豊浦町議会 令和5年定例会3月会議 2023年3月8日
個人情報の保護に関する法律施行条例について
2023年3月8日、豊浦町議会の一般質問で、山田秀人議員が「個人情報の保護に関する法律施行条例について」質問し、町長 村井洋一、総務課長 本所淳が答えました。
- 聞いた人
- 山田秀人 議員
- 答えた人
- 町長 村井洋一、総務課長 本所淳
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 1番 山田秀人
次に、個人情報の保護に関する法律施行条例について伺います。政府は、2021年5月に成立させたデジタル関連法で、国や自治体が持つ膨大な個人情報のデータ利活用を成長戦略に位置づけ、外部提供した企業にAIで分析させ、儲けのタネにさせることをデジタル改革の名で進めようとしています。関連法の中の重要な柱の一つが個人情報保護法の改定です。自治体の個人情報保護条例が、それぞれ設けてきた個人情報の保護の規制がデータ流通の支障となるとして、改定された個人情報保護法の全国的な共通ルールの下に一元化するとしています。政府は、自治体に、2023年4月の改定法施行に間に合うよう、条例の改廃を求めています。本町の個人情報保護条例も、個人情報の収集は本人から直接収集するなどの収集の制限や目的利用・外部提供の制限、オンライン結合の制限などが定められ、例外とする事例は、個人情報保護審査会の意見を聴くことなど定められています。個人情報は個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきであり、プライバシー権は憲法が保障する基本的人権でもあります。アとして、個人情報保護法改正の目的についてであります。改正以前の個人情報保護法では、個人情報の取扱いに当たって、利用目的をできる限り特定し、いわゆる制限するわけですが、第三者への提供はあらかじめ本人の同意を得るということを原則としています。収集した個人情報を本人の同意を得ずに、当初とは異なる目的のために流用したり、無断で第三者に提供したり、必要以上に大量の個人情報を収集したりすることは違法とされ、一定の規制がこれまでは設けられていたのです。ところが、これらの個人情報を守る措置などは、今度の法律改正では担保された上での改正となっているのか、その改正目的について伺うものであります。イとして、個人情報の保護に関する法律施行条例の目的についてであります。国の個人情報保護法の改正を受けての改正となると考えますが、本町の施行条例の目的について伺うものであります。ウとして、現行条例の改廃に関する個人情報保護審議会の議論についてであります。本町の個人情報保護条例には、その目的として個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱うべきものとし、個人の尊厳の確保に不可欠であること、実施機関が保有する個人情報の開示や訂正及び利用停止を請求する権利をうたっています。ところが、議案第7号の個人情報の保護に関する法律施行条例にはこのことについて載っていません。このような重大な変更に対し、審議会での議論はされたのでしょうか、伺うものであります。最後に、パブリックコメントの実施について伺います。個人情報保護条例の変更に際し、町民の意見を聴くなどの対応はされたのか、伺うものであります。パブリックコメントは実施されたのですか、伺うものであります。
町の答え 町長 村井洋一(町長は2024年9月まで)
3点目の個人情報の保護に関する法律施行条例についてお答えいたします。1点目の個人情報保護法改正の目的についてですが、個人情報の保護に関する法律は、個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念や個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにし、個人情報を取り扱う事業者及び行政機関等について、遵守すべき義務等を定めるとともに、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることに配慮しつつ、個人の権利、利益を保護することを目的として、令和3年度に改正されました。この法改正を受け、令和5年4月1日から個人情報保護制度が法に基づいた全国統一のルールとなります。個人情報を守る措置については、法第61条第1項において、「行政機関等は、個人情報を保有するに当たっては、法令の定める所掌事務又は業務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用目的をできる限り特定しなければならない」、同条第2項において、「行政機関等は、前項の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を保有してはならない」と規定しておるところでございます。このことからも、個人情報を守るための措置はされていると考えてございます。2点目の個人情報の保護に関する法律施行条例の目的についてですが、法改正を受け、本町においても法の施行に関し、必要な事項を定めるため、豊浦町個人情報の保護に関する法律施行条例案について、今回の3月定例会に議案を上程しているところでございます。