みんなの議会

ニセコ町議会 令和5年第4回定例会 2023年6月14日

リゾート開発の総量規制等の検討について

2023年6月14日、ニセコ町議会の一般質問で、高木直良議員が「リゾート開発の総量規制等の検討について」質問し、町長 片山健也が答弁しました。

質問者
高木直良 議員
答弁者
町長 片山健也

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

議員の質問 3番 高木直良

3 つ目の質問であります。リゾート開発の総量規制等の検討について。昨年の 9 月議会で同課題の一般質問をいたしましたけれども、それに対する町長答弁を要約すると、「土地の所有者の財産権にも関わり、海外の法制度と日本の法制度は相当違っている」「現在の総量規制は公害関係、あるいは公衆衛生関係のみではないか」と。怖いと。その一方で新たな問題としては、「京都では宿泊の部屋数をオーバーツーリズムの関係で議論中」であるとか「基本的な考え方同じ」、「相当ハードルが高いので、今後さらに検討してみたい」などのご回答をいただきました。町長はこの 2023 年度執行方針の報告において、「DSTC基準に即した持続可能な観光地域づくり」、「秩序ある開発への誘導」、「環境負荷の低減と地域の活性化の両立を目指す」などを明言されております。また、倶知安町では、新たな開発規制をこの 10 月から実施しようということで案が示されております。これらを踏まえて、以下についてお尋ねいたします。⑴倶知安町が新たな開発規制を検討してきた経過とその内容について、どのように評価しているでしょうか。⑵昨年 9 月の答弁や今年度の執行方針、そして倶知安町の状況を踏まえ、今後の開発規制検討の見通しについて明らかにしていただきたい。以上です。

答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)

ただいまの高木議員のご質問にお答えいたします。まず 1 点目のご質問です29が、倶知安町では宿泊施設の建設が急速に進む中、観光地としての質を確保するため、ホテル建設などの大規模開発への制限や一部エリアでの開発敷地面積を広げて、緑地を確保しようとすることなどの取組が進んでおります。このことは、ニセコエリア全体にとっても大変好ましいことと評価をしているところでございます。2 点目のご質問につきましては、現在進めている建築ガイドラインの今年度中の策定に努めるとともに、ガイドラインを有効に運用するため景観条例の一部見直しも行い、ニセコ町の自然環境資源との調和を図りつつ、持続可能な質の高い観光地を目指していきたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いをいたします。

議員の再質問 3番 高木直良

再質問させていただきます。倶知安の開発規制の方向性については、おおむね肯定されたというふうに思います。私は以下の点でこの倶知安町の取組について評価したいと思っております。一つは、これまでの主ヒラフエリアの開発の経過も踏まえて、投資や開発の性格を年代区分としてどんな特徴があるかということを 3 つに分けてとらえています。それで 2 つ目の区切りとしては、2012 年頃からアジア系の宿泊需要が増えて、施設の大型化や開発エリアの拡大が増えてきた時期、これを一言で言うと「不穏」と位置づけて書いています。それから、次に 2017 年頃から現在、これを好調な買手市場により、さらに外側へ大規模で投資益の大きな開発も進む、言葉で言うと「危機」という言葉を使っています。「危機」の時期に変化している。そういった開発、あるいは資本投下の変化をきちっと分析っていいますか、特徴づけています。このことが私は今回非常に評価いたします。その上で、観光客に対するサービスの質や開発がどんどん広がっていくスプロール化、これを何とか手だてをしなければいけないと。だから、認識をきちっとした上で手を打つという位置づけがはっきりしている。二つ目としては、その上で景観地区、ニセコ町にもありますが、その一部分を新たに保全地区というふうに位置づけて、これを設定したわけです。景観地区全部じゃありません。景観地区の一部を新たに保全地区と位置づけて、最低面積を 1,000 ㎡以上に統一するとか、高さ制限を 13mに統一、13mというのは「森に埋もれ森と一体化」というコメントがありました。それから樹林地率、これは建築予定の敷地面積のうちの樹林地率、水平投影による残存森林及び造成の森林、それを 50%というふうに明記しております。そして私がこの点が気を使っているなと思うのは、その上で最低敷地面積、今は 1,000 ㎡以上というふうにしておりますけれども、その場合の例外として農家施設や農家住宅を除くと明記しております。私はこういった点を積極的に評価したいと思っておりますけれども、これについて町長のお考えあれば示していただきたいと思います。

