訓子府町議会 平成25年第4回定例会 2013年12月11日
農地中間管理事業
2013年12月11日、訓子府町議会の一般質問で、工藤弘喜議員が「農地中間管理事業」について質問し、町長 菊池一春、農業委員会事務局長 竹村治実、農林商工課長 村口鉄哉、農業委員会長 谷本茂樹が答弁しました。
- 質問者
- 工藤弘喜 議員
- 答弁者
- 町長 菊池一春、農業委員会事務局長 竹村治実、農林商工課長 村口鉄哉、農業委員会長 谷本茂樹
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 7番 工藤弘喜
それでは、次の質問に移らせていただきます。2番目の質問でありますけれども、農地中間管理事業についてというふうになっていますが、政府は10月25日、農地中間管理事業を創設する関連法案を国会に提出しまして、今臨時国会での成立を目指しております。これは実はこのたびの5日の参議院の今回の臨時国会ですべて成立をしております。この法案については、産業競争力会議や規制改革会議で提言されたものがベースになっておりまして、地域農業や農業委員会にとっては、重大な問題が含まれていると言われているところであります。ついては、以下の事項について、町長の見解を伺います。1、この「農地中間管理機構」制度の内容についてお伺いをいたします。2つ目、この法案の中では、農業委員会のあり方についても述べられていますが、事業の実施にあたって農業委員会の位置付けと役割についてお伺いをいたします。3つ目です。本町における影響をどうみているのかお伺いをいたします。以上であります。
答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)
ただいま「農地中間管理事業」について3点のお尋ねをいただきました。まず、1点目の「農地中間管理機構制度の内容について」お答えをさせていただきます。国では、農業の新たな構造改革と生産コストの低減を図るため、担い手農業者への農地集積・集約化をさらに進めていくこと、また、こうした事業を公平かつ適正に行うための法人としての、農地中間管理機構を各都道府県に1つ設置することとし、その事業の内容としましては、農地の賃貸借が基本としながら、売買も可能とされています。なお、この機構設置に伴い、本町における農地流動化に効果を発揮し、農地の売買等による利用集積を担ってきた農地保有合理化法人制度は廃止されます。また、この機構は、農地所有者と農業経営者との間に、農地の賃貸借を通じて介在しますが「一定のルール」を設け、貸付けがなされると伺っております。次に、2点目の「事業の実施にあたって農業委員会の位置づけと役割について」お答えいたします。現在、具体的な内容が国から示されていないことから、12月10日に開催の「地域政策に関する市町村担当者等会議」や「北海道農業会議」等からの資料や情報を交えてのお答えとなりますが、機構は、その業務の一部を市町村に業務委託できるとされているため、ほぼ全ての市町村に委託されることが想定されます。一方で、農業委員会が市町村の独立委員会として農地に関する業務を行っているため、実際には今までと同様に市町村が農業委員会へ事務委任を行ない、農業経営基盤強化促進法に基づく事業として担っていくこととなるのではと考えております。次に、3点目の「本町における影響をどうみているか」についてお答えいたします。この「農地中間管理機構」につきましては、平成26年度から本格的にスタートする新たな制度であり、本町にどのような影響があるのか、いまだ不透明な状況であります。これまで国としては、農業委員会が果たしてきた農地のあっせん等の利用調整活動に加え、近年では、農地集積協力金で人・農地プランと連動した新たな流動化の支援・手法を示しましたが、本町では未だにその活用がない実態にあります。今回の機構制度においても新たな流動化手段の一環かと思われますが、今後の農業施策全体を見極めながら、町、農業委員会、農協など関係機関が一体となって、本町農業に実効性のある制度を選択しながら、農地の荒廃が進まないような対策を進めて行く必要があると考えておりますし、農業を基幹産業としている本町にとって、農地は、農業の根幹であることを重く認識しているところでございます。以上、お尋ねのありました3点についてお答えしましたので、ご理解賜りますようお願いいたします。
再質問 7番 工藤弘喜
それでは、何点か再質問をしたいと思いますけれども、まずはじめに、この機構の働き、役割等々についても答弁の中でありましたけれど、そもそもがこの今、急にというか、こういったかたちで農地中間管理事業というのが出てきた背景というのも1つはしっかりととらえておくことが必要かなというふうには思っているところです。言ってみればこの問題につきましては、各農業委員会、あるいは市町村、行政サイドからだとか、あるいはもっと言えば農家のほうから要求というか、必要だというかたちで出ただけではなくて、やはり今の政治情勢を大きく反映した、いわゆるTPPに対する対応策としての、いわゆる規模拡大をどう進めていくか、日本の農業のあり方を大きく変えようとしている中の1つとして、この農地中間管理事業というのが機能してきているんではないかなというふうに私はとらえているところです。そういった中で、まずはじめに、ちょっと質問したいんでありますけれども、おそらくこれから農業委員会の事務局長にも答弁ということになろうかと思うんでありますけれども、これまでの従来の農地の貸し借り、あるいは所有権の移転等々含めて本町においてはどのようなかたちでもっぱらそれがされてきたのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。
