ニセコ町議会 平成30年第4回定例会 2018年6月20日
ニセコ高校のエネルギー講演会にかかわる経産局の行為について
2018年6月20日、ニセコ町議会の一般質問で、三谷典久議員が「ニセコ高校のエネルギー講演会にかかわる経産局の行為について」質問し、教育長 菊地博、町長 片山健也、農政課長 福村一広が答弁しました。
- 質問者
- 三谷典久 議員
- 答弁者
- 教育長 菊地博、町長 片山健也、農政課長 福村一広
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 6番 三谷典久
通告に従いまして、2件質問いたします。まず初めは、ニセコ高校のエネルギー講演会にかかわる経産局の行為についてです。昨年10月にニセコ高校で行われたエネルギー公開講座の講演者に対して経産局が働きかけた問題を3月議会で取り上げました。その後の新聞報道等で詳しい事実関係が明らかになり、再度見解を伺いたいと思います。今回議長の許可を得て、2枚の資料を添付しています。資料1は、日本共産党国会議員団北海道事務所を通し、日本共産党、畑野君枝衆議院議員により入手されたもので経産局から委託先の財団に宛てたメールです。資料2は、6月1日付の毎日新聞の記事です。それでは、質問に入ります。1、教育基本法第16条1項の「教育は、不当な支配に服することなく」とあるが、これはどのような歴史的背景から生まれ、また教育の不当な支配とは何か。2、平成30年3月定例会後、新聞報道等により明らかになった次の事実関係をどう考えるか。①、世耕大臣の発言、エネルギー教育モデル校事業は、エネルギー政策の広報活動の一環として行われているものと認識。②、山形先生への経産局職員の発言、原発を進める国の方針があるから指摘する。①と②について、教育の場が時の政権の政策の広報の場とされていることをどう考えるか。3、添付資料1にあるように、経産局は財団に対してニセコ高校を指導するよう求めた。経産局にニセコ高校を指導する権限はあるか。4、5月31日の住民説明会において片山町長は、教育へのいかなる介入も阻止し、きちんとした住民自治が機能するまちづくりを進めたいと述べ、再発防止を目指す姿勢を示したと毎日新聞の記事、これは資料2です、にあります。これは、片山町長の3月議会での見解、経産省の担当者も一人の人間として意見表明権はある。主催者として意見を言う権利は当然あるのではないか。主催者が意見表明して、そこでいろんな議論があるというのはごく普通のことではないか。これを修正したものと理解するが、それでよいか。
答弁 教育長 菊地博(教育長は2020年9月まで)
ただいまの三谷議員の質問にまず私のほうから3点目までお答えをいたします。1点目の教育基本法第16条1項につきまして、教育基本法は戦後の新しい教育を進めるために、日本国憲法の精神にのっとり教育の目的を明示し、基本方針を定めたものであり、昭和22年に公布され、その後平成18年に改正されたのが現行法であります。旧基本法第10条、現基本法16条において「教育は、不当な支配に服することなく」という条文が記されております。この条文は、戦前の教育を改革し、政治から教育を独立させる目的でつくられ、教育の独立性、中立性をうたったものであります。政治的な支配や干渉から教育を守り、教育の自主性、自立性が保たれることを意味していると捉えております。2点目の大臣及び経産局職員の発言につきまして、ニセコ高校はこの事業を実施する目的として、エネルギーと環境の重要性を理解し、自然エネルギーについて学習を積むことにより、エネルギー問題を主体的に考える力を養うとあります。大臣のエネルギー政策の広報活動の一環という発言につきましては、ニセコ高校の目的にありますように国の多様なエネルギー政策について知り、学ぶ機会であることを指していると受けとめております。また、経産局職員の原発を進める国の方針があるから指摘するの発言内容について、私が講師にヒアリングした際には、職員が特定のエネルギーのことをよい、悪いと言わないでほしいという趣旨で発言したと聞いておりましたが、職員が原子力に関することのみ取り上げて発言したとすれば、これは適切ではないと考えております。3点目について、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、地教行法と言っておりますが、この48条に文部科学省が市町村に対して必要な指導や助言を行うことを規定しておりますが、ほかの省庁につきましては一般的にはその権限はないと捉えております。したがって、このご提示いただきました資料にありますように、経済産業局、または日本科学振興財団が学校に直接指導することは、その権限を超えるものと考えております。以上でございます。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
