富良野市議会 平成28年第1回定例会 2016年3月9日
(1)産業用大麻栽培について/(2)看護職員養成修学資金について
2016年3月9日、富良野市議会の一般質問で、今利一議員が「産業用大麻栽培について」「看護職員養成修学資金について」について質問し、市長 能登芳昭、経済部長 原正明が答弁しました。
- 質問者
- 今利一 議員
- 答弁者
- 市長 能登芳昭、経済部長 原正明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 6番 今利一
-登壇-通告に従いまして、順次、質問してまいります。まず最初に、産業用大麻の栽培について御質問してまいります。産業用大麻栽培の歴史とその作用、そして、いま、なぜ産業大麻がここ富良野において必要なのか、それらをひもといてまいりたいと思います。大麻は、繊維をとる目的、紙をつくる目的、そして食料を得る目的で、第二次世界大戦前までは世界中で栽培されておりました。一方、一般的にマリファナと呼ばれる大麻樹脂は、不眠などの治療薬として医薬品として売られておりました。当時の大麻は、現在の日本人が考えているような悪魔の植物ではなく、ごく普通の有用性がある作物でありました。ところが、アメリカ政府は、合成繊維の普及を図るために、その競争相手がある大麻製品に税金をかけ、大麻産業を壊滅させることで合成繊維業界を発展させようとしたのであります。アメリカ南部のメキシコ系住民は、リラックスするために熱帯産の大麻の葉、いわゆるマリファナを日常から吸っておりました。これを見た一部のアメリカの新聞社が、人種差別的な見地から、マリファナは麻薬のように社会を堕落させる植物であるというキャンペーンを展開したそうであります。すなわち、白人社会でマリファナが蔓延したらメキシコ人のような低レベルな社会になるという論調を展開したのであります。そのころ、既にアメリカの大麻の栽培は行われていなかったため、影響は少ないと判断したアメリカ政府は、大麻取締法を国会に提出しました。一部の医師や患者から反対の意見が出されましたが、大麻産業自体が消滅していたために法案が成立した経緯にあります。かつて、産業用大麻は、日本でも奨励した作物で、繊維生産などに栽培されておりました。1945年には9,500ヘクタールが作付され、道内でも160ヘクタールが栽培されていた実績があります。しかし、第二次世界大戦が終わり、アメリカにより占領された国々では、占領軍によって大麻取締法が制定され、日本でも昭和23年に大麻取締法が施行され、日本での栽培はほとんどなくなり、大麻を栽培するには免許制となり、現在、栃木県を中心に全国で約50人、5ヘクタールほどが栽培されているだけとなっているところであります。戦前の人々は、アメリカや日本のように、温帯地方で栽培される大麻には大麻樹脂の量がわずかで、それを吸っても精神作用が起こらないこと、精神作用が起こるのはインディカ種というインドやアフリカなどで栽培されている品種に限られ、そのため、現在、中国、ロシア、フランス、ハンガリー、ルーマニア、インドなど多くの国では大麻取締法などなく、いまでも大々的に栽培されている作物の一つであります。古い統計ではありますが、国連食糧農業機関、FAOの調査によると、1992年の世界の大麻栽培面積は26万ヘクタールであると言われております。大麻は、手間のかからない作物で、栽培しやすく、病気や害虫にも強く、それほど肥料も要らない作物であります。ヨーロッパでは、荒れ地に適した作物と言われております。大麻は、約110日で成長し、収穫されます。収穫期に入ってまいりますと、葉は枯れ落ち、枯れ落ちた葉は腐葉土になり、土地を肥やし、大麻の根は地中深く張っているので、土地をやわらかくして土中の空気が通りやすくなり、細菌が繁殖しやすくなっております。収穫後の根はすぐに腐ってしまい、有機質肥料になります。大麻は4メートルから5メートルも成長するために、太陽の光が根元には当たらないため、雑草は生えてこないわけであります。続いて、産業用大麻の利用法でありますが、大麻は、種子を食料、油として利用するばかりでなく、茎は繊維の原料、紙の原料、建築原料として用いられているのであります。大麻の実は、完全栄養食品と言われるほど栄養価の豊富な作物であります。