答弁 農業委員会事務局長 竹村治実(農業委員会事務局長は2016年3月まで)
ただいま、農業委員会の農地の貸し借り、売買等についてのご質問を受けました。農業委員会につきましては、農地の賃貸、売買について、あっせんということで農地の集積というか、借り手側と貸し手側の間に立っての業務をやっております。この中で、農地法でいきますと農地法3条で農地の賃貸と売買というのをやっております。これについては、農地法の3条でいきますと、相対ですから、貸し手側、借り手側がお互いに貸すよ借りるよということでの売買での申請でございます。それと農地経営基盤強化促進法に基づく農地保有合理化事業、これにつきましては、農業委員会にあっせん申請がありまして、それを受けて農業委員会があっせんを行うというようなかたちでございます。これは、賃貸借、売買というかたちがございますけれども、方式的には、同じようなやり方で行っている状況でございます。以上です。
再質問 7番 工藤弘喜
今、そういう答弁いただきましたけれども、もっぱら、本町の大きな、本町だけではないのかもしれませんけれども、農地保有合理化事業によっての農地の賃貸なり売買というのは、やはり本町においても非常にウエイトが高いんではないかなというふうに思っているところでありますけれども、24年度の実績等々でいきますとたぶんもしかしたら食い違いがあるかもしれませんけれども、本町として、農地保有合理化事業で保有している面積と金額で言いますと24年の現時点でいきますと面積でいくと607.8ha、金額にして約15億3千万円余りの金額で保有しているということになって、おそらく本町の農地の移動にかかわる部分は、この保有事業をとおして集積が図られていっているのかというふうに思っているところでありますが、今回の法案の中身でいきますと、この事業の中身でいきますと先ほどの答弁にもありましたように農地保有合理化事業はなくなる、廃止するという方向が出ていますが、この辺についての影響というのは、どういうふうにとらえていったらいいのかということがまず1点です。それと北海道の場合、この農地中間管理機構制度の中の主体は北海道農業開発公社、いわゆる農地保有合理化事業をやっているところと同じなんですが、開発公社が担うということになっているようでありますけれども、この点も含めて、そうなっているのかどうか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
答弁 農業委員会事務局長 竹村治実(農業委員会事務局長は2016年3月まで)
ただいまの農地保有合理化法人が廃止された場合の影響についてのご質問でございますが、今回、農地中間管理機構が新たに法人として整備された時には、以前の農地保有合理化法人については、廃止となります。これにかわって今度は農地中間管理機構が法人となって事業を進めるというかたちになります。この進め方といたしましては、各都道府県に1つこの法人を置いて、北海道知事がそれを指名するというか、設置をするというようなかたちでございます。現在のところ、この法人については、北海道においては、公社が受けるんではないかということを聞いております。2点目についても同じような内容ですので、1点目と2点目あわせて説明させていただきました。
再質問 7番 工藤弘喜
今、答弁にありましたように北海道においては、現在、農地保有合理化事業を実施している農業開発公社がこの次の新しい事業の主体となっていくような、それについての大きな権限はすべて北海道知事が農地の貸してもいいよ売ってもいいよという権限が知事に与えられるということになっていく訳なんですが、そういった中で地元の今までいろいろなかたちで尽力されてきた農業委員の皆さん、あるいは農業委員会そのものの役割というのは、どういうふうになっていくのかなというのがちょっと心配なんですけども、やはり私たちにとって農地の番人と言われる農業委員会、あるいは地域農業の振興にやはりいろいろなかたちで携わってこられた農業委員会の果たしてきた役割というのが本当にこの制度によって、どう変わっていくのかというところが一番心配になってくるのではないかと思っているところです。そういう事業の推進が実際されていく中で農業委員会はどういうふうに関与するような仕組みになっているのでしょうか。どういう位置付けになっているのか。各地域の町村の農業委員会が、この事業を推進していく中で、どういう位置付けとなっているのか、その点についての説明等々はあったのでしょうか。どうも法的には農地の売買、あっせん等々含めて農業委員会は、法の外に置かれているようなかたちがどうもとるんですけれども、どういうことになっているのでしょうか。もし答えれることがあればお願いしたいのですが。