答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)

先ほど申しましたように、倶知安町の景観の取組につきましては、地域全体にとっても大変良好でいいものと思っておりますし、今後適正なこういったものが執行されていくと、地域全体の環境にも良い影響が進むのではないかと考えているところであります。

議員の再質問 3番 高木直良

2 項目について質問させていただきます。ニセコ町においても、景観条例と30合わせて景観地区とか準都市計画とかっていうのを決めて景観地区の指定をして、特定用途制限地域指定も行い数値による規制の運用しています。こういった努力、そして町長がおっしゃっている持続可能な観光とか秩序ある開発、開発負荷低減ということでこれを本当に進めようと、あるいは倶知安町の評価も今ありましたように進めていくということでならば、今ある規制をもう少し、例えば開発計画も最近拡大してますよね、景観地区も指定されておりますけれども、最低敷地面積や建ぺい率、高さ制限、緑化率、これ数値規制になっておりますが、これをいわゆる強化するという方向で見直す。そういう時期に来てるのでないかと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)

景観条例につきましては、ガイドラインに基づいて一部見直しをする方向におります。ただ、私たちの町自体は 2001 年、その 3 年ぐらい前から環境基本計画をつくろうということで、やっぱり環境のまちはどうあるべきかという議論をしたときに、その中で景観の話合いもしました。今も変わっておりませんけど、景観法に基づいて一律で全町を規制する状況はニセコ町にはない、それは地域によって波状傾斜でありますので、低みにあっても高台があったり、いろんな地域ごとのバリエーションがあると。それと何より大規模に空白地帯があるわけでなくて、皆さんの住民の暮らしがそこにあると。そうすると、住民の暮らしを第一に物事を決めていかなくてはならないということを、当時総合的に勘案をしました。景観法の規定で、今の景観法上の(行政)団体になっていくと、例えば 20mとか 30mと決めると、それは当然全てやる側の権利になりますので、いやここはちょっと高台にあるからもうちょっと下げてっていうのは、基本的に法律上できないことになります。私たちはそういう画一的なものより、住民の皆さんがその地域の価値を話し合うということで、住民説明会をつくるほうが機能的だと考え、景観条例の制度設計をしております。それと町全体ですとか、先ほど言ったようには波状傾斜を含めて地域の状況が多様でありますので、地域協定を結ぶことによって、その地区の価値、地域の景観や環境を守っていく必要があるのではないかということで、地区協定の規定もさせていただきました。そのあとに、開発のスプロール化を懸念されて、準都市計画の一部をつくりましたけど、そのときの議論の詳細を見ていただければ分かるかと思いますが、実に小さな土地もたくさんありまして、建ぺい率を高度にするとそこに家が建たないと。そういうことになると財産権を侵害することになるということで、経過としては全体の議論の中で現在の 50 という数字に落ちついたというような実態であります。私は今まで見ていて、全体の景観を守るという視点でいくと、ニセコ町の景観条例はそういう面ではかなりすぐれた条例ではないかと思っています。ただ今後の課題としては、地区協定というのはあまり進んでおりませんので、例えば白馬はエリア全体が 30%という地区協定を結んで、それをきちっと皆さん守られていて、緑地率がすごく広い地域もあります。そういったことの応援を、町でも一緒になってしていくことにより、各地域の文化を守っていくということが良好ではないかと考えております。今回ガイドラインというものを使わせてもらっていますが、これは昔指導要綱とか指導要領とかってよく言われていて、行政による指導的な、どちらかと要望的な運営であって、法的にはいかがかという時代がありました。しかし、今これからまさに住民自治ということを考えていくと、やっぱり住民の皆さんがそういう参加をして、絶えず柔軟に協定を見直したり、地域の価値を変えていくといいますかね、そういうような文化をつくってい31くことが重要ではないかと考えているところでございます。引き続き現在ニセコ町ガイドラインの策定を進めておりますので、この中の議論を取りまとめながら条例にも反映させていきたいと考えているところであります。よろしくお願いいたします。

