新冠町議会 平成28年第3回定例会 2016年9月15日
新冠産黒毛和牛のブランド化について
2016年9月15日、新冠町議会の一般質問で、伹野裕之議員が「新冠産黒毛和牛のブランド化について」質問し、町長 小竹國昭が答弁しました。
- 質問者
- 伹野裕之 議員
- 答弁者
- 町長 小竹國昭
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 4番 伹野裕之
引き続き、通告に従い新冠産黒毛和牛のブランド化について質問いたします。当町の黒毛和牛は、官・民が一体となった努力で素牛、肥育牛とも、市場関係で高評価を得ています。新冠産牛はブランド牛「みついし牛」としてそのほとんどが東京食肉市場に出荷されています。この新冠産牛は、Aコープ店が閉鎖されてから、購入することもできず、町民が食する機会は、ふるさと祭りでしかなく、口にしたくてもできない状況にあります。また、新冠産牛がA5ランクの高評価を得ていることは、町民誰しもが知るところであり、当町の特産として、贈答品にも利用したいという声も時折耳にします。このようなことから、新冠産牛のブランド化の機運も高まっているように感じられます。黒毛和牛のブランド化で、身近なところでは白老牛があり、町おこしで大成功した実例と言えるでしょう。管内ではブランド牛として、えりも短角牛、平取牛、みついし牛があります。えりも短角牛は、えりも町の高橋牧場の1戸で、約250頭が飼育され、牧場平成28年第3回定例会新冠町議会会議録第2日(平成28年9月15日)内のファームインレストランで、肉料理が提供されています。平取牛は、直売所などが整備され、町民も買い求めやすく、また、町外からも多くの需要があり、集客のできる特産品となり、贈答品としても焼き肉やハンバーグなどが利用されています。平取町ではトマト「ニシパの恋人」と共に平取牛が2枚看板となる観光資源となっているように感じられます。当町も新冠産黒毛和牛をブランド化することで、町民に提供しやすくなることはもとより、直売所、焼き肉レストランなどを設けることにより、観光資源として十分に活用されることが見込まれます。新冠産牛のブランド化は、ブランド牛の後発組となりますが、ブランド牛となる肥育牛を供給する下地は完成し、その機は熟していると思われます。先進地のブランド牛の市場調査、検証等を行い、新冠町らしい独自性を持たせた事業展開をすることで、先進地にはない個性あるブランド牛を誕生させることが可能なのではないでしょうか。年間約250頭の肥育牛で、ブランド化が可能とされています。ブランド化により新冠産牛を町民にとって身近なものとなり、新たな特産品として注目されることでしょう。ふるさと納税の上位の自治体の返納品は、そのほとんどがブランド牛か海産物であるのが現実です。当町もブランド牛、新冠牛があるのであれば、ふるさと納税額が上がることは間違いないでしょう。新冠産牛のブランド化は、生産者からもその声は挙がっています。みついし牛は23戸の生産者が、年間約600頭を生産していますが、町内生産者の割合はどのようになっているのか。町単独で年間約250頭の肥育牛の生産頭数を確保し、当町独自でブランド牛「にいかっぷ牛」を誕生させるべきと考えます。町長の所見を伺います。
答弁 町長 小竹國昭(町長は2017年3月まで)
お答えをいたします。議員からご質問の新冠産黒毛和牛のブランド化について、お答えいたします。町内で肥育出荷されている黒毛和牛につきましては、議員が言われるとおり、そのほとんどが「みついし牛」として出荷されておりまして、「みついし牛」は新冠町からえりも町までの肥育農家の方々の多くが参画し、広域出荷体制を構築しているものでございます。ご質問のありました1点目の「みついし牛」の生産者23戸、年間約600頭の生産に対する町内生産者の割合についてですが、町内で黒毛和牛の肥育をされている生産者の方は4戸いらっしゃいますが、このうち3戸の方が「みついし牛」として出荷をされております。出荷頭数は年間約60頭となっております。これに町有牧野及び和牛センターからの出荷分を加えますと年間約120頭の出荷頭数となり、「みついし牛」の約2割を新冠町産が占めている現状でございます。2点目についてですが、和牛生産を振興する上で、ブランド化を目指すということは当然の目標であると私も考えておりますが、そのためには様々な課題もございます。その一つには、議員からもご指摘がございましたとおり、高品質で、まとまったロット数を安定的に出荷できる体制が必要でございます。このため町有牧野では、肥育生産の拡大を図るべく、肥育技術の研鑽と普及に努め、実証展示を行ってきた経過がございますが、拡大には至らなかったのが現状でございます。この理由には、身体への過剰なストレスを加える肥育は事故リスクが高平成28年第3回定例会新冠町議会会議録第2日(平成28年9月15日)いこと。