みんなの議会

浜中町議会 令和8年第2回定例会 2026年6月11日

JR花咲線存続を求める町民の声を政府に

2026年6月11日、浜中町議会の一般質問で、川村義春議員が「JR花咲線存続を求める町民の声を政府に」について質問し、企画財政課長 渡部幸平、町長 齊藤清隆が答弁しました。

質問者
川村義春 議員
答弁者
企画財政課長 渡部幸平、町長 齊藤清隆

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 5番 川村義春

通告に従い、一般質問を行います。1点目の質問事項は、JR花咲線存続を求める町民の声を政府にということであります。JR北海道が提案した花咲線を含む赤字8区間の黄色線区への上下分離方式の検討方針に対する町長の考え及び今後の対応について、以下伺ってまいりますので、よろしくお願いいたします。1項目めでありますが、JRの上下線の問題を議論する前に、歴史的な背景を押さえなければ、どうしてこういう問題が出てきたのかが見えてこないことから、歴史的な背景として国鉄民営化の功罪について伺っておきます。国が行った国鉄民営化の功績と民営化がもたらした弊害等について簡潔に説明していただければと思います。なお、国鉄民営化については、答弁でもあると思いますが、1987年に全国一元組織が解体されて地域ごとの旅客6社と貨物1社に分割、民営化されております。6社というのは、JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州となっております。これらも含め、功罪で有利になった部分や悪くなった部分があり、そういったことは国の施策がどうだったのかを判断する材料ですので、よろしくご答弁いただきたいと思います。

答弁 企画財政課長 渡部幸平

それでは、ただいまの歴史的背景として国鉄民営化の功罪についてというご質問にお答えいたします。まず、JR北海道の経営悪化が国鉄民営化の功罪、あるいは、失敗という言われ方をしておりますけれども、こういった背景について、既に報道されている情報を基にご説明申し上げます。まず、国鉄民営化につきましては、議員もおっしゃいましたとおり、国が運営しておりました日本国有鉄道を1987年―昭和62年に解体し、地域別の旅客会社、現在のJR6社と貨物会社1社に分割、移行させたという改革でございます。6社につきましては、議員におっしゃっていただいたとおりでございます。民営化の背景ですが、当時、国鉄においては、利用者の減少のほか、地方ローカル線など、多くの不採算の路線を抱えていたことから巨額の累積赤字が計上されておりまして、経営については破綻状態であったということもございまして、国がそれまでの非効率な経営体質からの脱却として行ったと言われております。当時の構想としましては、JR6社のうち、JR東日本、JR東海、JR西日本の本州の3社につきましては、それぞれに大都市圏があること、また、新幹線で生じる運賃収入及び関連事業によりまして十分な収益が見込めることから、地方路線を維持できると国は想定していたようです。一方で、JR北海道、JR四国、JR九州の3社におきましては、当時、既に将来的には大きな赤字経営になるだろうと予測されておりまして、国としては、その補塡策として経営安定基金を交付し、その運用益をもって赤字補塡を行うことで路線の維持を図ることを想定していたとされております。JR北海道の発足時、国からは、経営安定基金として約6820億円が交付され、当時の長期金利による運用益で赤字補塡をする前提でおりましたが、その後、時代は長期的な低金利政策となりまして、当初想定した運用益が見込めずに赤字が常態化し、JR北海道の経営悪化を招いたとされております。このように、国鉄民営化の失敗につきましては国の制度設計時の見込みとその後の時代の流れに乖離が生じたことが原因と認識しているところです。

質問 5番 川村義春

今、企画財政課長が詳しく答弁されたとおりだと思います。まさに、後段で言われたように、国で経営安定基金6840億円を出し、その展開、運用益でできるだろうということでしたが、見事に失敗したのですよね。それで、今、相当な赤字を抱えているということで、国に対して関与を求めるというか、国の支援は絶対的に必要なことだなと改めて思いました。先ほど言われたように、本州3社については、国民負担の赤字補塡の解消や黒字化ができ、サービスの劇的な向上のほか、駅ビル開発や商業施設を展開したことによってうまくいっているとのことです。その一方、3島である北海道、四国、九州のJRについては弊害しかないということで、地域格差の拡大、それから、ローカル線の廃止と地域交通の崩壊、安全性の軽視と利益優先の弊害が出てきているとよく言われておりました。私は、この問題が出てからずっといろいろなマスコミのものから切り抜きをしたり情報を集め、今、質問しているわけですけれども、そういった実態で、特にJR北海道については雪害などもあってなかなか利益率が上がっていかないということです。赤字8路線の中の花咲線、あるいは、網走まで抜ける釧網線では、一生懸命、観光客を増やすための努力をそれぞれしているのです。それでも追いつかず、上下分離方式をJR北海道が打ち出したということであります。2項目めの赤字路線の現状の実態についてお答えください。

