ニセコ町議会 令和4年第3回定例会 2022年3月15日
くじ引民主主義の実践について
2022年3月15日、ニセコ町議会の一般質問で、斉藤うめ子議員が「くじ引民主主義の実践について」質問し、町長 片山健也が答弁しました。
- 質問者
- 斉藤うめ子 議員
- 答弁者
- 町長 片山健也
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 5番 斉藤うめ子
皆様、改めておはようございます。通告に従いまして、3件質問させていただきます。1件目、くじ引民主主義の実践について伺います。町長も御存じと思いますが、このくじ引民主主義に関する質問は2013年12月定例会と2019年12月定例会で無作為抽出方式という名前で2回質問しております。今回で3回目になりますが、よろしくお願いいたします。では、始めます。新たな民主主義への手法、挑戦としてくじ引民主主義による政策決定への一般市民の参加が注目されています。ニセコ町も地域の課題について話し合う委員会や審議会に行政がこれまで行ってきた公募や指名によるものではなく、まちづくりをより多くの町民の方々に自分事化してもらうための新たな手法として、くじ引による町民参加を実践されてはどうか町長に伺います。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
おはようございます。本定例会、よろしくお願いをいたします。それでは、斉藤議員のご質問にお答えいたします。平成24年の9月と平成25年の12月、それぞれ今斉藤議員おっしゃったとおりご質問いただいているところでありますが、改めて回答させていただきます。近年ヨーロッパなどでは市民の政治参加が危ぶまれ、一部の地域でくじ引民主主義、いわゆるロトクラシーが取り入れられていると承知をしております。無作為抽出によるくじによる参加は、無関心層の住民による参加などで公平性や政治への参加意欲を高めるなどのメリットがあると言われております。一方、関心を持てない事柄で選ばれ、議論が低調になる、または成立しない、もしくはそもそも辞退者が増えるとともに抽せん作業に労力を要することなどのデメリットも指摘をされているところであります。日本では、一般財団法人構想日本において既に一部の自治体で勉強会も開かれ、試行されていると聞いております。本町では、これまでもニセコ町まちづくり基本条例の趣旨にのっとり各種の委員会などは公募委員を加えるなど町民参加による開かれた町政を推進するということを基本とした取組を行ってきているところでございます。また、町では町民の基本的人権、思想信条の自由に配意し、町政へ参加しないことも町民の一生事の一つと捉え、必ずしも無作為、またはくじにより参加を要請することはそもそも町民の意思の尊重に配慮しない行為ともなりかねない懸念があるものと考えております。ニセコ町まちづくり基本条例は、主権者である町民お一人お一人の尊厳を守ることを出発点として制度設計をしており、こうした基本的人権に立脚した住民自治の基本を尊重したいと考えております。このようなことから、くじ引による参加は住民の主体的な一生事を大切にする本町にはなじまないものと考えており、今後につきましても同様の考えで取り進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願い申し上げます。以上でございます。
議員の質問 5番 斉藤うめ子
町長御存じかもしれませんけれども、町長自身が構想日本のメンバーであるというふうに伺っております。ですから、その辺のところはよく御存じのこともあるかと思いますけれども、町長の今の答弁を伺っていましたら、先ほど申し上げたように、2013年と2019年の答弁と基本的に全く変わっておりません。最近なのですけれども、この本が昨年の11月30日に、吉田徹さん、これ北大の法学部の教授ですけれども、出版されました。「くじ引き民主主義、政治にイノヴェーションを起こす」を出版して、それからその10日後に、この方、伊藤伸さんという方なのですけれども、この方、構想日本の理事さんですから、町長もよく御存じかと思います。「あなたも当たるかもしれない、「くじ引き民主主義」の時代へ」を出版しています。