漢方薬として用いられる万能食材でもあります。そして、そのオイルは、食料としてではなく、化粧品としても用いられております。具体的には、茎の皮は糸、ロープ、織物、編み物として、芯はエタノール燃料、紙、建築資材、プラスチックとして、種子は食料、食用油、化粧品、石けんとして、葉は肥料、飼料として利用されております。根は土壌改良として利用されまして、先ほど言いましたように万能作物であります。3カ月で3メートルほどに成長する大麻は、1ヘクタール52トンほどの乾物生産力がありまして、その生産力は飼料用トウモロコシに比べると約2倍の生産量になっております。道内では、2008年、北見市産業大麻栽培特区で大麻栽培者免許を取得し、2014年3月には、北海道産業用大麻普及推進ネットワークが研究者免許を取得して道立北見農業試験場で栽培試験を行っているところであります。さらに、上川管内東川町の有限会社松家農園が研究者免許を取得し、とちぎしろ約400粒をポット栽培し、22アールの畑に移植し、ことしで3年目を迎えております。しかし、松家農園が取得した免許は栽培免許ではなく研究者免許であることから、収穫した大麻を商品に変えることができないとのことで、現在、苦慮しているとのことであります。いままで大麻のことを説明してまいりましたが、非常に多くの可能性を秘めた作物であり、有用性を持った作物であると考えます。今後の富良野市の農業において大きく成長する作物と考え、産業用大麻栽培のプロジェクトチームを立ち上げ、自治体として栽培免許がもらえるよう知事に対して要請するなど、バックアップ体制をとるべきと考えますが、市長の考えをお伺いするものであります。また、産業用大麻を農業振興の一環として位置づけてはいかがか、市長の考えを伺うものであります。次に、看護職員養成修学資金の貸付枠拡大についてお伺いいたします。この制度は、平成10年に施行、実施されたものであります。この条例の第1条の目的には、「この条例は、保健師、助産師、看護師を養成する学校又は養成所に在学する者で、将来富良野市内の医療機関又は保健福祉施設において看護職員の業務に従事しようとする者に対し、その修学に必要な資金を貸付し、もって優秀な看護職員を育成するとともに、その確保を図る目的とする」と記されております。しかし、看護師不足の状況が慢性的であり、市として看護師不足対策はとられていない状況にあります。ここ富良野に看護学校がありながら、富良野に看護師として就職する見通しの学生は、ことしの卒業生28人中7人と低い就職内定率だと聞いております。昨年、決算審査特別委員会の冒頭で、校長先生は、いままでの卒業生697名のうち、富良野に看護師として就職したのは187名で、30.7%と言われておりました。私は、この数字を50%近くまで上げる目標を持っていいのではないかと考えております。今回、新聞記事の中で、富良野市内で就職しない理由の一つとして、学校側が、卒業生のうち地元出身者が1人と少ないということを挙げられております。そもそも国家試験に合格して初めて看護師として認められることが大前提であります。看護師によらず、地元に就職したいという人は多いと思いますが、看護師という人の命を預かる仕事の関係上、地元出身者に限らず、優秀な人材を育成することが望まれます。少子化の中、また、若い人が少ない状況下で、いかに看護師を集めることができるのかが重要な課題でありますが、その点、ここ富良野においては、看護学校があり、その利点を生かすことができるのではないかと思うところであります。その解決策の一つとして、看護職員養成修学資金制度の枠の拡大を考えます。この制度は、学生または保護者が市内在住の場合、授業料と同額の月2万円を無利子で貸与し、貸与期間と同じ期間、市内の医療機関に勤務すれば返済を免除するというものであります。こうした奨学金制度は数多くあります。一つの例として挙げられるのは、身近にある北海道社会事業協会看護学生等奨学貸付金制度であります。この制度では、貸付金は月額5万円で、返済免除の条件は貸付金を受けた期間と同期間を就職した際は返済免除として、また、助産師養成学校においては10万円で、2年間就職した際は返済が免除という要領であります。