというふうに思うのですけれども、そういう意味での検証をするということとか、そういう専門家の脳とデジタル教科書、デジタル化の関わり、これはこの間も学校だけでない、家庭のほうが多いのだという話も言いましたけれども、こういうことについての教育委員会としての識見といいますか、考え方、これは持っていますか、心配とか。
答弁 教育長 島田哲男(教育長は2022年9月まで)
お答えをいたします。深見議員のおっしゃるデジタル化における心配事といいますか、それぞれの専門家がそれぞれ発表している部分については、本当にいろんな角度から見て、どういったことがデジタルをどう活用するかという、私どもデジタル化というのは、ある程度道具だというふうに認識していますから、その道具をどう使うかによって一番効率的というか効果的になるか、あるいはそれを使うことによってマイナス面がどんどん出てくる可能性があるか、そういった部分は、ある程度それぞれの双方の考え方が非常に心配するところであります。ただ、これから、先ほど答弁申し上げたとおり、まだいろんな部分で実証されていない部分が非常に大きいということで、どういったことが一番いいのかということが私どもまだはっきりいろんな部分では掌握できていない部分が多くあると思います。ただ、将来的あるいは向かって、このデジタル化を避けて通れることにはならないだろうというふうに思っています。そのために今の子供たちに、健康管理を含めて、どういったデジタルの使い方を含めてやっていくかというのは、これから教育を通して指導の中で進めるべきことだと思います。その中で、教科書という形で全て教科書がデジタル化になるか、あるいは紙との併用になるか、学年ごとに分けるか、いろんな選択肢の部分では、今、文科省で検証されると思いますけれども、実際にそのことを通して、これからの10年後、20年後を含めての学校の教育の在り方というのが確立されていくだろうと思います。私ども基本的には、学校の現場のどういう形が一番先生方が、結局デジタルの使い方にも、今、マニュアルが出ていますけれども、1時間の授業の中で何分間やったら休みを取るとか、そういったマニュアルがありますけれども、そういった部分は全て現場の先生方の指導の下で子供たちが活用をどう進めるかということになりますから、あくまでも、今、実証をやっている現場の先生方の意見も多分反映されると思いますので、そういったことを含めて、これからよりよい活用の仕方を進めていきたいというふうに考えております。
質問 8番 深見迪
発達心理学の分野で言うと、これは学校の先生方にも大いに研究内容に含まれてくると思うのです。だけれども、デジタルと脳との関わり、発達を止まらせてしまうと。私たちも昔は軽微な手作業、これが脳に与える影響が非常に大きいという、これはもう実証済みですよね。そこで、教育委員会としても学校としても、ぜひこういう電磁波と脳の発達を止まらせてしまうということの研究。使ってみて学力がどうだったのかというだけの問題ではなくて、実際にどうだったのかという、そっちのほうの研究もぜひ取り入れてやっていきたいと思うのですね。現場から随分離れた僕でさえこういう資料がもう手に入る時代ですから、皆さんもう持っていると思うのですけれども、ぜひそういう研究も、デジタル教科書導入、私デジタルの問題を教育に一切取り入れるななんていういうことは言っていませんけれども、しかし大きな影響を与えるということなので、この辺の研究もぜひ研修会の中で進めてメニューに入れていただきたいと思うのですけれども、いかがですか。
答弁 教育長 島田哲男(教育長は2022年9月まで)
お答えをいたします。脳とデジタルとの因果関係といいますか、そういった部分についてのご意見というか質問だと思いますけれども、非常に専門的な部分でありますので、私から細かな部分というのはなかなかできない話なのですけれども、ただ、そういったことで、これからそれぞれいろんな各学校で事例としてデジタルを使った場合のいろんな学習状況の変化だったとか、そういった部分は多分出されてくるのだというふうに私は理解していますので、そういった部分で今すぐその結論が、どういった影響が出るかというのは、なかなか答えられない部分ですので、現場でそういったことを含めて、先生方に変化といいますか、そういった部分をキャッチできるような、そのものについての先生方の着眼点といいますか、そういった部分については、それぞれ課題というか、デジタルと脳についての因果関係は、専門的には分からないですけれども、先生方に気にしていただくような、校長会を通してそういった部分で指示、お願いしていきたいというふうに思います。
質問 8番 深見迪
私も、誰も専門家、その部分での専門的な研究をしているわけでないですから、ただ、文部科学省が紙と併用論を出してきたというのは、やっぱりそういう意見が、随分研究が進んできたからなのだと思うです。だから、使ってみてどうだったかというだけでなくて、実際使ってみて最終的におかしくなったというのでは困るので、ぜひ先生方にもその辺の研修を入れていただきたいなということを言いまして、