みんなの議会

上富良野町議会 平成22年第1回定例会 2010年3月15日

(1)遊休農地の対策について/(2)青少年の国内外交流事業について

2010年3月15日、上富良野町議会の一般質問で、和田昭彦議員が「遊休農地の対策について」「青少年の国内外交流事業について」について質問し、町長 向山富夫、教育長 北川雅一、農業委員会事務局長 菊池哲雄が答弁しました。

質問者
和田昭彦 議員
答弁者
町長 向山富夫、教育長 北川雅一、農業委員会事務局長 菊池哲雄

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

会議録の目次ではこの議員の件名が 2 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は会議録の目次の表記です。

質問 10番 和田昭彦

私からは、さきに通告しました2項目について町長並びに教育長にお尋ねしたいと思います。まず1項目めの遊休農地の対策についてですけれども、2月に行われました住民会長と町議会議員の懇談会において、郡部住民会から出されたテーマ、農業振興の中で遊休農地の対策が話題になったところです。農業後継者が少なく、これからも農家戸数の減少が確実視される状況の中で、1戸当たりの耕地面積がふえ続けると、作業効率の悪い農地の管理には手が回らなくなり、ますます放置されることは予想されます。農地保全の上からだけでなく、この美しい上富良野の景観保全の面からも遊休農地の解消に向けての対策は1年でも早く取り組んでいくべきではないかと思いますが、町ではどのような対策を考えているか町長から答弁をお願いしたいと思います。次に、青少年の国内外交流についての質問ですけけれども、青少年国内外交流事業で、これまで町の将来を担う児童生徒を友好都市の津市とカムローズ市へそれぞれ5回派遣してきました。3年に一度の事業ということで、すべての児童生徒にその参加のチャンスを与えるために津市では小学校4年生から6年生まで、カムローズへは中学校、高校生を対象としているとしていますが、国内外交流事業実行委員会の仕事にかかわっているものとして一つだけちょっと気になることがあります。それは、児童生徒が参加できる対象の中で、「本事業に係る研修に出席できる児童生徒で、その保護者は上富良野町税等の滞納者に対する行政サービス制限措置等に関する条例の規定に基づき、町税に滞納がないこと」ということが実施要項に書かれていることです。この事業は、町の将来のために子供に対する助成であり、投資だと思います。子供は親を選べません。保護者の家計が生活困窮だったとしても、子供にそのチャンスをつみ取ってしまう制限は好ましくないのではないかと思います。そこで、青少年国内外交流事業のみについてこの行政サービス制限措置等に関する条例の規定から除外するべきではないかと私は思うのですけれども、教育長の答弁をよろしくお願いいたします。

答弁 町長 向山富夫(町長は2020年12月まで)

10番和田議員の御質問にお答えさせていただきます。まず1項目めの遊休農地の対策についての御質問にお答えさせていただきます。上富良野町の農地は、基幹産業の根幹をなすものであり、生産性の向上を図るため土づくりや基盤整備を進め、最大限に農地を活用していくことが農業はもとより、町の経済発展につながるものと考えております。本町の農地は、各地区で組織されている農用地利用改善事業実施組合により、売買、賃貸借のあっせんで農地利用集積が進められるとともに、農業委員会の許可による売買や貸借によって各地域を初め、町内の担い手に受け継がれ、農業生産活動が行われております。議員御指摘の農家戸数は、30年前の昭和54年には861戸、平成21年には343戸と減少し、1戸当たりの耕作面積は拡大する中で、大型農業機械が導入され、急傾斜地や狭い土地では作業効率の低下や危険を伴うことから、耕作のされない農地が増加することが想定されております。町内農業者の農業生産法人化や農業者の経営規模の拡大も進んでいることから、売買や賃貸借に出される耕作条件のよい優良な農地は担い手に受け継がれていくと考えることから、町といたしましては農地の生産性向上を図る基盤整備事業を積極的に進め、遊休農地につながるような条件が不利な農地の解消を図っていくことが必要であると考えております。平成20年度には、農業委員会が農地調査を行い国のガイドラインによる耕作放棄地で農地に該当しないと判断した47件、61.4ヘクタールの土地に非農地通知が所有者に出されましたが、農業委員会においては農地パトロールを毎年実施するほか、各地区の農業委員が遊休農地化の防止のため、担い手へのあっせんや農地に関する相談を行うなど、農― 87 ―地が有効活用されるよう事前に取り組まれておりますので、町といたしましてもこれらの農業委員会の活動を支援してまいりたいと考えております。また、基盤整備など積極的に進めるとともに、耕作に適さない農地については植林などにより環境や景観の保全が図られる農地の有効利用に誘導してまいりたいと考えております。

