網走市議会 令和7年第1回定例会 2025年3月10日
市政全般について
2025年3月10日、網走市議会の一般質問で、山田庫司郎議員が「市政全般について」質問し、市長 水谷洋一、教育長 岩永雅浩が答弁しました。
- 質問者
- 山田庫司郎 議員
- 答弁者
- 市長 水谷洋一、教育長 岩永雅浩
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 山田庫司郎
-登壇- 会派民主市民ネットを代表しまして、市政全般について質問させていただきます。今、世界を見渡したときに、地震・水害・山火事などの災害の発生、そして、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとハマスの戦争による悲劇、また、政治的にはフランスやドイツ、隣国の韓国などの政治不安、そして、大国中国とロシアの存在、さらには、トランプ大統領再選によるアメリカファーストの台頭など、世界は非常に不安定な状況にあると言えます。不安定は、裏返せば世界が大きく変わろうとしているのかもしれません。そして、日本も戦後80年目、昭和で100年を迎えます。「二度とあの戦争の悲劇は繰り返さない」平和の探求と、公平・公正、安心・安全の追求、そのためにも「今の当たり前の日常を継続」していくことを、私たちは再認識しなければならないと思います。政治の流れも、昨年の選挙で大きく変わり、国民と地方を重要視する流れに変わってきていますし、ぜひそうなることを期待したいと考えます。さて、網走市は新庁舎に移転し、新たなスタートをすることになります。「温故知新」すなわち、古くともよきものは大切にし、新しき時代の流れには遅れることなくスピード感を持って進めていかなければなりません。しかし、まちづくりに立ちはだかるのが少子高齢化、そして人口減少の課題であります。過去には、当市も人口増を前提にまちづくりをしてきましたが、今は人口減少をどう抑えるか、何名の推定人口に合わせたまちづくりをするか考えていかなければなりません。端的に言って、コンパクト化と集約化をどう進め、効率のよい行政運営をいかに進めるかにかかっていると思います。市長の、世界の情勢や日本の政治の流れ、そして、その中にあるまちづくりの考え方について、自治体の長としての御所見をお聞かせいただきたいと思います。さて、少子高齢化、人口減少は多種多様な影響を及ぼすことになりますので、その影響を考えながら項目ごとに議論をさせていただきたいと思います。最初に、全ての根幹に関わります財政についてであります。新たな5年間を見据えた中期財政見直しにより、21億円の不足が言われていますが、財政は健全化に向かっていると私は思います。ただ、新庁舎建設費の償還、消防庁舎の建設、ごみの中間処理施設及び最終処分場の延命と建設、また、公共施設の建て替えなど、向こう10年以内に大きく財政の状況は変わると考えます。財政の現時点での負債総額、これは実質負債総額でございます。そして、債務負担行為総額、財政調整及び減災、ふるさと等の基金総額をお示しいただきたいと思います。そして、不確定要素でありますが、交付税・税収の伸び、物価高騰、金利の上昇などを考慮する中で、網走市の大変長いスパンですが、向こう10年の財政状況をどう考えるかをお聞かせいただきたいと思います。次に、網走の基幹産業であります一次産業についてお聞きいたします。温暖化による気温・水温の上昇により、農林水産業は大きくさま変わりをしています。まず農業・畜産業ですが、酷暑、肥料・飼料・資材の高騰など、厳しい環境の中にありながら、生産者は大変な御苦労をされています。また、消費者の立場では、野菜、果物、卵等、そして備蓄米の放出にやっと動き出しましたが、主食である米の高騰など大変な年であります。国は「作れ、やめれ・やめれ、作れ」ではなく、自給率の目標値をしっかり定め安定した農業経営の推進に向け、農業基本法の具現化のための食料・農業・農村基本計画の作成を農業者の立場でしっかり取り組んでもらいたいと思います。また、酪農業は、国に「はしご」を外された状況もありました。乳価が僅かですが6月から上がるようですが、厳しい状況が続いているのではと考えるわけであります。食は生活の根幹です。日本の食糧基地北海道をしっかり守っていかなければなりません。そのためにも、十勝と並ぶこのオホーツク、とりわけ網走の農業の継続と活性化が必要です。DXの推進や有害鳥獣の被害対策の取組が挙げられていますが、市の農業の現状の評価と具体的な今後の課題・対策についてお聞かせいただきたいと思います。そして、有害鳥獣対策では、猟友会の協力なくして実施できないわけでありますが、支援等も含め猟友会との現状について、併せてお聞かせいただきたいと思います。また、林業についてですが、温暖化対策のため、自然環境保護のためにも取り組むべき大切な事業であります。森林面積を減らさないために、森林の管理、伐採後の植林などへの支援、そして国内産材の利活用にもしっかり取り組まなければなりません。網走市の林業の現状と今後の展望についてもお聞かせいただきたいと思います。そして、保安林でもある「こまば木の広場」でありますが、多くの市民の憩いの場になっています。北海道との連携による安全管理とスピーディーな修繕対応が必要と考えますが、併せてお聞かせください。そして、水産業でありますが、今年度の網走漁協の漁獲高は130億円を超えました。しかし、課題も明らかになってきています。サケは漁獲量が減ってきていますし、ホタテについては採苗が4割から5割と厳しい将来展望です。さらに、ウニやマスなどはさらに厳しい状況と言わなければなりません。内水面では、シジミ、ワカサギ、シマエビなどは回復傾向にあるのかもしれませんが、多くの課題を抱えています。このように温暖化への対応と併せ、温暖化を見据えた網走の新たな漁業の姿も考えていかなければならないのかもしれません。市として、調査船の整備支援やPR・消費拡大の取組が示されていますけれども、緊急の課題は山積しています。網走の水産加工業についても、現状の評価と将来展望についてお示しをいただきたいと思います。