ニセコ町議会 令和4年第7回定例会 2022年9月15日
カーボンニュートラル目標(2050目標)達成に向けての現状評価と今後の必要な施策について
2022年9月15日、ニセコ町議会の一般質問で、高木直良議員が「カーボンニュートラル目標(2050目標)達成に向けての現状評価と今後の必要な施策について」質問し、町長 片山健也、企画環境課長 高瀬達矢が答弁しました。
- 質問者
- 高木直良 議員
- 答弁者
- 町長 片山健也、企画環境課長 高瀬達矢
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 8番 高木直良
通告に従いまして、3 問質問させていただきます。1 問目です。カーボンニュートラル目標(2050 目標)達成に向けての現状評価と今後の必要な施策についてお尋ねいたします。世界的に脱炭素の流れを促進しているのは、2018 年IPPCの「1.5℃特別報告書」であり、目に見えて起きている気候変動による自然災害の続発であります。ニセコ町は 2013 年より、いち早く「低炭素都市の推進」を掲げ、具体的な数値目標も掲げて、現状分析に基づく各種の取組みを行ってきました。また、2020 年 7 月には「気候非常事態宣言」を行い、「2050 年には 86%のCO2 削減と森林のCO2 吸収効果による実質ゼロ」を打ち出しました。こうした目標と取組みに関して、以下質問させていただきます。(1)2013 年以来のニセコ町の取組みの評価とCO2 削減の数量的な実績を伺います。(2)町が公表している目標は 2050 年の達成目標ですが、2025 年や 2030 年の目標数値とそのための施策について、町が自ら行う施策と町民や民間各種事業者が行う施策に分けましてご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
) 1 点目の取組みの評価についてでございますが、これまで再生可能エネルギー事業の適正な促進に関する条例や自転車の適切な利用を促進する条例の制定、ニセコ駅前温泉綺羅乃湯や役場庁舎などの公共施設の低炭素化、ニセコ未来街区の推進など、環境モデル都市アクションプランに基づき、脱炭素の取組みを着実に進めつつあるものと考えております。二酸化炭素の削減量では、電力小売全面自由化により、電力会社からの電力使用量の提供がなされなくなったため、現在町全体の具体的な数値計算ができない状況となっておりますが、公共施設、事務事業編というふうに分けますけども、温室効果ガスは 2013 年度の 2,669 トンから 2021 年度の2,124 トンと 545 トンの削減となっており、率にして 20.4%の削減率というふうになっているところであります。次に 2 点目のご質問につきまして、町が公表している目標として、環境モデル都市第 2 次アクションプランにおいて、2030 年度の目標数値を 2015 年度対比 44%の削減を掲げているところでございます。今後における取組みとしては、町と株式会社ニセコまちが連携協力をして、徹底的な省エネ対策を進めるほか、豪雪地帯向け太陽光発電の先導モデルの構築に取り組むこととしております。また、町では建築物の低炭素化を促進する「気候変動対策推進条例」の制定を目指し、ニセコ町の温室効果16ガスの 7 割を占める建物由来の排出抑制対策の促進を図っていく考えでおり、さらに自然再生可能エネルギーの導入への調査検討を進めてまいりたいと考えております。取組み事例を申し上げますと、一般住宅へは住宅省エネルギー改修促進補助事業を実施しているほか、公営住宅の改善事業にあたっては窓を単板ガラスからペアガラスの樹脂サッシに変えるなどの省エネ改修を行ってきているところであります。町民の皆様、事業者の皆様におかれましては、省エネ設備や再生可能エネルギーの導入など積極的に検討をいただき、町全体の低炭素化に御協力いただきたいと考えております。今後におきましても引き続き温室効果ガスの排出抑制に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
議員の再質問 8番 高木直良
1 項目の取組みの評価と数値の成果について再質問させていただきます。ニセコ町はかなり早くから環境モデル都市の指定を受けて、いろいろな取組みをしてます。ただ、そのもっと前から、2006 年ぐらいから具体的に数値目標を掲げておりました。そのときは非常に具体的な炭素排出の要因ですね、どの部門からどのぐらい出てるという数値を公表し、削減目標も具体的に約 6 年か 7 年かけて 4,000 トンぐらい減らすというような数値も掲げておりました。その後、今お話がありましたようなアクションプラン、これは 2019 年ですね、今日ここに持ってきておりますが、このアクションプランではこれまでの流れを見ていくと、2030 年になってもまだ減っていかないというトレンドを非常に危惧して、目標をどのように実現するかっていうなことでいろいろメニューが書かれておりました。その上で、北電が実績を公表しなくなってきて計算ができないということでありますけれども、これは 2019 年に 2030 年までの予測を出してるんですね。だからこれがいきなり下がるっていうことはないでしょうし、先ほど公的部門で実績がありますということが数字で出ておりますけれども、問題なり、町全体の実績がどうなってるか、このアクションプランではそれが難しいってことを言ってるわけです。それで何をすべきかっていうことで非常にたくさんメニューが出てるんですが、これがやはり評価できる側面と同時に課題がたくさん残ってるなっていうのが私が思うところです。そういうことで町長の評価は着実に進んでるというようなご答弁だったと思うんですが、私は非常にまだ課題が残ってるというふうに思います。改めて評価できるということで、全体のトレンドは進んでるという認識でしょうか。
