ニセコ町議会 平成27年第8回定例会 2015年12月17日
ニセコ町における有機農業について
2015年12月17日、ニセコ町議会の一般質問で、三谷典久議員が「ニセコ町における有機農業について」質問し、町長 片山健也、農政課長 福村一広が答弁しました。
- 質問者
- 三谷典久 議員
- 答弁者
- 町長 片山健也、農政課長 福村一広
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 6番 三谷典久
通告に従って、3件質問いたします。まず初めに、ニセコ町における有機農業について伺います。国は、平成 18 年に有機農業の推進に関する法律、平成 19 年と 26 年に有機農業の推進に関する基本的な方針の公表について、また北海道は平成 25 年に北海道有機農業推進計画第2期を制定しています。これによれば、国も北海道も有機農業の発展、普及、推進を図ることを考えています。そこで、ニセコ町の有機農業についてお伺いいたします。1、ニセコ町における有機農業の意義。2、ニセコ町における有機農業の現状。3、ニセコ町における今後の有機農業への取り組みです。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
それでは、三谷議員のご質問にお答え申し上げます。まず、1つ目のニセコ町における有機農業につきましては、平成 26 年度に策定したニセコ町農業振興計画の中で、環境と調和した安全で安心な農業の推進という基本方針を設定し、その推進方針の中で土づくりと地域循環型クリーン農業の実践、クリーン農産物の生産と流通促進を掲げ、取り組みを進めております。具体的計画内容としましては、有機質確保対策と完熟堆肥の計画的な施用やイエスクリーンやエコファーマーなどの有機資源を用いた認証制度の普及促進、消費者に信頼される生産者責任として安全、安心な農産物の生産と供給実現を掲げており、有機農業についてもこの枠組みの中で支援を行っているところでございます。2つ目のニセコ町の現状でございますが、ニセコ町の堆肥センターでは資源循環型農業を目指し、畜産農家の牛ふんを活用して堆肥化を行い、農地に戻す仕組みを構築しております。現在有機JASを取得している農業者が2戸、イエスクリーンで米の栽培を行っている農業者が 30 戸、畑作においては直売会の組合員の中で 17 戸の農家がイエスクリーンの取り組みを進めております。また、イエスクリーン表示登録団体として町内に4団体が登録されています。さらに、有機JASを取得している農業者で構成するニセコ町環境保全型農業推進団体が1団体あります。3つ目につきましては、町としましては引き続き農業振興計画に基づき、有機農業も含めて安心、安全なクリーンな農産物の生産地として農業者の皆様への支援を進め、消費者の皆様に安全で安心のできる農産物供給基地としての役割を担っていきたいというように考えておりますので、今後ともご支援をよろしくお願い申し上げます。
議員の質問 6番 三谷典久
この質問の初めのところに、国の有機農業の法律とかこういったものを書いたのは、ここに私が問題提起している有機農業の定義がここである程度明らかになると思って書きました。今のお話聞いていると、どうもクリーン農業と有機農業とがごっちゃになっているような気がします。まず、初めに1つ確認しておきたいのは、クリーン農業と有機農業の違いです。クリーン農業の場合に何らかの目標の数値があるのかどうか。そして、そういう意味で私のお聞きした有機農業の意義という意味が今のお答えの中ではちょっとずれている感じがしますので、その辺を指摘させていただきたいと思います。私は、ニセコ町における有機農業というのは非常に重要だと考えています。まず、その1つは、ニセコ町は環境創造都市ニセコを標榜しているわけです。そうしますと、例えばいろんな取り組みの中に水道水源保護条例で水環境、安全、安心な水を確保する取り組みがあります。そうすると、その水環境、安全、良質な水環境の維持のためには環境汚染に考慮する必要があるですとか、農業の環境負荷を考えると、ここで有機農業と結びついていくと思うのです。それで、環境創造都市ニセコを標榜する以上は、環境創造都市にどのような農業がふさわしいのか、農業の多面的役割あるいは環境負荷から考えたら、当然それは考えなければいけない問題であり、そこに意義があると私はまず思うのです。ほかにあと3つほどニセコ町における意義というのを指摘させていただきたいのですが、もう一つは、今町長の答弁は農業振興計画の中に書かれているとおりです。それは、基本的にはクリーン農業を推進するということなのです。私それは構わないです。クリーン農業をやめて有機農業にしろと言っているのではないのです。農業には多様性必要です。多様性というのは、品目が多様性に満ちている、それは必要です。それだけではなくて、農法においての多様性も必要になってくると思います。例えば一つの農法になってしまえば、環境変化あるいは気候変動によって大きな影響を受けるかもしれません。そういう意味での農業の多様性、そういう意味においての有機農業も考えていかなければいけないのではないのかということを言っています。それから、3つ目の意義として、今クリーン農業をやっている方はたくさんいると思うのですけれども、正確ではないですけれども、農水省の調査では農業者の5割近くが条件がそろえば有機農業をやりたいという、そういうアンケート調査があるのです。そうすると、ニセコ町のクリーン農業者の中にも、より理想を求めて有機農業をやりたいという方がいるかもしれない。そうすると、それに対して町として考えていくべきでないかということが1つです。それから、最後の1つは、ニセコ町の農業問題、後継者不足あります。担い手不足です。そういう意味で、新規就農者というのは大事にしなければいけないと思います。その新規就農者の中によくあるのは、農外から来た新規就農者の中には有機農業やりたいという方がいるわけです。せっかくのやりたいという方を大事にしていくという意味においても、ニセコ町においては有機農業が必要になってくるのではないか。以上4つの点をもってニセコ町における有機農業の意義だと思っています。その辺をまずお伺いしたい。以上です。
