深川市議会 平成28年第4回定例会 2016年12月7日
最後に6番目の農産物の販路拡大対策について
2016年12月7日、深川市議会の一般質問で、鶴岡恵司議員が「最後に6番目の農産物の販路拡大対策について」質問し、市長 山下貴史が答弁しました。
- 質問者
- 鶴岡恵司 議員
- 答弁者
- 市長 山下貴史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 13番 鶴岡恵司
それでは、最後に6番目の農産物の販路拡大対策についてであります。今年産米は、収量は平年並みなものの、高温障害等による影響で乳白米が多く、製品歩どまりが、個人差はありますが、例年よりは素直に喜べないものがあります。ただ、持ち越し在庫の減少、過剰作付の解消等により、手取り単価は、製品からくず米に至るまで、前年を上回るとのことであります。食味に関しては、例年以上においしく、6年連続の豊作は素直に喜びたいものであります。平成30年に農政が大きく変わること、またTPPの行く末は不透明な部分もありますが、いずれにせよ、農産物のより一層の市場開放の外圧は強まると思われますことから、先行きに不安を抱えての営農ということになります。こうした環境の中、一にも二にも経営基盤を強くすることを常に心がける必要があります。コスト低減、また良品質農産物の生産と有利販売であります。コスト面では、肥料・農薬等の直接費、また租税負担金、賃借料、改良区等の負担金などの固定費は削減することが難しく、コストの中で重い農業機械の償却費、修繕費をいかに工夫するかであります。増収に向けての取り組みでは、まずは質のいいものをたくさん生産することから始まり、その上で販売面での工夫が重要になってくると考えます。そこで、1点目に、農産物の海外販路開拓についてであります。今年度は、農産物等海外販路開拓事業を地域振興課、農政課の2課が連携して行うこととし、平成28年度予算審査特別委員会の質疑の中で、近沢、松本委員が質疑し、答弁では、具体的に三つの事業、一つ目として、農産物等の生産販売に係る事業者や輸出に関係する機関・団体などで構成する(仮称)深川市農産物海外販路開拓推進会議を新たに設置し、農産物等の輸出に向けた事業の検討、検証を行う。二つ目として、これまで参画していた実行委員会から移行したサハリン経済交流促進協議会に道北9市の枠組みの中で、ユジノサハリンスク市での道北物産展などの事業に参加する。三つ目に、市場開拓事業と位置づけして、アジア圏を対象に北海道などが計画しております海外販路開拓事業を活用したテスト販売を想定しているとのことであり、また市とJAきたそらちが150万円ずつ経費を負担する中で設置を予定してございます(仮称)深川市農産物等海外販路マーケティング調査実行委員会において、アジア圏での市場調査を行い、輸出に向けた取り組みの方向性ですとか、課題などを把握する考えでございますとのことでありました。10月26日から、市長、議長、JAきたそらち組合長を初めとする関係者がベトナム、マレーシアにて農産物等の海外販路開拓に向け、テスト販売の調査・視察を実施されました。まず、さきに触れた深川市農産物等海外販路マーケティング調査実行委員会をどのように整理、立ち上げ、調査・視察を実施されたのか伺います。次に、今回の調査・視察で米の輸出の可能性について、また課題についてどう受けとめてこられたのか伺います。また、米については、精米での輸出となり、例えば中国では精米工場が指定されているとのことであり、今回訪れたベトナム、マレーシアが輸入米を受け入れる場合、何かしらの縛りがあるのか、また今後の取り組みについてあわせて伺います。次に、2点目の深川産米の販売対策についてであります。10月25日から石川県、福井県において、公政クラブの行政調査を行いましたが、訪れた白山市役所の近くにあるJA松任の生活・資材店舗を兼ねた農産物の直売所に寄り、思いがけず、米の直売コーナーにミルキークイーンがあり、その玄米を2キロ購入してきました。ミルキークイーンは、道産米でいう「彩」に似たアミロース含有量が低く、粘りが強く、もちもちとした食感で、冷めてもかたくなりづらいのが一番の特徴で、ウルチの中でもモチ米に近い品種で、そのままでもおいしい品種ですが、一般の米に、よりよい食感や弾力が欲しい場合にまぜることは有効であり、ブレンド米としても向いている品種とされています。ミルキークイーン、「彩」は、20年ほど前に誕生した品種であります。ミルキークイーンは、今でも関東を中心に作付されており、通販サイトでは高い人気であります。