3点目の現行条例の改廃に関する個人情報保護審議会の議論についてですが、法第3条におきまして、基本理念として、「個人情報は、個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきものであることに鑑み、その適正な取扱いが図られなければならない」と規定されているところでございます。また、法第76条、90条、98条において、個人情報の開示、訂正及び利用停止の請求権について規定されておるところでございます。新条例案は、法を運用するための施行条例であることから、これらの法で規定された全国統一のルールに基づき、個人情報保護を行ってまいります。なお、法に基づいた施行条例であること、現行の豊浦町個人情報保護条例の改廃時に、豊浦町情報公開・個人情報保護審査会へ諮問する規定はないことから、当該審査会での議論は行っておりません。4点目のパブリックコメントの実施についてですが、前述のとおり、法で規定された全国統一のルールに基づいた施行条例であることから、町独自でのパブリックコメントは実施しておりません。
議員の質問 1番 山田秀人
今回の個人情報の保護に関する法律の施行条例の目的というのは、今、答弁でおっしゃったように、データの利活用と個人情報保護の両立が要請されているにもかかわらず、国、地方、民間、今まではこの3者の法律が別々にあったわけです。これを個別に規定していることでデータの利活用が守られていた、つまり、統一することはまずいということで、きちんと制限したために、なかなか利活用が進まなかった。だから、国は 、この規制を撤廃して、その法律を一元化して、何とか企業も使えるようにするというのが今の法律なのです。ですから、今まで三つの法律があったのですが、一番ネックになっているのが地方自治体の条例なのです。個人情報は本人から直接収集するという収集の制限、集めるための制限、それから、目的外利用とか外部提供の制限、外に出したりということですが、そういうものをきちんと制限しているのです。それから、オンライン結合の制限も原則定められていたのです。この自治体ごとの特徴ある規定がデータ流通の支障になるということで、これをリセットして、今まで制限していたものを全部やめて、データの利活用を成長戦略に位置づけて、外部提供して、企業にAIで分析させて、いわゆるビジネスチャンスをここにつくるわけです。儲けのタネにするということです。これを、安倍政権以来のデジタル改革を国の名で進めてきたのです。そのために、本町の保護条例も改悪して、保護法に一元化するということになっているのです。法律が条例をも縛っているということです。ですから、一元化をすることによって、本町の保護条例の優れた点が、今まで制限したところがなくなるわけですね。どのような優れた点があるかということを今述べたわけですから、保護法に一元化することによって、本町のメリット、デメリット、町民へのメリット、デメリットがあれば、ぜひお述べになってもらいたいのです。どういうところにメリット、デメリットがあるのか、そのことをご答弁ください。
町の答え 総務課長 本所淳(総務課長は2023年3月まで)
特に難しいのが、メリットのほうだと思います。国は、データの流通ということでは、活用という部分でのメリットを言っておりますけれども、実際にそれを豊浦町でやるとなると、個人情報の管理上の問題といいますか、リスクが増すことは間違いないということで、そこのデメリットが一番心配なところです。ただ、本町のこの条例においては、先ほど議員がおっしゃった、一番心配されているデータの流通という部分においては、今、豊浦町としてはそういった計画もございませんし、先ほども申しましたリスク管理の対応が難しいということで、今回の本町の条例からは盛り込まなかったということでございます。
議員の質問 1番 山田秀人
私は、個人情報の保護、プライバシー権は基本的人権であるということを先ほど述べました。プライバシー権は憲法が保障している基本的人権だというのは、例を言いますと、就職情報サイトにリクナビというものがあります。そこが、就活の大学生の閲覧記録を分析して内定辞退率を本人の同意なく採用企業に販売していたということがあったのです。つまり、現在の社会では、本人の知らないところで個人情報がやり取りされているということです。ビッグデータ、AIを利用したプロファイリング、人物像の推定やスコアリングという点数化によって、個人の人生に大きな影響を与えている事態を引き起こしており、こういうことがあらわになっているのです。そして、今求められているのは、情報の自己コントロール権を保障する仕組みであるということまで求められているのです。ですから、今、単に法律が一元化したから何とかうまくいくのではないかということには当たらないのではないかということです。次に、個人情報保護法の改正を受けての施行目的ということです。条例を改正法に基づくものにするために、個人情報保護委員会事務局、これは上の政府の段階ですが、それと総務省自治行政局から資料が送付され、その説明会も行われていたということです。豊浦の役場の職員がそこに参加したかどうか分かりませんが、令和3年7月に行われました。令和3年改正個人情報保護法の施行準備について、この説明会の中で、市町村長が条例でオンライン化や電子化を伴う個人情報の取扱いを特に制限することは許されないという説明がされているのです。そして、個人情報の取得、利用、提供、オンライン結合について、類型的に審議会等への諮問を要件とする条件を定めることは今回の法改正の趣旨から許容されない。