答弁 企画環境課長 高瀬達矢(企画環境課長は2023年3月まで)
ただいまの高木議員のご質問にお答えしたいと思います。アクションプランの関係のご質問ありましたけども、一つ一つ項目を述べる時間はないんですけども、全体で37 項目ほど掲げて、それについて 2030 年度までの削減というようなかたちででき上がってございます。その中で私のほうも見てみたんですけども、37 項目中 12 項目については、条例の制定だとか役場庁舎の建設だとかいろんな部分で着実に進んでいるのかなと。ただ、スピード的にはもう少し加速しなければ間に合ってはいけないのかなと思いますけども、今ニセコまちのほうでニセコミライの街区整備も進んで、先日議員の皆さんにもご説明しましたけども、脱炭素 100 の地域の選定に向けて、今月の下旬ヒアリング審査もあるんですけども、そういうものを具体的に見つけて、何とか 203017年度までに 44%削減に向けて努力してまいりたいというふうに考えているところでございます。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
ただいま高木議員から課題が多いとご指摘がありましたが、そのとおりでございまして課題は山積みしています。ありとあらゆる情報を集め、自然再生可能エネルギーの導入、あるいは地熱も含めて、知見を集めて検討していきたいと思っています。そういったことの一つの動きとして、今回脱炭素先行地域の 100 地域にも提案をさせていただいて、それが合格するかしないかにかかわらず、いろんなものに挑戦をしていくということで考えております。現在、建物由来の排出量を抑えるための条例制定を検討しておりますので、住宅はもちろんですけど、今私たちがどういうふうに持っていったらいいかということで制度設計で悩んでいるのは、大きな事業、ホテルとかそういった投資が大きいものに対して高断熱・高気密をどう誘導するかと。そのインセンティブっていいますか、そういうものの制度設計をどうしようかというふうに考えておりますし、またできればこれらの中で大きな電力会社さんが当該自治体に情報提供する条例の条文も入れ込めればいいなというふうに考えております。ただ、現在大規模施設のエネルギー調査をやっておりまして、大規模なところからはほとんど回答いただいておりますので、残り 1 件回答いただければ、ある程度大まかな推計はこちらでもできます。それらをもとにして取組みを進めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
議員の再質問 8番 高木直良
いろいろな努力をしているということについては評価をしたいと思います。一つの事例で、アクションプランの中で非常に重要だったなと私が思いますのは、この新庁舎の建設にあたってLPGのコジェネの実施をすると。このコジェネはこの庁舎だけではなくて、周辺の公共施設たくさんありますが、そういうところと結合して供給をしていく、電力供給もしていくと、熱も供給していくと、そういったかなり大胆に一定の地域について丸ごと省エネ化を図っていくというプランがあったんですね。ただ、新庁舎できましたけれども、今実際に導入されてるのは防災のときの一時的なコジェネの運転ということで、通常はほとんど使われていない状況にあります。そういう問題がありますのと、それから例えば、計画の中では町営住宅本通団地、綺羅団地、その他、その中に組み込まれている 133 台の電気温水器、合計 630 キロワット、及び 24 台の蓄熱暖房機、合計出力128 ワット、これを順次ヒートポンプ式暖房機、温水器に交換するという目標も取組みに書かれていましたが、実際はこれはほとんど、ほとんどっていうかできてない状況にあります。そういう意味でCO2 削減に寄与するべきこういうメニューについては、実際は進んでいないという評価をしなければいけないんではないかというふうに厳しく見る必要があるんじゃないかと考えますが、いかがでしょうか。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
進んでないのももちろんありますけど、今おっしゃられたようなことも含めて、地中熱や地熱や太陽光、そういったもの様々な知見を今集めているところでありまして、決してやらないわけではありません。この庁舎の上にも全部太陽光設置できることになってます。太陽光の将来的な維持管理でベストなものがあれば、直ちに入れるような条件にはなっております。例えば、18冬に雪がつかないですとか、昨年雪がつかない塗料も開発されたと聞いておりますし、そういうことの情報を集めておりますので、こういったものの環境整備が整った段階でやっていきたいと。マイクログリッドとよく言われますが、地域への電力供給、これも我々ニセコ町自体の中に、ニセコみらいもそうですけど、そういったものがいくつかできることによって、言ってみれば地域の電力を地域でつくっていくことによって、CO2 排出量を抑制していく。こういう考えで動いていることは間違いありませんので、ぜひともそういったご理解いただいて、応援を賜ればありがたいというふうに考えておりますのでよろしくお願いいたします。