ただいまの三谷議員のご質問にお答えいたします。最後の質問でありますが、3月議会のご質問ではニセコ町まちづくり基本条例上に置ける町長の考え方という質問であったと思います。そのことにつきまして公務員にも基本的人権はあり、意見表明権はあると申しましたが、この考えは私の基本的な信念であり、この考え方が変わるものではございません。ただ、今回三谷議員が添付されました内部資料を見ると、国家公務員が研究者に対しての対応としては意見表明権を明らかに超えており、その点については私の認識が違っていたということを率直に認めざるを得ないというふうに思っております。極めて遺憾であり、行き過ぎた対応と考えております。今後こうしたことがニセコ町の教育現場では起こらないよう十分配慮してまいりたいと、このように考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
議員の質問 6番 三谷典久
今回の問題なのですけれども、私は教育内容に対する公権力の介入が疑われる問題であると考えています。そこで、教育に対する介入がなぜ許されないかを正しく認識することが必要であり、そのためには教育基本法第16条1項の「教育は、不当な支配に服することなく」、この文言がどのような理由でできたかを知る、これが必要であると。そして、今回の問題を考える上での共通の基盤としたいと、そう思ってこの質問を設けたものです。教育長の答弁にありましたように、この文言、教育の不当な支配を禁止するというのは、戦前の教育に対する反省に基づいているわけです。戦前の教育というのは、国家が教育内容に介入する、あるいは国家が教育に関して命令権を持つ、そのような形で教育と政治が一体化した構造がありました。それによって軍国主義を生む原因となり、子どもたちには忠君愛国を押しつけ、国民は侵略戦争に駆り立てられたわけです。この反省から政治と官僚の支配から教育を独立させる、そのためにこの教育基本法ができたと考えています。二度と戦前のような教育に戻らないためには、権力の横暴に対して声を上げる必要があると改めてここで指摘したいと思います。それでは、もう一度先ほどの問題にちょっと触れたいのですが、まずエネルギー教育モデル校に対しての考えが世耕大臣のエネルギー政策の広報活動の一環という考えがあるということです。それから、山形先生に対して話をした経産局員が原発を進める国の方針があるから指摘すると。両者のこの発言というのは、表裏一体のものだと思います。そして、教育の場を時の政権の政策の広報の場とするということは、政治的支配を疑われることになる。あるいは、不当な支配に該当する可能性があるのではないかと私は考えます。世耕大臣が事業に対して支援をすることによって今回のようなことが起こりかねないので、今後新規募集は打ち切りたいと、そこまで言ったのもそこに起因しているのだと私は考えるわけです。国家が教育にかかわっていい範囲というのは大枠です。個々の教育活動には口を挟むことはできません。その意味で、私はこのエネルギー教育モデル校事業そのものがこのように危険性のあったものだと思っています。改めて教育長にお伺いしたいのですが、そのような認識というのがあるのかどうか。その辺がちょっとあやふやなところがありました。次に、添付資料のメールなのですけれども、この資料が今回の事件の本質を明らかにしていると私は考えています。まず、資料の1なのですが、「お世話になっております」のところから7段下に、ここにこう書かれている。「ところが、驚きで、講演の内容が反原発となっておりました」、こうあるわけです。この意味するところは、特に既に明らかになっています福島原発事故の水素爆発の写真と発電コストの資料を指していると思われる。そして、水素爆発の写真に対して経産局職員は、印象操作だと言ったことも明らかになっています。