新冠町議会 令和4年第3回定例会 2022年9月16日
当町における人手不足対策について
2022年9月16日、新冠町議会の一般質問で、氏家良美議員が「当町における人手不足対策について」質問し、町長 鳴海修司が答弁しました。
- 質問者
- 氏家良美 議員
- 答弁者
- 町長 鳴海修司
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 4番 氏家良美
4番、氏家です。議長より発言の許可を得ましたので、通告に従い、当町における人手不足対策について質問いたします。地方公共団体の大きな課題として、人口減少があります。この課題については、どの地方公共団体も力を入れており様々な施策があります。当町においても定住移住政策や企業誘致など、近隣町と比較しても先進的な取り組みをしており、一定の効果が出ていると感5じております。一方で、ここ数年は第一次産業における農繁期や事業者の繁忙期ばかりではなく、慢性的に人手が足りないと感じている事業者の話をよく耳にします。事業者も独自に、労働力確保について、様々な対策をしてきているところですが、それも限界にきていると感じております。当町が進める定住移住政策の効果をさらに高めるためにも労働人口を確保する対策を進めなければ、事業を継続することができず地域の衰退を招いていくと考えますので、行政主導での労働力確保が必要ではないかと考えております。今般、日高振興局では人口減や高齢化で人手不足に悩む地域産業に職員が副業で従事することを認める制度を導入いたしました。この制度は、農漁業関連を主な対象として、地域貢献を目的に労働力不足解消対策と地域とのかかわりを持つことを目的としております。公務員は原則副業が認められておりませんが、労働力不足による地域の衰退を防ぐ必要があるとの危機感を強め、職員自ら現場を支えようとするものです。この制度には、公共性が高い、特別な利害関係がない、公務公平、中立性を妨げない。就労時間は週8時間以下、報酬は社会通念上相当な範囲などを条件はありますが、現在、この制度が実際に利用されているということで大いに期待しているところです。また、国においても、地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律が、令和2年6月に施行されました。国、道も、行政主導での動きがあることから、当町においても、この人手不足解消について検討する必要があると考えますので、2点伺います。1点目、当町職員に関しては自治会活動など、地域活動も大きくかかわりを持っていることからも、副業制度の利用を過度に期待はできないと感じておりますが、地域課題解決の手段の一つとして、副業規定を設けていくことも必要と考えます。町職員の副業規定を設ける考えはありますでしょうか。2点目、令和2年6月に施行された地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律は、特定地域づくり事業協同組合を設立し、そこで地域内外の若者等を組合で雇用し、組合員に派遣することで地域の担い手である地域づくり人材を確保し、地域社会の維持と地域経済の活性化を実現しようとするものです。この制度を利用することにより、事業者はこの組合から繁忙期に人材を派遣してもらうことで、人手不足が解消でき、また、働く側としては当町に住みたいと思うが、雇用環境が安定していないと感じていた人は、この組合に雇用されることで、一定の給与水準を確保でき、安心して働けるというメリットがあります。この特定地域づくり事業協同組合事業には、国から運営費の財政支援があり、人材の確保、人口減少対策になるとも考えております。この法律に基づく特定地域づくり事業協同組合の設立を検討する考えはありますでしょうか。以上2点、町長の所見を伺います。
答弁 町長 鳴海修司(町長は2025年3月まで)
