みんなの議会

更別村議会 平成28年第4回定例会 2016年12月15日

更別村の銘木と氷河期の遺存種ヤチカンバ

2016年12月15日、更別村議会の一般質問で、村瀨泰伸議員が「更別村の銘木と氷河期の遺存種ヤチカンバ」について質問し、教育長が答弁しました。

質問者
村瀨泰伸 議員
答弁者
教育長

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 6番 村瀨泰伸

議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、2点について質問させていただきます。初めに、教育長に更別村の銘木、氷河期の遺存種ヤチカンバについて質問いたします。更別村の歴史の生き証人として、村には更別村の銘木と氷河期の遺存種ヤチカンバ、そして十勝坊主があります。前の2つにつきましては、教育委員会で管理しているところであります。先人たちがこの更別村にくわを入れ、昼夜を問わずして原生林を開墾、開拓をしてきました。中でも更別村の語源でありますサッチャラベツは、ヨシやカヤの生い茂る地の意味で、植物の植生する土地の開拓は人の手には負えず、多くは国などの土地改良等の開発が進められてきました。当時のご苦労があったことは、村史に子細に載せているところであります。あわせて、ヤチカンバの保護については北海道指定の天然記念物に至る経過など、大変ご苦労されている様子もうかがわれます。今ある更別村は、まさに先人たちが生きるために未来に希望を抱いて開拓されたたまものであり、村の約7割の1万748ヘクタールの農地、日本一の農業生産地となり、村の基幹産業であることは村民の誇りであります。その中にあって更別村の銘木5本と天然記念物のヤチカンバが保護されてきたことは、これまた先人たちの高い先見性は村民の誇りでもあります。農地は営々とつくられてきた土づくりや土地改良事業で肥沃な土地となりましたが、天然記念物のヤチカンバは非常に厳しい状況であります。環境省のレッドリストでは、絶滅危機の一歩手前の絶滅危惧の中位にランクアップされました。2007では絶滅危惧の下位のⅡ類から2012年では中位のBⅠ類の評価です。絶滅の危機が増大しているから、近い将来に向けて野生での絶滅の危険性があるという内容でございます。この上のランクは絶滅の危機に瀕しているとなり、次には野生絶滅ということになります。ここで注視しなければならないことは、この5年関連ワンランク上がったということで、極めて深刻で重大であります。昨年帯広で「更別のヤチカンバの危機」といった講演がありました。講師は更別在住の方で、更別の方も五、六名参加しておりました。この危機的ヤチカンバを保護するために、講師の提案としましては、1点目には、氷河期の終わり、湿地性植物の環境に戻すことである。2つ目には、ヤチカンバの阻害となる植物を取り除く。3つ目には、ヤチカンバの生育できる環境の場所をつくり、新たに移植すると。そんなようなことで締めくくりましたが、私も村民の一人としまして大いに関心が湧き、北海道に問い合わせをしました。道も平成26年、またことし1月に現地調査を行うなど、更別村の教育委員会と協議等を重ねているようなので、期待を込めまして質問させていただきます。1点目でございます。更別の銘木、氷河期の遺存種ヤチカンバ、その保護についてどのように考え、どのような行動をしているのか。委員会は、ことし6月に十勝自然保護協会へ回答しています。内容は十分理解できますけれども、検討するとしても時間は立ちどまってはくれません。道に具体的なアドバイス、また支援をいただいていくなど、この深刻な状況は道も十分理解しているはずと思いますので、村は道と一緒になって何とかしなければならない。思っている以上に状況は深刻であると私は理解しております。2つ目です。更別村の銘木、そしてヤチカンバ出現地の保護地域を更別郷土読本の教材、そこから一歩踏み出して現地学習をしてはどうでしょうか。更別のほとんどが農地で、この農村風景はとても心を豊かにしてくれますが、600年も生きてきた銘木や2万年前から命をつないできたヤチカンバは危機的です。このつないできた命、更別村に入植し、開拓してきた先人たち、そして私たち、そしてまた子どもたち、つないできた、つないでいく命の歴史でございます。自然、開拓、農業を結びつけた学習の絶好の教材だと思っております。銘木や特にヤチカンバのパワー、エネルギーを子どもたちにも体験してもらい、そこから感じ取る。身をもって学ぶことは、言葉の説明より深く理解できるものではないでしょうか。ネットでヤチカンバを検索しますと、今は乾燥化が進み、ほとんどその面影がありませんと酷評でございます。現実は教材としては少しほど遠いかもしれませんけれども、このヤチカンバを私たちの世代で終わりにしてはいけない。それは更別村が生き残ることと全く同じで、更別村を、ヤチカンバの命をつないでいくということであり、その責任は今ここにいる私たちでございます。同時に私たち大人が学ばなくてはいけないかもしれません。そして、このパワーやエネルギーに寄り添うことのできるような、そして現場を整理して見学できるようなことも必要ではないでしょうか。いずれにしても、どのように保護したらいいのかと考える時間は余りございません。教育的視点からもその責任は重いと思います。以上2点について教育長の考えをお伺いします。