一方の「彩」は、ごく限られた地域で作付され、道産米になれ親しんでいた人にとっては、粘りが強過ぎ、一般的に普及するには至らず、飯米用につくる程度でした。5年ほど前には、北海道の奨励品種からも外れ、種子の供給もなくなり、数戸の農家で「彩」にこだわる顧客のニーズに応え、自家採種で生産を続けている状況であります。我が家でも、「彩」は誕生当初から今もつくり続けています。昨年、有名なレストランのオーナーシェフからおいしいとのありがたい評価をいただき、一念発起し、JAきたそらちの協力をいただき、貴重な原種を手に入れ、来年からは更新種子で「彩」を作付することになります。11月初旬にミルキークイーンと原種から生産した「彩」の試食を公政クラブで行い、感想は「どちらもおいしいけど、彩のほうが食べやすい」という余りよくわからないものでありました。いずれにせよ、大差ないものであったと思います。そこで、この2品種の差は何だったのか、改めて販売の難しさを痛感しているところであります。一方で、北空知信用金庫では、業務提携しています宮崎県都城市の都城信用金庫との交流事業の一環として、都城市観光協会主催の焼肉フェスティバルにおいて、北空知の特産品、米・青果等の紹介、販売をしています。北海道農業近代化技術研究センターでは、札幌支所にあるアンテナショップ、農産物直売所で深川産米・青果等の直売、また首都圏での米・青果の販売促進事業に取り組んでいただいています。深川市商店街振興組合連合会では、深川発祥の地である東京都江東区での「日本橋と深川『水都復活まつり』」に招かれて、東京深川会の皆さんとともに参加し、深川産農産物のPR・販売をしていただき、そうした取り組みの中で深川産農産物の購入にもつながりを見せているとのことであります。JAきたそらちはもちろん、生産部会においても、それぞれ精力的に販売対策事業を展開しています。深川市も適時対応されていることは承知していますが、より一層充実した支援、対応を望むところであります。今後の農産物の販売対策について伺います。3点目に、産地精米施設の必要性についてであります。輸出等、多様な販売ニーズに対応するには、産地精米施設が必要であります。深川米の産地精米施設については、マイナリー建設時にJAきたそらちで検討し、計画したところでありますが、補助事業の上限事業費が設定されており、産地精米施設を併設すると、上限事業費を大幅に上回り、補助事業の採択が難しいことから、産地精米施設については断念したところであります。米政策の大幅な見直しにより、一層産地間競争が激化することが予想される中、新たな販売対策が必要であります。産地精米施設の必要性について、市の考えを伺います。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
お答え申し上げます。若干長くなるかもしれませんので、お許しを願っておきます。まず初めに、ことし実施いたしました米のマーケティング調査の実施に係る組織をどのように整理し、立ち上げ、そして調査・視察を実施したのかといった点についてのお尋ねであります。本市における農産物等の海外販路開拓の取り組みにつきましては、農産物等の生産・販売に係る事業者や輸出に関係する機関・団体などを構成員とします「深川市農産物等海外販路開拓推進会議」といった組織を設けまして、そこで農産物等の輸出に向けた事業の総合的な検討、検証を行うという方針を持っているところでございますが、申しわけないことに、この組織の立ち上げがまだ完了いたしておりません。そこで、昨年度につきましては、時間的な制約もありましたことから、本市とJAきたそらちで構成いたします「ミラノ国際博覧会深川実行委員会」という組織を設けまして、そこがミラノ万博への参加事業等を実施し、また本市のPR、無菌包装米飯を活用した試食など、またイタリアの米生産事情等の調査を行ったところでございます。そして、今年度につきましては、アジア圏域における米の輸出の可能性を探るといったことを目的としたマーケティング調査を行うことといたしましたことから、当該調査をより具体的、効果的に実施するための協議を行う場として、ことしもJAきたそらち及び本市の農政担当職員を構成員とした「深川市農産物等海外マーケティング調査実行委員会」というものを設置いたしました。その委員会の中で、調査対象国を、人口増や経済発展から外食需要の拡大が見込まれる新興市場でありますベトナム、マレーシアを調査対象国とすることや、調査目的を日本産米輸入の状況を調べてくるといったことなどについて、しっかり協議を行った上で、そのように決定し、実施してきたところでございます。