深川市議会 平成30年第3回定例会 2018年9月7日
乳幼児健診で網膜芽細胞腫を早期発見することについて
2018年9月7日、深川市議会の一般質問で、松本雅祐議員が「乳幼児健診で網膜芽細胞腫を早期発見することについて」質問し、市民福祉部長 安田浩人が答弁しました。
- 質問者
- 松本雅祐 議員
- 答弁者
- 市民福祉部長 安田浩人
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 3番 松本雅祐
それでは3点目、乳幼児健診で網膜芽細胞腫を早期発見することについてお伺いします。皆さんは、網膜芽細胞腫という病気をご存じでしょうか。小児がんの一種で、目のがんであります。患者の95%は5歳までに発見されていますが、発見がおくれるとがんが脳に転移し、死に至ります。発症は1万5,000人から1万6,000人の新生児に1人、年間80人と少なく、親が赤ちゃんの目の異常に気づいても、速やかに治療されないことがあります。網膜芽細胞腫は、ある程度進行すると、目の瞳孔が白く光って見える白色瞳孔や、左右の目がそれぞれ違う方向を見ている状態の斜視の症状があらわれます。症状の発症の比率は男女に差はなく、片目だけの片眼性が65%から70%、両目とも発症する両眼性は30%から35%です。片眼性、片目だけの発生は3歳ぐらいから就学前に見つかることが多く、両眼性は生後すぐから1歳から2歳に見つかることが多いようです。万が一、このがんにかかりますと、脳に転移すると致死率は90%を超えるため、眼球を摘出するしかありません。網膜芽細胞腫は、診療経験を持つ医師が少ないことからも、受診しても、もう少し様子を見ましょうと言われ、その間に進行してしまうことが多いと言われております。実際に、この病気にかかったお子さんは乳幼児健診では全く気づかず、1歳半のときに片目だけが光っていることに母親が気づき、小児科のドクターに相談したがわからず、また眼科を受診してもわからず、最終的に北海道大学病院に行って検査を受けて、網膜芽細胞腫と判明したそうであります。その間約1カ月半、病名がわかったときにはステージ4まで進んでいたそうです。北海道大学病院に入院し、抗がん剤治療を受け、髪の毛も抜け落ち、最終的には脳への転移の危険性があるということで、眼球を摘出することになったそうであります。初めての子で、女の子です。両親、ご家族の方は、眼球摘出には本当に迷い悩んだそうであります。しかし、命にはかえられないと断腸の思いで決断し、眼球を摘出して義眼となったそうであります。網膜芽細胞腫の子供を持つ家族の会すくすくの代表の池田さんは、まず早期発見が大切であると訴えております。早くわかれば、化学治療や眼動注、レーザー照射など、さまざまな治療法を試すことができ、眼球を摘出しなくても済むと言われております。発見がおくれ、両目とも眼球を摘出して義眼となれば、全く違う人生を歩むことになると言われております。発症する人数は80人かもしれませんが、でも確実に80人のお子さんが網膜芽細胞腫になっているのであります。両眼性で両目とも眼球を摘出してしまったら、その子の人生は全くの盲目状態になってしまいます。この病気の発見の手おくれの代償は、子供にとっても、家族にとっても余りにも大きいものになってしまいます。そこで、お伺いします。1点目、先ほど紹介しましたすくすくの会では、何より早期発見が大事ということで、全国の保健所や保健センターにポスターを送って掲示の協力を呼びかけているそうです。しかし、先ほどのお母さんが担当の保健師さんに網膜芽細胞腫だったことを伝えたとき、そういえばポスターが張ってあったかもと言われたそうであります。もし張ってあったとしても、身近に患者さんがいないとなかなか意識に入ってこないのが現状だと思います。本市の網膜芽細胞腫の取り組みについてお聞かせください。そして、例えば、すくすくで出しているポスターやパンフレットなどを活用して、乳幼児健診を担当している保健師さんや小児科医、眼科医にこの病気の理解を深めていただき、早期発見ができるように、そして、相談を受けたときに早急に眼科を受診、検査してもらえるよう適切なアドバイスができるように意識啓発をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。2点目、どうしたら早期発見できるかと考えたとき、乳幼児健診のときに対応することができるのではないでしょうか。乳幼児健診の項目は、市町村で指定することができると思います。ですから、本市の乳幼児健診の医師健診アンケートの目の項目の症状の一つに白色瞳孔を追加するよう強く希望します。また、一番身近でお子さんと接する機会が多いお母さんにこの病気のことを知ってもらうことが一番早く確実であります。そのために、お母さんたちへ意識啓発を行ってはいかがでしょうか。市の考えをお聞かせください。3点目、小児の義眼は特殊で、先ほどのお子さんの場合は20万円かかったそうであります。義眼は保険が適用されるので、国が定めた義眼の基準額は戻ってきますが、この子の場合は約14万円が自己負担だったそうであります。また、義眼業者は、北海道では札幌に1件しかありません。義眼は成長に合わせて調整してもらわなければならないため、そのために札幌まで交通費がかかります。今回、この質問を機に、子供の義眼への助成と義眼患者への交通費の助成をぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