答弁 教育長 北川雅一(教育長は2012年9月まで)

10番和田議員の2項目めであります、青少年の国内外交流事業についての御質問にお答えいたします。青少年の国内外交流事業は、上富良野町と友好提携都市の青少年との交流を通じて、将来を担う青少年の見聞を広め、さらに知識を高めるために行っている事業であり、町の補助と参加者負担で実施しております。また、上富良野町町税等の滞納者に対する行政サービスの制限措置等に関する条例は、町税等の滞納者を放置しておくことは、納税義務を果たさずに権利を主張することを黙認することになってしまいます。このことから、町民の納税義務に対する公平感を阻害することを考慮し、町税等を滞納し、かつ納税について不誠実な者に対して特別措置を講じることによって、納税意欲の高揚と徴収に対する町民の信頼を確保することを目的に制定したものであります。この条例及び規則により63項目が行政サービスの制限対象事業となっており、青少年の国内外交流事業につきましても、申請者、親権者及び生計中心者がこの対象になっております。議員御指摘のとおり、このたびの第6回上富良野町青少年国際交流事業実施要項の中で、本事業にかかる研修に出席できる生徒で、その保護者は上富良野町町税等の滞納者に対する行政サービスの制限措置等に関する条例の制定に基づき、町税等に滞納のないことと記載させていただいております。この条例の目的にありますように、町税等を滞納し、かつ納税について不誠実な者に対する行政サービスの制限措置でありますので、滞納者であっても納税する意思があり、町の徴収担当部局へ所定の手続をされた場合は、その制限を受けることなく本事業へ参加することができるものであります。過去からこれまでに、この措置によって参加できなかったという実績もございません。青少年国際交流事業への影響はないものと考えております。このようなことから、この事業を上富良野町町税等の滞納者に対する行政サービスの制限措置等に関する条例の制限対象事業から除外することはないものと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。以上でございます。

質問 10番 和田昭彦

ただいまの町長の答弁の中で、農業委員会は農地調査を行い、国のガイドラインによる耕作放棄地で農地に該当しないと判断した47件、61.4ヘクタールの土地に非農地通知が出されたとありますけれども、これはこの町の農業委員会が判断して出されたということでしょうか。それと、この非農地とされた土地はその後どのように管理されているのか、放置されるような状態になってはいないのかちょっとその辺まずお尋ねしたいと思います。

答弁 町長 向山富夫(町長は2020年12月まで)

10番和田議員の御質問にお答えさせていただきますが、47件、61.4ヘクタールの非農地通知につきましては、当町の農業委員会が発したものでございます。その後、この農地が農地として位置づけをしないという通知をさせていただいておりますので、その後の状況につきましては農業委員会が把握しているかどうかについてはちょっと、私情報を持ち合わせておりませので、局長のほうから答弁いたします。

答弁 農業委員会事務局長 菊池哲雄(農業委員会事務局長は2012年12月まで)

10番和田議員の御質問にお答えいたします。耕作放棄地の通知を出した農地についてですけれども、まだ全件が完了していませんが一部、山林等に植林をして地目変更等がなされたのが発生しておます。以外についてはまだ現状の地目のまま残されていると判断しております。以上でございます。

質問 10番 和田昭彦

それでは今、実際に耕作放棄地として認定している面積はどのぐらいありますか。

答弁 農業委員会事務局長 菊池哲雄(農業委員会事務局長は2012年12月まで)