議員の再々質問 3番 高木直良

再々質問させていただきます。今お話ありましたニセコ町の現在の景観条例をつくっていく過程、その議論についても資料が残ってますので読ませていただきました。皆さん非常に熱意を持って、熱心にやられたということは分かります。また、今現在それがさらに進められて、景観条例を 2 回ぐらい条例改正しましたし、今ガイドラインまで進めてやろうとしてる、その努力に対しては非常に敬意を表します。その上で、倶知安町が先ほど紹介したように、今の段階を「危機」というふうに一言でとらえているわけです。そういう認識が、今の町長のお話から言うとあまり感じられません。私はこれまで開発の案件があったときに、地元説明会が景観条例で義務づけられているので事業者さんはやります。1 回で済まない。2 回 3 回、多いときは 5 回ぐらいやることもあります。その度に参加されている住民からは、やっぱりこう変えてほしいということを言うわけです、具体的に。もっと距離をとってほしいとか高さを抑えてほしいとか。でもそれは実現したためしがないんです。町長の理念として、住民が声をあげて事業者さんと対等に話合いをして折り合いをつけてやっていく、一律の規制ではないんですと。住民自治が生かされる、そういう条例なんですという理念を繰り返し言ってるわけですけども、それはそういうことであってもいいんですけども、準都市計画、今度は景観地区に指定することで数値を出したわけです。今現在この開発の状況を見て、その数値が妥当なのかどうかっていう見直しはやっぱり必要だなと思っています。よく出てくる財産権の問題などがありますけれども、例えば何がしかの例外規定を設けることでそれを救うと。先ほど紹介した倶知安の場合は、保全地区であっても 1,000 ㎡という最低面積について、農家施設は外すという例外規定を設けているわけです。そのような形で工夫することによって、現状に合わせた数値規制の見直し、強化していくっていう方向ですね、私はそれは現状において、非常に迫られている課題ではないかと思っています。ですから、準都市計画あるいは景観地区の一部拡大とか、それからさっき言った数値をもっと強化するということを検討すべき段階ではないかなと感じています。それでちょっと参考までにご紹介いたします。これは新聞報道から知ったわけですけれども、そういった新たな新規性について関係者の方からインタビューの記事がシリーズで載りました。その中で、こちらの地域に来て不動産事業をされている外国人の方、それなりの年数をやっている方のインタビューがありました。あるオーストラリアの事業者の方は、短い言葉で引用しますと「難しさよりチャンスだと考えている。大切なのは建物よりも人の気持ちだ」と。これは私が抜き出した部分です。もう 1 人、カナダから来て不動産事業などをやっている方は、「開発のベースをコントロールするため、年間に建築確認を受けられる宿泊施設のベッド数に制限を設けるべきです」というようなことも言っている。そういう方も実際にこの地に来て事業をやっているわけです。そういう方々からすれば利益を上げたほうがいいという立場だと思うんですけど、このエリア全体の魅力を守っていくという点での発言として、私は非常に注目しました。そういったことも含めて、いわゆる数値規制の一定の見直しは必要じゃないかということについて、改めてご意見を伺いたいと思います。32

答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)

数値規制の強化が必要だと。では具体的にどういう規制、どの部分の数値の強化が必要か、それをご提言いただければありがたいと思っています。数値を明確にするということは、相手の権利になるということですので、それに対しては一切意見とか通らないんですよね。だからそのことと、住民の意見として柔軟に変えていく要素があるのと、どっちに価値があるかということを私は考えて、現在の条例のほうに軸足を置いているのが実態であります。それと住民の声が生かされたことは過去にないとおっしゃいましたが、高さを変えたり場所を移したり、トップの高さを下げたり、それは今までもたくさんやっていますし、建物においても向きを変えたという実例も今までいっぱいあります。そういう中で合意形成が図られていっていますので、全くないということはちょっと言い過ぎかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

出典:ニセコ町議会 令和5年第4回定例会 2023年6月14日 議事録 PDF(28ページ) 間違いを知らせる