これ大変面白い本ですので、ぜひ皆さんも、まちづくりに関係している議員さんも読んでいただけたらなと思っています。それで、この吉田先生の中で非常に面白いことを書かれています。くじ引の歴史で最もよく知られているのが古代アテネのくじ引で、公的な事柄を決定するために大々的にくじ引を用い、政治、行政、司法で徹底したくじ引を利用し、アテネの成人男子の約7割が、70%です、人生で1回は何らかの公職に就いたとされるとあります。すばらしいことだなと思ったのですけれども、私もこれを読んで、ニセコ町もこの例に倣って15歳以上の町民の皆さんが、7割あるいは8割以上の方々が一緒に何らかの形でまちづくりに参画する機会を設ける仕組みづくりをしてはどうかなと思っています。ところが、今の町長の答弁では2013年、9年前と基本的には変わりません。ニセコ町まちづくり基本条例のことを出していますけれども、これによりますと町長の、はっきり申し上げると、認識がまだまだ非常に狭いというか、このくじ引民主主義といいますのはもちろん町民の方がまちづくりに参加するけれども、それによって相乗効果といいますか、大事なことは、ここでもちょっと触れていると思うのですけれども、今民主主義が危ないとか非常に危ぶまれている。投票率が少ないとか、それから立候補者が少ないとか、それはお任せ民主主義、民主主義に対する関心がないということの表れで、それでこの構想日本があらゆる手段を使って皆さんに私たちの生活と密着している問題に参画する機会を与えましょうということなのです。町長の、私、はっきり申し上げて、根本的にちょっと誤解しているのではないかなと思うのは、これはくじ引であなたは無作為抽出で当たりましたよ、だけれどもいろんな理由で参画できない方も当然出てくると思います。ですから、最近の有名なのは、ちょっとこれすごくいいあれなのですけれども、2020年に札幌市で気候市民会議さっぽろ2020年、これが日本では全国に先駆けて開催されました。ここに書いてあるのですけれども、市民3,000人に無作為で招待状というか、送って、これに答えた人は48人、こちらでは48人になっているのですけれども、こっち29人、要するに1%です、それを私もやってみようかという人は。でも、最終的にこの気候市民札幌2020年、一昨年ですけれども、選ばれた人は最初30人と考えていたけれども、いろんなこと、事情があったのか、20人に絞ったそうです。もちろん年齢とか性別とか、そういうのもちゃんと平等に参加できるようにということで、これは日本で先駆けてやったということで、非常に注目されているのですけれども、欧米でももっともっと先にパリの気候会議、ここにたくさん出ていますけれども、たくさんやっています。それで、町長はデメリットの点を強調しているように私には聞こえますけれども、メリットは私は非常に大きいのではないかと思っています。ですから、町長、やってみてはいかがですか。というのは、町長は前のやらない理由の一つに膨大な事務量、職員の方が忙しい中で住民基本台帳から無作為抽出やるということは、事務職員が相当負担になるということおっしゃっているのです。それで、やはりこのまちづくり基本条例にもあるように、主体性を重んじる。これに当たったからといって何も強制されるわけでもないし、私はいろんな事情でそれに参加しませんよといったらそれはそれでいいのです。ですから、3,000人、招待状を送って、約1%の方が応募して、その中からさらに選ばれるわけです。このくじ引民主主義、くじ引方式によってもやり方は各自治体で随分違っています。去年斎藤幸平さんがここに、ニセコ町に講演に来られましたけれども、その中で政治の無関心についてどうしたらいいでしょうかねというような質問があったと思いますけれども、くじ引選挙しか、くじ引民主主義しかないですねということをおっしゃっていました。ですから、これ昔からやられたことなのですけれども、今新たにそれをいかに平等に皆さんにも参画する機会を与えるかということで、非常に今急速に広がっています。私は、まちづくり基本条例の主体性とかいろんなことおっしゃるのですけれども、それはそれとして、決してそれに反するものでも何でもないと思っていますので、町長、本当にぜひやってみてはいかがかと思います。現在、これ9年前のデータですので、今は随分違っているかもしれませんけれども、私は5件、その中でも5つ聞いているのです。