観光についてですが、コロナが5類になったことにより、今年度の観光客の入り込みはインバウンドも含め大きく回復したと考えます。網走市にとって大切な産業の一つでありますから、旅の形態が大きく変わり、観光客のニーズと活用方法の変化が非常に早くなってきています。観光客が何を求め、何を期待し、網走を訪れるのか、また、訪れてみて何がよかったのか、何が足りなかったかなど、しっかりしたマーケティングが必要です。キャパの課題も含め、網走の観光の課題と、今後の展望についてお聞かせいただきたいと思います。令和8年度より宿泊税を頂くことになるわけでありますが、使い道と皆さんへの「見える化」が必要と考えますが、併せてお聞かせいただきたいと思います。また、酒蔵の建設が動き出します。新たな市の特産品として大いに期待したいと思います。網走のすばらしさを広げ、PRしていただける観光大使や風の人・土の人など、多くの方々が応援してくれています。再度、こういう方々との連携強化が必要と考えますが、御所見をお聞かせください。さて、医療についてでありますが、厚生病院を核とする網走市の医療体制は、一つの個人病院の閉院はありましたが、四つの個人病院の開院により、ある程度確立されてきたと考えます。網走厚生病院でありますが、当病院は厚生連の御理解と御支援をいただき運営しているわけでありまして、その御努力には感謝の気持ちしかありません。しかし、さらなる体制の強化が求められているのも事実であります。網走市としての、さらなる個人病院の開院の考え方と、核になっていただいています厚生病院の体制強化についての御所見を伺いたいと思います。また、具体的な質問になりますが、多くの市民の皆さんが心配されている厚生病院の整形外科の体制の今後の予定について、お聞かせいただきたいと思います。そして、非常に注目をされていますMaaSの活用でありますが、近隣への利用拡大も含め、今後の展望についてお示しいただきたいと思います。次に、福祉・介護についてであります。今、どこの事業所でも人材不足が大きな問題になっており、全国的にも今年は介護労働者が初めて減少し、事業所を閉所するところが数多く出てきています。網走市の福祉・介護施設の運営状況について、実態調査はされているのか。また、各施設の実態についての認識についてお聞かせいただきたいと思います。私は、それぞれの施設が、人材の確保と運営そのものに四苦八苦されていると思いますが、賃金も含めた総合的な支援が必要と考えますが、御見解をお聞かせください。また、訪問介護事業の現状でありますが、都会と違い、制度の改悪により事業の運営そのものが成り立たなくなったと認識していますが、現状と課題についてお示しいただきたいと思います。さて、次に教育についてでありますが、最初に「いじめ」についてでありますが、現在、検証されています2件の案件についてでありますが、進捗状況と今後の予定についてお示しいただきたいと思います。そして、あってはならない「いじめ」と減ることのない不登校については、教育行政執行方針で「いじめは絶対に許さない」、不登校児童には多様な学びの場の環境整備を基本に具体的な方針が述べられていますので、期待させていただきたいと思います。ただ、重要な課題です、「いじめ」と「不登校」の小中学校での現状について、お聞かせいただきたいと思います。次に、今後の学校の在り方と再編についてでありますが、ここ数年の出生数は150名を切る状況ですし、来年度の小学1年生のクラス数はほとんどが1学級ではないでしょうか。小学校9校、中学校6校が現状でありますが、今後、この体制がいつまでもつのか危惧している市民は数多くいます。近隣の自治体では、「1校の小中一貫校」に集約すべく、住民との協議を進めているところもあるわけでありまして、網走市の新たな動きとして、呼人校が小規模特認校として動き出して1年が経過しようとしていますが、現在の状況と4月からの新たなスタートに当たっての方向性についてお示しください。また、網走市の全ての学校において、「小中一貫校」「特認校」など、学校の在り方そのものを考えなければならないかと思いますし、15校全てを残すことになるのかも含め、つらいですが検討しなければならないと思いますが、御見解をお聞かせください。そして、高校の存続と支援についてでありますが、現在二つの道立高校があり、その存続を願っている多くの市民がいること、商工会議所から要望が出されたことも心強いバックアップであります。存続のためには、少子化の中でこの二つの高校に通学してもらわなければなりません。確かに、北海道立でありますが、地元の働きかけと具体的な取組が必要だと思います。そして、生徒への魅力ある支援だと思います。他の自治体では、通学支援や就職のための資格取得への支援など、いろいろ知恵を絞り出しています。網走市も、高校卒業生が地元に残ってくれるためにも、高校・高校生への支援対策に動き出すべきと考えますが、御所見をお聞かせください。そして、網走南ケ丘高校の定時制についても、タクシーの支援など対応していますが、大切な定時制です。存続のための引き続きの支援をすべきと考えますが、併せて伺います。次に、スポーツ合宿についてでありますが、一時期はラグビーの合宿を中心に非常に活発でありましたが、今は苦戦されている状況と考えます。それぞれの競技の開催時期、ホテルのキャパの問題など、整理しなければならない課題は数多くあるとは思いますが、陸上競技、新たにサッカーの話も出てきていますが、気候、施設の利点を生かして、再度スポーツ合宿誘致に取り組んでいるのか、課題も含め見解をお示しください。さて、次はコロナウイルスの検証についてであります。この感染症は、私が生きていて初めて経験するものでした。ワクチン接種はもちろん、医療・福祉・介護の現場、教育現場、公共施設への対応、観光事業対策、公共交通事業者への対応、そして市民への支援対策など、多種多様・多方面にわたり対応・対策を実施しました。それぞれ、対応・対策について、問題点、成果、今後の課題など、しっかり検証しなければならないと思います。