ニセコ町議会 令和4年第7回定例会 2022年9月15日
ニセコ町におけるリゾート関連開発に対する総量規制等の検討について
2022年9月15日、ニセコ町議会の一般質問で、高木直良議員が「ニセコ町におけるリゾート関連開発に対する総量規制等の検討について」質問し、町長 片山健也、都市建設課長 黒瀧敏雄、副町長 山本契太が答弁しました。
- 質問者
- 高木直良 議員
- 答弁者
- 町長 片山健也、都市建設課長 黒瀧敏雄、副町長 山本契太
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 8番 高木直良
3 件目に移ります。ニセコ町におけるリゾート関連開発に対する総量規制等の検討についてお尋ねします。現在ニセコエリアで起きている開発ラッシュは全国でも特異な海外マネーによるバブル現象として注目されています。7 月のNHKクローズアップ現代「バーゲンジャパン~買われる日本の観光地」にも取上げられました。人口約 5,000 人のニセコ町には都市計画区域が定められていませんが、乱開発を防止するために 2004 年にニセコ町景観条例が施行され、2009 年には準都市計画区域も指定されました。しかし、近年のニセコでは準都市計画区域にとどまらずに、投資目的の開発案件が増え、地元説明会では規模縮小などの要望が出されておりますけれども、ほぼ事業者の計画案どおりに着工され、現行の規制では住民の要望は通らず、環境面での不安も起きています。以下の課題について見解をお聞きいたします。(1)住環境、農作業、インフラ整備・管理、除雪・排雪など、周辺住民の生活への影響や植生、地下水、温泉源、汚水・排水、CO2 排出などの自然環境への負荷の面から、開発の総量規制等の検討をすべきと考えるがいかがでしょうか。(2)ニセコ町は「持続可能な観光」に取り組んでおりますけれども、国連観光機関(UNWTO)は「持続可能性の原則は、観光開発に関する環境・経済・社会文化的な側面にもあてはまる」としております。フランスのスキーリゾートのクーシュベル村では「開発当初からホテルや別荘など建築できる区域を総面積の 3%に限定」しております。こうした事例を参考にすべきと思いますが、いかが23でしょうか。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
1 点目のご質問でございますが、ニセコ町では「ニセコ町環境基本条例」、「ニセコ町景観条例」、「ニセコ町水道水源保護条例」、「ニセコ町地下水保全条例」、「ニセコ町再生可能エネルギー事業適正な促進に関する条例」、「ニセコ町準都市計画」など開発に対する規制等の条例がございます。また、このほか国が規制している「都市計画法」、「大気汚染防止法」、「水質汚濁防止法」、「河川法」、「国定公園法」や「農地法」など様々な開発に対する規制もございます。日本においては民法上の財産権との調整もあり、訴訟リスクを乗り越えての総量規制の合理性を制度設計するのは、現状では相当難しいのではないかと考えております。次に 2 点目の「ホテルや別荘など建築できる区域を総面積の 3%に限定する」というフランスの事例を参考にしてはどうかとのご質問につきましては、土地の所有者に対する権利制限をかけることになり財産権にも関わることなので、条例で民法上の権利を制限するということは、海外の法制度と日本の法制度は相当違っておりますので、相当な工夫がいるものと考えております。このような状況を勘案して、本年度から本町においては地域ごとに意見交換会を開催し、各地域の特性を生かした建築ガイドラインの策定を現在考えております。このことにより、よりよい開発への誘導を図ることができればありがたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
議員の再質問 8番 高木直良
1 点目の回答に対する再質問をさせていただきます。総量規制がどうして必要かということの一つの直近の事例ですが、この間政策案件説明がございました新たな市街地の上水水源のボーリング調査を中止すると。そして近藤地区の水源に余剰水を求めるということがありました。なぜそうしたかという説明は、近くに数年前から地ビール工場が操業しており、そこで使う水を汲み取ってるわけですが、井戸の水位に影響が出てきているということが判明したので、その近くの今探査してたところはやめますというお話がありました。これはやはり同じ水脈から、一方は水道水にしようか、一方は民間の工場の水源にしようかという競合状態が生じたというふうに思うんですね。それと今朝の道新ですけれども、倶知安町の花園地区において、以前約束した水を供給できない見通しであるということが議会で問題になったということがあります。こうした事例を見ますと、やはり一定のエリアで開発し給水するための井戸を掘ったりする、あるいは使った汚水を浄化した後放水するというようなことが環境負荷の面からトータルでとらえないと、個別は全部先ほど列挙された法律全部を満たしています。だけどそれが並んだときにどうなるかっていうのをきちっと見ておかないと、これは必ず問題が起きてくるんです。そういった意味での総量制限は必要ではないかという趣旨でお尋ねしておりますので、そういうコントロールについてどのようにお考えかお聞きします。
