音更町議会 平成19年第2回定例会 2007年6月14日
士幌川下流地区における湛水(たんすい)被害の解消について
2007年6月14日、音更町議会の一般質問で、高瀬博文議員が「士幌川下流地区における湛水(たんすい)被害の解消について」質問し、町長 山口武敏、経済部長 川上雅二、副町長 藤井勉が答弁しました。
- 質問者
- 高瀬博文 議員
- 答弁者
- 町長 山口武敏、経済部長 川上雅二、副町長 藤井勉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。
質問 19番 高瀬博文
通告に従いまして、一括方式にて質問をさせていただきます。士幌川下流地区における湛水(たんすい)被害の解消についてであります。十勝川水系の士幌川流域は、小麦、馬鈴しょ、てん菜、豆類の主要4作物に野菜を組み入れた大規模畑作経営が展開されております。この地区内の基幹排水路(通称チライオツナイ川「中士幌第1幹線排水路」、通称伊忽保川「中士幌第2幹線排水路」、「中士幌第8幹線排水路」)は、昭和34年から昭和43年に国営総合かんがい排水事業「中士幌地区」で整備をされたわけでありますが、その後の農地開発や国営、道営による支線排水路の整備、明渠、暗渠の整備、降雨形態の変化に伴い、流出量が通水能力を超えたため、周辺農地では湛水被害が発生しやすい状況下にあります。次の項目をお伺いいたします。1、洪水により、農地等の湛水被害がたび重なって発生しておりますが、危険に対する認知度は。2、5月23日、士幌川下流地区国営かんがい排水事業促進期成会が設立されましたが、その趣意と地域農業者への周知は。3、士幌川下流地区の湛水被害の解消は、伊忽保川の改修が最優先と考えるわけですが、今後の対応についてお伺いいたします。以上であります。
答弁 町長 山口武敏(町長は2009年3月まで)
士幌川下流地区における湛水被害に関する御質問についてお答えをさせていただきます。初めに、農地等の湛水被害の危険に対する認知度及び事業促進期成会設立の趣意と地域農業者への周知について一括してお答えをさせていただきます。本地区は、上士幌町・士幌町・本町の3町で畑地かんがいと排水改良を目的とした音更川左岸地区国営かんがい排水事業を計画し調査を行ってまいりました。平成15年度に計画が中止となりましたが、その後も排水整備は急務であるとのことから、引き続き整備要望をしてまいりましたところ、平成17年度から士幌川流域内の幹線排水路等の再編整備を検討するための地域整備方向検討調査が実施されました。本地区の排水路状況につきましては、土水路が多く、その一部は切深不足と流下能力不足により、降雨時には農地への冠水・湛水被害が発生し、効率的な農作業が行えない状況にございます。このようなことから、士幌川流域内でも本町と士幌町の下流域に位置する地域については、緊急的に排水路再整備の必要性があることから、平成19年度から士幌川下流地区として地区調査を実施することとなりました。期成会設立の趣意につきましては、地域農業者が安心して営農できる基幹排水路の整備を実現するために、行政と地域住民が一丸となって取り組む組織を構築し、関係機関に働きかけることが重要であり、この取り組みの総意として平成19年5月23日に士幌川下流地区国営かんがい排水事業促進期成会を設立したところであります。また、地域農業者に対しては、本年2月に関係する行政区長に御案内し、事業計画概要の説明会を開催したところであります。今後は、地区調査を進める中で、地域農業者への説明会を開催し、御意見等をいただきながら調査を進めてまいりたいと考えております。次に、伊忽保川の改修に関する本町の今後の対応についてでありますが、現在の地域整備方向検討調査による整備構想案は、要整備排水路の改修について、経済比較による排水路再整備案となっておりますが、支線排水路の整備に対応するため、地区内の基幹排水路である伊忽保川の再整備は必要と考えております。地区調査の実施に当たっては、地域農業者の要望・意見等を聞き取った中で、経済性や技術的可能性を検討の上、整備計画を進めていただくよう、事業主体である国に要望してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。以上でございます。
再質問 19番 高瀬博文