検証はしっかり行うとの答弁もいただいていますが、いま一度、今後の予定も含めお示しいただきたいと思います。また、地方創生(まち・ひと・しごと)の検証でありますが、既に新しい地方創生が動き出していますけれども、今回のこの事業は今の総理が担当であったわけでありまして、地方の活性化を取り組んだわけであります。国は地方に責任転嫁しただけで、何もしなかったように感じるのは私だけでしょうか。東京一極集中は何も変わらず、かえって東京への転入者が増えている状況です。そうはいっても、目標値を設定し、計画を策定し進めてきました。コロナウイルスの発症により、状況は大きく変わりましたが、しっかり検証しなければならないと考えます。大変な作業になると思います。検証の方向は確認させていただいていますが、これも、予定も含めて見解をお聞かせいただきたいと思います。また、石破首相は「地方創生2.0」を掲げ「楽しい日本」をつくるため非常に力を入れています。予算も9,000億円程度つけたようですが、自治体が自由に使える交付金ではないようです。ただ、新たな動きとして、10万人未満の市町村に、必要であれば中央省庁の職員を出向させ、人口減少対策や産業振興を支援する制度が4月から実施されることになりました。職員の支援事業も含め、今後いろいろ見えてくると思いますが、この事業に対するお考えと対応についてお示しいただきたいと思います。次に、ごみの広域による中間施設建設事業と、最終処分場延命についてであります。1市5町による広域の中間施設建設も、具体的な設計に入る準備段階の地質調査で候補地に産業廃棄物の混入が認められ、候補地を白紙に戻し、新たな候補地の選定作業をしているところであります。白紙に至った経緯についての検証結果についてはしっかり見極めたいと思いますが、新たな候補地の選定状況について、現状の報告をいただきたいと思います。あわせて、中間施設の供用開始を考慮しながら、最終処分場の延命対策をしなければならないわけでありますが、最終処分場の現状と今後の課題・対策について、併せてお聞かせください。次は、環境・温暖化についてでありますが、今、世界の気温は産業革命のときから約1.5度上昇していると言われています。最近は、頻繁な大災害の発生、気候変動による自然、生活、農林水産業など産業・経済にまで影響は広がっています。北米先住民の「我々は地球を祖先から譲り受けたのではない。子孫から借りているのだ」、こんな言葉が紹介されていました。この地球は我々がどう使ってもいいわけではなく、大切に使って子孫にお返しするものであります。アメリカが「パリ協定離脱」、私にすれば許せないことです。私たちは、僅かなことでもやれることを積み上げていくしかありません。網走市は「ゼロカーボン宣言」のまちでありますし、いろいろな取組をされていることは評価いたしたいと思います。ただ、いま一度、ささいなことでも市民と一緒にできる取組を、例えば、ノーマイカーデーの市民の日の設定、流氷保護の取組として行ったことのあるキャンドルナイトの取組など、市民の声をもっと拾い上げてみることによって、いろいろなことが浮かんでくるのではないかと考えます。便利さの代償として炭素を排出しているとするなら、たまには不便さを味わってみるのもいいのではと思いますが、御見解をお示しください。次に、公共交通についてでありますが、マイカーの普及と併せてますます人口減少と高齢化が進む今、公共交通の運営は非常に厳しい状況にあります。「いつでも行きたいところに行ける」、このことがベストではありますし、ただ、同時に非常にそのことは難しい課題であります。しかし、その目標に向かって努力することは怠ってはなりません。移動を保障する、とりわけ交通弱者の移動を守ることが公共交通の役割であります。飛行機、列車、バスと使い分けしながらも、身近なバスとタクシーをどう守るかだと思います。どこバスの利用が順調であり、路線バス、どこバス、タクシーの上手な利用方法が求められていると考えます。人材確保の引き続きの対策と、自動運転バスの実証実験の成果に期待させていただきますが、市民の足を守る公共交通に対する網走市の現状把握と、今後の課題についてお示しいただきたいと思います。また、ガソリンの値上げによって、公共交通を担っている、とりわけバス、タクシーが厳しい状況にあることから、何らかの支援が必要と考えますが、併せてお答えいただきたいと思います。そして、DX・AIの時代を迎え、網走市の公共交通計画の見直しでは、DXを活用した「どこバス」、ハイヤー、そして福祉関係車両等の総合的な運行システムの構築を考えるべきと考えますが、御見解を伺いたいと思います。次に、自治体連携についてでありますが、既に災害対応、消防行政、医療など連携しているところもございますが、今後は、進行中のごみの中間処理も含め、介護、教育、観光、公共交通など、多方面にわたって取り組める課題があると思います。まずは、パートナーシップいわゆるジェンダーでは、一歩前へ動き出した定住自立圏でつながっている1市4町を基本に、DX、AIの時代です、もっと具体的な事業展開を考えてはどうかと思います。これからは、自治体の特色・特徴・個性を尊重しながらも、共通する事業や窓口の相互協力と、人事交流も考えてみてはと考えます。また、人事交流では、友好都市の糸満市とは実施していましたが、厚木市、天童市も含め、再度検討してはと思います。そして、事業によっては、先進的な自治体への職員の研修派遣も必要かと思いますが、御所見をお伺いしたいと思います。次に、地域組織いわゆる町内会や区会、民生児童委員等、数多くの団体・組織がありますが、御存じのように、高齢化と後継者不足による運営の継続の危機についてであります。とりわけ町内会は、合併も含めた再編に動き出すことも連合町内会と話し合うべきと考えます。本当に国の組織もありますから、いろいろな団体・組織がありますし、市役所としては多くの担当課に分かれていると思いますが、まず、実態の把握を共有すべきと考えます。市役所の業務の御協力をいただいている多くの団体組織でありますから、実態把握と「対策会議」的な議論をする場の設置が必要と考えますが、御所見を伺いたいと思います。