厚岸町議会 平成26年第2回定例会 2014年6月18日
厚岸町の基幹産業の振興による町民総生産の向上について
2014年6月18日、厚岸町議会の一般質問で、佐藤淳一議員が「厚岸町の基幹産業の振興による町民総生産の向上について」質問し、町長 若狭が答弁しました。
- 質問者
- 佐藤淳一 議員
- 答弁者
- 町長 若狭
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。
質問 佐藤
第2回の定例会に当たりまして、さきに書面によりご通告を申し上げておりました質問事項に従い、お伺いをいたしたいと存じます。厚岸町の基幹産業の振興による町民総生産の向上についてでありますけれども、厚岸町は、人口約1万人の生活を支えるのは、基幹産業を中心とした各産業の総生産であります。特に当町は、水産と酪農が中心でありますが、酪農については、その生産品の多くが系統出荷やメーカー出荷となり産地の循環が少ないと思われますので、農家生産数、生産額プラスアルファで厚岸町の町民総生産額を大きく押し上げることができないと思われるため、今回につきましては水産業に絞って質問をいたしたいと存じます。昨今の漁業を取り巻く環境は、私どもでは知り得ないさまざまな要因から、主力魚種の水揚げ数量が増減するだけではなくて、異変とも言われるように、定置網においてはブリやマグロ等が漁獲されるなど、将来の魚種交替も言われるようになりました。その原因は別といたしましても、今後とも数量だけを目標にしていくだけで厚岸町を支えることができるのかを考えたときに、少なからず不安を感ずるものであります。その町に人が住む、あるいは住み続けるということを考えるとき、その理由は多くあります。社会基盤が整備され、あるいは教育環境に恵まれ、また、医療環境であったり福祉に目が向けられるなど、さまざまな要素が理由であります。最大の要点は、厚岸町で仕事があり、収入を得ることができる経済基盤があるということではないかと考えます。したがいまして、厚岸町の基幹産業を中心として、町民総生産を向上させていかなければならないと考えております。厚岸マリンビジョンの概要を一読しても、安定した生産を背景にと書かれておりますが、しかし、水揚げ高は増減をいたしますし、厚岸町においても、かつては市場取扱高が100億円を超えたころと比較し、現在は半減しております。町民総生産は、それ以上に減少をいたしました。厚岸に限らず、人口が減少し過疎化が進むことは、少子化も一因ではありますが、いま一つは社会減といわれる人口の流出、転出であると思います。その町の生活を支える産業が衰退することが大きな理由ではないかと考えられます。尾ひれのついた魚でありますので、水揚げ数量は人の力で多くすることは不可能でありますので、今、多少元気なうちに業界と行政が一体となり、真に付加価値加工技術や消費者ニーズも時代や世帯、家族構成の変化で変わりますし、それらに対する調査研究等を進めるなど、従来にも増して水産業の振興につながる取り組みを進めていただきたいと考えます。一つの例でありますけれども、現在の厚岸町、水産業対策協議会でありますが、その構成を見ると、行政、経済団体、漁協、買い受け人等で組織されておりますので、その中でさきに質問で申し上げました、主に水揚げ数量の多寡だけを論ずるだけでなく、今後の水揚げ数量の変化や魚種の交代等に対するために、どのようにすべきかを業界の意見を酌み上げ、将来の支援策につなげていく必要があるのではないかと考えます。いずれにしても、地域経済を支える基幹産業、将来にわたって元気にしていかなければ、我が町の未来は衰退をしてまいります。水産業に対する認識とご所見をお伺いし、まず最初の質問とさせていただきたいと存じます。
答弁 町長 若狭(町長は2025年3月まで)
1番、佐藤議員のご質問にお答えをいたします。厚岸町の町民総生産の向上のために、「厚岸町の人口を支えるのは「町民総生産」であり、地域経済を左右する基幹産業、特に経済波及効果の大きい水産業の振興対策について」のうち、初めに「行政が基幹産業を支援する理由は何か」についてでありますが、当町の基幹産業は、水産業と酪農業の一次産業であり、水産業、酪農業の盛衰は、本町経済の行方を大きく左右するものであることから、その振興策は行政施策としての最重要課題の一つでありますが、特に水産業についてのお尋ねでありますので、水産業を中心にお答えをさせていただきます。当町の水産業については、水産加工業と結びつくことにより、地域経済に大きな波及効果を及ぼしております。