肥育に要する約20ヶ月の間の資金調達の問題、枝肉価格に対する生産コストの問題、上物に仕上げるには高い技術を要すること。これらの要因が肥育に踏み込めない理由と分析しておりますが、近年は素牛価格が高騰している情勢も加わり、素牛出荷から肥育出荷にシフトを変えることは、更に難しくなっているものと思われます。二つ目には、肥育方法のマニュアル作り・統一化という問題でございます。現在の「みついし牛」は肉質等級が高く、安定した品質を保っていることから、市場からも高い評価を得られております。ここに至るまでには、生産者だけではなく、エサを取り扱う飼料会社や農協等関係団体が連携した中で、配合飼料の統一や成長段階に合せた配合割合など独自のマニュアルを構築されてきたものと推察されます。何よりも複数の生産者が同じ目線、同じレベルで、マニュアルの確実な実践に努められてきた結果であると存じます。新たにブランド化を図るには、新冠和牛としての統一した肥育マニュアルを一から構築することになりますが、場合によっては、これまでの品質を低下させてしまう懸念もございます。また、肥育生産者は、以前にもブランド化を目指していた経過がありますが、生産コストなど、それぞれの経営事情、経営方針から「みついし牛」としての肥育出荷、又は独自の肥育出荷を選択されたものですから、その考えは尊重したいと存じます。三つ目には、ブランド力が持つ所得の優位性の問題でございます。枝肉取引は「せり売り」によって価格が決定されますが、東京食肉市場では北海道枝肉市場よりも高値で取引されることが通例でございまして、生産者は東京食肉市場への出荷を希望されております。中でもブランド化された「みついし牛」は市場への生体搬入が優先されますので、ブランド力の低い産地に比べますと、価格的にも有利となります。当町が新たなブランドを謳い、東京食肉市場に出荷した場合にも、ロット数が確保出来なければ継続した出荷は困難でございますし、市場からの評価を得るには相当の期間を要しますので、経済的ロスも大きくなり、この優位性を失うことは肥育生産者の方も望んではおりません。以上、申し上げましたとおり、過去からの経過の中で、現在の生産規模を維持しているのが、精一杯の現状でございますし、「みついし牛」として出荷する体制は、肥育生産者の方が、ご自身の所得確保のために選択をされた手段でございます。議員からのご提案は、多くの町民に望まれていることと理解をしておりますが、このような情勢でございますので、今後、和牛を取り巻く生産環境、市場動向等が変化し、肥育牛増産への気運が高まった際には、ブランド化に向けて町としても積極的な支援を行いたいと存じておりますのでご理解をお願いいたします。なお、町民が食する機会が無いとのご指摘でございますが、町内には生鮮食品を扱う環境が尐なく、また高価な食品のため、廃棄ロス等を考慮いたしますと取扱いが難しく、常時購入できる環境にはありませんが、新冠温泉では新冠町農協を通じて、東京食肉市場のバイヤーから新冠町産のものを購入し、ステーキを提供しております。また、本年度から「ふるさと納税」の返礼品として「にいかっぷ産和牛」を提供されている肥育生産者の方は、地産地消の一環として町内に牛肉を卸し、居酒屋では焼き肉メニューを提供し、好評を得ているようでございます。また軽食・喫茶店ではハンバーガーの販売が始まったところでございまして、尐し平成28年第3回定例会新冠町議会会議録第2日(平成28年9月15日)ずつではありますが、新冠町産和牛を食せる機会も広がりを見せておりますので併せてご報告いたします。
再質問 4番 伹野裕之
ただいまの町長の答弁で肥育に踏み込めない理由などがあり、ブランド化は難しいという理由がはっきり分かりました。ですが、気運が高まれば、ブランド化を進めたいというそういった発言がありましたので、その機を待つのではなく、今現在の状況を把握するという上でも、生産者、農協、観光協会、所管する担当課が一体となってプロジェクトチームを作り、機が迎える前段でいろいろ研究・検証を行なって前準備をする必要があると思うのですが、どうでしょうか。気運が来る前にそういうプロジェクトチームを作り、検証していく考えはないでしょうか。
答弁 町長 小竹國昭(町長は2017年3月まで)
いろんな形で調査・検討はしなければならないと私は思っております。ただ、これは私も以前から考えているのですけど、そういう先が拡大していくことが、望めるような事業であれば、当然こういうことに取り組んでいくべきと思っておりますが、非常に先行きは難しいなと思っております。それで本来であれば、こういう各町ごとではなくて、日高管内なら日高管内の日高牛とか、そういうブランドで全国に売り込めるようなことも必要でないかなという思いを私はずっとしていたのですけど、なかなか実現できないのですけれど、せっかくご提案がございましたので、そういった検討する機会はぜひとも持ちたいなと思っております。以上でございます。