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赤平市議会 令和3年第3回定例会 2021年9月8日

産業遺産の継承について

2021年9月8日、赤平市議会の一般質問で、鈴木明広議員が「産業遺産の継承について」質問し、教育長 高橋雅明が答弁しました。

質問者
鈴木明広 議員
答弁者
教育長 高橋雅明

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は会議録の議事日程の表記です。

質問 3番 鈴木明広

件名2、産業遺産の継承について、項目1、産業革命遺産の負の歴史についての考え方についてお伺いしたいと思います。世界遺産で有名な長崎の軍艦島について、ユネスコ、国連教育科学文化機関は、明治時代の産業革命遺産をめぐり、日本政府の対応に強い遺憾を表明する決議を採択したとの報道が7月にありました。決議に拘束力はないものの、日本が的確な対応を迫られる可能性があることを示唆しております。決議は、多くの朝鮮半島出身者などが意思に反して連行され、厳しい強制労働に従事したことの理解を助ける方策などを取るように要求しました。国際社会が日本に対して、いわゆる産業遺産に関わる人道的な観点から、負の部分について的確な説明を求めるものだと考えられます。具体的な当市の事例について申し上げますと、赤平炭鉱、旧住友の名前なのですけれども、1945年6月末時点で労働者数を調べてみますと、坑内は内地人が312人、朝鮮労働者は1,056人、俘虜、捕虜のことです。71人、中国人229人、請負等を合わせますと1,978人となっておりました。また、坑外労働者数においては、朝鮮人は145名、中国人は16名、俘虜65名の計1,079名となって、合計しますと朝鮮人労働者数は1,209名で、総計3,057名のうち、およそ40%を占めたことになります。当時の企業関係文書を調べてみますと、1944年の6月22日に住友赤平鉱約1,200名の朝鮮人労働者が契約の満期の取扱いをめぐり、労働ボイコット運動が契機となりまして暴動事件に発展し、負傷者が12名、うち特高警察、思想警察ですね、1名の重症者が出たマル秘扱いの文書が残っております。明治以来の産業遺産をめぐりましては、1010年の日韓併合で朝鮮半島を植民地化してから、移住、強制連行等により多数の朝鮮人の方が北海道内の炭鉱に暮らしていたのでございます。当時の朝鮮人の炭鉱労働者の生活環境等を調査した文献等をひもときますと、やはり虐待や強制労働等のいわゆる負の歴史については国際社会に対して説明責任は免れないところであると考えます。当市は、炭鉱遺産について建造物の保存や炭鉱のあったまちとしての民衆史や継承、保存をしていく立場ではございますが、同時にユネスコの求めるいわゆる強制労働に従事したことへの客観的な歴史も継承していかなければならない。国際的な責務を果たさなければならない立場であると思います。そこで、現在当市の炭鉱の負の歴史に対する継承の方法とそれについての見解についてをお伺いしたいと思います。

答弁 教育長 高橋雅明

赤平市の炭鉱につきましては、日中戦争以降、戦局の進展につれて炭鉱従業者の招集が次第に増え、さらに労働力の不足が叫ばれ始めたことから、その解消策といたしまして朝鮮人労働者などの外国人労働者を労務者として移入することにより労働力を補ってきたことが赤平市史などに記述されております。今回のユネスコの決議につきまして、世界文化遺産であります明治日本の産業革命遺産における朝鮮労働者をめぐる説明が不十分であるなどを決議したものであります。当市といたしましても、炭鉱遺産を保存、継承している立場にございますことから、ユネスコの日本に対する努力目標を参照しながら、客観的及び公正、忠実な立場で政治的な中立性を確保し、現代を生きる人々と将来の人々へ伝えていくため、炭鉱における歴史の資料収集と保存の継続をしてまいりたいと思います。

質問 3番 鈴木明広

負の歴史について語るのは、多分地元の方にとってはある意味では覆い隠したいという部分もあるのではないかと、そういう思いもあるのではないかと思いますが、いい戦争は絶対あり得ないという歴史的な遺産でもございます。国際法上、人道に関する罪ということには時効はないということが定説となっておりますので、ぜひとも客観、公正、中立な立場で政治的な中立を確保しながら、戦争の記憶を風化させないという意味でもこういう歴史の在り方というものの資料編集に努めていただきたいと思います。それに関連いたしまして、実はダークツーリズムという言葉がございまして、ダークというと暗いので、すごく印象が悪いかと思うのですけれども、金沢大学の准教授であります観光学者の井出明さんという方がどういうふうなことを提唱しているかというと、地方にあるこういう産業遺産の負の部分をあえて公表することによって、政治的なメッセージは一切なしで、そこに来ていただいてそれを自分なりに解釈していただいて、従来とは異質の観光が期待できるということ述べております。特に明治以降の近代をじっくり考察するダークツーリズムのお客様というのは、この教授の研究によりますと長時間滞在する傾向にあり、担い手も比較的生活に余裕のあるインテリ層が多く、客単価は高いそうでございます。そうしますと、そのために赤平市というのは日本遺産で炭鉄港でもございますから、当然炭鉄港というのは私の見解からいえばダークツーリズムの範疇に物すごく入ると思うので、そういう意味でも負の歴史についての現在展示する場所がないとは思うのですけれども、あえて公開してみたらどうかと思うのですが、見解を伺いたいと思います。

答弁 教育長 高橋雅明

赤平市の炭鉱遺産ガイダンス、これにつきましては立坑やぐらなどを見学するために建設された施設ということもございまして、展示につきましては炭鉱で用いた道具類を主に行っているところでありますので、炭鉱の歴史の継承に係る展示につきまして、今言われましたダークツーリズムですか、その部分につきましては、例えば期間を設けて炭鉱の歴史に関するコーナーを設置するなど検討してまいりたいと考えております。

質問 3番 鈴木明広

非常に前向きである答弁だと思うので、よろしく検証していただきます。ここにある重要文化財級のやぐらについても、有名になれば有名になるほど逆に国際的にも話題になるという点から私の質問関連づけられて考えられると思うので、そこの点もよろしくお願いいたします。

出典:赤平市議会 令和3年第3回定例会 2021年9月8日 議事録 PDF(19ページ) 間違いを知らせる