答弁 農林商工課長 村口鉄哉(農林商工課長は2016年3月まで)
全体的な話ですので、私のほうから回答させていただきます。農業委員会の位置付け、それから、市町村の位置付けであると思いますけども、先ほどの町長の答弁で述べていますとおり基本的には、まだ正確な情報が流れてきていません。私どもで現在その情報として知り得る方法としては、それぞれの新聞等で出ている内容を見ての回答というふうになりますので、今回の位置付けについても一応、12月7日の新聞等で報道になった内容ということで理解をしていただきたいと思います。実際に現場で調整にあたるのは、業務委託する市町村、JA,農業委員会、いずれも、これも回答に出ていますとおり人・農地プランの中の作成を実質的にやっているということで、最終的には、そこが担うというふうに新聞等で報道されていますので、回答になっているかどうかちょっとわかりませんけども、一応認識としては、そういうふうなかたちでしているということですので、よろしくお願いしたいと思います。
再質問 7番 工藤弘喜
本当にまずは全体像がしっかり農水省側からも説明がないんだとは思いますけれども、やはり法案そのものの仕組みからいきましても中身を検討させてもらってみても、どうも農業委員会というのが蚊帳の外に置かれてしまうような、農業委員会の果たしてきた役割が本当に軽んじられていくような中身になっているのが一番の問題点じゃないか。実際この売買とかいろんなかたちで開発公社が中に入って最終的には知事の権限でやる訳ですけれども、その中にあって、農業委員会の位置付けというのは、市町村の段階で聞き置くだけ、意見を農業委員会がそこで取りまとめてほしいみたいな、そういう程度のと言いますか、そういう位置付けでしかないような中身になっているふうに私としてはとらえているところなんですが、果たしてそれでこれからの農業、地域農業のあり方等々含めて、あるいは規模拡大をしたいという人たちの思いも含めて、それに応えられるのかどうか、そういった点では、非常に疑念が出てくる仕組みだと思います。そういった意味で、ぜひこれからいろいろな説明会等々なり、あるいは現場の農業委員会サイドでもこの問題につきましては、全国のこの上部団体の農業会議の中でもいろいろな要望書等々も出しております。その中身を見ましても非常に私の思いとも一致するところもありますし、道の農業会議の中でも要望意見等々も出されているかと思います。そういった意味で、ぜひそういうものを現場の声として、今上げていかないと本当にこれからの地域農業のあり方というよりも日本農業のあり方そのものが大きく変わろうとしている、矢面に立つような法案でもあるなというふうに思っているところです。そういう意味でぜひ町長のほうで何か考えがありましたら、これからの対応も含めてちょっとお聞きしたいと思いますがいかがでしょうか。
答弁 町長 菊池一春(町長は2023年3月まで)
ただいまの農地中間管理機構に対するご意見がございました。私どもとしましては、農業新聞やあるいは一般的な新聞で報道されている以外のことはあまりよくわからないということが実態のところだと思います。ただ、先の私どもの課長会議でもこの中身について少し議論をさせていただきました。目まぐるしく変わる農業情勢に我々市町村はどういうかたちで対応していかなければいけないのか。この考え方、中間管理事業そのものについては、1つはやはりTPPや世界農業に対応する同意をどういうふうにして構築していくかということの1つは出てきているだろう。それから北海道は別にいたしても小さな町における農地集約、農地の集積がなかなか進まない。従来のかたちで進んでいかないことに対する、逆に言うと都道府県の知事の権限によって農業委員会をとおさなくても、これらを農地集積を実現するということが1つの考え方ではないのか。しかし、それの良いかどうかということについては、まだ議論の余地がたくさんあるのではないかと思えてなりません。例えば、私どもの農地はやはり基本的には耕作者主義というのが原則でありますから、これらをどう維持しながら、今、農業委員会が果たしてきた役割をきちんと位置付けながら、これらの制度を活用していくということをしなければ、地域農業というのは大変難しい問題が出てくるのではないかと思っています。簡単に申しますと私自身が調べたりしている中で、例えば、法人の経営体制を2010年と比較して4倍、すなわち5万法人にするということを目標に掲げているようでございます。すなわちそれは生産コストの削減を強力に推進するという手段でございますから、できるだけ規模の拡大をこのことによってやっていこうということですから、これ自体が一体どうなのか。第2点としては、農業委員会を議員も心配しているとおり農地の集積の事業から事実上排除するということは、この管理機構の中ではどうも気になっているところでありますから、農業委員会が全国で果たしてきた実績、すなわち2011年12万6,679haの農地集約の役割を農業委員会がきちんと全国的に役割を担ってきている。