審議会、委員会の数、32とおっしゃっていました。それで、32の委員会の中で公募委員を採用しているのは31%、3分の1、男女構成割合とかいろいろと見ていましたら、男性が81%に対して女性は19%、世代構成では40歳未満が9%、40歳以上から60歳未満が52%、60歳以上が39%、充て職が35%、これは9年前ですから、今どれだけ変わったのか。今もし分かりましたら、それもぜひ答えていただきたいと思っていますけれども、それでそのときも、先ほどもおっしゃっていたように、採用する予定はございません、無作為抽出によって委員選考やるというのはいかがなものでしょうか、それから私自身の価値観とは相入れないものがあるとおっしゃっているのですけれども、それは町長自身の個人的な価値観なのかどうか、ちょっとそこは判断できませんけれども、これ非常に、これだけではなくて、私もいろんなところから情報を聞いていましたので、ニセコ町こそやってほしいなと思っています。それで、確かに自主的に、主体的に公募に対して応募してくる方はいらっしゃいますけれども、どちらかというと偏っている。もう自分は関係ないよとか、そういうふうな考え方の人が圧倒的に多いことも事実です。これは、やはり民主主義に非常に反するというか、もっと考えていただきたいと思います。以上、またそれについて町長、お願いします。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
ただいまのご質問にお答えしたいと思います。今日現在の委員の状況、持ってきておりませんので、それについてはちょっとお答えできないのですが、今斉藤議員おっしゃった中で民主主義に関心がないということが一般的に広く出て、例えば公募の委員も参加者がいない、特定の人に限られていると。政治に対する関心、こういったものに全く興味を持てないような社会状況にあるという中で、このくじ引民主主義というのは相当いい制度だと私も思っています。もともとこの制度自体は町長みたいな言ってみれば代表者をくじ引で選ぼうと。そのことによって恣意的な判断で強烈なことをやらないと。みんなの意見を聞くので、そこに公平性が担保されて、民主主義は次のステージに行くというようなイメージからこの制度自体はヨーロッパで随分理論的に高められてきた制度だと思います。ただ、私どもの町自体は、斉藤議員、情報が行き渡って、私も参加できる、そのことによって皆さんが政治に関心持つといいますけれども、私たちは全町民に対して公募の委員のお知らせですとかやっているのです。全員がくじ引対象なのです、ニセコ町においては。そして、この割と小さい町ですので、情報もそれなりには、完全ではないですけれども、行き渡っている中で、その中で興味がある人が手を挙げる。自ら考え、自ら手を挙げる、それが私はまちづくりのスタートではないか。そのためには行政ができ得る限りの情報を広く住民の皆さんに、言ってみれば課題や問題点含めて今困っていることも広く情報提供といいますか、情報は開示しつつ、その中で関心を持つ分野にみんなが自由に参加できる、これこそ民主主義を促進する一つの一番大きな基礎ではないかと思っていまして、今現状でそういう面で公募の委員は全くない、全然住民の皆さん関心がないということであれば、私はすごくいい制度だと思うのです。ところが、今環境であれ景観であれ、多くの皆さんが興味持って、実際まちづくりトークをやっていただいたり、どんどん参加している状況なのです。その中であえてそういう広く皆さん意思がある人を集めるのではなくて、くじ引であなた参加してくださいという制度に移行することが必要なのかというと、ちょっとそこは私は疑問に思っているということでありますので、ご理解よろしくお願いしたいと思います。
議員の質問 5番 斉藤うめ子