それに対して山形先生は、水素爆発は印象操作ではなく事実であると述べているのです。山形先生は、事実を伝えようとしたのに、経産局はそれに対して反原発というレッテルを張ったところに問題がある。それによって、そのレッテルによって特定の価値観だから排除してもいいのだという論理がそこには働いている。私たちは、議論するときに事実関係をもとに判断するのが普通です。その事実を伝えようとすることに対して、このようなレッテルを張って議論を誘導し、事実を伝えられなくするようなやり方は間違っていると思います。今回の経産局の大きな問題は、事実を知らしめないようにしたところにある。こういったことがニセコ町の教育現場で起きたことに教育委員会はもちろん町長も私たち町民も敏感にならなければいけないと思います。私がこういうことを言いますと、中には共産党だからこういうことを言うのだと思う人もいるかもしれません。しかし、それもレッテルによって物を判断することになります。言っている内容で判断すべきだと思う。一人一人の国民が人権尊重の立場で、公権力に対して敏感である必要があると思います。次に、この資料1のもう一つの問題を指摘しておかなければなりません。それは、先ほどの「ところが、驚きで」というところからさらに4つ下にあります。「そこで、事業の執行機関として、そちらからも明日、ニセコ高校に対して指導をお願いします」、こうあるわけです。この担当者は、既に講演者に対して指導をした、だから財団も指導してほしい、そういう意味に解されます。この指導という言葉は、上の者が下の者に対して使うのが普通です。今回の経産局と山形先生にやりとりが先ほど片山町長がお認めになりましたけれども、意見表明という対等の議論ではなく、経産局職員の行為は上から指導するという目的が明らかなわけです。さらに、先ほどの教育長の答弁からあるように、ニセコ高校を指導する権限のない経産局が財団を通してではありますが、ニセコ高校に対して指導しようとしたことは極めて不適切なやり方です。これを一般には介入、圧力と呼ぶのではないでしょうか。次に、片山町長に関しては、3月議会の意見表明の部分です。経産省の担当者も一人の人間として意見表明権はある、主催者として意見を言う権利は当然あるのではないか、主催者が意見表明して、そこでいろんな議論があるというのはごく普通のことではないか、これに関して訂正していただいたと理解して、それに関しては評価したいと思います。今回の問題が介入か、介入でないか、いろいろな場で議論されてきました。しかし、この資料1のメール内容から、その議論に私はピリオドを打つことができたと思っています。改めてもう一つ質問したいのですが、今回のこの問題に関して、教育委員会において議論されたか。そこでどのような意見が出たのか。また、今後の対策をどうするか。このようなことが起こったときの教育委員会の対策を立てるべきではないか。お伺いします。
答弁 教育長 菊地博(教育長は2020年9月まで)
それでは、ただいまの三谷議員の再質問にお答えをいたします。まず、1点目ですけれども、このエネルギー教育モデル校事業、大変危険なものがはらんでいるというご指摘でした。確かにこのご提示いただきました資料を見ますと、大変私も驚きと憤りを感じた次第でございます。ただ、前にもお答えしましたけれども、子どもたちがエネルギー教育モデル校を受けるに当たって、非常に体験が広がり、考える機会もふえたと。先日の意見発表大会では、3年生の女子生徒がこのエネルギー教育モデル校を学習することで私は身近なところから省エネルギーについて考えて、取り組むようになったという意見を述べておりましたけれども、子どもたちにはこういうモデル校の事業を通して、国の政策についてもこれがどうなのかと、この政策がそのままなるほど、そうなのだと受けとめるのではなくて、それについて議論する、いろんな考えを持つ材料であるのかなというふうに、いわゆる教材ではないのかなというふうに私は思っておりまして、非常に意義ある活動だというのはこれまでも答弁してきたとおりですが、その背景にこういう資料に書かれているような内容があったことは、大変私も残念に思っております。そういうことで、この資料を見ますと、そういう危険が背景にあったということは認識したつもりでございます。