このほかにも、多くの奨学金制度では月額の貸付額が3万円以上5万円となっております。学生にとっては、富良野市の奨学金制度は魅力のないものではないかと考えております。この制度が看護師確保という目的に沿ったものではないと判断するものであり、そのことについてお伺いします。これらのことを考えると、1人当たり貸与額を増額することにより、富良野市の看護職員養成奨学金の目的に沿った制度となるものと考え、看護師不足の解消にもつながるとも考えますし、また、人口減少対策の一つと考えております。市長のお考えをお伺いし、第1回目の質問を終わります。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
-登壇-今議員の御質問にお答えをいたします。1件目の産業用大麻栽培についてのプロジェクトチームによる栽培についてであります。北海道における大麻栽培は、開拓使時代に漁網の原料として生産され、1895年には1,433ヘクタールぐらいの栽培面積がありましたが、北海道には亜麻のほうが栽培に適していることから大麻栽培は衰退してまいりました。さらに、大麻草が麻薬成分を含む場合があることから、昭和23年には大麻取締法が施行され、所有や栽培、譲渡等が厳しく制限された結果、平成23年現在、全国でわずか5.5ヘクタールのうち、8割は栃木県でしめ縄などの用途向けに栽培されている、このような状況でございます。海外では、麻薬成分は含まないか、極めて含有量の少ない品種を使い、大規模に生産をし、パルプ、建材等に加工されている事例がございます。道内においては、近年、北見市と東川町の農業生産法人が大麻栽培者として免許を受け、少量の種子を確保し、2カ所で合計0.25ヘクタールの試験栽培に取り組んでいるとお聞きをいたしているところであります。平成26年3月に、北海道は、北海道における産業用大麻の作物としての可能性報告書をまとめておりますが、その中で、しめ縄や繊維などの伝統工芸品に加え、海外における輪作作物、土壌改善、住宅用建材や断熱材原材料としての有用性が示されております。しかし一方では、麻薬成分を含まない種子の供給体制、野生大麻との交雑、検査体制の構築などが未解決であり、さらには、薬物乱用の助長等の課題が指摘をされているところであります。このような状況から、現段階では栽培を拡大していける環境にはない、このように考えているところであります。産業用大麻は、原料として供給していくことが想定されますが、法規制があるため、大規模栽培できる環境にはなく、かつ、将来的に規制が緩和されるのか見通せない状況でありますので、現段階では、プロジェクトチームをつくり農業振興の一環に位置づけることは考えておりません。今後、北海道内の試験栽培や用途の研究、法規制などに関する情報収集に努めてまいります。次に、2件目の看護職員養成修学資金についてであります。富良野市看護職員養成修学資金貸付制度は、富良野看護専門学校に在学する者、あるいは、保護者等が本市の住民である場合であって、他の看護師養成所に在学している者についても貸し付けの対象として、授業料に相当する月額2万円を貸与し、貸与された期間、市内の医療機関等に看護職員として勤務した場合に償還金が免除されるもので、看護師等を目指す意欲と能力のある学生の市内就業を促進するための有効な手段であると認識をしており、平成10年度の制度開始以来、延べ148名が利用しているところであります。また、平成27年度までの卒業者637名のうち、市内に就業した者が194名で、約3割の学生が地元に就業しており、本制度の効果が見られるものと考えております。毎年の予算計上にあっては、既に借り受けしている在校生に加え、新入学生の新規貸し付け希望者について、これまでの推移を勘案して予算措置を行っているところであります。ここ近年の利用状況は、平成25年度27名のうち新規7名、平成26年度は22名のうち新規7名、平成27年度は23名のうち新規11名の状況となっており、いずれも当初予算計上額以下であり、新規希望者につきましては全員貸与をしているところであります。また、来年度の予算については、新規見込み分10名分と継続18名の合わせて28名分を想定し、前年度予算より増額をしているところであります。なお、貸付金額につきましては、これまでの推移や他の修学資金との関連も踏まえ、今後、市内の医療機関等に看護職員として勤務してもらうためにも、限度額の引き上げを検討していきたい、このように考えているところであります。今後も、この制度を継続して、地元の中・高校生へのPRや、本校入学生に対する制度の周知を図りながら、貸し付けを希望する優秀な学生が借り受けられるよう努力してまいりたい、このように考えております。以上であります。