氏家良美議員から御質問の、当町における人手不足対策についてお答えいたします。6人手不足は全国的な問題であり、とりわけ当町からえりも町までを管轄するハローワーク浦河の資料によりますと、有効求人倍率は全国及び全道よりも高い率で推移しており、議員が言われる通り労働人口不足が深刻化を増していると感じているところです。また、このことは、特定の業種に限らず広い分野で共通した問題であると認識しております。この問題にあたっては、先ずは当事者が勤務条件や勤務環境の改善等に取り組むことが先決ですが、さらに所属する産業団体等による取組みなどがあって、そこに町行政が連携や支援することが望ましいものと考えるところです。ご質問の1点目の町職員の副業規定を設ける考えについてですが、令和2年1月10日付けで総務省から営利企業への従事等に係る任命権者の許可等に関する調査の結果等について、通知が発出されております。通知の冒頭、「近年、多様で柔軟な働き方への需要の高まりや人口減少に伴う人材の希少化等を背景として、民間労働政策において兼業や副業が促進されており、地方公務員も地域社会のコーディネーター等として、公務以外でも活躍することが期待されるようになっています。」と、国としても地方公務員の兼業について前向きな姿勢を示しております。地方公務員法に基づき、任命権者が一般職の地方公務員に対して行う兼業許可については、営利団体の役員等を兼ねること、自ら営利企業を営むこと及び報酬を得て事業又は事務に従事することを対象としています。兼業許可の運用にあたっては、職務の能率の確保、職務の公正の確保及び職員の品位の保持といった観点から行われるものであることから、兼業による心身の著しい疲弊のため職務の能率に悪影響を与える、兼業先と利害関係があるため職務の公正を確保できない、報酬が社会通念上相当と認められる程度を越えるため公務の信用を損ねるといった兼業による弊害を防ぐため、各地方公共団体において兼業許可に一定の有効期間を設定した上で、兼業先の業務内容の報告を受けるなど、その実態把握等を定期的に行うべきものであること。とされております。本年6月25日付けの日本農業新聞によりますと、全国で3道県7市町の計10自治体が農漁業を対象に職員の副業を認めているということです。これまで農業は公務員が副業先にできない営利企業に含まれると解釈されてきましたが、どの自治体も地域の基幹産業を守ることが公務員に求められる地域貢献や公共性に当たると見なしたようです。また、10自治体のうち道内では、新得町及び池田町に加え、様似町と日高振興局の4団体となっており、都道府県の中で複数の自治体が存在するのは北海道のみで、第一次産業が基盤となっていることの表れと理解するところです。職員の副業に関する規定を設けること自体は、机上では、さほど難しいことでは無いものと考えますが、これが実効性の伴うものにならなければ意味がありません。従いまして、当町が兼業許可による職員の副業を推進するか否かの判断につきましては、先ずもって、職員に対するアンケートにより、副業に対するニーズと希望する人数等の把握をしてみたいと思います。その上で、一定程度副業を希望する職員が居たならば、当町の一次産業の中で、収穫・出荷など農繁期における人手不足の実態把握を行うなどして、実現可能か否かの判断をしたいと考えますので、ご理解賜わりたいと存じます。7次に、2点目の地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律を利用した特定地域づくり事業協同組合設立の考えについてですが、地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律が令和元年12月4日に公布され、令和2年6月4日施行されました。同法では、人口減少が加速する過疎地域の課題を地域の担い手不足にあると捉え、地域づくり人材が安心して活躍できる環境の整備を図ることが喫緊の課題としています。具体的には過疎地域では地域内の事業者単位では年間を通じた仕事がなく、このため安定的な雇用環境を確保することができないことが地域からの人口の流出を招き、また人口の流入を妨げていると捉え、その課題解決の方策として地域における複数の事業者が一体となって組合を設立し、組合員の仕事を組み合わせることで年間を通じた仕事を創り出すことで、人材を通年雇用する、更には組合を構成する事業者に人材を派遣する特定地域づくり事業組合制度の推進を法において可能としています。令和2年6月から設立が可能となった特定地域づくり事業組合ですが、令和3年度時点において全国で33組合、道内で2組合が当該制度に基づき設立されなど、法施行から間もない中で制度趣旨に基づき設立が相次いでいる状況からも労働力確保問題が人口減少地域における切実な問題であることを物語っているかと思います。当町においても本年1月に新冠町商工会から同制度に基づく将来的な事業可能性と展望について提案説明を受けており、町内においても当該制度について活用方策を検討する動きはございます。しかしながら、同制度の活用に当たっては、慎重な検討も必要と考えています。その理由の1つには人材確保の困難さです。