答弁 都市建設課長 黒瀧敏雄(都市建設課長は2023年3月まで)
今おっしゃったように、全体を見てというところのトータルでの規制を含めて見る機関がないかということについては、都市建設課で開発行為の関係については受付けをしているもんですから、申請が来たときにはまずはうちの部署で内容を確認し、専門的な部分もあるのでそれぞれの部署に進めていく、例えば水道の関係については水道の担当のほうに確認をさ24せて、そして進めていくっていうことで、それぞれの部署でそういうチェック機能を設けていきたいなというふうに、これまで同様考えています。あと私もいろいろ調べてみたんですけども、総量規制についてはどういうものがあるのかというところで見てみました。今環境保全を目的に行っているっていうことで、四日市市のようにいわゆる大気汚染とか水質汚染、そういうものに対して総量規制を行っている事例があります。そもそも人口とか工場とか、そういうのが集中している市町においてはそういう総量規制をかけてるんですけども、現段階においてニセコ町の規模において総量規制までということではないんですけども、先ほど町長からも説明があったように、まずはガイドラインでできる限りそれぞれの地域ごとに問題点とか課題点を整理しながら、まずはそういうところからルール・規制をかけていきたいと考えてございます。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
ただいまのご質問ですが、基本的な考え方は私も同じように思います。そういうことができればいいと思ってます。ただ日本の法律上、現在の総量規制、私が知り得る中で欠けてるのは、先ほど言った公害の関係と、それから墓地については公衆衛生上の観点から総量規制があるというふうに承知しております。あと京都ではまだ検討段階ですけど、宿泊の部屋数をオーバーツーリズムの関係でどうしようかという議論があるというふうには聞いておりますが、いずれも住民生活に直結する、いわゆる住民の暮らし自体を悪化させる要因、基本的人権であるとか幸福追求権とかいわゆる憲法を侵害するような状況での規制というのは検討されていると理解しておりますので、現在の状況でそういった全般的な規制っていうのは、そもそも総量の基準をどこにするのか、全町なのかあるいは区域なのかとか、そういったことも含めて相当制度設計が難しいということで、これについては環境保全の専門家の意見も聞きましたけど、相当ハードルが高いということでありますので、今後さらに検討してみたいと思います。ただ条例規制はできませんが、いわゆるこれまで日本がやってきた指導要綱っていいますかね、町としてはこういう方針なのでなんとかこれに沿ってくださいという指導要綱自体は強制力がない共感と協力に基づく開発等でありますので、こういったことによってそういった方向に誘導していくということは可能ではないかということを考えております。現在そういった意味でのガイドライン作成に着手をしておりますので、よろしくお願いいたします。
議員の再質問 8番 高木直良
ちょっと条件が違うんですが、今お隣の倶知安町で準都市計画について見直しをするということで、新準都市計画プラン(案)を検討中です。その資料を見ますと、もともと都市計画で地域割してますからニセコとは違うんですけども、ただ同じ準都市の中でも今起きてる状況、建物の状況や使われ方を移設前に分類して、そこで建ぺい率が厳しいとこは 30%、40%、50%というふうにかなりきめ細かくやろうというのが今の倶知安町の動きです。ですから、そういう都市計画が今ないニセコ町とは単純比較はできないんですけども、考え方としてはやはり今の過剰な開発に対する一つの歯止めなり、誘導なりっていうことが根底にあると思うんですね。ですから私は、今ガイドラインを地域ごとにプランを練っていくということで、発想はそういうことで現段階ではいいと思うんですが、いずれ数値的なことも一定のエリアを決めながらやる必要があるのではない25かと思います。すぐじゃなくて将来的には必要なんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
答弁 都市建設課長 黒瀧敏雄(都市建設課長は2023年3月まで)