2点目ですけれども、この事実を山形先生が当初用意していたものを変更して、資料を一部変更してつくったということで、これについては大きく考えますとやはり学校の教育の自主性、自立性を脅かすものであるというふうに考えております。私は、学校の自主性、自立性というのは一番大事にしたいところであるというふうに思っておりますので、今後このようなことがないように努めてまいりたいというふうに思っております。3点目ですけれども、高校に対して指導をお願いしますと、これはご指摘のとおりで、学校に対する指導ということはあり得ない話ではないかなというふうに思いますので、極めて不適切な内容であると捉えております。最後ですけれども、教育委員会の議論ということで、4月当初教育委員会にて、新聞報道があった後ですけれども、その内容について教育委員で改めて去年からのいきさつを確認しましたけれども、また今回のご指摘を受けながら、再度教育委員会において議論を深めたいというふうに思っておりますし、今後の対応についてもそこで皆さんからの意見を持ちながら進めてまいりたいというふうに思います。以上です。
議員の質問 6番 三谷典久
次の問題は、種子法廃止による影響についてです。この種子法というのは、主要農作物種子法というのが正式名ですが、一般には余りなじみがありませんが、これまで日本の農業者の経営の安定、そして日本の食料の安定供給において大きな役割を果たしてきた法律です。これがなくなることによる影響というのは、すぐには出ないかもしれませんが、農業者への影響、そして国民一人一人、その食べ物に対しての影響というのが出てくる可能性がある。そういう意味において非常に大きな問題だということで、一般質問を通し町民に訴え、そしてニセコ町行政にも訴えたいと思って質問するところです。それでは、質問に入ります。主要農作物種子法がことし4月に廃止されました。以下について町長の見解を伺いたいと思います。1、種子法とはどのような法律か。2、なぜ廃止され、廃止によりどのような影響が生じる可能性があるか。特に以下の点に関してはどうか。①、種子生産等にかかわるシステムの消失、2、種子法を貫く哲学の消失、3、民間企業の参入。3、ニセコ町に対しての影響。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
ただいまのご質問にお答えいたします。大きな1点目の種子法とはどのような法律かという点でありますが、昭和27年に戦後の食料増産という国家的要請を背景に、国、都道府県が主導して優良な種子の生産、普及を進める必要があるとの観点から稲、麦、大豆の種子を対象に制定された法律で、戦後の日本農業の振興に大きく寄与した法律だというふうに認識をしております。2つ目のご質問でありますが、主要農作物種子法の廃止の理由として、1つは種子生産者の技術水準が向上したこと、2つ目は多様なニーズに対応するために民間ノウハウも活用した品種開発の推進が必要なこと、3つ目は都道府県による種子開発、供給体制を生かしつつ民間企業との連携により種子を開発、供給することが必要であるとの判断から廃止されたというのが農林水産省の説明となっております。この廃止による影響としましては、優良種子の提供や価格の不安定化、輸入米の増加、企業による遺伝子組み換え種子やハイブリッド種子の販売加速などが挙げられますが、特に懸念されることは原種及び原々種の生産を都道府県に義務づけされていることが今後守れなくなり、原種が消滅する可能性があることではないかと考えております。また、議員ご指摘の法の裏づけの消失により、これまで都道府県が構築してきた仕組みが縮小する可能性があり、地方交付税の積算も消滅し、そのノウハウも引き継がれなくなるおそれは十分に考えられます。さらに、民間企業の参入は、利益追求のみの種子に限定され、利益にならない種子は衰退する可能性も否定できないものと考えており、ニセコ町としても大きな懸念を持って注視している状況でございます。最後に、ニセコ町の影響ですが、本年3月末に廃止されたばかりであり、現在のところニセコ町に直接影響が出ているとは聞いておりませんが、先ほど説明させていただいた影響が将来予想されることから、北海道に対してはこれまで同様に主要農作物種子法の意義を受け継ぐ条例などの制定を働きかけるとともに、国に対しても地方の懸念を率直に伝え、種子法の復活、もしくは新たな種子法の制定を働きかけていきたいと考えております。ご協力、ご支援をよろしくお願いを申し上げます。