答弁 教育長

村瀨議員ご質問の更別村の銘木と氷河期の遺存種ヤチカンバについてお答え申し上げます。1点目の銘木とヤチカンバについての考えと行動という点でございますけれども、更別村の銘木につきましては、平成4年に十勝支庁林務課及び帯広地区林業指導事務所の調査により選ばれました歴史的にも保存が望ましい樹齢100年から700年の樹木7本を教育委員会から所有者の方に保存をお願いした上で、説明の看板を設置させていただいたところでございます。その後は、強風で倒れた2本を除く5本が今も現存しており、そのうち村の所有が3本、一般の方の所有が2本となっております。更別村における銘木についての具体的な取扱いについて、村独自の文化財に関する明文化されたルールはございませんが、保存をお願いしております教育委員会の立場は変わりございませんので、所有者から保全についての相談があれば対応することとして、現在も残された銘木につきましてはそこに訪れた方が指定された文化財であるとわかるような管理はしていきたいというふうに考えております。ヤチカンバにつきましては、今から数万年前の氷河期時代に十勝に生えていた低木種の一種がその後、温暖化となった後も生育条件に適した更別の湿原で新種となったもので、昭和38年に更別湿原のヤチカンバとして保護地区2.87ヘクタールが北海道天然記念物に指定されたものでございます。近年は、周辺の土地改良などによる湿原の乾燥化により衰退が懸念され、ヤチカンバの苗の移植を行い、その生育状況について調査を実施してきたところですが、その結果ヤチカンバについては日照条件のよい環境であるほど生育が比較的良好であるということがわかってまいりました。最近の研究では、湿地はヤチカンバの生育には必ずしも必要ではなく、湿地が競合する樹種の生育しにくい環境だったということでヤチカンバの生育に影響が出ていなかったのではないかということで言われております。今後のヤチカンバの保全対策の方向性といたしましては、ヤチカンバの生育に影響を及ぼす可能性のある樹木の生育が進んでいることから、これらの競合種を駆除することにより、ヤチカンバの生育に適した環境が整えられると思います。しかし、その具体的な方法につきましては、保護地区内のヤチカンバ、それ以外の希少植物への影響を考慮しながら慎重に進めていくことが必要であることから、北海道教育庁ですとか大学教授などの関係機関、専門家などと協議を行ってきているところでございます。続いて、2点目の銘木とヤチカンバの小学校の授業での現地学習についてですが、銘木については学校で学習をする機会は設けてございませんが、ヤチカンバにつきましては現在小学校3、4年生の社会の授業の時間の中で教育委員会が発行しております郷土読本を活用して更別村についての学習をしておりますが、その中でヤチカンバについても紹介しているところでございます。また、3年生の理科の授業では、身近な植物を学習する際に、先ほど説明しましたヤチカンバの生育状況調査時に採取した種から育てた木が各小学校に植栽されておりますので、実際にここではヤチカンバに触れながら学習しているところでもございます。社会科での見学学習については、現在は学習内容にかかわる施設などを見学しておりますが、村内の施設などを見学する際に地域のことを学ぶふるさと教育の観点からもヤチカンバなどの文化財も含めた村内の見学学習について教育課程に組み入れてもらえるように各学校にお願いしてまいりたいというふうに思います。以上、答弁とさせていただきます。