答弁 農政課長 福村一広(農政課長は2018年10月まで)
三谷議員の再質問に私のほうから答えられる部分についてはお答えしたいと思います。まず、三谷議員が質問で言われていました平成 18 年に国のほうで有機農業推進に関する法律というのを定められていまして、平成 25 年に北海道有機農業推進計画第2期を制定しているということでございますが、ちょっと前段整理させていただきますが、北海道の場合は国の政策と一線を画すような取り組みを実は平成3年から進めております。北海道の場合ですと、平成3年からクリーン農業に取り組むためにいろいろな取り組みをしてきておりますけれども、実際には北海道クリーン農業推進計画というのが既にもう今期で6期目になりますけれども、計画がありまして、そこの中で北海道農業におけるクリーン農業というのはどういうものなのかというのを定義しております。ニセコ町の場合も北海道の取り組みに即しまして平成 17 年からイエスクリーン農産物について取り組みを進めているところでございまして、現在慣行農業のほかに、有機農業、特別栽培農産物、イエスクリーン、エコファーマー、クリーン農業というような区分をしております。北海道は、有機農業の部分、当然先ほど言いました北海道有機農業推進計画というのもあるのですけれども、その中にも北海道としてクリーン農業を推進していくと、イエスクリーンを特に推奨していくという取り組みを進めておりまして、こちらのほうでニセコ町のほうも取り組みを進めているというところです。では、なぜ北海道が有機農業ではなくてイエスクリーンを進めるのかというと、北海道の場合は、三谷議員も当然ご存じだと思いますが、中規模、大規模というような基本的に農地の規模が大きいというところがございまして、国のほうはもう少し狭義の有機農業のことを言っておると思いますけれども、小規模農家が狭い面積で手間をかけて、有機という付加価値をつけて農産物を生産し、それを比較的少数の消費者に販売してなりわいを立てていくというのが一般的でして、北海道の場合は規模が大きいですと手間をかけてもなかなか難しい、それから有機をやるにもかなり費用もコストもかかってくるということで、大規模、中規模ではなかなか進めていけないというところで、北海道はそれらを背景にイエスクリーンを進めてきたという経過がございます。当然三谷議員がおっしゃるとおり、環境モデル都市として環境対策としてクリーンな農業を進めていくということは非常に重要な視点ではありますけれども、農政サイドとすると農業者の所得の確保をしながら、なりわいをきちっとさせていくということも当然必要になってきます。確かに有機農業は非常にすばらしい制度ではありますけれども、一方で生産性が落ちたり、所得の確保が難しいなどの課題もありますので、それらを併用するというのは北海道ではかなり難しい営農の仕方だというふうに思います。ですから、私たち農政課としては、そういったクリーンな農業も進めつつ、農家の方の所得を確保していくということも必要なので、それらをバランスよく進めていくというのが非常に重要かというふうに考えております。ですから、環境モデル都市として環境重視で農業サイドを進めるということも非常に重要だと私は思いますし、三谷議員の指摘もそのとおりだと思いますけれども、農家の所得と生活とを勘案しながら進めていくイエスクリーンなどのある程度緩やかなクリーン農業の進め方というのは北海道に適しているのではないかと。それから、もう一つは、多様性ということにおいては私も同感であります。いろんな部分で農業の多様性というのは、栽培にしても、所得のあり方にしても、販売方法についてもいろいろな形で多様性を持つのはいいというふうに思いますけれども、ただ根底にはやはり先ほど言いましたように農業者の生活が非常に安定しているということが重要です。その一方で、有機農業で問題点として指摘されるのは、所得を確保しつつ有機農業も進めていきたいというところであれば、有機農業を進める方々については所得はある程度確保しながら有機農業も並行して進めていくというのを推奨しているという状況でありますので、私たちもニセコ町内で小規模で有機JASを使って取り組んでいる方々に対しては個別丁寧に対応しているつもりではありますけれども、足りない部分はたくさんあるかと思いますけれども、所得を確保するという視点も入れながら、新規就農者含めて取り組んでいるというところでございまして、特に新規就農者については収入、その他所得の部分でなかなか経営が難しいという部分もありますので、それは普及センター等と私たちが協力し合って、日には4時間以上詰めて支援する場合もありますけれども、そういったことも踏まえて全体としてサポートしていっているというのが現状でございまして、確かに有機農業というのはすばらしい部分もたくさんありますけれども、一方で生活の部分ではかなり厳しい状況も見られますので、バランスよく農政課としては取り組むよう支援していきたいというふうに考えております。以上です。
答弁 町長 片山健也(町長は2025年9月まで)
今農政課長のほうから町で考えているもの全般についてご説明させていただきましたとおりでありますが、三谷議員4点ご指摘いただきました。4点、基本的項目については私も全くそのとおりだというように思います。具体的にこれから農政の多様性、これは多様なものが重層的にある、複合的にあるという地域がより将来的には強い農業地域になっていくというふうに考えておりますので、そういったことを推奨していきたいと思っておりますが、まちづくり懇談会を 12 会場でこれまでやった中でも、新規就農者、小さい、さほど資金も豊富で来ているわけでない方に対する支援をもう少し考えられないかというようなご意見をこれまで農業をやってきた皆さんからいただいておりますので、具体的にどういった支援の仕方があるのか、それは今後個別具体的な現状を意見交換させていただきながら検討して、何とかニセコ町の農業がきちっと地域で回るような仕組み、地産地消の仕組みを含めて検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。