今倶知安町の事例のお話も伺った中で、確かにうちの町には都市計画をひいていませんが、都市計画をひきますと 10 項目くらいの用途地域の指定をすることができます。ただ、今そういう指定をしていないために、そういう用途の指定はできないという現状にあります。これまで景観条例に基づいて、準都市計画区域以外の部分についてはその規制に基づいてこれまでやってきましたが、確かに今そういう準都市計画区域以外の部分については景観条例だけの対応というところなので、そういった部分の法的な数値的な規制がちょっと薄いという部分については、原課としても危惧しているところです。それで、先ほどもおっしゃったように、まずは建築ガイドラインからまず定めさせていただきまして、ゆくゆくは準都市計画の拡大をせざるを得ないとか、もうちょっと数字的な規制をつくらないといけないとか、その辺は今後状況を見ながらつくっていかなければいけないというふうに原課としては考えてございます。
答弁 副町長 山本契太
今のお話についてちょっとつけ足しをさせていただきたいと思います。都市計画のいわゆる規制といいますか、そこの部分についてはご存じかと思いますが、人口 1 万人以上という枠がありますので、ニセコ町は今のところひいていないということではなくて、法的に都市計画はひけないということでございますので、そこだけはまず確認をさせておいていただきたいと存じます。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
将来的にということでありますので、例えば都市計画法に基づく景観団体を申請するっていう手も当然あり、それによって数値は出せますけど、今度それによっては法律上届け出だけになるということでありまして、ニセコ町の景観条例自体は相当実は厳しい条例です。これはもう事業者さんからも再三厳し過ぎる、将来どうなるかわからない中においては良好な投資さえニセコ町のこの条例は阻害している、私たちはその数値さえ明らかにしたら守るんですということですが、数値を出すってことは相手の皆さんの権利になりますので、この丘は 25 メートルだけどやっぱり 15 メートルにしてっていうことは当然できない、ぎりぎりまでは法の法益を受けるということになりますので、相当将来のまちづくりをどうしていくかということを考えて、特にニセコの場合地域地域で波状傾斜で仕組みにあっても丘があるところもありますし、そういったケースバイケースっていいますかね、その土地の状況に応じて相当見える景観や環境も変わってくると思いますので、そこは現在の町の基本的な考え方を踏襲しつつ、地域地域の協定なり、いろんなもので制約をかけていく、それがものすごく大きな役割じゃないかと思っています。住民の皆さんといろんな場で何回か話し合ったりいろんなことをやってもらいますが、そのことが地域の共感に基づいてまちづくりの共感を生んだり、地域のコミュニケーションを高めていく場でもあると思いますので、一概に数値規制が町にとっていいかというと、私は相当懐疑的な思いを持っているということだけお伝えさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
議員の再質問 8番 高木直良
2 項目の再質問をさせていただきます。観光との関係、持続可能な観光ということでニセコ町も取り組んでおります。それとの関係でありますけども、沖縄の恩納村、かつて沖縄博、海洋博か何かあったところですよね。そこは人口が 1 万 1,000 人前後ということですけれども、ここもやはり恩納村の景観むらづくり条例というのが制定されております。やはり珊瑚の村ということで売出して、お客さんがたくさん来るという状況の中で、やはり村民のほうから過剰な開発が心配だという声も出てきて、今年の 3 月に成立しました。これは都市計画区域という意味ではなくて恩納村の土地利用基本計画ということで、地域割りをしながら、ここは観光リゾートの開発エリアっていう色づけをして、ここは保全するとか市街地にするとか国土利用の土地利用基本計画をつくっております。そのようなことなども少し事例としては参考になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
答弁 都市建設課長 黒瀧敏雄(都市建設課長は2023年3月まで)
今おっしゃった沖縄の恩納村の景観づくりっていうのは私も見させていただきました。確かに建物を建てる場合の高さの規制とか、色の使い方、周辺の樹木の植え方も含めまして、とても参考になる部分あると思いますので、うちの町も建築ガイドラインをしながら、皆さんの意見も聞きながら、恩納村も参考にしていきたいと考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。