答弁 企画財政課長 渡部幸平

JR北海道の黄色線区の赤字の実態についてお答えいたします。JR北海道が単独では維持困難とする赤字線区の数は花咲線を含めて8区間で、これは通称・黄色線区と呼ばれておりますけれども、8線区合計の令和6年度の収支実績につきましては約147億9400万円の赤字と発表されております。8線区の赤字額について、発表されている内容を基に申し上げたいと思います。まず、富良野線の富良野-旭川間の赤字額は12億900万円、次に、石北線の新旭川-網走間の赤字額は49億9900万円、宗谷線の名寄-稚内間の赤字額は27億2900万円、根室線の滝川-富良野間の赤字額は11億円、根室線の沼ノ端-岩見沢間の赤字額は10億7100万円、日高線の苫小牧-鵡川間の赤字額は4億1400万円、釧網線の東釧路-網走間の赤字額は19億1900万円、最後に、花咲線の釧路-根室間の赤字額は13億5200万円ということです。花咲線のみの収支内訳について、発表されている数字を申し上げますと、営業費用15億3700万円に対し、営業収益1億8500万円ということで、差引きをすると先ほど申し上げた赤字額の13億5200円となります。ほかに発表されている情報としましては、1日当たりの平均輸送量とされる輸送密度は令和6年度実績において217人、100円の収益のために要する費用とされる営業係数につきましては831円と発表されております。

質問 5番 川村義春

ただいま、本当に詳しくお知らせをいただきました。経営係数は、収益を得るためにかかる経費ということで、鉄道の採算性を示す数値、指標になるのですけれども、燃料費、修繕費などの営業費用を営業収益で割って算出し、100を超えると赤字というものです。今、花咲線の赤字の話が出ました。13億5200万円という数字は、裏を返せば100円の収益を得るために813円の経費がかかっているということも報道されておりましたし、こういう現状だということを認識した上で今後の対応をしていくべきだなと思っています。続いて、3項目めに入りたいと思います。JR北海道が打ち出した上下分離方式の提案、協議については、沿線自治体の反発があって地域との協議は時期尚早という姿勢転換をしておりますが、今後の行方はどうなるのかを伺っていきます。その前に、知事が4月の会見で言ったことが記事として載っていました。地域が主体となって維持するなら課題が多く、容易ではない、負担できない金額を負担する無責任な議論はできないと知事は述べ、自治体による財政負担は困難との認識を改めて示し、黄色線区だけを議論して経営自立ができるか、JR全体の収益をいかに増やすか、幅広い議論が重要だと述べて拙速な議論を避けるようくぎを刺したということで、私自身は知事の姿勢に対して力強く思った次第であります。それを踏まえ、今後の行方について、どうなるのかを伺っておきたいと思います。

答弁 企画財政課長 渡部幸平

ただいまのご質問にお答えいたします。まず、上下分離方式を含め、JR北海道が4月に示した内容とその後の道内の反応などについて、議員の話の中にもありましたけれども、改めてご説明申し上げます。本年4月15日、JR北海道は、黄8線区を維持する仕組みの構築に向けた当社の考えについてと題したものを発表しております。内容につきましては、JR北海道のそれまでの取組、黄色線区の現状、また、維持に向けた考えなどを示したものになりますが、JR北海道としましては、これまでの利用促進やコスト削減の取組を継続した上で黄色線区を維持する仕組みを構築したいということで、その仕組みとして4項目の案を提示しております。その4項目について簡単にお話ししますと、一つ目は輸送体系のさらなる見直し、二つ目は踏切除雪や駅業務の自治体への移管、三つ目は駅舎等鉄道資産の自治体への譲渡、そして、四つ目は上下分離方式ということで、上下の区分については明確に定義されておりませんけれども、イメージとしましては、線路などの鉄道インフラや車両の維持管理を下部、鉄道の運行、営業については上部と見立て、これを分離して経営し、上部をJRが担い、下部の維持管理費などについては沿線自治体などで負担し合うことを想定していると思われます。このように、上下分離方式につきましては四つの提案の中の一つとなりますけれども、JR北海道がこのような考えを示した背景もございます。JR北海道は、令和6年度以降、3か年において国から1000億円を超える財政支援を受けることになりましたけれども、それと同時に、自立経営のために抜本的な収支改善を図り、持続可能な交通体系の構築へ道筋をつける旨の監督命令を受けたとされておりまして、本年度が最終年度であることがこういった発表の背景にあると思われます。JR北海道の考えが示された後、数日のうちに、沿線自治体の首長、それから、先ほど議員のお話の中にもありました北海道知事などのコメントが新聞報道で取り上げられ、様々な意見が掲載されております。その中には、黄色8線区の沿線自治体は51に上ることから、黄色線区問題は北海道全体の鉄路の問題であり、沿線自治体だけで協議すべきではないといった意見も掲載されております。そういった経緯を踏まえ、JR北海道社長は上下分離案については地域と直接協議するのは時期早尚と説明し、国や道との調整を優先するといった報道がされております。その後、自治体に対するJR北海道からの情報発信や連絡は一切受けておりませんので、現在は協議が進展や再開をする状況にはございませんし、今後の行方については不透明な状況でございます。