10番和田議員の御質問にお答えいたします。現在、耕作放棄地として農業委員会が把握している面積はゼロでございます。

質問 10番 和田昭彦

ゼロと聞いてちょっと安心はしたのですけれども、上富良野の農用地は全体― 88 ―で6,000ヘクタール弱の限られた面積です。この農地を無駄にすることなく、有効に活用することは農地の保全の面からだけではなくて、上富良野の観光資源である美しい景観を保持する面からも大変重要なことではないかと思います。そこで、岩波書店が一昨年発行した日本で最も美しい村という本があるのですけれども、この一番最初に丘の町美瑛が取り上げられているのです。この本に載っているのは11市町村の例なんですけれども、あの美瑛の美しい景観は農業がつくったものです。それで、私は上富良野も決して美瑛の景観には劣らないというふうに思っているのですけれども、もし町が景観に配慮した農業経営ができる環境をつくって、私たち農業者に応援してくれるならば、私たちの共有財産であるこの自然景観はさらに大きな観光資源となるはずです。そのためにこれからも耕作放棄地を出さないような努力が必要かと思いますけれども、私はその一つの方法として草食動物の力を借りてはどうかと思うのです。スイスの観光の一大資源であります、あの美しさは人間がつくったものではなくて、牛や羊がつくったものです。十勝岳の頂上のまだ数百メーターも上まで家畜が上っていって、草をかむことによってあの美しい景観をつくっています。またオーストラリアやニュージーランドでは放牧が盛んで、牛を放牧して牛が食べ残した後に今度は羊を放してきれいに食べることによって春から秋まで、ところによっては雪の降らないところでは一年中目の覚めるような緑の美しい農村の景観をつくり出しています。草食動物の力を借りるならば、農地の管理に要する投下労働力は畑作、稲作の10分の1で済むというふうに言われています。ただ、大動物の牛の飼育管理は大変であり、だれでもが容易にできるものではありません。しかし、中動物の羊であれば子供や年寄りでも飼育は可能だし、しかも羊毛や肉の副収入もあります。また、放牧地を近隣の山林の中まで広げていけば、下草を刈る必要もなくなってくるというふうな効用もあります。ということで、これから耕作放棄地を出さないためにこういう畜産を振興させていってはどうかと思うのですけれども、町長どうでしょうか。

答弁 町長 向山富夫(町長は2020年12月まで)

10番和田議員の耕作放棄地を出さないための施策についての御質問にお答えさせていただきます。条件不利地、要するに大きな機械を使ったり、あるいは効率的な耕作をすることに余り適さない、そういうような農地の利活用につきまして、ただいま議員がお話ありましたような放牧地等に活用するということは、これは全くすばらしいことでありますし、私も何ら異を唱えるものではございません。全く同感でございます。ただしかし、そういうふうな農地の利活用を図るとなりますと、やはり趣味的なことの延長で取り組めるような状況ではないことは推察できると思いますが、当然、なりわいとして、経営としてそれが成り立つ仕組みでなければ、なかなかそこまで到達できない課題もございます。これは、もちろん町といたしましても現在、そういうどちらかといえば効率的な経営が機械化による経営がなかなか対応しづらい農地につきましては、既に相当の面積が放牧地に転換されていると思います。そういうことで、畜産農家の方々にもいろいろ貢献しておりますけれども、さらにこれが拡大していくことが望ましいということで、景観保持も含めましてそういうようなことを望むとすれば、これはやはり国の大きな農業政策の中でそういう位置づけをしていただくように、我々もやはり声を出していかなければ、なかなか実現は難しいというようなことで、和田議員の考え方に対しましては私も全く同じ考え共有できますので、そういう面からも耕作放棄地があらわれることのないような方向にいくようにこれからも努力してまいりたいと思います。

質問 10番 和田昭彦

先ほど申しました羊の導入は、それほど難しい、投資をそんなにたくさん伴うことではないし、難しいことではないと思うので検討をしていただきたいと思います。それで、これからも遊休農地を出さないために何よりもやはり農家戸数をできるだけ減らさない方法を講じてもらいたいと思います。私は、農業の未来は地球上の人口がどんどんふえ続けていく中で、私は農業の未来は明るいと思います。ですから、農業がどんなに大事な役割を果たしていてすばらしい職業であるかということを啓蒙する教育に町を挙げて取り組んでいってもらいたいと思います。よろしくお願いします。

答弁 町長 向山富夫(町長は2020年12月まで)