これがことしの実行に関する組織の設定などについての経過ということになるものであります。次に、今回の調査・視察における日本米の輸出の可能性、そのための課題といったことについてお尋ねがありました。今回の調査内容につきましては、冒頭の行政報告でも申し上げましたが、最初に訪れた調査国ベトナムにおきましては、農産物の国際検査会社であります海外貨物検査株式会社、これはOMICと言われておりますけれども、日本が本社でありますが、OMICのホーチミン駐在員事務所の関係者、それから現地で肥料、農薬の販売のほか、米の集荷・精米・販売を行っている企業でありますアライド・ディベロップメント・コーポレーションという企業の関係者、そしてもう一つ、新潟コシヒカリの輸入や現地で日本種のジャポニカ米の生産・販売を行っている会社でありますアンジメックス・キトクという3社を訪問いたしました。そして、現地での米の生産状況、米の輸出入の状況、また米の消費動向や小売店の状況などについて、いろいろ情報交換などをしてきました。それとともに、ホーチミン市に存在いたします量販店の一つ、イオンモールタンフーセラドン店という非常に大きなイオンのお店でありますが、このお店において、日本からの輸入米、現地でのジャポニカ米、現地での通常の長粒種の販売状況について、詳細に調査等を実施させてもらったところであります。そして、次にマレーシアに行きましたが、マレーシアにおきましては、日本人によって創業されました食品輸入会社でありますDOKA社を訪問し、マレーシアへの米輸出に係る手続、実際に日本米がどの程度輸入されているのかの輸入状況、現地での日本米の需要の動向といったことなどについて情報交換というか、お話し合いをさせてもらいました。その後、クアラルンプールにありますイオンビックミッドバレー店、これもまた大変大きな店でありましたが、それからもう一つ、伊勢丹KLCC店というお店がございました。この二つの量販店において、米を含めた食品の日本からの輸入、販売の状況等について、これもそれぞれ情報交換、また聞き取り調査を実施してきたところでございます。そこで、質問の米の輸出の可能性、課題ということについてでありますが、ベトナム、マレーシアともに日本からの輸入米については、日本食を取り扱っている高級レストランといったところでの使用というか、需要のほかに、実際スーパーなどにおいても日本米が販売されておりましたが、価格については、現地で生産された長粒種に対して、ベトナムでは約4倍の値段、マレーシアにおいては約2倍の高価格という状況になっておりました。また、ベトナムにおいては、日本の現地法人において、一部ジャポニカ種の米が生産されておりまして、ただ品質は、無論、国産の日本米には及ばないものの、日本からの輸入米よりも半分ほどの値段で実際に売られているという状況にありました。こういったことから、販売価格の差といったことが大きな課題なのだろうと考えておりますが、深川産米の良品質性、良食味性といったものを生かしながら、現地において増加傾向にあります日本食レストラン等での日本米の需要に向けた販売、それからスーパーなどにおける現地の富裕層、あるいは現地駐在の日本人等の米の需要といったことを対象にした販売という面で、今後の深川米の輸出の可能性はあるということを認識しております。次に、ベトナム、マレーシアで、日本から米を出す、つまり海外からの輸入米に対する規制についてどんなものがあるのかという趣旨のお尋ねがありました。中国のように輸出を認める精米工場を指定するという制度は、マレーシア、ベトナムそれぞれ設けておりません。中国とは、その点が違います。しかし、ベトナムにおいては、いろいろ実際に物を動かすときの品質等の検査をする検査会社と輸出業者との間で契約をする。その契約によって定められている量的・質的な米の検査、商品貯蔵庫、容器、運搬の方法などについて、契約に基づき検査を行わねばならないとされておりまして、それが大変厳しいというか、なかなか要件としてクリアするのが、不可能ではないのですけれども、なかなかハードルが高いといったことがありました。それから、マレーシアにおきましては、以前、国の関税組織だった組織が民営化されて、何やら通関専門機関のようなものになっているようでありますが、その機関に通関手続をして輸入させていかねばならない制度になっておりまして、その通関のための専門的な組織・機関の許可を得るために、なかなかこれが実際のところ時間がかかる。短くても半年、長い場合は1年もかかるといったケースもあるやに聞いてまいりましたので、この点が大変不安定というか、日本とは大いに違う点。