今答弁をいただきましたけれども、再質問をさせていただきます。まず、洪水による湛水・冠水による危険度という部分で、チライオツナイ川と伊忽保川に絞って論点を整理してお話をしたいと思います。チライオツナイ川は、豊田地区を起点としての排水路であります。私の知るところ、流末に一部その当時いきさつがあるのか、未整備の箇所があるわけですけれども、明渠なり暗渠、そして、道路側溝が整備され、更に水田転換が進んだ今でも、通水断面に余裕があり、湛水・冠水等の被害が軽微である川だという認識を私は持っております。それに対して、伊忽保川でありますけれども、士幌町内を起点とする中士幌第6幹線排水路が流入しております。士幌町内での農地整備、明渠排水、更に降雨形態による降水量の増加に伴いまして、非常に流出量が大きくなっていると思っております。関係者の話によりますと、計算上4割ぐらい多くなっているのではないかという話もあります。その伊忽保川でありますけれども、その通水断面は、もう10年以上前から改修の要請がある排水路、非常に通水断面が足りない上に、湛水・冠水の危険度がかなり高いと私は認識を持っているわけですけれども、このチライオツナイ川と伊忽保川の洪水時の危険度の比較の中で、町側はこの部分、どのように押さえているかを再度答弁をいただきたいと思います。次に、士幌川下流地区の排水路整備を前提とした地区調査でありますけれども、今答弁にありましたように、本年2月に行政区長に事業計画の概要説明があったわけです。その内容は、伊忽保川の改修ではなくて、士幌町起点の中士幌第6幹線排水路の排水を音更町豊田起点のチライオツナイ川にバイパスをつくって流入させるというお話であったように私は聞いております。各行政区長さんからの話で、チライオツナイ川流域の関係者の間では、それはない話だという共通認識を持っていたと思っております。これは私自身のとらえ方としてでありますけれども、例えば、上流と下流の方の耕作者がいる。過去に何の話もなくて、上流の方が明渠もつくり、暗渠もつくり、水を出す状況になった。下の方にこうなったから、あなたの畑に水を流させてください、同じような論点の話だろうと私自身はとらえるところです。今、普通の隣接する農業者の間でも、このような論点の話は起きていないと思います。調べてみますと、チライオツナイ川へのバイパス前提での予算が18年の12月の段階で、平成19年度国営事業等新規着工地区の概算決定の中で、士幌川下流地域のかんがい排水の調査がもう計上されております。その予算執行に合わせて、今回、士幌川下流地区国営かんがい排水事業促進期成会の設立に進んできたと考えるわけですけれども、その中で、いま一つ町側の対応に疑問を持つわけです。それは、2月以降、期成会の設立までに、チライオツナイ川関係者との共通認識を持つ取り組みができなかったのかどうか。もう一つは、町としてこの地域の基本的な排水事業の取り組みに何かぶれを感じるわけです。この5月23日に期成会が設立されたわけですけれども、その後の話の中で、チライオツナイ川関係農事組合の中で、バイパス前提での地区調査の必要はないという結論を出した地区もあるぐらいで、この期成会の設立趣意書の中に、地域農業者が安心して営農できる幹線排水路の整備を実現するために、行政対応ばかりでなく、地域住民一丸となって取り組む組織体を構築して、関係機関に働きかける。これはどう見ても、チライオツナイ川流域関係者には、そういう論理が厳しいのかなと。こういう論点でバイパスありきの中では、共通認識として非常に持ちにくいものだなと私は感じるわけです。また、この期成会でありますけれども、期成会の会長に山口町長、そして、副会長に小林士幌町長となっているわけですけれども、このバイパス前提での今後の期成会という対応について、山口町長は非常に苦慮するんではないかということを心配するわけです。やはり伊忽保川の改修に尽きるのかなと思うわけですけれども、非常に話の中でハードルが高いのも事実であると聞いておりますが、本町としては、基本スタンスを伊忽保川の改修一本に絞る。そして、士幌町さんとも共同歩調をとった上で、伊忽保川の改修を図る、このことが伊忽保川の流域関係者を含め、そして、士幌川下流地域の地域農業者の理解が得られる形ではないかと思うわけですけれども、この点も含めて答弁をいただきたいと思います。
答弁 経済部長 川上雅二(経済部長は2009年3月まで)
1点目のチライオツナイ川と伊忽保川の危険度の関係でございますけれども、過去に両排水路につきましては、湛水被害がございました。私ども押さえている段階では、チライオツナイ川ではおおよそ湛水被害が86ヘクタールでございましたし、また、伊忽保川につきましても、おおよそ82ヘクタールの湛水被害があったところでございます。なお、伊忽保川につきましては、平成15年8月に150ミリメートルの降雨があった際、湛水被害はもちろんでございますけれども、10号、11号間にかけて一部冠水被害があったところでもございます。その地点で土盛りをいたしまして、築堤をつくった経緯がございます。伊忽保川とチライオツナイ川の被害状況を比較しますと、一般的に伊忽保川のほうが多いと考えられます。また、伊忽保川の改修につきましては、34年から43年にかけまして、当初水田地帯の排水路整備ということで、整備を行ったわけでございますけれども、現在に至りまして、集水面積は変わってはおりませんけれども、現在、畑地帯となっております。