ニセコ町議会 令和元年第8回定例会 2019年12月19日
観光地の災害対策と泊原発について
2019年12月19日、ニセコ町議会の一般質問で、高木直良議員が「観光地の災害対策と泊原発について」質問し、町長 片山健也、防災専門官 青田康二郎が答弁しました。
- 質問者
- 高木直良 議員
- 答弁者
- 町長 片山健也、防災専門官 青田康二郎
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 8番 高木直良
2つ目であります。観光地の災害対策と泊原発について、10月25、26日に倶知安町で開催されたG20観光大臣会合で観光による持続可能な開発目標、これはSDGsとかかわります。への貢献の推進の宣言がされました。同時に、附属書の2というものは、観光の強靭性向上に関する行動、これが発表されております。観光は、自然災害だけでなく、人的な災害の両面に脆弱である。災害に伴う観光客の保護、災害からの回復などは世界共通の課題として認識されている。各国は、それぞれ地震、津波、台風、ハリケーン、大雨、洪水、火山の噴火、テロ、感染症などの災害を経験しており、そうした災害に関する防災対処、復興の経験を有しているとして、経験、知見の共有を提起しております。私は、重要な宣言であり、附属文書だと思います。しかし、残念なのは、開催地であります倶知安町、ニセコエリアは泊原発の30キロ圏内にありまして、ここで行われた国際会議でありながら原発の事故の危険性については一切言及がなかった。これが私は残念です。お尋ねいたします。町長としては、1、G20観光大臣会合の意義と成果をどうとらえ、生かしていくおつもりでしょうか。2、観光と災害に関した附属文書で原発災害を明記すべきだったと思いますが、いかがお考えでしょうか。3、私は、泊原発事故の場合自家用車やバスによる住民の避難を行うという現在の避難計画は極めて不完全だと思いますし、とりわけ外国人を含む観光客の安全な避難もこの計画では不可能であると思います。泊原発から30キロ圏内の自治体首長として近隣市町と共同で配慮を求める声を上げるべきと思いますが、いかがでしょうか。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
ただいまのご質問にお答えいたします。まず、1点目のご質問ですが、倶知安においてG20観光担当大臣会合が開催され、主要国の観光担当大臣が集い、世界的視点で観光の課題に対し議論を深めたことは大変有意義なものになったものと考えております。また、本会合で倶知安宣言「観光による持続可能な開発目標(SDGs)への貢献の推進」が採択されたことは、大きな成果であると思っております。特に、観光産業が経済成長の牽引役となること、またSDGsの達成に観光の貢献が共有されたいうことは今後観光産業が世界経済とSDGsをリードしていくものとして位置づけられたと考えており、環境SDGs未来都市となっている我が町にとっても大変大きなエールをいただいたと思っておりまして、今後こういったSDGsの理念というのを観光にも波及させていきたいと考えているところでございます。2点目のご質問ですが、附属文書では今問題とされている気候変動を中心に記載されたもので、原発災害そのものを除外しているわけではないと思われます。ただ、原発災害自体を明記すべきとのご質問に対して、ニセコ町がこの会合に参加しているわけではなく、意見を言える環境ではありませんので、ここでG20の内容についてお答えする立場にないということはご理解賜りたいと存じます。3点目のご質問ですが、観光防災への取り組みについては大変重要な課題と考えておりますが、現時点で運転を停止している泊原発の廃炉と結びつける必要はないものと考えております。また、避難計画については完全なものと思っておりませんので、引き続き熟度を上げていけるよう検討を進めてまいりたいと考えております。今後とも立地自治体や30キロ圏内の自治体と情報共有を行いながら、引き続き北海道電力株式会社や北海道に対し、泊原子力発電所の適正な管理や防災対策についてしっかり進めていただけるよう要請してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
議員の質問 8番 高木直良
行政報告で報告がありましたように、9月25、26日に泊原子力発電所安全対策工事進捗状況の視察がございまして、私は26日に参加する機会を得ました。ここで北電の側から資料説明と発電所内の視察を行ったわけですけれども、これを通じて私自身が感じたことは極めて厳重なセキュリティー対策が行われ、既に2,000億円とも言われる高額な安全対策工事が実施され、進捗していると。それと同時に私が感じたのは、いろんな資料説明、後から私が確認したことも含めてですけれども、北海道の電力は今現在原発なしでも、今後もなしでも賄えるということを感じております。もう一つ感じたのは、事故が仮に起きたと、しかもそれが地震のような大規模な災害と同時に発生した場合に、ニセコ町を含む羊蹄山麓地域の放射能に汚染された空気、放射性プルームによる深刻な汚染というのは避けられないという実感を得ました。それは、書類なり情報での感覚というより、泊原発を出るとすぐ遠くを見ると羊蹄山がしっかり見えるのです。ということは、一旦こういった事故があって放射線が出た場合には、日本海からの風を受けて真っすぐ羊蹄山まですぐに到達してしまうと。当然山麓全体が汚染されるということをそこで実感しました。それは、資料や何かの感覚と全く違う実感でした。