再質問 6番 今利一
それでは、質問順に従って再質問してまいりたいと思います。産業用大麻でございます。ただいまの市長答弁では、大規模に栽培する環境にない、それはいまの法規制の中で見通せない、用途に関しての情報は集めていくというふうな答弁をいただきました。昨日以来、代表質問の中にもありましたけれども、私は、やはり、この問題に関しては積極的に扱っていくべきだろうというふうに考えております。それはなぜかというと、きのうも話されていましたが、TPPの関連の問題があります。いま、TPPが実行されてくることになれば、砂糖などが大量に輸入されてきます。そんなことを考えていけば、いわゆる北海道の輪作体系が大変になってきます。例えば、そこではビートがなくなります。ある試算によれば、沖縄のサトウキビは100%なくなるというふうなことも出ております。北海道のてん菜は、60%あるいは70%ぐらいの影響が出てくるだろうと。ただ、それには期間があります。私は、いまここで情報集めをするというふうにお答えを聞きましたけれども、その備えをどこかで誰かがやっていかないとだめなのだろうというふうに私は思っています。そういった意味で、その辺の将来的な部分も含めてどんなふうな考えをされているのか、お聞きしたいと思います。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
今議員の再質問にお答えいたします。産業用大麻の関係でございます。先ほど市長から答弁をさせていただきましたとおり、現状におきましては、研究者免許、試験栽培というような状況で厳しく規制されており、作付に際しては周辺を囲わなければだめだということがまず一つございます。特に、北海道については、野生大麻が府県に比べて多いという特殊な事情もまた現実的にございます。そして、それを検査する、THC、テトラヒドロカンナビノールという麻薬成分を検査することが今後も必要になってくるということでございますので、現状では課題が山積をしております。その中で、先ほど市長からありましたとおり、北海道産業用大麻可能性検討会というところがまとめた報告書の中でも、現段階では、情報収集した上で、産業用大麻が北海道にとって新たな農作物となる可能性について調査検討を進めるべきだという段階であるということでございます。現在、試験栽培をされている研究者の皆さんが頑張っていらっしゃいますけれども、富良野市といたしましては、現状では、先行して農業の振興作物として扱うことは考えておりませんので、御理解をいただきたいと思います。
再質問 6番 今利一
いま、将来的なこともお聞きしたのですが、そのお答えがなかったというふうに思います。私は、先ほども言いましたけれども、将来的な方向性を見据えながら、そうした部分の調査研究といった意味でプロジェクトチームを立ち上げたほうがいいという思いを話したわけでありますが、その辺の将来的な部分に関してはいかがでしょうか。
答弁 経済部長 原正明(経済部長は2017年3月まで)
今議員の御質問にお答えいたします。先ほどの市長答弁の最後にもございましたけれども、調査研究、情報収集については市としてやっていくということでございます。ただし、プロジェクトチームを立ち上げるというような形では考えていないということでございます。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
-登壇-雄飛の会の代表質問の黒岩議員の質問への御答弁の中で、伐採という言葉を間伐と言い間違いをいたしました。伐採に御訂正をさせていただいて、修正いたしたいと存じます。お許し願いたいと思います。―――――――――――――――――――――――――散 会 宣 告―――――――――――――――――――――――――