次に、地域おこし協力隊についてでありますが、なかなか実績が表れていないのではと考えますが、これまで何名の地域おこし協力隊員をどのような目的で採用してきたのか、そして、どのような成果が上がったのかをお示しいただきたいと思います。また、協力隊員との採用時のミスマッチはなかったのか、事業の連携はしっかり取られていたのか、そして、定住された方は何人いるのか、この事業に対する網走市の評価と今後の対応・対策について伺いたいと思います。項目ごとに、私ごと私見も含め質問させていただきました。最後になりますが、DX、AI化のスピードの速さです。この私が質問することも不思議に思いますが、ペーパーレス、キャッシュレスは向こう5年で相当進むと思います。人の移動、人と人の接し方が変わります。情報交換にはスピードが求められます。コロナにより、この流れは予想以上に進みました。今後の職員間との仕事の在り方、そして市民との接し方は大きく変わると考えます。市長の新庁舎からの新たなまちづくりのスタートに当たっての決意と、この予想される新たな流れについての御見解をお聞かせいただきたいと思います。誠意ある御答弁を期待いたしまして、会派民主市民ネットの代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
答弁 市長 水谷洋一
-登壇- 民主市民ネット、山田議員の御質問にお答えしたく存じます。初めに、世界情勢と日本の政治、まちづくりの考え方についてのお尋ねでございますが、国際情勢の基本認識として、第二次世界大戦後の秩序はアメリカが大戦で勝利を収めたことが国際秩序の大きな基礎となり、大戦前から英米2か国が主導し、二度と世界大戦が起こらないようにすること、さらには経済的貧困格差が紛争のもとになっていたという認識の下で、国際的な協調と繁栄を実現する枠組みがつくられました。こうしたことで、政治面では国連の設置、経済面ではIMF、関税及び貿易に関する一般協定、いわゆるGATTを基にブレトン・ウッズ体制をしき、それによって世界平和を確立させ、繁栄をしていく世界の構築が図られたところであります。しかし、その後、世界平和が訪れたわけではなく、東西冷戦と呼ばれる自由主義陣営と社会主義陣営の対立が激化し、冷戦終結後はソ連の崩壊により民族や宗教を中心に国々が独立し、民族間抗争や宗教的対立による紛争の頻発、先進国においても宗教団体系の過激派テロが数多く頻発いたしました。そうした中でも、世界は経済的繁栄を続け、特に中国が世界第2位の経済大国となり、軍事・政治的にも世界秩序に大きな影響を与えるまでに成長し、世界の力関係の中で、米国の国力の相対的低下が示されるようになり、世界情勢が不安定化し、その最たる深刻な問題はロシアのウクライナ侵略であり、国連の常任理事国の国連安全保障理事会の決議は採択不可能となっております。加えて、アメリカではトランプ大統領が就任し、先日行われた一般教書演説では、WHO脱退、国連人権理事会脱退、パリ協定脱退、EV義務化撤廃など、戦後の従来の枠組みの変更が劇的に起こり、パックス・アメリカーナと言われた世界は失われつつあるのではないかと感じております。一方、国内に目を転じますと、日本の人口減少を止めることは難しく、コロナショックでこの間の人口動態は約20年早まったことが示されています。出生数、合計特殊出生率、婚姻件数、結婚予定者割合、いずれも減少や低下し、昭和22年、第一次ベビーブームで約270万人だったものが、昨年では70万人を下回るなどとされ、人口減少が進んでいる現実にあります。このことは、網走市においても例外ではなく、シュリンクという不都合な事実を受け止め、この状況にいかに対応し、常に改善を繰り返す政策的持続力が大切であろうと考えているところであります。人口減少の中での地域づくりは、これをやれば解決できるといった画一的なモデルは存在しないということを肝に銘じながら取り組んでまいりたいと存じます。次に、財政状況についてでありますが、令和5年度の決算となりますが、市債残高は345億3,000万円、うち実質負担のない臨時財政対策債などを除く残高は253億6,300万円となっており、公債費に準ずる債務負担行為の残高は14億9,000万円となっております。次に、基金残高は56億6,900万円となり、主な内訳は、財政調整基金が6億1,900万円、減債基金が14億2,300万円、ふるさと寄附基金が30億6,000万円となっております。次に、今後の財政状況でありますが、当市では、中期的な財政運営を念頭に、常に向こう5年の財政収支見通しを作成した上で予算編成に当たっております。令和7年度の予算編成に当たっては、あらかじめ作成した中期財政収支見通しにおいて、約21億円の収支不足が見込まれたところから、これを念頭に事業の取捨選択、事業費の精査、国庫補助金の確保、財政的に有利な起債、基金の活用などにより、収支の改善を図ったところであります。10年といった長期的な財政収支見通しは、不確定要素が多くお示しすることは困難でありますが、今後、新庁舎建設に係る公債費の償還が始まっても、実質公債費比率の改善基調は変わらないものと予測しております。今後、消防本部庁舎建て替え、広域での廃棄物中間処理施設の整備、大型建設事業が控えておりますので、引き続き、社会経済情勢や国の地方財政対策などの動向に注視しながら、中期的な財政運営に努めてまいります。次に、農業の情勢についてでありますが、JAオホーツク網走の令和6年度農産物取扱額は、バレイショは計画を上回りましたが、麦類、てん菜は高温の影響もあり、計画を下回る見込みとなっております。また、ウクライナ情勢や円安による肥料や飼料、燃料など、農業生産資材価格の高止まり、エゾシカなどの有害鳥獣による農業被害の急増、ジャガイモシストセンチュウ類などの蔓延に伴う種芋不足、酷暑による収量や品質の低下などが農業経営に影響を与えているところであります。また、経営面積の拡大に伴い、スマート農業など省力化は必須となっておりますが、この導入経費の増大も課題となっているところであります。