再質問 6番 村瀨泰伸

ありがとうございます。改めて再質問させていただきます。委員会も私と同じ思いであるというようなことが今理解できました。それで、いろいろな機会に検討されているということは十分に理解できます。ただ、余りもう時間がないのではないかという、そういう危機感から、もっと踏み込んで、進めるというところから、では何をするかというところまで、もうそこまできていると私は思っております。ここについては、私も道に質問したところ、十分に協議しながらやれるというお答えもいただいていますので、ここは補助金もあるということも含めて、一緒になって進めてはいかがなものかなというふうに思っております。あわせて、学校の教育の立場として取り入れたらということなのですが、現場に行ってその中に入ることで、より感銘を受けるものではないかというふうに実は思っております。今の状態では非常に寂しい思いですけれども、行くことによって何かを感じる。子どもたちですから、いろんな感性の中で感じてもらえばいいと思います。何よりも私が気になるのは、更別村で育った子は大半が村外に出ていく、そういう子たちが更別村に何があるかというときに、教育長のおっしゃるようなふるさと教育、ここが正念場だというふうに思います。この子たちにもこういったことを体感させる。ヤチカンバというのは全国的には非常に珍しいということも含めて、以上2点について再度お尋ねします。

答弁 教育長

ただいまのご質問の中で、余り時間ないということでご指摘でございます。ヤチカンバの保護に係る活動というか、事業といたしましては過去に4回ほどやっておりまして、最初が平成16年に全般的なヤチカンバの現地調査を行いました。その中で、ヤチカンバについては3,239本が確認されております。その後2回目なのですけれども、1回目のときに実際種子を採取して、それを育苗して育てて、それをまた現地に戻すという作業を平成20年に行いました。そのときに現地のほうには114株植えさせていただいております。植えた株につきましては、日当たりのいい場所なのですけれども、ヤチカンバがないということを確認した上で、ササの原を10メートル、20メートルかき起こしまして、そこに移植したという作業を行いました。その後それに対しての3回目の調査ということで、それがどのような形になっているかということで調査いたしましたら、114本中114本全部元気に育っていたというようなことが確認されております。あわせて各学校にもそのときに30本ずつ植栽してもらいましたが、一番日当たりのよかった上更別小学校なのですけれども、そこが30本中24本生きていたと、元気だったということでございます。上更別小学校につきましては、国道に面した花壇のホールがあるのです。そこが非常に日当たりのいいところなのですけれども、そういうところから考えましても、ヤチカンバについては、言われていますけれども、日当たりのいいところがよく育つのかなというようなことも考えております。それで、時間がないというご指摘ありましたので、今後の進め方なのですけれども、湿地に戻すというよりは、今競合して樹木を駆除することで何とかヤチカンバが生き残るのでないかというようなご指摘もあるものですから、実際競合種を枯れさせてヤチカンバを守るという方法もあったのですけれども、その点につきましては道の文化財の部分と、それから専門家の協議の中で、ほかの絶滅危惧種に影響があるので、それはやめたほうがいいというご指摘があって、現在は4回目の調査といたしまして、競合している植物なのですけれども、ヤマナラシという植物と、それからシラカンバというのが非常に競合してヤチカンバの生育を邪魔しているのでないかということでございまして、こちらの樹種が現時点でどのような状況で分布しているかというような調査をことしやりました。ことしで終わらなかったものですから、来年も引き続きやる予定をしております。それを調べた結果、それをどのような形で、例えば切るですとか、そういうような形で保存に向けた取り組みに向けていくのかということの検討を行おうとしているというようなことで考えております。そういうことで、時間がないということなのですけれども、一つ一つそういう形で調査してやっているというところについて説明させていただきました。あと、もう一つの教育、現地に行って実際見るのが一番子どもたちにとっていいのではないかというお話でございます。私は、教育長になりまして今年度特に各学校についてはふるさと教育の推進についてお願いしております。更別村は非常に豊かな自然と広大な農地、そして脈々と受け継がれてきた文化と伝統がございます。その中には当然こういう植物もありますし、さまざまな部分で地域の財産を利用して子どもたちに地域のふるさと教育をやっていただきたいということで進めさせていただいております。その中で、学校の学校通信の中にも校長からヤチカンバについてのコメント、資料がありまして、こういう形で各家庭にも配布させていただいているところでございます。そういうことで、ヤチカンバに限らず、更別村のふるさとを感じる、そういうふるさと教育についてはこれからも各学校にお願いして、やっていただきたいなというふうに考えているところでございます。あと、現地につきましては一応保護区ということになっているものですから、実際に中に入って中のものを見るということについてはどうなのかという部分については道の担当者に確認しなければいけませんけれども、それに近いような形で保護地域のヤチカンバに触れる機会があれば、それは対応していきたいなというふうに思っております。以上答弁とさせていただきます。