質問 5番 川村義春

るる説明がありました。その上で、上下分離方式については、綿貫社長が答弁されていたように、関係する沿線自治体との具体的な協議は避けている状況が見てとれます。最後に話された協議の再開の見通しについては、今のところはまるっきりないということですけれども、これだけの赤字を抱えていて再開しないというのは変な話で、いずれ再開し、この4項目の以外に新たなものを持ってくると思うわけです。4項目めの質問ですけれども、全道の鉄路を持つ自治体レベルで赤字を埋める施策は、先ほどの知事の発言にもありましたように、赤字8線区だけでやるのではなく、北海道全体で考え、もうけているところもあるわけですし、全体にならすことによって存続可能な状況になるのではないかと思っております。それにどういう考え方を持っているのか、これは政策的な話ですから、町長からお願いしたいと思います。

答弁 町長 齊藤清隆

ご質問にお答えしたいと思います。これまで、JR北海道と黄色線区の自治体は、線区の維持を前提として、利用促進とコスト削減を進める取組をアクションプランとして実施してまいりました。私も花咲線アクションプラン実行委員会のメンバーとなっております。ここ数年の花咲線アクションプランによる主な取組を申し上げますと、利用促進の取組では、いわゆる普通列車の観光列車化として、観光シーズンの車両増結や指定席化、さらには、別寒辺牛湿原などの景勝地での低速運行など、観光利用の強化や花咲線フリーパスの販売などが実施されました。一方で、経費削減の取組では、利用の少ない駅の廃止、また、利用の少ない時間帯の減便などが実施されております。根室市長が会長を務めます根室本線花咲線対策沿線地域連絡協議会という組織も花咲線の維持、回復を図るために各関係団体と連携、調整を行っており、昨年11月に根室市におきまして花咲線プロモーションとして開催されましたサミットには、私も、登壇依頼を受け、パネリストとして参加し、花咲線と沿線自治体の活性化について意見を述べさせていただいたところです。現在、質問にありましたとおり、全道レベルでの取組をしている施策はございませんが、JRのアクションプランは8線区全てで進められておりますし、各地域においてそれぞれの路線の維持に向けた取組がなされているものと認識をしております。

質問 5番 川村義春

町長から話があったように、8線区それぞれでアクションプランをつくって取組をしているようですけれども、私は、知事も言っているとおり、全道レベルで取り組む事案だと思っています。次の項目に入りますが、もし仮に、提案どおり、上下分離方式が導入されたとするならば、本町の財政負担は幾らぐらいになるのでしょうか。そして、国や道の支援はあるのかについて、見通しで結構ですので、お知らせをいただきたいと思います。

答弁 企画財政課長 渡部幸平

ただいまのご質問にお答えいたします。先ほどのJRの四つの提案の中の上下分離方式を採用した場合の本町の負担イメージをお聞きになられていると思っておりますので、イメージをご説明したいと思います。JR北海道が発表した数字を基にお話をさせていただきますと、まず、営業費用については15億3700万円とされております。それから、輸送に直接必要な費用である営業や運行、乗務員の関係の費用の内訳としては4億2400万円と発表されております。これを差し引きますと、11億1300万円ほどがそれ以外の経費となります。これをJR花咲線の浜中区間の距離で案分した場合ですが、JR花咲線は営業距離が135.4キロメートルとなっておりまして、そのうち、浜中町は35.4キロメートルとされております。これを割り返しますと26.14%となり、先ほどの維持管理費を11億1300万円とした場合でいきますと2億9093万8200円と算出しております。ただし、先ほども答弁の中でお話ししましたとおり、上下分離方式がどういう区分なのかについては定義されておりませんので、車両や線路といったJRの設備関係は下部、運行、営業を上部とした場合の試算でして、最大値の試算と言えると思っております。

