深川市議会 令和7年第1回定例会 2025年3月5日
拓殖大学北海道短期大学学生募集停止
2025年3月5日、深川市議会の一般質問で、伊藤美恵子議員が「拓殖大学北海道短期大学学生募集停止」について質問し、市長 田中昌幸が答弁しました。
- 質問者
- 伊藤美恵子 議員
- 答弁者
- 市長 田中昌幸
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 伊藤美恵子
今年、日本は戦後80年の節目を迎えます。ロシアのウクライナ侵攻など止まらない戦火、混沌とした今の世界情勢を見るにつけ、80年間、日本が戦争してこなかったことは奇跡的なことなのかもしれません。戦後生まれの世代が国民の9割近くとなりました。戦中・戦後の苦難を体験した人々が高齢化する中で、戦争の悲惨さを伝える語り部が少なくなっていくことが危惧されています。広島市では、被爆体験証言者の被爆体験や平和への思いを受け継ぎ、それを伝える被爆体験伝承者を養成する制度を平成24年度から始めています。また、令和4年度からは家族の被爆体験などを受け継ぎ、それを伝える家族伝承者の養成にも取り組まれていました。戦争を知らない世代が経験者から話を聞き、語り部となって活動されていることは、大変意義深い取組だと思います。本市でも、戦後80周年、非核平和都市宣言40周年を記念して、戦争体験記の発行など様々な事業を予定されていると市政方針にありましたが、戦後80年の今年は、改めて平和の大切さを市民の皆さんとともに再確認する年にしたいと思いますし、戦後100年、戦後150年と、ずっと戦後という言葉が続いていくことを願いつつ、通告に従い一般質問をさせていただきます。初めに、拓殖大学北海道短期大学の学生募集停止に係る市の対応についてお伺いします。拓殖大学北海道短期大学は、2月1日、農学ビジネス学科の学生募集を2026年度以降停止すると発表されました。このニュースを聞いた市民の皆さんからは多くの驚きの声と、まちの活気が失われてしまうのではないかという心配の声が私のところにも届いています。2月3日に行われた同短期大学の記者会見で田中学長は、昨年、保育学科の募集停止を発表した際に、今後は農業系の短期大学として頑張っていくと話したばかりだが、まさかここまで志願者数が減るとは思っていなかったと、悔しさをにじませたと報道されていました。急速な少子化と4年制大学への進学志向の高まりなどで全国の短期大学が学生募集に苦慮している状況であり、全国で14の短期大学が2026年度から学生募集を停止すると報道されていますが、同短期大学の突然の募集停止の発表に驚きと同時に残念な気持ちでいっぱいであります。同短期大学が農業のまち深川市にあることで農業振興、地域振興にすばらしい影響を与えてくれていますし、地元高校からの入学生、社会人学生の受入れなど、人材育成や地域との交流など多くの分野で重要な役割を果たしてこられました。先月行われた拓殖大学北海道短期大学のミュージカルには、み・らいの会場を埋め尽くした多くの市民から、最後となった公演に惜しみない拍手が送られていました。学生たちのエネルギーは、深川市の舞台芸術文化にも大きな影響を与えてくれていたと改めて感じたところです。新年度に入学する学生たちが卒業する2026年度末には閉校の見通しとのことですが、今回の学生募集停止に至った経過や市としての今後の対応などについて、何点か質問させていただきます。1点目、農学ビジネス学科の学生募集停止に至った経過と、市として学生確保のためにこれまで取り組んできた支援の内容についてお伺いします。2点目、学生募集停止によって市内に与える影響についてお伺いします。3点目、閉校となった後、広大な実習農場を含む敷地や校舎について、大学側は他の教育機関への引継ぎを希望されていますが、市としてはどのように協力していくのか、今後の対応についてお伺いします。
答弁 市長 田中昌幸