議員の質問 6番 三谷典久
この種子法の廃止なのですけれども、大きく分けて3つの問題があると考えて、3つに分けて質問しました。1つは、種子法によってつくられている種子行政のシステムが消失あるいは縮小するということです。それから、もう一つは、種子法の中を貫く哲学が失われる。それから、3つ目は、民間企業の参入による影響というのがあると思います。初めに、システムということで挙げたのですけれども、簡単におさらいしますと種子法のシステムといいますか、仕組みというのは、指定種子生産圃場、それから指定原々種圃、原種圃、こういったものを指定し、そして圃場審査をし、生産された種子、原々種、原種の生産物の審査をする。それから、優良な品種を奨励品種として指定するための試験をする。優良な種子の生産及び普及のための指定種子生産者への勧告、助言、指導をする。種子の安定供給のための種子計画の策定をすると、こういったことが都道府県の農業試験場等で行われてきたわけです。種子法に基づいてそれが行われてきたわけです。それによって種子法の役割というのが簡単に言うと主要な作物の優良な種子、これを安定的に生産、普及すると。そして、奨励品種を決めると。そして、農家には安定的に安く今強調した部分が行われてきたわけです。こういったことが失われる、あるいは影響を受ける可能性があるということなのです。特に心配されているのがこういう根拠法に基づいて地方交付税によって財源というのが決められていた。それがなくなる可能性があるということです。それに関しては、附帯決議というのがあるのですけれども、これはあくまで努力義務で、それに対する具体的な歯どめというのがない。そういった不安定な状況になっています。今簡単に言うとそういったシステムが失われるということが直接農家に影響してくる可能性があるということです。それを今やっぱり北海道あたりも心配して、いろんな法律をつくる、あるいは今回の先ほどもありましたけれども、市町村あたりが意見書等を上げて、道に対して求めているということだと思います。これまでどおり優良で安い種子の安定的な生産、普及が行われるためには、やはり道に対して条例として制定してもらう。これまでどおり種子の生産にかかわるように要望していくことというのが町長の中にもありましたけれども、極めて大事でないかと思います。それから、2つ目の種子法の哲学というのが非常に大事な部分だと思います。これが種子は公共の資産という考え方があった。それに基づいて、国民の食料確保に必要な種子は、公共財として守らなければいけないのだという、そういう考えが貫かれていたわけです。それがなくなるということは、民間に種子が委ねられるということにもなる。この種子というのは、農業にとって、土地、水、そして並んで不可欠と言われているわけです。種子がなくなれば食料もなくなって、私たちも生きていけなくなるかもしれない、そういう極めて重要な哲学がそこにはあった。それをある意味では種子法を廃止したということは、投げ捨てたに等しいということです。ここの部分は、日本人一人一人が改めて認識して考えていかなければいけないと思います。町長の答弁の中にこの廃止の理由が述べられていましたけれども、一般的に言われているのはTPPに関連する規制緩和、その一つというふうに言われているわけです。そういった意味でも今の世の中、世界の動きというのがどういうふうになっているのか、それが我々一人一人の生活にこれから密接に結びついてくる、影響してくる可能性があるのだということも認識しなければいけないと思います。それから、3つ目の企業の参入なのですけれども、これは結局民間企業参入の障害になっているのだというのが一つの理由になっているわけです、廃止の。だから、民間企業の参入を促しているわけです。一番の問題は、種子を自分のものとする所有権を主張して、例えば特許料を払わなければ種子が使えなくなる、こういったことが起こる。これは種子の私有化です。日本の種子を支配して食料を支配することになり、ひいては食料主権の侵害をする、これが一番の最大の問題だと思います。それから、もう一つ考えられるのは、民間の企業戦略としてあるのですが、種子の購入によって肥料、農薬、栽培等が義務づけられていることが多いわけです。これによって民間の種子がふえることで、生産者の自由な意思による営農、農業ができなくなってくるおそれがある。