このため、国におきましても、食料・農業・農村基本法を四半世紀ぶりに改正するとともに、関係法を改正し、食料安全保障や農産物の再生産に見合う価格への転嫁について、施策への反映が進んできていると考えております。市といたしましては、この国の施策を積極的に活用するとともに、個別の課題については、市独自の農業者サポート事業などによる支援を通じて、当市の1万4,200ヘクタールの農地を守り、農業の持続的発展を目指してまいります。次に、有害鳥獣対策と猟友会との連携でありますが、猟友会の方々には、特にエゾシカについては、近年、農業被害が増加していることから捕獲頭数と単価をかさ上げし、重点的に捕獲を行っているところであります。エゾシカの捕獲単価や熊出没時の出動に対する報酬については、毎年、猟友会と協議を行い決定しておりますが、万が一事故発生時のための補償や保険費用にも支援しているほか、出動時の対応も含めて連携は図られているものと考えております。次に、猟友会の現状についてでありますが、北海道猟友会網走支部の網走市の会員数は、令和6年4月現在で67名、平均年齢57.7歳となっており、会員数、年齢ともにほぼ横ばいで推移をしております。他の自治体と比較いたしますと、比較的恵まれた状況でありますが、経験者の高齢化や減少が課題となっていることから、会員確保につながる狩猟免許取得に対する助成などについて、引き続き取り組んでまいります。林業の現状と今後についてでありますが、当市において森林整備を適正に進めるためには、広い面積を持つ私有林の整備が重要であり、網走地区森林組合が主となり作成する森林経営計画に基づき、伐採、造林、下刈り、間伐などを計画的に実施する必要があります。この森林経営計画の当市の認定率は、令和5年で66%になっており、全国平均の30%を大きく上回っておりますが、森林整備の円滑な推進には、国の公共造林事業をはじめ、道の豊かな森づくり推進事業と市の上乗せ補助に加え、森林環境譲与税も活用した市の単独補助により、森林所有者の負担をより軽減する必要があると考えております。今後とも適正な森林の維持管理を行い、循環利用していくことが重要であることから、この森林経営計画の認定率拡大のため、引き続き森林意向調査により、所有する森林の維持管理について、計画認定を通して適正に行われるよう働きかけを行ってまいります。次に、こまば木のひろばについてでありますが、この施設は、北海道が保安林内に平成元年から整備したもので、その後、平成27年度から平成30年度にかけて、順次、市へ移管されたものであります。当市への移管後も、自然と調和した施設として、極力人工的な構造物を設置しないよう維持管理を進めてまいりましたが、森に囲まれて昼間も日光が入りづらい環境であるため、木製の施設は通常より腐食が早く、整備から30年以上経過していることから、移管当初には想定されていない改修が必要な状況となっております。このため、倒木や隣接地へ支障を生じるおそれのある木の伐採など、定期的な維持補修のほかに、新年度から利用者の安全と利便性向上を確保するため、園路や休憩スペースの改修、駐車場の整備、森の家の改修などを行うこととしております。次に、網走の水産業・加工業についての現状評価と将来展望についてでありますが、近年の網走市の漁獲量は5万トン超、生産額も100億円超で推移をしておりましたが、昨年におきましては、漁獲量5万7,000トン、生産額158億円となり、網走漁協は金額で過去最高を記録しているところであります。一方で、サケ・マスの来遊数の減少や、ウニなどの磯つき資源の減少、能取湖におけるホタテ稚貝の大量へい死や、全道的なホタテの採苗不振、さらに、近年は以前見られなかったブリ、サバ、フグなどがサケ定置網で混獲されるなど、気象変動に起因すると思われる影響も見られており、当市の漁業を取り巻く環境は不安定な状況となっております。市といたしましては、基幹魚種であるサケ・マスの資源安定化対策や、ウニ、ナマコの磯つき資源増大対策を進めるとともに、変動する海洋環境に対応するために、必要な沿岸観測機器の整備や漁業調査船整備に対する支援を行ってまいります。あわせて、漁獲される水産物の販売促進や付加価値向上を進め、漁業者や加工事業者が実施する意欲的な取組に対しても積極的に支援してまいります。次に、観光の課題と今後の展望についてでありますが、昨年4月から9月までの上期の観光客入込数は74万900人で、前年度比105.8%、延べ宿泊者数は23万57人で、前年比103.2%となりました。外国人観 光 客 の 延 べ 宿 泊 者 数 は 2 万 830 人 で 、 前 年 比131.7%という状況で、台湾、香港を中心に回復傾向にあります。また、流氷観光シーズンを迎え、国内外の観光客で大いににぎわいを見せており、現時点では入込・宿泊数ともに前年を上回り、回復基調に向かっていると認識しております。また、今年度、観光客の意識や行動実態、消費額の調査を行う観光消費動向調査を実施しており、現在分析を進めているところでありますが、令和5年度より取り組んでいるデジタルマーケティングのデータ分析と併せて、今後、プロモーションと受入体制整備に役立てていくとともに、次年度策定予定の網走市観光振興計画に反映させてまいりたいと存じます。当市の課題といたしましては、繁忙期における宿泊キャパ不足が挙げられますが、2026年以降に180室を備えるホテルが市内に開業される予定と伺っておりますので、期待をしております。その一方で、閑散期には入り込みが大きく減少するなど、観光入り込みの季節的偏在の解消を図っていく必要があるものと考えているところであります。次に、宿泊税の使い道と見える化についてでありますが、昨年、学識経験者や宿泊観光事業者などで構成する検討委員会で宿泊税導入の議論をいただき、その答申の中で、宿泊税の使途につきましては、大きく分けて地域資源の磨き上げと魅力向上、持続可能な観光地づくり、受入環境の充実に充てることとされており、当市としても、この答申に沿った事業展開を進めてまいりたいと考えております。