それから、マレーシアへは、日本からコンテナで出していかなければなりません。しかも、コンテナには1種類の米しか入れてはならないという制約もあるようでありますが、コンテナでマレーシアに行って、陸揚げされて、そのコンテナが実際に流通に乗るためには、港で2カ月ほど放置されるといった事態がある。それやこれや、いろいろ我々から見ると、大変厳しい輸入手続が課せられているという現状が少しわかってまいりましたので、その点は輸入米、我々から見れば輸出米にとって、ハードルとしては高い状況にあります。しかしながら、そういったもろもろのことはありますけれども、前段申し上げましたように、価格差といったことなどはあるとしても、この先、現地での日本米に対する需要は増加する傾向が明らかでございますので、そういったことに鑑みまして、繰り返しになりますが、深川産米のそういったところへの輸出の可能性は十分にあるものと考えておりますので、今後において、JAきたそらちと具体的な深川産米の輸出の実現に向けた可能性の検証を引き続きしっかり進めてまいりたいと考えているところでございます。これが大きな1点目のお答えであります。次に、2点目、農産物の販売対策についてお答えいたします。この点については、本市におきましては、これまでもJAきたそらちと一緒になりまして、深川産米等の販売対策に向けて、いろいろ取り組みを行ってきております。幾つか申し上げますと、まずは言わずもがなでありますが、私が、JAきたそらちの組合長さんなどと一緒になりまして、いわゆるトップセールスといいましょうか、関東・関西などでの我々のお米の取引先に出向きまして、消費拡大の働きかけを行ったりしております。また、市内で生産された安全で安心なお米を、地産地消ということで地元で消費を進めてもらうための取り組み、そして深川産米の積極的な売り込み・PRに、それらを通じてつなげていくためのイベントであります「こめッち新米フェスタ」を開催しております。さらには、深川農業ステップアップ推進事業というものを毎年実施しておりますが、この事業の中で市外への販売、販路、消費拡大などを図るための活動を、生産者の組織がそういったものに取り組まれる際に、販売促進活動へのステップアップ事業の中での助成、支援ということもやらせてもらっております。また、農産物フェア、あるいは空知フェアなどといった深川市の外で行われる各種イベントにおいても、極力市職員が出向きまして、深川産米のPRへの支援といったことなど、さまざまな場面で販売対策事業を積極的に応援し、展開している状況でございます。今後におきましても、JAきたそらちを初め関係機関・団体と連携して、知恵を出し合いながら、さらに販売対策に積極的に市としても取り組んで、効率的かつ効果的な支援・対応に努めてまいりたいと考えているところでございます。最後に3点目、産地精米施設の必要性についてどう考えているかというお尋ねであります。これまで、申し上げるまでもないことでありますが、深川産米の販売ということについて、JAきたそらちでは、多くの場合、玄米にして出荷、販売を行っておられるわけでありますが、精米につきましても、ごくわずかではあるものの、地元向けの販売実績を持っておられるというか、現に実際やっておられる状況であるかと理解いたしております。そこで、質問の精米施設の必要性ということについてでありますが、これまた議員も言われましたように、平成30年産から米の国による生産目標数量の配分といったものがなくなる、そういう方式の見直しや米の直接支払交付金が廃止になるといったことによりまして、水稲を中心とする本市の農業においても大きな転換期を迎える中になろうかと思います。しかし、本市が米の主産地であることを、しっかりこの先も確固たるものにして、持続性のある農業生産を展開していく。そのためには、消費者等の細やかなニーズに応じた多様な販売というものを推進していくことによって、需要を確保し、ひいては農家所得の向上による農家経営の安定というものを図っていく、総論でありますが、こういったことが極めて重要であります。そのように考えておりますので、本市における将来的な精米施設の必要性については、今後、深川産米の販売戦略は、JAきたそらちが中心となって、考えていかれることになるわけでありますが、その深川の米の販売戦略の中で、実際に精米販売がどのように位置づけられていくのか、具体的にどのような施設整備の構想が取りまとめられるのか、そして取りまとめられた構想について、我々に対してどのように説明があるのかといったことについて、よくよく見守りながら、必要な判断を必要なときにしてまいりたいと考えているところであります。