伊忽保川に流れ込む到達時間というのが当初に比べて早くなっているため、一時的な満杯状態になるということで押さえております。したがいまして、当初の整備後、4割水量がふえたということではなくて、到達時間が早くなったと考えております。それから、2点目でございますけれども、今回、促進期成会で説明いたしましたのは、伊忽保川は一級河川でございます。一級河川を改修となりますと、時間と膨大な事業費がかかるということで、これら緊急的な対応を検討したときに、伊忽保川の負担を軽くする方法ということで、一応案を出させていただきましたけれども、国といたしましては、今回期成会の中、それから、地元の意見等々を十分重視した中で計画を行うということを言っておりますので、私どもも事業者であります国に対して、伊忽保川の改修の要望をしてまいりたいと考えております。なお、本年度から地区調査に入るわけでございますけれども、バイパス論ありきでの事業計画とは押さえておりません。まず、17年から18年に地域整備方向検討調査というものをやっていただきました。これにつきましては、事業が国営事業でやる必要性があるかないかの調査でございまして、本年度から始まります地区調査につきましては、国が土地改良事業を施行することが妥当であると認められた地区におきまして、この排水路整備の方法と事業計画案を作成するための地区調査でございまして、バイパスありきで実施するというものではないということで、御理解をいただきたいと存じます。
再質問 19番 高瀬博文
今の説明の中で、バイパスありきではないというお話がありましたけれども、5月29日に環境に係る情報協議会というのが札幌の第一合同庁舎で開かれているわけでありますけれども、その中で士幌川下流国営かんがい排水事業の地区調査ということで、議事になっておりまして、地区の計画案も出ておりますし、説明もされ、その上で士幌川下流地域ではそれぞれ協議会の中に常任委員、そして、非常任委員が大学の先生ですとか、いろんな方が参加する中で論議されております。その中では、もう完全にバイパスありきという論議がされて、そして、その協議内容のコメントとして、地域住民も協力しながら進めることが望ましいという形で議事が進められているわけですよね。今ありきではないという話でありますけれども、こうやって既定の事実を積み重ねてきているなという実感を私は持つものですから、今回こういう形での質問をさせていただいているわけです。そういう中で、伊忽保川は一級河川ということで、時間と膨大な費用がかかる。そうかといって、代替的にチライオツナイ川にバイパスをつくろうとしても、これは無理だと私は思うんです。やはり音更町はぶれないで、士幌町ときちっと協議をしながら、伊忽保川を改修していくということを第1のスタンスとするというのが私は町の姿勢だと思うんですけれども、この辺を含めて、もう一度答弁をいただきたいと思います。
答弁 経済部長 川上雅二(経済部長は2009年3月まで)
5月29日付の関係でございますけれども、一応全道の事業の関係する環境常任委員会での席で、士幌川下流域の地域整備方向検討調査の結果ということで報告されたものでございます。なお、私ども直接担当しております帯広開発建設部の担当部署との話の中では、あくまでもバイパス論ありきで地区におろすという話にはなってございません。先ほども申し上げましたとおり、伊忽保川の改修に時間と莫大な費用がかかるときに、緊急的に整備しなければならない場合の案ということで、国のほうからは4案から5案の説明を受けているところでもございます。私どもとしましても、伊忽保川の改修が第一義ととらえておりますし、時間と事業費が許すのであれば、伊忽保川の改修を先にということで、今後も要請を続けていきたいと思いますし、国のほうとしましても、あくまでも事業計画につきましては、事業費を抑えた中で、それから、時間の短縮の中で、いち早く効果が出るようにという押さえでございます。私どもも引き続き伊忽保川の改修を要望していきたいと思っております。
答弁 副町長 藤井勉(副町長は2007年9月まで)
期成会のときに、私町長代理で出席しておりましたので、若干経過が分かります。いずれにしましても、土地改良事業ですから、受益者の意見を無視してということにはなりませんし、その場所でも私確認をさせていただきました。今後の調査の経緯については、受益者の皆さんの意見、そして、町も実態に合った意見を言わせていただくという前提で期成会をつくらせていただきましたので、今後につきましても、その姿勢はきちっと持った中で、計画そのものの内容について重視をしていきたいと思っていますので、そのようなことで御理解をいただきたいと思います。