同制度は、就労機会を確保することで地域からの若手人口の流出を防ぐと同時に都市部からの移住者の就労の受け皿を築くことで人口減少を抑制し、更には地域事業者の労働力確保にも資することができる制度と考えますが、その反面、多様な業種で構成される組合のニーズに対応できる人材の確保の難しさも懸念されているところです。2つ目には、人口減少対策としての効果です。同制度を人口減少地域における移住促進対策として考えたとき、これまでと同様に都市部からの移住者を待つことに変わりはなく、人口減少を食い止める効果としては懐疑的な面も指摘されています。このようなことから、町としては、同制度は労働力確保対策としては有用な制度の1つと考えますが、人口減少対策として町がまずは進めなければならないことは、町外から人を呼び込むため町の魅力を高める施策の推進に努めることだと考える次第です。しかしながら、町としても町内における働き手不足は認識しており、第一次産業事業者は、主に外国人労働者の確保などによって不足する労働力を補う等の事業努力をしていると認識しています。この度、地域社会の維持と地域経済の活性化を目的に創設された当該制度ですが、制度の主要な役割は、労働力確保対策と考えられ、また町内事業者においても当該制度の活用を視野にいれた検討がされていることから町としては、事業者や産業団体が自ら地域の実情を踏まえ、課題解決に向けた取組みを行うことについては、ニーズ調査等の事前準備作業を含め支援と協力を行って行く所存ですので、よろしくお願いいたします。人口減少問題は、コロナ禍という社会問題と相まって複雑化し、行政のみによっては解決できる問題ではありません。8行政と民間の協働によって解決の糸口が見えてくるものと考えてございますし、今後においても町民皆さんと共に知恵を絞って人口減少対策の推進に邁進する所存ですので、ご理解願います。
再質問 4番 氏家良美
協同組合設立については、まずはニーズの調査を行うということで前向きな答弁をいただいたと思っております。また答弁によりますと、人口減少、労働力不足は、同じ問題であると考えていると思う。とも、考えているとも思われました。しかしながらまずは、人口減少対策として、まちの魅力を高めることが必要であるということであったと思いますが、どちらが先ということではなく、この問題は同時に進めていくことが必要だと私は考えます。人口減少、労働力不足を解決する手段として有効かどうか判断するためにも、町が積極的に関わっていくことが必要であると考えますが、町長の所見を伺います。
答弁 町長 鳴海修司(町長は2025年3月まで)
氏家議員の再質問にお答えいたします。進め方につきましては、議員提案のとおり、私どもも平行して進めなければならないことだというふうに考えてございます。ただ職員の副業規定を設けるには、先の答弁でも触れておりますように、持続可能な体制を確保しなければなりませんし、同時に職員の権利義務確保も重要なこととなりますことから、人材の確保につきましては、強制すべきことではなく、あくまでも職員自らの意思によらなければならないものと捉えてございます。先の答弁の繰り返しとなりますが、供給に係る職員への希望アンケートの調査と、需要に係る一次産業の実態調査の結果を見た上で、副業規定を設けるか否か等を検討してまいりますので、御理解をいただきたいと存じます。
再々質問 4番 氏家良美
ただいまの答弁で副業規定に関してはそのとおりだと私も思いますが、協同組合の設立については、民間が主導するということではなく、民間主導でもいいんですけれども、町が積極的に関わっていくことが必要だと思いますが、その件については町長はどのようにお考えでしょうか。
答弁 町長 鳴海修司(町長は2025年3月まで)
氏家議員の再々質問にお答えします。地域づくり事業協同組合の事業効果と課題について述べさせていただきたいなというふうに思います。事業効果として地域人材の交流的な雇用、効率的な雇用の確保、地域内事業者の経営安定、安定的な雇用の環境、一定の給与水準の確保等が挙げられます。しかしその一方、課題として、使い勝手のいい人材の複数事業者による使い回し、夏季、冬季など時節による不安定な職場従事に伴う無定着化などから地域の働き手創出にはつながっていない実態も側面では見られ9ております。以上のことから先の答弁と重なりますが、同制度における人材派遣事業のニーズについて町内業者を対象にアンケート調査を実施し、その結果を踏まえ主体となる事業者を含め、町も一緒になって検討してまいりますので、御理解いただきたいと存じます。