深川市議会 平成28年第2回定例会 2016年6月17日
担い手への農地集積
2016年6月17日、深川市議会の一般質問で、辻本智議員が「担い手への農地集積」について質問し、農業委員会会長 伊東光男、経済・地域振興部長 平勉が答弁しました。
- 質問者
- 辻本智 議員
- 答弁者
- 農業委員会会長 伊東光男、経済・地域振興部長 平勉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 11番 辻本智
ことしは、現憲法が公布され70年目の節目の年であります。私が初めて日本国憲法に接したのは、16歳の春、高校1年生の現代国語の授業においてでした。入学して最初の授業の冒頭、その教師は突然「今からテストを行う」と切り出し、黒板に向かって、板書を始めました。内容は、日本国憲法の前文に書かれた文章内の漢字を埋めよというものであります。「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて」から始まる文章、憲法前文は、高校受験に際しての単語としての記憶はありましたが、それまで熟読したことは一度もありませんでした。「国政は、国民の厳粛な信託によるもの」「人類普遍の原理」「恒久の平和と崇高な理想」、いざ漢字を書こうと思っても、なかなか書けるものではなく、結果はさんざんなものでありました。そして、授業の最後にその教師は、「この日本国憲法は大変易しい日本語で書かれている。このことは、中学卒業の義務教育終了レベルの学力さえあれば、国民誰もが理解できることを意味している。当然君たちも理解していなくてはならない」。40年も前の教師の言葉は、簡単な漢字さえも書けなかった自分のふがいなさとあわせて今でも鮮明な記憶であります。選挙年齢が引き下げられて、初めての国政選挙が公示されます。若い主権者が貴重な1票を投じ、みずから政治に積極的に参加されることを願いつつ、通告に従い一般質問を行います。最初に、担い手への農地集積についてお伺いいたします。これまでも議会の場において、本市の基幹産業である農業に関しましては、「農業従事者の高齢化に伴う担い手不足の解消、あるいは耕作放棄地の未然防止は、喫緊の課題である」、このような認識が示されてきております。そうした立場から、行政としても必要な手だてがさまざまに講じられているところであり、本年度新たに取り組まれる地域営農法人の立ち上げも、その一環であると理解しているところであります。以前、地域営農法人の役割として、新規就農者の実践的な研修のほか、優良農地の円滑な継承と就農までの出口対策と説明されており、いわゆる土地・農機具つき・建物つきの居抜きが視野に入っているとのお話がございました。実はこうした説明が若い後継者の少なくない部分に混乱を生じさせているように感じております。私ども公政クラブが毎年行っております市農村青年部との懇談の場においても、まだまだ規模拡大したいという意欲を表明される若い農業者からのさまざまな意見も出されております。そうした中で、自分たちが目指す規模拡大と行政が立ち上げようとする地域営農法人が競合するのではないか、このような心配が寄せられてもおりました。事の施策の細部にわたる議論はこれから始められると思いますが、市内で農地が売りに出された場合、その全てではないとしても、耕作条件が整った優良農地には、いまだに複数の買い受け希望が寄せられると仄聞もいたしております。このような認識を申し上げた上で、何点かお聞きいたします。まず、1点目、この間の新規就農者はどのような状況であるのか。また、親元就農した後継者数など、若い担い手の動向についてお答えください。2点目、次に農地移動の概況についてでありますが、この点は予算審査特別委員会の審議でも出されておりますが、年度も変わりましたことから、改めて農地流動化の実績と農地が売りに出された場合の調整にかかわる状況についてもお聞きいたします。現状で年間200件ほどの所有権の移転が行われているわけですが、その中には移動の調整がスムーズにいく場合と、なかなか受け手が見つからず苦労される場合があるかと推測いたします。それら農地流動化が進みやすい案件に共通する傾向といいますか、条件のようなものがあるとすれば、当然それは逆の場合の受け手が見つかりづらく、耕作放棄地発生のリスクが高い要因ともリンクしてくると思いますので、農業委員会としての認識をお聞かせ願います。また、担い手の規模拡大意向と今後流動化が予想される面積についてもお示しください。3点目、以前この場で市内における耕作団地数についてお伺いしたことがございました。たしかそのときの答弁では、「耕作団地数は、空知平均と比べても深川は多く、市内にあっても地域差がある」、このようなお話であったと記憶しております。今後求められる強い農業づくりには、これら農地の集約化による生産性の向上が避けて通れない課題であると認識しておりますので、基盤整備事業等での農地集約化の取り組み現況と今後の見通しについてお聞きいたします。4点目、地域営農法人立ち上げに向けた準備状況でありますが、以前の説明では「地域営農法人設立協議会という場が設定されており、今後協議していく」とのことでありました。そこで、改めまして、行政が取り組む地域営農法人の性格、役割と地域農業者とのかかわり方についてどのような認識を持たれているのか、また各種団体との協議見通しについてもお答え願います。
答弁 農業委員会会長 伊東光男(農業委員会会長は2017年6月まで)