とりわけ、サンマは、市場に水揚げし、競り落とされると加工場に運ぶために運送業者の手を通り、それを加工場が選別して、生鮮で出荷、あるいは加工するためには資材が必要で、資材業者の手が入り、さらに大量処理のために臨時の雇用が発生し、残業すると弁当業者に注文が入るということになります。また、昆布についても、家族経営のため、昆布の干し手不足を補うための臨時雇用が発生し、船や乾燥機の燃油補給のために燃油業者の手が入り、さらに弁当やジュースなどの購入で小売店の売り上げとなります。このように、サンマ漁や昆布漁が始まると、関連業者が全て動き、地域の経済に波及していく状況になっております。就業者人口を見ても、平成22年の国勢調査では、産業別の総就業人口が5,859人中、漁業が1,344人、水産加工業が主力の製造業が831人で、水産業関係就業人口が合計2,175人と、総就業者の人口の37%を占めており、ここでの生産が第三次産業のサービス業に波及し、地域の経済に波及する構図になっております。こうした構図の基本が、当町の水産業であり、町が水産業の振興を重点施策の一つとして、特に力を入れて支援等をする主な理由であります。次に、「さまざまな要因から、従来の主力魚種の水揚げ数量が増減するだけでなく、将来の魚種交替も言われており、今後それらに対応するための新たな加工技術、調査研究、人材育成等に対する取り組みを、業界はもちろんのこと、行政も従来にも増して取り組む必要があるのでは」についてでありますが、厚岸漁港に水揚げされる主力魚種のサンマについては、近年では平成22と25年に2万トンを大きく割り込み、1万4,000トン台の水揚げとなっておりますが、原因についてはいろいろな意見があり、温暖化の影響で道東沖の水温が高くなり来遊がおくれているのではないか、大型魚が減っていることについては、前年の中・小型サンマのとり過ぎではないか、外国船が公海上で大量に漁獲しており、その先どりの問題ではないか、また海そのものが20年程度のスケールの大きな環境変動に影響され、サンマにも変化が起きているのではないかなど、研究者や関係者を集めたシンポジウムなども開かれ議論されておりますが、結論は出ておりません。また、昨年、サバが道東沖で2万トンを超える漁獲があり、魚種交替が起きつつあるのではないかとの意見についても、平成17年と18年にも2,000トンを超える漁獲がありましたが、これもその後消えてしまったということもあり、はっきりとした結論は出ていない状況にあります。「今後、それらに対応するための新たな加工技術、調査研究、人材育成等に対し、取り組む必要があるのでは」については、例えばサンマからサバに魚種交替があった場合、当町の加工業者においては、生鮮と冷凍の一次処理については対応できますが、加工を行う場合、現在のサンマの設備ではサバに対応できないと聞いております。昨年、釧路でサバの水揚げが道東沖で漁獲された2万トンのうち、2,700トンにとどまったのは、加工場の受け入れ体制が整っていないため、サバ加工の盛んな八戸港に流れたことが原因であり、このことを考えると、受け入れ体制を整える必要はありますが、現実問題として、将来の漁獲の状況が不透明な中で、加工業者が新たな設備投資を伴う対応は難しいと聞いているところであります。サンマの水揚げは、過去の水揚げを見ると、平成元年から25年間で2万トン台の水揚げが、14年間で1万トン内の水揚げが11年間もあることから、サンマは1万トン台から2万トン台で安定した水揚げが見込める魚種であると考えられております。このことから、現在は厚岸地域マリンビジョン計画及び厚岸町漁港整備計画においても、主要魚種をサンマとして、水揚げされる魚種全ての付加価値の向上を図るべく、衛生管理型漁港施設の整備を進めることとしているところであります。しかしながら、仮に魚種交替のようなことが起きた場合は、極めて大きな影響を受けることになりますので、関連業界も含め、資源の減少や魚種交替について危機感を共有し、そのような事態に備える意識を常に持っていく必要があると考えております。次に、「支援施策を考えていくべきときではないか」についてでありますが、現在、厚岸町、厚岸漁業協同組合、厚岸買受人組合などが構成員となって、厚岸町の水産業を協議する組織として、厚岸地域マリンビジョン協議会や厚岸町水産業対策協議会がありますが、魚種交替も含めての議論は具体的にされてはおりません。しかし、今後、衛生管理型漁港の整備計画や運営などの協議が、これから町や業界も含めて具体的に進められることになりますので、そうした場も含め、各協議会において、漁港の整備は整備として、将来の魚種の交替なども念頭に置いた新たな加工技術や消費者ニーズの調査、人材育成などの問題についても、危機感を共有しながら意見交換を行っていきたいと考えております。以上でございます。