現在北電は泊原発再稼働を申請しておりまして、規制委員会から4つの課題が提起されておりまして、審査中でありますけれども、今の最大の焦点というのは、新聞報道にもありますように、原発の今の敷地の直下に断層がありまして、これが活断層なのかどうかというのが焦点になっています。それで、北電側は、私もみんなと一緒に行ったときバスから見えたのですけれども、地盤を掘削しておりまして、地層の調査をして、これは審査を受けるための説明のために改めてまた掘削をしているという状況を見ました。しかし、この間も現場を規制委員会が一緒に立ち会って調査をしてるわけですけれども、審査はまだ続くという状況です。私は、ニセコ町は先ほど町長はSDGsに絡んで廃炉の問題については触れないということなのですが、ニセコ町は環境モデル都市ということで環境については非常に力を入れているという町です。そういう意味では、北電もそうなのですけれども、そのときの説明で北電自身も再生可能エネルギーの開発研究を進めておりますが、一方安全対策費というのは、先ほど2,000億円以上をもう使っているということなのですが、この断層の性格によってはもっとお金をかけて強化すると、まだお金がかかるということがあります。私は、もうこれ以上そこへお金をかけないで、むしろ今とまっているわけですから、そのまま廃炉にする。いずれ、もう30年過ぎていますから、あと10年なのです。40年というのが一応公的に発表されている耐用年数なのです。国はそれを少しまた10年以上もたせようという動きがありますけれども、本来は40年。そうすると、1号機はもう30年来ていますから、あと10年なのです。そういうことも含めて、私は廃炉にして、強化に使うお金を再生可能エネルギーのほうに集中的に、エネルギー開発のために集中的に使うべきではないか。そのようなことを環境モデル都市としての発信を私はすべきではないかと考えますけれども、それはいかがでしょうか。
答弁 防災専門官 青田康二郎
廃炉に関しては私の立場からいいの悪いの言えませんけれども、高木議員からご指摘ありましたことについての防災業務について若干説明をさせていただきます。その前に、議会に出席しまして初めて発言する機会を得ましたことを大変うれしく思っております。ありがとうございます。高木議員のご指摘で、住民の避難計画は極めて不完全で、また観光客の避難も不可能だとのことでありますけれども、防災監として不完全を完全に、あるいは不可能を可能にするということは私の使命だと考えて業務をやっております。その業務においてですけれども、国の指針あるいは法令に基づきまして、防災計画を災害対策基本法第5条に基づきまして自治体の責任において計画を策定し、実効性あるように修正をやっているところでございます。また、原子力防災特別措置法、いわゆる災対法でありますけれども、こちらについては総合的な共同防災訓練の実施について記述されております。ニセコ町においてもことし、昨年度になりますけれども、観光客あるいは外国の方を含めて避難訓練をやり、あるいは炊き出し訓練等をやり、実効性あるような訓練を取り組んでいるところでございます。ご指摘にもありますけれども、至らぬ点等ございますが、どうかこの点はご理解していただきまして、引き続きご協力、ご支援のほうを承りたいと思います。よろしくお願いいたします。以上です。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
泊原発の現状について、高木議員から事細かに現状も含めてご説明があり、その視点というものは一定程度私も理解するわけでありますが、今後志町村会を含め、それから羊蹄山麓30キロ圏のところも含めていろんな、これまでも町村会の中でも議論をさせていただいてきています。この原子力発電所の問題につきましては、今後の私たちの社会の民主主義を考える上では大変重要なことはないかと、これまでは賛成、反対の対立ばかりで、対立で力があるほうが勝つようなことを私たちの社会というのはずっと営々としてやってきたのではないかというふうに思っておりまして、これまで泊周辺地区の皆さんを初め、北海道の貴重な電力を担うことに地域としても大変なエネルギーを使ってこられました。まず、その地域の皆さんの将来をどうしていくのかということも、北海道全体でそれをどうやって支えるのかということを制度設計していくことをしなければ、将来の原発、将来どっちにしても国の方針としても廃炉を目指す方向ですので、原発から次のエネルギーということは国も明確に将来のこととしては環境省も言っておりますので、そこの落としどころをみんなで議論することが大事ではないかと考えます。既にもう福井では、そういう賛成とか反対って決めるのではなくて、この原発をどうやって将来していくのかという議論も既に始まっておりますので、時間的には少しかかると思いますけれども、そういったことの私たち自身がエネルギーどうしていくかという議論の中で泊原発を地域でどうするということをもう少し議論する、その時間軸のコストも必要ではないかと私は思っておりますので、そういった皆さんの思いを共有する中で将来のこの地域の安全というものが確立できればいいなと思っておりますので、ぜひともまたそういう点ご理解賜ればありがたいと思っております。よろしくお願いをいたします。
議員の質問 8番 高木直良