質問の担い手への農地集積についての1点目、新規就農状況と農業後継者の動向についてと2点目、農地移動概況の担い手の規模拡大意向についてお答えします。初めに、1点目の新規就農状況と農業後継者の動向についてですが、市内に在住する新規就農戸数は、平成25年度が1戸、26年度が2戸、27年度が1戸、本年度については今のところ新規就農者はおりませんが、毎年、平均1戸以上が新規就農している状況でございます。また、親元就農した後継者につきましては、平成25年度が12人、26年度が8人、27年度が6人、本年度は7人となっております。次に、2点目、農地移動概況と担い手への規模拡大意向についてですが、農地移動概況については、辻本議員からお示しのとおり、農地の流動化の実績ということで、さきの平成28年度予算審査特別委員会の中で直近3年間の実績を答弁させていただいておりますが、27年度につきましては、本年2月末の状況でございましたので、改めまして答弁させていただきます。流動化実績につきましては、農地法第3条及び農業経営基盤強化促進法による農地の移動のうち、賃貸借期間終了後、再度同じ受け手の方に賃貸借する場合と北海道農業公社の売り渡し及び賃貸借する場合を除かせていただき、実質の農地の移動である売買と賃貸借を合わせました状況をお答えします。まず、平成25年度につきましては171件、農地面積471.5ヘクタールで、26年度につきましては201件、農地面積568.2ヘクタール、このうち26年度からスタートしました農地中間管理事業によるものが4件、面積で17.9ヘクタールございました。平成27年度につきましては242件、農地面積1,052.4ヘクタール、このうち農地中間管理事業によるものが50件、面積494.9ヘクタールと前年度と比較し急増しております。これは複数農家による法人が多数設立し、農地中間管理事業を活用して、農地の流動化が図れたことによるものでございます。また、農地移動における調整の進みやすい傾向につきましてですが、農地の出し手から売買などのあっせん依頼を受け、受け手農家との調整をし、農業委員会総会に諮った上で、農地の移動となるところですが、これまでの調整において、農地の形状が整形で、傾斜も少なく、水はけがよいなどの条件で、隣接に今後も営農を続ける農家がいる場合は、比較的調整はスムーズに進む傾向があるところですが、私ども農業委員会は、地域農業を守るため、今後につきましても農地などの条件にかかわりなく、担い手農家への利用集積、集約化が図れるように対応してまいります。次に、担い手の規模拡大意向についてお答えします。規模拡大の意向の一つの目安ということで答弁させていただきますが、現在、農地中間管理事業における受け手希望者は、市内農地所有適格法人などを含む農家158戸であり、本年3月末現在、法人を含む市内全農家戸数643戸中、約4分の1を占めているところでございます。また、今後の流動化が予想される農地面積につきましてですが、今後も高齢化や労働力不足などによる経営面積の縮小などにより、面積の大小を問わず、農地の流動化が続くと考えるところですが、国の農業施策や農業者の経営状況なども要因となりますことから、予測は困難であります。よって、参考といたしまして、直近5年間の平均面積498ヘクタールをもって、答弁にかえさせていただきます。
答弁 経済・地域振興部長 平勉(経済・地域振興部長は2017年3月まで)
担い手への農地集積についての3点目、基盤整備事業による農地集約化についてお答えいたします。全国的に農業は農業従事者の減少や高齢化等、大変厳しい状況にある中、担い手への農地集約の加速化や農業の高付加価値化の推進等により、競争力のある攻めの農業を展開し、意欲ある農業者が営農を継続できる環境を整えることが必要であり、生産効率を高めるための農地の大区画化や汎用化等の農業基盤整備が重要となっております。現在、深川市内におきましては、農地集約を目的とした農業競争力強化基盤整備事業、中山間地域総合整備事業、農業基盤整備促進事業等の農業基盤整備が行われております。深川市農業農村整備事業管理計画において、今年度、事業の実施を予定している地区数につきましては、合わせて15地区で、事業完了時には1,377ヘクタールの区画整理が実施される予定となっており、平成32年度までに着手する新たな地区数は8地区で、事業完了時には816ヘクタールの区画整理が実施される予定となっております。今後、市といたしましても、農家負担の軽減策として、農業競争力基盤強化特別対策事業等を活用し、農地の集約が進むよう引き続き支援を行ってまいります。次に、4点目、地域営農法人の役割と各種団体との協議についてお答えいたします。初めに、地域営農法人の性格と役割についてでありますが、地域営農法人につきましては、農業従事者の高齢化、後継者不在などに伴い、農家戸数が減少する中で、農業への強い意欲を持った農外からの新規就農希望者を雇用し、担い手対策などを推進するため、現在のアグリサポート事業部を母体に、行政とJAきたそらちが連携して、会社組織として設立しようとするものであり、現在のアグリサポート事業部が行っている取り組みに加え、本市における新規就農希望者の総合的なワンストップ窓口として、新規就農希望者の募集活動や相談活動、就農に必要な技術等の実践的な研修の実施のほか、就農時においては、優良農地の円滑な継承を含め、就農形態に応じたさまざまな支援や就農後のフォローアップなども考えているものであります。次に、地域農業者とのかかわり方についてですが、地域営農法人では、これまでもアグリサポート事業部が行ってきた農作業受託等を継続して実施し、地域農業者の要望にしっかりと対応していくこととしておりますが、一方で、新規就農希望者の農地の確保のほか、新規就農希望者が円滑に研修、就農するためには、地域農業者の理解と協力が何より重要であると考えております。このため、市、JAきたそらち、農業委員会、深川振興公社を構成員とする地域営農法人設立協議会において、このことも含め十分検討してまいりたいと考えております。次に、各種団体との協議見通しについてでありますが、現在、地域営農法人の設立につきましては、地域営農法人設立協議会の構成員と個別に協議を行っている状況にありますが、今後、この協議の中で具体的な運営体制などについて協議を行い、本年度中には受け入れ体制を構築したいと考えております。いずれにいたしましても、新規就農希望者の受け入れにつきましては、今後の本市農業の発展はもとより、地域経済の活性化を図る上でも重要な取り組みでありますので、協議会のほか、関係機関・団体と綿密な連携を図りながら推進してまいりたいと考えております。