再質問 6番 村瀨泰伸

いろいろ取り組まれて検討しているという状況、継続的にやっていただく。ただ、いずれにしてもやはり時間がないということは十分承知の中で、教育長のご判断でよろしいので、そこはお任せするとしまして、ふるさと教育につきましても現地に行く。今言ったように保護地区ですから、歩けない、入れないということです。でも、全国的にいろんな地区はあります。必ず入れます。それは、そういうような施設をつくるということです。そして、見せる。そのための管理をしていくということは、相まってやっていく必要があるのではないかと思います。いずれにしても、ヤチカンバは余り見た目がよくないものですから、見せたくないのか、見られたくないのか、わかりませんけれども、そういうことも考えた上でさらにふるさと教育などを進めていただきたいと思いますけれども、再度確認したいのですが、学校にいろいろお願いをするということがございますが、あえて教育長、学校側から取り組む、研究をすれといったようなのと逆に提案をいただくような、そういう機会もあったらいいのでないかと思いますけれども、それについてはいかがでしょうか。

答弁 教育長

私が学校にいろいろな指示を出してやっていただきたいというような部分のほかに、学校側からいろいろ提案をいただいてやってみたらどうかという、まさにそうだと思います。当然学校指導訪問なんかで学校にお伺いすることが年何回もございます。その中で、学校からいろいろな要望を聞きながら、こういうような例えばふるさと教育をやりたいというような要望は、確かに聞き出してやっていかなければならない部分だと思っておりますので、その部分につきましてはこれまで以上にこれからもやっていきたいというふうに思っております。以上でございます。

再質問 6番 村瀨泰伸

それでは、次の質問をさせていただきます。次に、村長に宿泊施設の戦略、更別村の未来の姿、希望が描かれているのか。そしてまた、更別の銘木とヤチカンバを体感するといった観光資源とした利活用ができないのかといったことについて質問させていただきます。お店で買い物を済ませて、久しぶりに改めてゆっくり本通を歩いてみましたけれども、今の本通の町並みがいつまで続くのかとつくづく思ったところでございます。そしてまた、幾つかのお店の後継ぎがいるのかなどと、そんなことを思いながら、更別村の人口減少がこのまま進んでいくと大変なことになるなといったことを思ったところでございます。そして、更別村には農業者と車屋さん、限られたお店、あと老人しか残らない、こんな危機感を私は持っております。村長もきっと同じ思いで、この危機的状況の解決のために邁進しているのではないかと思っております。このたび新聞報道で宿泊施設やLED栽培事業がありました。また、熱中小学校のサイトでも宿泊施設事業として紹介されています。私には交流人口や観光人口の増となる施策がいま一つ見えていません。このような状況の中で、宿泊施設となってございますが、リゾート開発等を行うときに最後の設備投資は宿泊施設という認識でございます。村は十勝さらべつ熱中小学校と同時にこの宿泊施設を立ち上げるということは今後の見通しの戦略があり、実行計画が立っているのだと思うところでございます。ところが、地方創生総合戦略の夢大地さらべつ推進会議の動向が全く見えません。また、意見も聞こえてきません。ましてや、住民にとって村が何を考えているかわからないという声もあります。ここが一番の問題で、住民のコンセンサスが得られていないのではないかということです。合意形成のあり方なのですが、今後進めていかなければならない地域で支え合う社会とした地域防災、協働の社会、地域包括医療といったところでいろいろな問題、課題が出てき、それを住民を取り込まないで行政一辺倒の進め方では今後いろいろな施策を進めるときにいささか危惧するところでありますが、この問題は次回としまして、今いろいろと行おうとしている事業は目先のことでいっぱいの住民にはなかなかわかりづらいのは当然のことと思います。宿泊施設は、村の人口減少の対策事業として先見性のある事業としていることを村民の誰もがわかるように、そして更別村の将来の姿、希望が持てるメッセージを期待しまして、以下の2点について質問させていただきます。1つ目には、宿泊施設の戦略、10年、20年後の更別村の姿、プロセスは描かれているのか。村民が更別村の将来に希望の持てる施策となっているのか。村民が希望の持てるメッセージをお聞かせいただきたい。

出典:更別村議会 平成28年第4回定例会 2016年12月15日 議事録 PDF(31ページ) 間違いを知らせる