質問 佐藤
ご答弁いただきまして、大変ありがとうございました。くどいようですけれども、基幹産業がおかしくなるということは、地域経済の衰退をいたしますし、その町の人口を支えることができなくなるということで申し上げたわけであります。結果としては、人口が先ほど申し上げましたように流出をいたしますし、また転出をいたします。したがって、この基幹産業がどんどん衰退をしていくということは、その町が衰退していくことに直結をするということで、大変大きな問題だと思いますし、大切な問題だということで今回質問をさせていただいたところでございます。せっかくの質問の機会をいただきましたので、少し身近な例で、お話をさせていただきたいと思います。実は、釧路市の例でありますけれども、1980年代ぐらいだと思いますけれども、ピークの人口が21万8,000人、20万人を超えて大変盛んな経済活動も行われていたところでありますけれども、その後、少しずつ人口が減り続けて、2004年度が18万7,000人だそうであります。05年の市町村合併で19万5,000人となって、あと少しでまた20万人台に戻るんではないかというふうに思われておりましたけれども、ことしに入って合併よりさらに減りまして、実は18万人を割り込んでしまったという状況になっているわけであります。差し引きしますと、私ども計算ができますけれども、ピークの人口から比べると3万8,000人の人口が減ったと。その間、減ったその理由は当然あるんでしょうけれども、私が考えるのは、釧路市の基幹産業というと、紙パルプ、水産、それから炭坑ですか、その三つが大きな基幹産業であったわけでありますけれども、今、紙パルプについても、生産ラインは当時の4分の1、ですから700人いた正社員が現在は130人だそうであります。また、炭坑は閉山をいたしましたし、閉山時点でいた1,500人の社員が全員解雇され、現在は再雇用したのが500人ということで、二、三ご案内のとおり採炭もしておりますけれども、あと海外の技術移転ということで、海外から研修生を受け入れて活動しているという状況でありますし、これも労働者の数から見ると3分の1であります。今回、水産に絞って質問しておりますので、じゃ、釧路港の水揚げはどうであったのかなということをちょっと調べてみましたら、水揚げも実にピーク時の現在10分の1の水準であります。これは、例えば底引きの漁が全体としてなくなったとか、そういうとれた魚が今減っているんだよということだけではない要因もあるかと思いますけれども、そういうような状況になっております。この産業は、地域の産業がどんどん衰退していくということは、当然働く場が失われていきますし、そうしますと、そこで収入を上げることができないということになりますから、社会減といわれる人口が流出をしていくことにつながって、結果として町民総生産は縮んでいくということになるんでないかなというふうに思っております。ちょっと前に戻りますけれども、3万8,000人の人口が減少したということは、経済的にはどういう形になるのかなというふうに考えますと、いろいろ町を調べていったら、網走市の人口が3万8,000人ぐらいだそうであります。したがって、外から見ると3万8,000人釧路市の人口が減ったといっても、一人一人数えるわけにもいきませんから、余り外から見るとそんな感じはしないんですけれども、数字で見ると3万8,000人減って、網走市の人口が全部減ったんだよというようなことになりますから、大変なことになるんだなというふうに思います。それだけ、もちろん総生産額は減少しますし、ことしいろいろ経済統計をとる年でないかなと思いますけれども、商業統計でいう小売販売額、これ私の計算ですから、当たらずも遠からずということで聞いていただきたいんですが、3万8,000人の人口が減少することによって、どのぐらいの小売販売額が減るのかなと計算しますと、おおよそ600億円ぐらいになるんでないかな、その前後ぐらいになるんでないかなというふうに思われます。1回目の質問で町長のご答弁をいただきましたけれども、その答弁では、私と共通の認識に立っているご答弁だなということで理解をいたしましたので、特にこの基幹産業、水産業の振興については、継続的に支援策のあり方については、これからも研究検討を進めていっていただきたいなというふうに思っております。