答弁 町長 齊藤清隆

ただいま、企画財政課長より、距離案分による負担金額をざっくりと述べさせていただきましたが、JR北海道の発表後、議論はストップしている状態にあります。そしてまた、国、道につきましても路線維持に向けた支援を行うといったことは明記しておりませんし、現在、我々は新聞報道等の掲載記事によって情報を知るという状況にございますが、進展を注視しながら今後の状況を見据えたいと思っています。まずは、北海道知事が言われたとおり、沿線自治体の首長が一丸となって国に支援を求めていくことが一番大事になってくるだろうと思いますし、国の支援なしでは維持は困難であると沿線自治体の首長全員が思っておりますので、そういったことも含めてしっかりと国に要望してまいりたいと考えております。

質問 5番 川村義春

企画財政課長から試算が出されました。上下分離方式は、運営についてはJRが持ち、鉄路や駅舎関係は沿線自治体が持つということですね。今、試算が出ました。26.41%で案分したら2億9000万円くらいという話でした。約3億です。今の当町の財政事情を見ますと、財政調整基金で11億円ぐらいしかないのです。そのほかに非常事態や災害のときに使える備荒資金組合超過納付があるけれども、それもいつ来るかが分からない地震や津波に備えるものです。これも災害みたいなものかもしれないけれども、これを使うのはまずやめたほうがいいなと私は思っています。3億円を出すとなれば、3年がたったら町の財調がなくなります。言ったら悪いけれども、標茶町は大変な状況になっているわけでしょう。当町もそうならないとは言えません。私が一番心配しているのはそこなのです。住民福祉を高める施策が行政の最大のポイントですが、そういった施策ができなくなります。ましてや、ハード事業についても、これから津波避難タワーが仲の浜・新川地区にできるし、来年は暮帰別にできるわけで、その元利償還金も負担していかなければなりません。そういうことを考えると、約3億円のお金を毎年度負担していくというのは全く無理な話なのです。そういう認識を持った上で、最後に6項目めの質問です。町長が答えていましたけれども、沿線自治体や根室本線花咲線対策沿線地域連絡協議会から国や道に対して意見書の提出をする考え方はないでしょうか。議会議員の一員として、こういう財政出動が今後出てくるとすれば、大変だと思います。歴史的な背景からいって、それこそ、国鉄民営化したときの功罪が今現れてきて、幾ら国が補助金を入れてきているといっても、今後はもう出さないと言っているわけです。何とか沿線自治体で考えろ、JRで考えろ、北海道で考えろと言っているわけです。北海道全体で考えるとしても、それに上積みして国の支援も絶対に必要だということを含めた内容の文章表現で意見書をぜひつくってほしいと思うのですが、その考え方について町長からお聞きしておきたいと思います。

答弁 町長 齊藤清隆

質問にお答えします。国や道に対する意見書の提出ということですけれども、釧路市と管内自治体で構成します釧路地方総合開発促進期成会におきまして、来月28日から、道、国へ中央要望に行くことが決定しております。提出されるものにつきましては、令和9年度の釧路地方開発予算等に関する要望、そして、意見提言書です。その中には釧網線、花咲線の維持存続に向けた支援について項目立てされておりまして、このことは期成会として強く要望することになると思っております。花咲線単独での意見書の提出の予定は現在ありませんけれども、私も沿線自治体の首長としてしっかりと要望活動をしてまいりたいと思っております。まずもって、黄色線区全体で51の自治体がございます。花咲線だけではなく、北海道全体で取り組むべき問題であると思っていますし、国の支援なしでは存続は到底不可能であると思っておりますので、51ある自治体を挙げて北海道を巻き込み、国に対してしっかりと要望してまいりたいと思っています。

質問 5番 川村義春

町長から力強い発言がありました。町長、政治的な動きもぜひやってください。この道東から3人もの代議士が出ているのですから、そういう人方も巻き込んで国に対して積極的にやってほしいなと思います。それでは、次の質問に移りたいと思います。

出典:浜中町議会 令和8年第2回定例会 2026年6月11日 議事録 PDF(22ページ) 間違いを知らせる