町長、今から9年前ですか、裁判員制度ができました。これは、町長、こういう制度をどういうふうに考えていらっしゃるのかなというふうにちょっと1つ質問と、それから今、いつも主体的、これだけの、町長はその重要性は十分分かっていますということをおっしゃっていて、ニセコ町のような住民自治の実践をやっているところでは全く無作為抽出というのはもう自由に手挙げ方式でやってきたのだから要らない、実際に誰もいないかというとそんなことはないということを繰り返しおっしゃっているのですけれども、果たしてこの町民の中でどれだけの方たちがいろんなことに参加されているか把握していらっしゃいますか。そこをちょっとお聞きしたいと思っています。ですから、ちょっと今まで関心はなかったけれども、偶然こういう招待状というか、当たってしまった。では、やってみようかなという人が出てくる可能性をやってみるということなのですけれども、私はこれはすごくいいことではないかなと思っています。それから、私は社会教育委員をやっておりますけれども、なかなか公募してもされる方がいない、定員割れになってしまうとか、それこそ社会教育の委員の一つでもいいです。やってみてはいかがかなというふうに思っています。これが、先ほど申し上げたように、民主主義の政治への関心、投票率の向上、それから立候補者が増えてくる、それのきっかけになる、これが伊藤伸さんという方がそこの中で述べている重要なポイントではないかなというふうに私は思っています。ですから、町長がニセコ町にはこうです、こうですとおっしゃっていますけれども、ニセコ町だけの問題ではなくて、選挙一般に、町民の選挙だけではなくて、どれだけ関心を、きっかけをつくっていくということ、意識を持ってもらうこと、これが民主主義への大事な1歩、2歩、3歩になると。ですから、世界中で今やっているわけです。ニセコ町にはまちづくり基本条例ができています。もう既にこれやっていますというもう既にやっているところもこういうくじ引というのをやっているわけです。ですから、そこをもうちょっと広く世界を見ていただきたいなというふうに思っています。町長、先ほど、今ニセコ町の現状を急に質問してもすぐに正確には答えていただけないかと思いますけれども、年齢とか男女比だとか、そういうこともこのくじ引によって調整することも可能になってきますので、なぜ町長がここまで受け入れないという姿勢を貫こうとされるのか、そこは私はちょっと理解できないのですけれども、町長、質問は3回目ですけれども、基本的には変化ないことで、非常に残念に思いますけれども、何か新しく付け加えることはないか、私の質問に対してもう一回答えていただきたいと思います。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
まず、裁判員制度のことをおっしゃられましたけれども、ドイツは広く国民に裁判情報が開かれていまして、その中で例えば裁判で刑事であれ民事であれ、民事の場合はプライバシーがあるので、多くはないですけれども、刑事なんかは完全、割とオープンな中で裁判って進んでいるのです。裁判情報って出てきます。ところが、圧倒的に日本は密室の裁判だったのです。それを何とかドイツのようなものにできないかと。中心的には論文を北穠郎先生が書いたり、それから日本弁護士会や裁判官の中でもそういう研究をされている方がいろんな制度を立ち上げて、そして結果的には日本の国を動かして、今回裁判員制度というのができて、運用しています。この制度自体は、これまで広く国民が参加する場がなかった密室型の裁判に風穴を空けるというすごく大きな意義があったと思います。これは、裁判員制度の中で一つの改革だというふうに思っています。その中で、私は別に抽せん的にやることを全否定しているわけでは全くありませんので、その価値は十分分かっています。斉藤議員今社会教育委員を抽せんしてはと言いましたけれども、それは社会教育委員会の中で委員として発言されて、そういう制度改革をしていけばいい話でありまして、私たちの町自体はこういうがちっとしたもので、これでなくてはならないなんていうことは一つもない。これまでも柔軟に住民の皆さんの意見や発言、それを制度設計で変えてきたり、それは多様なやり方をやってきているのです。ですから、町として何か町のトップが号令をかけて抽せんだというのは私はおかしいと言っているのです。だから、実際に私たちのまちづくり基本条例というのはお一人お一人が主権者として自ら考え行動する、そのことによっていろんなまちづくりを、多様性を担保しながらまちづくりに参加しようという制度でありますので、それは斉藤議員自らが行動をして、そういう制度を立ち上げていくということをおやりになればいいのではないかというふうに思っておりますので、ぜひ今後のご活躍に期待をしたいと思います。よろしくお願いいたします。