防災監、担当課長のほうからは、訓練でより現実に困難なものを解決していきたいというお話がございました。昨年の12月議会なのですけれども、三谷議員が地震による原発事故時の避難計画について質問をしております。そのときの質問の内容においては、北海道が作成しております2016年度の地震被害想定調査というのがございまして、想定は冬の早朝5時、留萌沖の活断層による震度6強から7の地震が発生した場合の具体的な被害について数字が出ているのです。シミュレーションをしているということで、ここにはかなり詳しく数字、これは想定ですけれども、数字が上がっていて、道路や橋梁の被害箇所が1.何キロメートルに1カ所は被害があるだろうとか、かなり細かく想定が載せてありました。このときに町長が三谷議員に答えまして、避難できるかどうかはそのときにならなければ実際問題わからないと、それから全町避難を行う自体が覚悟として住民の皆さん共通の理解である場合はそういった動きをすればよい。しかし、そういう覚悟が持てないのであれば、それなりの行動をすればよいとお答えになっています。これまでも町長はよく覚悟を持つとかという言葉を使うのですけれども、私はこの回答、やりとりだけから見る限りは泊原発、先ほどエネルギー問題について考えましょうということなのですが、原発を廃止するのかどうかの判断については町民にその判断を委ねて、ご自身の町長として、あるいは個人としての立場の意思が余り伝わってこないのです。ですから、私は、エネルギーの問題を考えていくということの中で、先ほどちょっとご紹介しましたけれども、電力的には一応北海道の需要は満たしているのです、現在。さらに、北電自身が再生可能エネルギーを開発しています。それから、北海道と本州の連絡の電線といいますか、ケーブルを強化して融通できるようになってきています。最近のニュースでもありますように、瀬棚沖に洋上風力発電なんかも相当規模でつくっていくという民間の動きもあります。ここでいえば地熱発電とか、そういう再生可能エネルギーを主体とした新電力の開発というのは非常に道内にはその資源、ポテンシャルが高いです。ですから、私は、エネルギー全体を考えていこうという場合には今使われていない自然の力、これを生かした再生可能エネルギーに大きくシフトするという、そういうコンセンサスはもうほぼできてきているし、かなりの共有したみんなの意識ではないかと思うのです。そういう中で泊原発について、先ほどの繰り返しになるかもしれませんが、非常にお金をかけて強化対策をしていることが果たして経営的にも成り立つのかどうかというふうに心配をしています。ですから、原発が稼働する可能性がある限り避難計画は厳密にしなくてはいけないと、現実に可能な避難計画にしなければいけないと思うのですが、先ほども紹介しましたように、そういった活断層が動いた地震の場合には道路自身が被害を受けるのです。ですから、そこにバスが来るとか、バスで出かけるとか、集まるとか、自家用車で逃げるとか、そういうことは非常に困難な作業です。ましてや、冬のもし一番シビアな条件を考えれば、物すごい吹雪の中、夜中に本当にバスが来てくれて避難できるのかということは、私はかなりの難しさというか、現実からは離れているなというように感じざるを得ません。前ニセコ町にも来てくれた青山貞一さん。コンサルタントの方ですけれども、放射能の原子雲というか、そういう空気が漏れて放射能が漏れた場合にどういうふうに、それぞれの風向きによってシミュレーションをやった図面が残っています。それを見ますと、ほとんどこの辺はすぐそのプルームに汚染されますし、札幌方面に逃げるという今の計画も、札幌も100キロあるかないかで、そこもすぐに汚染される可能性は非常に高い。そういうところから見ても、避難計画が今のままでは逃げられないというのをかなり皆さんが感じる計画ではないかと思っています。ですから、防災を担当される部署としては、当然今欠けてる部分を補う努力をするとか、現実に合うようにもっと何ができるかということを検討されるのは、それは仕事としてやっていただきたいとは思いますけれども、大きく見た場合に、私は先ほどのG20の考え方もSDGsの考え方も含めまして環境モデル都市の首長さんとしては積極的に再生可能エネルギーに全面的に転換するという発信をぜひしていただきたいと思います。もしお考えあれば、ぜひお聞かせください。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
SDGsという物の見方、考え方としては、誰ひとり取り残さない社会をつくる。つまり傷つける人をできるだけ少なくして、みんな助け合おうというのが前提ではないかと思います。そういう面では、泊原子力発電所の今後についても、誰かを傷つけるのではなくて、そこの落としどころをみんなで話し合うということが民主主義上大きいのではないかと思っています。私は、これまでいろんな場で、できるだけ早くニセコ町自体からゼロカーボン、そういった地球温暖化の要因となるものは排除する社会をつくりたいということ、それからニセコ町内においては全て自然再生可能エネルギーで賄うと、そのことが環境モデル都市の目標であるということを主張させていただきました。地域にある資源を徹底的に使うこと、それから環境省の首長会議の中でも我々いろんな意見交換しておりますが、いかに地域で地域のエネルギーを賄っていくかと、その細胞たくさん設けること。これまでの大規模発電に依存する社会から、地域の細胞としてのエネルギーが賄えて、それが日本全体のリスクを軽減する社会に持っていこうということは具体的に議論させていただいてるところでありまして、現在我が町が進めている環境モデル都市の究極の行き着く先はそういうところにもあると考えておりますので、ぜひともそういう面でまたご協力賜ればありがたいと思っております。以上でございます。