そしてまた、種子法のもとで、主要農作物種子価格が奨励品種の普及に対しての都道府県の補助金があるなどして安い価格だった。これが公的資金の提供がなくなれば将来的には生産コストが上乗せされて、種子の価格がはね上がることも十分考えられるわけです。その他いろいろな問題点は町長のほうから述べられていました。そこで、再度質問したいのですけれども、種子法の廃止によって民間企業の参入想定されるわけですが、特に心配されるのは他国籍企業だと思います。このことによる日本の農業への影響をどう考えているかということが1つ。それから、2つ目には、今後食料を安定的に確保していくためには、種子を公共のものとして守っていく必要があると思うのですが、そのためにはどうしたらよいとお考えか、2点お伺いしたいと思います。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
今後種子法廃止になって本当に大丈夫かというのは、私も全く同意見でありまして、これまで農協の会議、あるいは農業者の皆さんが集まる会議では、この種子法について警鐘を鳴らさせていただいてきたところであります。今ご質問の多国籍企業の関係でありますが、今TPPが動いて、10年後に例えば本格始動して、ISDS条項というのが規定ありますので、それは市場参入を阻害する、あるいは市場の参入にハードルをかけたり、待ったをかける法律は国内法においても、もちろん都道府県条例もそうですけれども、それはISDS条項が優先すると。つまり企業利益、企業の自由な参入というのは、最大限保障しなくてはならないというのがISDS条項で、しかもそれを阻害した場合については損害賠償義務が発生するということで、本当に日本の国家主権を脅かす大変危険なものであるというふうに私は認識しておりまして、こういったものに日本の貴重な種子が開放されていって、将来例えばF1品種しか高価格で買えない。種子が1代で当然なくなりますので、毎年農家は高い種子を買わざるを得ないと、そんなことに追い込まれるのではないかという強い懸念を持っています。食料自給率にも将来大きな禍根を残すというのが私の基本的な考え方であります。それから、公共財として残すということは、この3つの品目の種子だけ当初限定しておりますけれども、これによってメロンであるとかいろんなものに実は波及して、それぞれの特産品を都道府県それぞれに工夫して農家の安定的な生産を図ってきた根拠法令となってきたわけであります。それが今回失われる。しかも、将来的には財源は保障されないということでありますので、市場参入を阻害しているということになれば、今度どんどん、どんどん縮小していく。正直なことを言うと、懸念ばかりであります。こういったものが国会での深い議論もなく制定されたということが非常に残念でありますし、国家主権というか、日本のよき伝統を守るべきにもぜひとも復活してもらいたいというのが私の基本的な考え方であります。そういった面で今後とも行動してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
議員の質問 6番 三谷典久
今他国籍企業に関してISDS条項の問題町長お話しされました。そういったいろんな問題があって、非常にこれは大きな問題だと思っています。特に遺伝子組み換えという問題が大きいなと思っているのです。アメリカでは、小麦、大豆のほとんどが遺伝子組み換えで占められていると言われている。世界の種子市場で他国籍企業3社が50%を超えて支配していると言われているわけです。バイオテクノロジーで遺伝子組み換え品種を生産、普及して、農薬に強い遺伝子を持つ種子と除草剤を組み合わせて売るわけです。また、種子は特許商品ですから、農家は自分で種をとることができません。毎年種子を購入し続けなければならないし、また除草剤も使い続けなければならない。他国籍企業の種子ビジネスへの参入が行われれば、こういった懸念が出てくるということです。日本の農業の中でそういった遺伝子組み換え品種でもって覆われてしまうということだって十分考えられるわけです。日本においてこの種子法の廃止が遺伝子組み換えの種子が広まるきっかけになりかねないおそれがあると思います。それから、もう一つは、消費者にとって他国籍企業による遺伝子組み換え作物の種子が日本で広まるということは、遺伝子組み換え作物でない作物を選択したいという人にとっての選択肢が狭められると。