議員の再質問 8番 高木直良
続いて 2 項目の再質問に移ります。先ほど一部ご説明がございましたけれども、先日政策案件の説明の中に、脱炭素先行地域として応募すると。その中に選定されるようメニューを出しましたということでした。その目標としては今おっしゃったように、政府も掲げております同じ数値ですけども 2030 年マイナス 44%、これを目標にしていろいろな交付金申請の施策メニューということで説明がございました。これは新たな交付金による取り組みなんですけれども、今までのアクションプランに掲げた施策とこの新たな提案メニューについて、共通点と大きな相違点があればご説明いただきたい。
答弁 企画環境課長 高瀬達矢(企画環境課長は2023年3月まで)
前回つくったアクションプランと今回国のほうに提案するものとの大きな違いということですが、今回地熱を利用した暖房や給湯ができないかということで模索してるところです。様々な課題はあるんですけども、2,000 メートル級の次年度経産省の補助金をみていますけども、それでポテンシャルなどを調査して、その後あれば環境省の脱炭素の選定を受けれれば、補助金で大型の事業を進めようと。その中ではニセコミライは当然ですけども、そのほか今具体的に提出してるのは給食センターの給湯と総合体育館の暖房等に少しでも回せないかと。そしてずっと課題だったプールに対しても、通年はエネルギーの確保的には厳しいんですけども、今やってる 7 月、8 月、9 月の頭までできてるかぐらいを、せめて前後 1 か月ぐらい伸びるような熱が供給できないかと。これが前回のアクションプランとは完全に新たなものというところで認識しているところです。
議員の再々質問 8番 高木直良
再々質問させていただきます。今、非常に意欲的なメニューが並べられたと思います。先日の政策案件説明の資料を見て私も感じているところでいくつか申しますと、再エネ由来水素関連設備の導入、それから今お話ありました大震度地中熱システム、2,000 メートルという非常に深いところからの熱を利用したいということです。それともう一つは、以前はニセコミライの会社の中にエネルギー供給部門といいますか、そういう部門をつくりますってことでしたが、今回の計画で見ますとPPA事業者の設立ということがうたわれています。これは恐らく太陽光中心ですけれども、会社組織みたいなものを立ち上げるという内容だと思います。そういう意味で、意欲的ではあるけれども非常に難しいものが組み込まれているなという印象です。もし、大深度地中熱をこういった体育館や給食センター、あるいはプール等に活用している事例がありましたら紹介していただきたいと思います。目標はすぐではないんですけれども、かなりハードルの高いメニューが並んでい19るというふうな印象を受けておりますので、その実現性、実現可能性について改めてお話を伺いたいと思います。
答弁 企画環境課長 高瀬達矢(企画環境課長は2023年3月まで)
太陽光等の公共施設の整備、ニセコミライの整備については着実に進むものと思っております。昨年来この豪雪地帯に太陽光が本当に使えるのかということで、実は平らに太陽パネルを置いて、2mを超える雪の重さに耐えられるのかというような実験もして、その部分については可能というような判断で、今回この脱炭素のほうに手を挙げたと。この脱炭素の条件は、ある一定エリアの電気部門について 2030 年までにゼロにしなきゃならないというハードルがあります。構想とかそういうことではだめで、ゼロにしなきゃならないという縛りがありますので、再エネとしては太陽光をやっていくと。その中で、先ほどご紹介した地熱の部分でございますけれども、現在この技術を使って実験中ですけども、九州の大分のほうで井戸を掘って 20 管による地熱を汲み上げるというような事例は聞いておりますが、現在あくまでも調査・実験中、国の一事業でということで、今視察等も行きたいなというのもちょっとあるんですが、でも休止してるというような状況でございます。いずれにしても、大々的にやってるのは日本ではまだ事例のない、技術的にはあるんですけども、事例のない事業という認識です。実は環境省のほうもこの地熱に対する補助についてはまだ少し課題があるというような認識で、9 月末のヒアリングに臨んでいくような感じでございます。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
高木議員がおっしゃるとおり、100%オーケーで今動いてるわけでは全くありません。昨日も 4 省庁、厚労省・エネ庁・国交省・経産省と数自治体の首長が、建物由来の排出抑制をどうするかということでZoom会議を行いました。特に暖房、我が町においても古い家は断熱効果がそんなにない実態で、高額所得者は別ですけど、現在家全体を断熱するのは普通はなかなか難しいと。だけど小さい部屋 1 部屋だけ完全に断熱をするだけでも、ものすごい健康効果があるということがわかってきまして、それについて、今先行する自治体がやれば、国も応援する制度をつくろうということで、今内々4 省庁で制度設計に入ってるとこであります。地域で実際にこういうことに今困ってて、これがクリアできればCO2 ゼロにできるんだといういろんな道筋を、我々も国の各省庁に提案をしたり、懇談をしているところでありますので、今後ともニセコで目指しているものができるだけ実現できるよう調整をしてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。