10番和田議員の御質問に再度お答えさせていただきます。農業を守るということは国の基本でもありますし、これは今、国でも現在の食料受給率を40%から2020年には50%にするという数値目標も掲げました。そういう中で、当然、農業の重要性というのは国― 89 ―民の中にまだまだ浸透してまいらなければならないと考えておりますが、いずれにいたしましても、私といたしましてはこの地方自治体を預かる立場といたしましては、まずその根底にはやはり経済的にしっかりとしていかなければやはり言葉で農業が大事だと唱え続けても、実態が伴わないということがあると思いますので、まずしっかりと経営として成り立つ農業になるようにということで、町の取り組みもさることながら、国に対しても、北海道に対しましても私は強く声を出していきたいと思っております。以上です。

質問 10番 和田昭彦

次に、青少年の国内外交流の事業についてですけれども、この事業の最もよい点は3年に一度の実施ですけれども、すべての児童生徒にそのチャンスを与えていることではないかなというふうに私は理解しています。現在、一昨年のリーマンショックに端を発した百年に一度と言われる経済不況下にあり、リストラ、派遣切りなどで職を失った人も多く出ています。非正規労働者が全就業労働者の3分の1を超える、また年間200万円以下の収入が1,000万人以上ということも言われております。日本の貧困率が14.2%ということで、これは7人に1人という高い数字です。この青少年の国内外交流の事業に参加は保護者の意思によるものが大半だと思うので、負担金が少なくないこの事業には厳しい生活を余儀なくされている保護者が子供さんを参加させようという気には、恐らくはならないかと思いますけれども、カナダへは対象が中高生ということで、生徒本人による参加の希望もまれにあるかと思います。それが、滞納が理由で参加できないということがあったらどうでしょうか。子供にとってはショックではないかなというふうに思います。これまでこういうことがなかったということで、事業の影響はありませんという御返事でしたけれども、これからもこういうことがないとは断言できませんし、こういう制限があったから応募してこなかったかということも考えられます。政権が交代して子供は国でつくるということが言われており、6月からは子ども手当が支給されようとしています。生活は厳しいけれども、子供の希望であればこの子ども手当で参加させてやりたいという保護者がいても不思議ではないと思います。そういうことで、この事業は町のために行う、町の将来を担う子供たちへの投資です。特定の滞納者でなければ保護者の家計状態に関係なく参加できる例外があってもよいのではないかなというふうに考えるのですけれども、教育長いかがでしょうか。

答弁 教育長 北川雅一(教育長は2012年9月まで)

10番和田議員の今の御質問でございます。ある程度、制限条例が制定されて、国民の納税義務を課す反面、先ほど言いましたように滞納者であっても町のほうとの相談事項でやはり参加できるような、家計が出してあげたいということであれば参加ができるような窓口というものは開いてございますので、とりあえずその部分については御相談をしていただきながら前向きに進めていくという考え方は我々持ってございますので、そんな動き方もこれからしていきたいなというふうに思うところでございます。以上でございます。

質問 10番 和田昭彦

先ほどの答弁で滞納者であっても、納税する意思があればということで前向きな意見かなというふうに思いますけれども、やはり最初の参加募集要項にそういうことが物々しく述べられていたらちょっと気にかかるわけなんですけれども、そういう項目は削除して、そういう子供が応募してきた場合には実はこういう制限もあるのだけれども、納税に協力してもらえれば参加できますよというようなことにはなりませんでしょうか。

答弁 教育長 北川雅一(教育長は2012年9月まで)

10番和田議員の今の御質問でございます。実施要項につきましては、その滞納の制限条例の規定に基づいての表記をしてございますけれども、これから募集要項につきましては皆さんに参加いただけるように対応していきたいというふうに思います。申し込み要件、この要件があるということについてはやはり、きちっとうたいながら町民の皆さんに周知していかなければならないということは大前提でございますけれども、表現は滞納者という言葉はちょっと避ける、もう少し柔らかく、例えば納入状況を確認させていただきますだとか、そういう柔らかい募集要項で今後、町民の皆さんに周知をしていきたいというふうに我々今考えてございますので、御理解をいただきたいと思います。以上でございます。

質問 10番 和田昭彦

はい、わかりました。そういうことを配慮することがやはり心の通った町政ということは言えるのではないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。

出典:上富良野町議会 平成22年第1回定例会 2010年3月15日 議事録 PDF(98ページ) 間違いを知らせる