答弁 市民福祉部長 安田浩人(市民福祉部長は2021年3月まで)
網膜芽細胞腫ついて、3点質問いただきましたので、順次お答え申し上げます。質問の1点目、2点目につきましては関連いたしますので、あわせてお答え申し上げます。議員の質問にありますように、網膜芽細胞腫は網膜に発症する悪性腫瘍で、乳幼児期に発症することが多く、小児慢性特定疾病の一つであり、出生1万5,000人から1万6,000人につき1人の頻度で発症すると言われています。この網膜芽細胞腫として網膜に腫瘍ができると視力が低下しますが、乳幼児ではまだ物が見えるとか見えないという状態がよくわからず、その状態を伝えられないことから、発見されたときには病状が進行している場合も少なくありません。ある程度、病状が進行すると、腫瘍に光が反射して、夜の猫の目のように白く光って見え、左右の眼球の向きが合っていない状態や、まぶたが腫れるなどの症状が見られるため、目の様子をチェックして異常を見逃さないことが大切となります。網膜芽細胞腫は、早期に治療を行えば命にかかわることは少なく、治癒させることができるとされていますが、進行すると、先ほど議員の質問の中にありましたとおり、眼球ごと摘出することになる場合もありますことから、市では、新生児の家庭訪問の際に日本視能訓練士協会が作成した目の健康チェックシートを渡しまして、網膜芽細胞腫によくある白色瞳孔を含め、目の異常が発見できるよう保護者に説明をしております。また、乳幼児健診の会場に網膜芽細胞腫の周知ポスターを掲示するとともに、6から8カ月児健診時では、保健師の問診の際に、母子健康手帳を活用して瞳が白く見えたりすることがないかなど具体的な症状を示し、保護者とともに目の異常の有無を確認するようにしております。さらに、乳幼児健診の医師による診察では、診察用紙に眼科の所見を確認する欄を設けておりまして、目の異常についてチェックしているということになってございます。これら市の乳幼児健診におきましては、これまでに弱視疑いや斜視疑いなどの例はありましたけれども、幸い、網膜芽細胞腫が見つかった例はございません。今後におきましても、現在行っている母子保健事業において早期に発見できる取り組みを継続していくとともに、ホームページへの掲載を初め、チラシの作成と配布をすることで保護者の方への周知を強化してまいりたいと考えております。また、小さなお子さんや保護者の方と接する機会が多い保育園、幼稚園など関係機関へ当疾病の支援団体が作成しましたポスターの掲示を依頼したり、関係機関の方にも広く知っていただくなど、当疾病の周知に努めてまいりたいと考えております。次に3点目、本市の義眼への助成と交通費の助成についてであります。義眼を作成する経費につきましては、補装具支給制度として国が定めた基準額として、統一規格で作成しているもの、レディーメードと言われますけれども、それについては1万7,000円、二つには状態に応じて作成されたもの、いわゆるオーダーメードと言われておりますけれども、これにつきましては8万7,500円の原則1割を本人の負担とし、それ以外について公費助成として国が2分の1、道が4分の1、市が4分の1を負担しております。また、本人負担には同一月における購入、修理に対して上限額を設けており、市民税非課税世帯は全額補助となり、課税世帯には3万7,200円を超える費用に対して助成をすることとしております。なお、義眼に対する助成の実績といたしましては、平成24年度に高齢者に対する助成実績が1件ありましたけれども、障がい児に対する助成の実績はない状況となってございます。一方、交通費の助成につきましては、重度障がい者ハイヤー料金助成事業として、身体障がい者手帳もしくは療育手帳の交付を受けている障がい者、障がい児を対象に移動手段の助成を行っており、視覚障がい者も対象となってございます。助成の内容としましては、額面500円の助成券を居住地区に応じて、合計5,000円、1万円、1万5,000円分をまとめて年1回支給しており、支給要件は、市内に居住する身体障がい者手帳を所持する非課税世帯に属する方で、利用できる営業車は深川ハイヤー協会に加盟する事業所の車となってございます。この助成事業は、生活圏を拡大し、社会参加の促進を図ることを目的としておりますことから、質問にあります札幌市にある義眼業者へ通うことに対する助成を想定していないことから、現状としましては、業者に通う助成事業はないということでございますけれども、今後、他自治体における助成状況などを確認するなどして、助成の拡充が必要かどうかを含めまして調査研究してまいりたいと考えております。