これは大きな問題だと思っています。先ほど答えがなかったのですけれども、ちょっと難しいかもしれないのですけれども、食料を安定的に確保するためには種子を公共のものとして守る必要があると思うのですが、そのためにはどうしたらいいかという問題について述べたいと思います。今回この種子法の問題を質問したのは、先ほど冒頭に述べましたけれども、もともとは町民からのいろんな心配を聞いたのがきっかけです。まず、1つは、今お話しした遺伝子組み換えが入ってくる心配です。それから、もう一つは、自家採種できなくなるという不安を聞きました、何人からか。そして、他国籍企業による種子の独占というのは、種子の多様性が失われる、そのおそれがある。食料を安定的に供給するには、地域に合った多様性のある種子が重要なわけです。そして、その多様性のある種子の確保は、それが種子を公共のものとして守ることになると思います。そのためには、在来種や固定種から自家採種をする自然農法等の栽培方法による農業というのが大事になってくるのではないかと私は思っています。ニセコ町内の自然栽培や有機農業等の多様性のある農業形態がますます重要になってくるのではないかと私は考えるわけです。これにもまた問題がありまして、現在種子の自己採種は、基本的にはオーケーなのです、在来種とかそういったものに関しては。ところが、農水省は、自家採種を原則禁止にすることを検討に入ったと言われているわけです。種子の多様性を守るとともに、とった種子を活用してできた農作物の流通の支援をすることが必要になってくると思うし、農家の種子の権利を守ることが必要ではないかと私は思うわけです。そこで、お伺いしたいのですが、さっきから言っている種子を公共のものとして守るために、ニセコ町においてこれまで以上に自然農法や有機農法といったさまざまな多様性のある農業を行うことが重要になってくると思うのですけれども、その点に関して今回の種子法を見ていかにお考えかお伺いしたいと思います。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
遺伝子組み換えを初め、幾つか論点出していただきました。その中で多様性のある農業ということで、ニセコ町これまでも農業におきましては大規模化を進めるとともに、小さな農業でハウス栽培を含めたそれぞれの多様な農業についても応援をしてまいりましたので、これまで同様多様な農業への挑戦を応援していきたいと、そのように考えて取り進めていきたいと思っております。よろしくお願いをいたします。
答弁 農政課長 福村一広(農政課長は2018年10月まで)
それでは、三谷議員の質問に町長の意見に補足させていただきたいと思います。まず、1点目の国際化の流れでございますけれども、実は種子については日本は非常に世界に逆行しておりまして、アメリカとかカナダはかなりパーセンテージ的には自主採種が非常に高いという状況の中で、日本はこれを放棄したという状況になっておりますので、これは世界の潮流から見ても少し逆行している流れではないかというふうに認識しております。平成25年に国連は、食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約というのが出されておりまして、そこで締結国政府は農民の種子の権利を保護する責任があると明確にうたわれているわけです。そうしますと、つまり農民の種子の権利をきちっと守りなさいと国に義務づけておりまして、日本においても25年に締結しているところでございまして、これは全体の流れから見るとかなり逆行している流れではないかというふうに思っておりますので、引き続きこの部分についても北海道を含めて国に対して要請をしていきたいというふうに思っております。それから、ニセコ町の農業の多様性についてですけれども、ニセコ町は政策的に特定の農産物を誘導するような状況ではなくて、もっと多様的にいろんな規模に応じた農業を展開していく必要があるというふうにここ数年感じておりまして、有機農業を含めて、無農薬栽培も含めて、そういった農家さんに対する基本的な相談があれば支援をしていくという姿勢は変わっておりませんので、今後も引き続きニセコ町の農業の多様性について支援をしていきたいというふうに考えております。以上でございます。