拓殖大学北海道短期大学学生募集停止に係る市の対応について、お答えいたします。拓殖大学北海道短期大学、以下、北短と呼ばせていただきますが、長年にわたり、本市と共に歩み、昨年度までに1万3,327人の卒業生を輩出されるなど地域の振興に大きく寄与いただいております。しかし、近年では入学生が急激に減少したことから、令和6年度から農学ビジネス学科の環境農学コースと地域振興ビジネスコースを一本化するなど、入学者数と定員の充足率確保に努力されてきましたが、このたび令和8年度からの学生募集停止の発表がされましたことは、市として極めて残念なことと重く受け止めており、また市民の皆様にも大きな衝撃を与えているものです。ここで、1点目の質問のうち、農学ビジネス学科の学生募集停止に至った経過についてでありますが、少し遡って開学時から説明させていただきます。北短は、昭和41年に本市の納内地区で農業経済科の1科100人の定員で開学した後、昭和44年には、保育科の前身となる北海道拓殖短期大学付設拓殖保育専門学校が付設されまして、東日本唯一の農業系短期大学として、また保育士に憧れる学生の目指す短期大学として運営され、この年が学生数のピークで380人が入学されております。また、道内唯一の水稲の専門科目を持つ北短は、十勝管内の本別町において、北海道が設置する北海道立農業大学校の稲作経営専攻コースの学生を昭和63年から1学年10人、毎年20人受け入れるなど道内における農業の担い手の育成機関としても重要な役割を果たしてきているところです。途中、平成4年には、現校舎のメム地区に移転し、農業施設の充実を図るなどして定員の280人を超える入学者数を維持してきましたが、平成17年度からは入学者数が200人前後まで減少し、その後、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などを受け、令和3年度は入学者が166人、4年度が97人、5年度には84人と急激に減少しております。このようなことから、令和6年度には農学ビジネス学科の定員170人を70人に、保育学科の定員60人を50人に変更するなど定員確保と効率的な運営に向けた取組をされてきました。しかしながら、急速に進む少子化、特に18歳人口の減少に加え、4年制大学への進学希望者が増えるなど全国的にも短期大学は厳しい学生募集状況に置かれる中、北短においても、令和7年度からの保育学科の学生募集停止、そして8年度からは農学ビジネス学科の募集停止が発表されたところです。次に、学生確保に向けたこれまでの取組についてですが、本市では、平成12年から北短が実施する学生確保対策事業や市内高等学校卒業生などを対象にした地域振興特別奨学生制度事業に対し、毎年4,000万円を超える支援を続けているほか、農学ビジネス学科の学生確保の強化を図るべく、今ほど申し上げました奨学生制度に北短が定める重点連携校、これは全国で14校となりますが、この卒業生も令和6年度から対象に加えるなど幅広く対策を講じてきたところであります。また、令和5年12月には、市、JA、会議所と北短の4者による包括連携協定を締結し、北短との連携協力体制の強化を図ってきているほか、昨年12月13日には私と近沢議長、廣野商工会議所会頭の3人が拓殖大学本校を訪問し、北短の持続的な運営に向けた要請を行ってきたところであります。次に、2点目の市内へ与える影響についてですが、道内でも有数の農業のまちとして発展してきた本市にとって、農業の担い手育成に大きな貢献を果たしてきた北短がなくなることは、伊藤議員も指摘されているとおり、特色の多くを失うものであり、本市の人口動態や地域振興はもちろんのこと、市内のみならず、管内の高校生の進学の選択肢が狭まるなど教育活動へも影響を与えるものであります。一方、学生については、数年前から急激に減少しており、既に影響が出ておりますが、市内での消費経済の縮小やアパート業の収入の減少、そして、アルバイトや卒業生を受け入れている市内事業所の人材の不足等が予想されますが、それに加えて教職員が転出するようなことになれば、影響はさらに大きくなると考えられます。最後に、3点目の北短施設を他の教育機関等へ引き継ぐことへの市の協力の考えについてですが、北短におきましては、農業を学ぶ上で最良の環境である現在の施設を利用し、引き続き農業に関する教育をしていただける教育機関を模索されているとお聞きしておりまして、そのことは農業を基幹産業とする本市にとっても望ましい形であると判断しますので、北短の教育施設としての有効活用に向け、今後、大学と十分な連携を図ってまいります。加えて、この対策に向けた庁内体制の整備も併せて検討してまいりたいと考えております。なお、学生募集の停止は発表されましたが、引き続き2年間は学生が在学されますことから、この間、学生の皆さんが本市で安心して学校生活を送っていただけるよう、支援を継続していく考えであります。