また、宿泊税の財源を活用した事業につきましては、内容と金額を毎年度公表し見える化を図ってまいります。次に、酒蔵の建設により、観光や産業振興、地方創生分野の発展のほか、日本酒製造の過程で発生する酒かすの活用、雇用創出など様々な効果が期待できるものと考えております。また、伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録されたこともあり、日本国内だけではなく、海外でも日本の酒への注目が年々高まりを見せており、当市においても、地酒の誕生に期待を寄せているという声を伺っているところであります。今後も、網走の魅力を積極的に発信してまいりたいと考えておりますが、網走の観光をPRする網走観光大使や商工会議所が行っている土の人・風の人といった取組のように、企業や観光庁の出先機関に勤めている方々が、網走での生活の中で、地元にお住まいの方々とともに食、文化、伝統などの体験を通じ、網走のファンになっていただいて、この地を離れた後も網走の魅力を広げていただく網走ファンクラブや網走応援人・応援隊の方々と連携を一層深め、網走の地酒のさらなる発展につなげてまいりたいと考えております。次に、個人病院の開院についてでありますが、これまでここ数年で開業医誘致制度により四つの診療所が開設し、通常の診療に加え、日曜・休日における内科系一次救急の体制確保の面からも大きな成果があったものと考えております。今後も医師会をはじめ医療機関との情報交換により、医療提供体制の状況や課題の把握に努めるとともに、内科に限らず開業医の誘致に取り組んでまいります。網走厚生病院の体制強化についてでありますが、網走厚生病院は、二次医療圏の地域センター病院や地域周産期母子医療センターとして、市内及び近隣4町を含めて医療機提供体制の中核として、住民の命を守る重要な医療機関であります。このため、これまでの医療機器の整備や診療科の維持に対し、支援を行ってまいりましたが、今後とも医療提供体制の確保に向け、従来の支援も含め支援を継続してまいります。次に、網走厚生病院整形外科の体制についてでありますが、令和7年4月から派遣医師により、整形外科の外来診察は再開されることとなりましたが、大学からの派遣医による対応であるため、整形外科患者の救急対応については、従来の対応とは異なる状況が当面続くこととなります。このことから、市内の二次救急対応医療機関である網走記念病院や、北見赤十字病院をはじめ、市外の医療機関の協力により必要な救急医療体制を確保したところであります。次に、医療MaaSの利用拡大や今後の展望についてでありますが、令和6年4月から参画医療機関を拡大し、二次医療機関で実証運行を行ってまいりました。これまでの実証運行において課題の検討及び改善を行い、令和7年4月から本格運行に移行いたします。また、令和7年3月からは、道立向陽ヶ丘病院による福祉施設入所者を対象としたオンライン診療を開始いたします。広域化につきましては、この間、4町及び医療機関と協議を行っておりますが、広域化による課題の解消のため、医療MaaSを活用した医療提供体制の構築に向け、引き続き協議を行ってまいります。次に、福祉・介護施設の運営状況についてでありますが、介護報酬改定や介護保険事業計画策定に合わせ、アンケート調査を実施し、その把握に努めております。直近では、令和5年に調査を実施しておりますが、その結果では黒字の事業所が4%、ほぼ収支均衡が保たれている事業所が48%、赤字、やや赤字の事業所が43%となっております。また、各介護施設の稼働実態ですが、市内には施設系のベッド数は573床あり、そのうち約1割弱が介護員の不足などにより空床となっている状況であり、介護人材の確保は喫緊の課題であると認識しております。なお、令和6年度に報酬改定があったことから、令和7年度にアンケート調査を実施いたします。次に、福祉・介護施設への総合的な支援についてでありますが、介護サービスに対しましては、国が定めた介護報酬が支弁されており、現時点で市独自の支援を行う考えはありませんが、国による介護人材確保、職場環境改善等事業補助金の活用など必要な情報について、各事業所への周知を行ってまいります。また、介護人材確保対策としては、これまで行ってきた介護初任者研修、介護支援専門員研修助成などに加え、令和6年度より再就職支援金助成に取り組んでまいりました。今後も事業所と連携をして必要な対策を継続してまいります。次に、訪問介護事業所における現状と課題についてでありますが、令和6年度の介護報酬改定では、提供時間に応じて身体介護で2.1%から2.4%、生活援助で2.2%のマイナス改定となりました。一方、改定前の最大22.4%の上乗せだった処遇改善加算が、令和6年6月以降は2.1%引き上げられ、最大24.5%の上乗せが可能となりました。給付実績では、市内全事業所における改定前の令和6年3月実績と、4月から10月の月平均を比較いたしますと、0.4%のマイナスとなっておりますが、昨年8月に実施した聞き取り調査では、ほとんどの事業所より報酬改定についての大きな影響はないとの回答を受けており、市内において報酬改定による大きな影響はないものと認識しているところであります。次に、コロナウイルス対策の検証についてでありますが、新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの対応について、総括を行うことにより今後への備えとすることを目的に事業検証作業を進めております。この検証は、これから起こり得るパンデミックにしっかりと対応するために、今回の取組を記録として残すことに主眼を置いておりますが、パンデミック等感染症への対策として、令和7年度中に、新型インフルエンザ等対策行動計画の改定を行う必要があるため、この計画改定の先行作業として、令和7年度の早い段階で、新型コロナウイルス感染症対策の検証取りまとめを行う予定となっているところであります。次に、総合戦略の検証についてでありますが、現行の総合戦略は令和6年度が最終年度であり、効果の検証は令和7年度に実施いたします。