つまり、制限することは駄目なのです。これは、オープンにしなさいという言い方です。だからこそ、条例の名称も、豊浦町個人情報保護施行なのです。法律を施行するための条例という格好になっているのです。ですから、法律に沿うための条例にすぎないのです。これで国が法律を定めて、そのまま市町村は従順に条例をつくってやりなさいということなのです。この条例は、定義の規定は一切ないのです。法律が直接そこに書いてあるからです。条例に全く書く必要はないとさえ言っています。こんな条例に自治体や町民に何のメリットがあるのかということです。ですから、本当にこれでいいのかということです。法律に詳しい総務課長ですから、このことを今言っただけでも大体分かると思います。そう思いませんか。こんなでたらめな条例をつくって、どう思いますか。市町村は、自分たちの自治立法権という条例があるわけです。その観点からすると、逸脱していると言わざるを得ない。そう思いませんか、伺います。
町の答え 総務課長 本所淳(総務課長は2023年3月まで)
確かに今回の条例については、条例で規定しなければならない事項と条例で規定することが許容されている事項がありますが、条例で義務的に規定しなければならないのは手数料と費用負担の関係だけです。それ以外については、許容される事項が、個人情報ファイル簿の作成及び公表に対する事務手続き上の話です。それから、条例の要配慮個人情報の関係の規定と開示、訂正、利用停止、これは法に違反しない範囲であればです。それから、審議会に対する設置運用の条例、あとは単なる内部手続に関する事項ということで、その程度の内容しか規定ができないということで、条例としては、これだけを見ると、皆さんちゃんと法律も見ないと、何の条例だという形で受け取る可能性もあると思うのですが、実態としてはそのような状況でございます。
議員の質問 1番 山田秀人
ですから、まるっきり縛られて、地方自治体がつくろうとする条例からも、まるっきり国の言うなりにつくれよという法律です。全く悪法なのです。ところが、議会の個人情報保護条例が今出そうとしていますが、これはこの条例には適用外なのです。ですから、自由に条例をつくって、そして、議会で取得した個人情報というのはきちんと守りなさい、別枠であるということになっているのです。次は、審議会の話です。国の個人情報保護委員会、これも所管と解釈を一元化して、自治体における審議会の諮問対象を限定したわけです。国の個人情報保護委員会からは、自治体を監視する勧告も定めたとなっているわけですよ。だから、本町の個人情報保護審査会というのは、あってないようなもの、有名無実だと言わざるを得ないと申し述べておきます。たくさんあるのですけれども、時間がないから一つだけ聞きましょう。法令に基づく条例というのは、個人の情報であっても、個人情報と匿名加工情報の間においては、法令において提供の制限には違いないと述べられているのです。そのために、施行条例の第3条で述べているように、個人情報ファイル簿を作成する必要がある。ですから、個人情報ファイルの名称や利用目的、さらには記録情報を当該機関以外に経常的に提供する場合、その提供先などとなっているけれども、この提供先について伺うが、どのような機関を想定されているのか。これはどうなのですか。具体的に、よく分からないところがたくさんあるけれども、まず、ここを伺います。
町の答え 総務課長 本所淳(総務課長は2023年3月まで)
今回のファイル簿、登録簿については、確かに法令を考えると、企業等にお知らせすることは可能な情報ではあるのですが、先ほども申したように、そもそもリスクが大きいということで、豊浦町としてはその条文については盛り込んでおりませんので、現時点での豊浦町での取扱いについては、町民の方が役場でやっている仕事やいろいろな事業ごとに、どのような個人情報が管理されているのか、自分の情報はここにある可能性があるのか、あくまでも逆な意味で町民の方に個人情報がどういうところに登録されているのかを明らかにするため、そういう意味での目的のほうが現時点では強いと思っていまして、企業にこれを開示するような運用を現時点では想定したものとは考えていないということです。
議員の質問 1番 山田秀人
つい最近問題になったのは、札幌市が本人の承諾なしに、自衛隊に職業というか、卒業するお子さんの情報を提供したということがあるのです。現行の条例では、一々聞かなければならないのです。あなたの情報を自衛隊に渡していいか、それを全ての人に聞かなければならないのです。そして、拒否した人はその名簿から削除して、いいという人は目的とされたところに出す。そういうことが本来の個人情報保護なのです。ある企業が、この法律に基づいて、今はないと言ったけれども、もし求められていろいろなことで取得したりということを法律に基づいてやったとしても、結局は本人の承諾なしにそれが渡されてしまうということです。最近のダイレクトメールは特にそうでしょう。なぜ自分の住所が分かっているのか、そして、どんどん手紙が来る、それは一つの情報がどこかで抜けているということです。このことについては、国がそういうふうにしているものですから、住民の個人情報プライバシーを守る、憲法に基づいた基本的人権を保障するということで、地方自治体も豊浦町もしっかりと守っていくべきということを訴えたいと思います。