本町でもそれは実績として歪めない事実でございますから、この辺で言いますと非常に私は課題が多いのではないのかと。これらについても注視していきたいというふうに考えております。とりわけ農業委員会の法的な関与を要しないということが、この中間管理機構に対する問題点でないかなと私は考えています。それから、第3の理由ですけれども、こうした優良農地において企業がどんどん参入する仕組みをつくろうとしているということがもう1つ問題なのではないのか。すなわち、かつては、先ほど申しましたように耕作者主義であったにもかかわらず、企業がどんどんフリーハンドで入ってこられるような状況をつくっていく。このことは、一体どんなことを意味するのかと言いますと、例えば私は土地改良区の理事長もしておりますけれども、地元の水利管理や自然環境管理やさまざまなことを農業というのは担っております。このことで大規模のそういう経営者等々が参入してくるということが本当に地域農業を守ることになるのかどうかということを考えていきますと、この中間管理機構の事業というのは、私は改めて農業会議や私どもも含めて声を出していかなければならないことではないかなと思います。しかし、まだ確かなことは私自身も理解しておりませんので、今後とも注視しながら対応してまいりたいと思いますので、ご理解賜りたいと思います。
再質問 7番 工藤弘喜
わかりました。今言われたように町長のほうもこの問題の中心的な部分については、十分知っておられるなというふうに感じているところでありますけれども、今言われましたように、大きく言えば企業の農業参入という道に突破口を開くというか、つけるという意味も含めての新しい農業政策の1つだなというふうに思っているところです。それともう1つ、今回この機構に対して出したものに対しては、公募方式で貸し手を探すということなんですが、公募方式でとなるということになれば当然いろいろなかたちで、いろいろなところから借りたいという人が来るかもしれませんが、それはそれでいいんですけれども、問題はそれはその時にその地域の人たちとどういうふうに協調できるような人が入ってくるのかということも、いわゆる地元の農業委員がかかわりなくなってしまった時に、どういう人たちが来るのかという問題がやはり常に抱えている問題になってくることもあります。そういう面からも農業委員会が今まで果たしてきた役割というのは、再度改めてそこら辺でも認識していただきたいということと、今回、耕作放棄地の問題がありますが、公募する中でどうしても条件不利地域のような条件の悪いところは、この事業からいったんは借受するけれども、受けるけれども、買い手のつかないところは、管理機構でもう1回所有者に戻したいという、戻すことができるというふうな法案の中身なんです。だから機構としては、条件の悪いところはやはり取り扱わないということでありますので、それが本当の地域の農業にとってどういい方向に行くのかということから見れば非常に問題のある仕組みだなと。いいところは公募でどんどんいいところ、金のあるところ、競争力のあるところが入ってきて買ってくれるかもしれないけれども、本当に一番解決したいような条件の悪いところは、この管理事業の中でも、ある一定程度置いたら離したいということなのです。それができるということになっておりますので、そこら辺までは面倒見ないという中身にもなっておりますので、そういったことも踏まえて、やはりそういうことと今まで農業委員会が果たしてきた役割というものを十分とらえていただきながら、これからの見直しと言いますか、改善に向けても声をあげていただきたいのが、私の今回の質問の思いでありますので、最後にもし農業委員会の会長さんに、ここでそういう思いでもし発言があるのであれば、ぜひ、していただきたいというふうな思いもしているところでありますが、よろしくお願いいたします。
答弁 農業委員会長 谷本茂樹(農業委員会長は2013年12月まで)
先ほどから農地中間管理機構ということについてのお話がありましたけども、現実にまだ具体的にどうなるのかということで現場には入ってきておりません。私たちもどうなるかということで注目をしているというのが現状でございますけれども、そうは言っても、例えば、訓子府の農地が、企業が入ってきて農業法人でも何でもない生産法人でも何でもない企業が入ってきていらなくなったら撤退する。農地の荒廃が進むというようなことであっては絶対困りますし、我々農業委員会は、今までもこれからも適正、公平に農地を流動化させております。今までもそうだったし、これからもそうやっていきたいというふうに思っていますから、あまり我々としては、今のこの制度を変えてほしくないという思いでおりますし、いずれにしても農地法というのは、国会がつくるものですから、何とか我々農業者に向いたやはり法制度をつくってほしいという思いでおります。今思っていることはその程度でございます。
再質問 7番 工藤弘喜
本当に突然答弁を求めて申し訳ないなと思っておりますけれども、ぜひ、そういった方向でご努力をお願いしたいということであります。よろしくお願いいたします。