検証に当たっては、農業、漁業、商工業、観光業、医療、福祉、金融、労働組合など、各分野の委員18名からなる選択する未来会議において、御意見、御提言をいただくこととしております。令和5年度末の状況は、全70項目中、目標達成が難しいと考える項目は40項目、一方、目標達成できる見込みのもの及び既に達成したものは30項目となっており、現時点での目標達成率は約4割となっております。このことは、2020年から2024年の5年間の戦略期間のうち、2020年3月に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大により、およそ3年以上が観光をはじめとして様々な分野において大きな影響を受けた結果と考えているところであります。次に、地方創生に係る国の人材支援についてでありますが、令和7年度より、国の職員が課題を抱える中小規模の自治体に寄り添い課題解決に向けた助言を行う、伴走型支援制度が創設されます。当市では、現在、専門的な知見を持った外部人材の活用では、デジタルフェローや推進産業、教育DXフェローの委嘱及び北海道職員の派遣受入れなどを行っております。人材育成の面では、法務省矯正局との人事交流や日本ラグビーフットボール協会への派遣を行っているところであります。議員からお話がありましたように、伴走型支援制度につきましては、当市において、どのような分野での活用が可能なのか調査してまいりたいと思っております。次に、中間処理施設の建設事業と最終処分場の延命についてでありますが、初めに、広域による廃棄物中間処理施設の新たな候補地の選定につきまして、1市5町で平らな土地で1万4,000平米以上の市有地・町有地を出し、第三者を含めた候補地評価委員会において、6月を目途に候補地となる土地を評価いただき、選定していただくこととなっているところであります。次に、最終処分場の現状と今後の課題対策についてでありますが、令和6年3月に策定した網走市廃棄物最終処分場延命化計画に基づく各種延命化策に取り組んでいるところでありますが、令和6年10月の残余容量測量の結果では、残余年数が4年と推定されており、かさ上げを実施することでおおむね3年ほど延命できるものと考えております。一方、先ほど御答弁申し上げたとおり、広域での中間処理施設の建設候補地を新たに選定していくことになった影響もあり、延命計画を予定していた堰堤のかさ上げだけでは、中間処理施設の供用開始までの間、埋立容量を確保できないおそれがあることから、令和7年度は最終処分場内の掘削、埋戻しを行う容量確保を予定するなど、さらなる延命化を図ってまいります。また、最終処分場の管理に当たっては、事業者の持つ知見を生かした提案を受け、効果の見込める対策を取り入れ、延命化に取り組んでまいりたいと考えております。次に、地球温暖化防止の取組についてですが、日常生活の便利さを享受することは地球温暖化の要因になる二酸化炭素の排出も多くなり、現代の生活の二律背反とも言える状況と考えております。議員御指摘のバスなどの公共交通への利用促進は、自家用車を利用しないノーマイカーの取組となり、二酸化炭素排出削減にもなるなど、様々な課題への取組が結果として脱炭素の取組となっております。このことから、令和7年度の地球温暖化対策推進事業では、市民、事業者の皆さんとの意見交換などにより、様々な二酸化炭素排出削減に取り組んでいくことを検討してまいります。議員御指摘のアイデアもいただきましたので、多くの市民・事業者の皆様に、二酸化炭素の削減に協力いただける取組も進めてまいりたいと存じます。次に、公共交通に対する現状把握についてでありますが、全国的に人口減少、少子高齢化の進展、マイカーの普及に伴い、公共交通利用者の減少が続いており、この傾向は今後も続くことが見込まれます。これは、当市においても同様でありますが、JR、バス、タクシーの公共交通手段が、網走において確保されている現状をいかに維持させていくかということが重要であると考えております。このような状況下、JRにおいては路線の存続が大きなテーマとなり、バスにおいては人手不足に伴う運行体制の見直しが行われる中、効率的な運行と利便性の維持向上を満たす各交通手段の特徴を生かした持続的な交通体系の構築が重要であるものと、このように認識しているところであります。次に、バス・タクシー会社への支援についてでありますが、物価上昇、燃料費の高騰が交通事業者の経営に大きな負担となる中、特に通学などで欠くことのできない路線バスについては、運行の維持を目的として、経費の不足分を支援しているところであります。他方、タクシーにつきましては、郊外地区の乗合交通実証運行など、公共交通としての役割を担うケースもあると認識しておりますが、基本的に必要に応じて配車し、利用した乗車料金を支払って御利用いただくものと考えております。各事業者とは必要に応じて、適宜意見交換をしてまいりたいと存じます。次に、総合的な運行システムの構築についてでありますが、令和7年度に予定している公共交通計画の見直しにあっては、DXの進展が著しい状況も踏まえ、ICTのさらなる活用が求められております。議員御指摘のモビリティーのほか、自動運転車両など総合的な運行システム構築の可能性も含め、関係事業者の実情や考え方を伺い、網走市公共交通活性化協議会の中で協議してまいりたいと考えております。次に、定住自立圏についてでありますが、1市4町はこれまでも共有する分野ごとに様々な連携体を構築し、救急医療や小児科・産科医療体制の確保、地域公共交通の維持、産業の振興、生活排水・し尿・汚泥の処理、介護認定、認知症サポーターの養成、職員研修など、様々な取組を展開しております。近年では、災害対応訓練の共同実施、パートナー宣誓制度の導入、廃棄物の広域化処理に当たっているところであります。引き続き、各自治体の特色を生かしつつ、効率的な行政運営や基礎自治体のみでは解決が困難な課題への対応に向け、連携を強めてまいります。次に、友好都市糸満市との人事交流についてでありますが、これまで平成15年度から平成18年度まで、平成25年から28年までの間、延べ8名の交流を行っております。