また、質問の後段で申し上げた、例えば加工技術の云々とか、そういうことは今までも言われて久しいわけでありますけれども、どうしても水揚げ数量が多いときは、いわゆる小売業でいう薄利多売の生産加工にどうしても流されがちになります。そのことは結果として、その企業のやっぱり収益性が低くなると。低くなることによって、人を雇うのはまた大変になるというようなことになりますので、そうするとまた学卒者は働く場所がないので札幌へ札幌へと流れて、転出をしていくのではないかなというようなことに拍車がかかってまいりますので、そんなこともいろいろ考えあわせながら、今後の水産振興については意を用いながらお願いをしたいなと。それは、もちろん行政だけでできることではありませんけれども、やっぱりある部分によっては、行政がリーダーシップをとっていくこともできるんではないかなと、物によってはですね、考えによっては。そんな気もいたしますので、お願いしたいなというふうに思います。長々と駄弁を申し上げておりますけれども、いずれにしても厚岸町を支える産業の重要性というものも考えてお話を申し上げたかったわけでありますけれども、一義的には、それらを考えるのはやっぱり事業者でありますけれども、質問の答弁にもありましたように、地域を支える産業は基幹産業が大切だよというご答弁もいただきましたので、今後ともひとつ業界、行政、あるいは地域と一体となって、今後の水産業のあり方をまた研究検討をしていくと、引き続き継続的にしていくということをお願いしたいなというふうに思います。時はたかむといいますか、昨年度から10カ年計画にわたってマリンビジョン計画に基づく漁港整備も進められておりますので、もちろんこの施設整備は時代を反映した施設整備でもありますけれども、ことしの町長の町政執行方針にもうたわれておりました。私も再度読んで確認したわけでありますけれども、時代のニーズに合わせた流通、さらには加工等を含めた水産物の供給拠点ということでなっておりますので、私の質問の趣旨に沿った取り組みが今後ともなされていくんではないかなということで考えておりますので、再度のご答弁をいただきまして私の質問にしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
答弁 町長 若狭(町長は2025年3月まで)
私からお答えをさせていただきたいと思います。ただいま釧路の例をとりましてご質問いただいたわけでありますが、私からは地元厚岸町の平成に入ってからの漁業生産の流れを若干お話をさせていただきたいと思います。佐藤議員もご承知のとおり、平成に入りましてからイワシが大漁であったわけであります。これは平成3年までのことでございまして、調べましたところ平成2年が最高時でございまして、数量で言いますと17万3,000トンほど漁獲されました。金額にいたしましてからは、約30億円でございます。その結果、厚岸の市場の水揚げ高が何と今の倍です、120億円であったわけでございます。また、ご承知のとおり、海洋200海里時代を迎えたわけであります。一番影響あったのは、サケ・マスでございます。当時は10億円から20億円漁獲されていたわけでありますが、平成25年は3億円、サケだけですが5,000万円大幅に減ったわけであります。こういう状態でありますが、反面、カキが大幅に伸びております。これは大変いいことでありますし、しかも先ほど南谷議員からもご質問ありましたけれども、昆布漁、これは漁獲数の8割が昆布漁でございます。その水揚げ高が約10億6,000万円を迎えているわけでございまして、このようにご質問がありましたとおり、魚種がいろいろと変わってきているということは事実であります。しかし、サンマにおきましては、おかげさまで安定いたしています。昨年だけでも水揚げ高20億5,000万円であります。そういうことで、先ほど答弁いたしましたけれども、今、マリンビジョン計画ということで、厚岸の将来は厚岸漁港を核としたまちづくりはどうあるべきであるかということで、今、議論をいたしまして計画を出しました。間もなく、モデル地域に指定されるんじゃなかろうかと、そのように考えておりますので、この計画が正式に決まりましたならば、我々もそれに基づいてやっていきたい。それと同時に、今、厚岸町の総合計画、行動計画がちょうど来年から新しくなります。今、佐藤議員からご質疑がございましたとおりの内容も含めて、この行動計画をつくっていかなければならない。何といいましても、酪農、水産業、厚岸町の基幹産業を守っていかなければならない、そのように佐藤議員と同様に考えておりますので、ご理解いただきたいと存じます。