人事交流につきましては、費用負担や服務、住居確保など双方の合意が必要であり、また、職員の配置状況を考慮する必要がありますので、まずは関係機関と意見交換をしてまいります。次に、派遣研修でありますが、知識の向上及び視野の拡大を図るため、例年、職員から希望を募り、派遣研修を行っております。今年度は、総務省へ職員を2名派遣しており、引き続き積極的に活用されるよう取り組んでまいります。次に、町内会などの地域活動組織の実態把握と対策会議等の設置についてでありますが、地域活動を行う団体に係る市役所での担当関係課は多くありますが、運営に係る関係は、特に主に市民環境部と健康福祉部の各課に多い状況にあります。各団体に共通する課題は、役員、会員の高齢化と役員の担い手不足であり、町内会は解散しているところもあり、また、年々団体存続への影響が出てくることへの不安の声が大きくなっているものと認識しております。実態の把握につきましては、町内会に関しては、町内会連合会が実態調査のアンケートを行ったり、担当関係課が関係する団体等から相談や協議をする中で把握しているところでありますが、対策、対応が課題となっております。社会福祉協議会では、社会福祉協議会、町内会連合会、老人クラブ連合会、民生委員児童委員連盟、地域包括支援センター、市役所の関係課で構成する網走市地域福祉会議を設置しておりますので、そういった場でも御意見をいただき、対策について引き続き取り組んでまいりたいと存じます。次に、地域おこし協力隊についてでありますが、平成27年以降、7名の協力隊員を任用し、現段は2名の隊員が活躍されております。これまで、オホーツク流氷館2名、まちづくり会社に3名、監獄博物館に1名、コネクトリップに1名を配置し、観光振興を中心に市街地の活性化、SNSを活用した網走のPRのほか、青年会議所での活動や高等学校での英語講師として活躍される方もおられます。採用に当たっては、あらかじめ条件を示し、面接時に本市にお越しいただき、活動の様子や生活をイメージしていただくなど、ミスマッチ防止に努めるとともに、任用後は面談を通じて、隊員が活動しやすい環境づくりに配慮してまいりましたが、定住につながった隊員は1名で、十分な成果とは考えておりません。今後におきましても、柔軟な任用形態、起業化に向けた支援に取り組んでまいります。次に、DX・AIの技術進歩、新たなまちづくりについてでありますが、庁舎建設に当たり、市議会から御議論いただいた際に、Society4.0の情報化社会から5.0の社会に移り、そこに対応する市役所を目指していくといったようなお話をさせていただいたところでもあります。Society4.0の世界はインターネットで情報を得るという世界とするならば、5.0はフィジカル空間とサイバー空間を無意識にシームレスにつながっていく社会とでも言うべきものでありましたが、いとも簡単にAIによって、もうそれも突破した感さえあるわけであります。AIによって健康寿命の延伸、社会コストの抑制を目指した遠隔医療が行われ、食料の増産、ロスの削減を目的としたスマート農業の展開、人手不足の解消のための無人店舗の展開など、つい5年前までには「あったらいいね」という想像の世界から現実になっており、そのスピードは十年一昔と言っていたものが、一年一昔の様相さえ呈しているものと存じます。こうした時代の流れと技術革新を行政運営に今後も取り入れていくことが何よりも重要なことと考えているところであります。
答弁 教育長 岩永雅浩(教育長は2025年3月まで)
-登壇- 教育委員会関係についてお答えいたします。初めに、いじめについてでありますが、令和5年に発生した市内二つの中学校での事案につきましては、令和5年3月21日と同年10月11日に、いじめ防止対策推進法及び網走市附属機関条例に基づき、学識経験者や医療、心理、福祉に関する専門的な知識を有するもので構成する調査委員会をそれぞれ設置したところでございます。これまで、市教委や学校が保管する書類関係の調査や関係者への聞き取り調査などが行われてきましたが、市教委も調査対象となっておりますので、詳細な調査過程や内容などは把握することができない状況でありました。このような状況で調査が進められ、令和5年3月21日設置の調査委員会からは、令和6年12月18日付で調査報告を受け、これまでに被害生徒保護者への説明を行い、その意向に従い、現在、調査報告書の公表に向けて準備を進めている状況でございます。また、令和5年10月11日設置の調査委員会の調査につきましては、聞き取り調査等を終え、現在調査報告に向けて取りまとめの協議を行っていると伺っております。こちらにつきましても、調査報告を受けた後は、原則公表することを考えてございます。次に、いじめと不登校の現状についてでありますが、令和6年11月に実施しました令和6年度いじめの問題の実態把握及びその対応状況等調査では、市内小中学校でいじめとして認知したのは282件であり、小学校で232件、中学校で50件の報告がございました。これらは、いじめ防止対策推進法のいじめの定義である児童生徒が嫌な思いをしたという、行為の大小に関係なく学校が実態を把握し、解消するために積極的に認知している数となっています。また、不登校人数は、1月末現在、市内小中学校で87名となっており、小学校が33名、中学校が54名となっています。今日、解決に向けた取組が求められている教育上の課題として、いじめ、不登校が挙げられます。いじめ、不登校の問題の背景には様々な要因が考えられ、個々のケースによっては対応が多様化しているため、どの学校にもいじめはあり得る、不登校は、どの子供にも起こり得るものと認識した上で、子供の発する危険信号を鋭敏に捉えたり、どんなささいなことでも必ず親身に相談に応じるなどして、その早期発見に努める取組が重要です。網走市内の学校では、校長のリーダーシップの下、学校が一丸となって、その解決に至るまで取り組めるよう、市教委といたしましても、ソフト及びハードの両面においてしっかりと連携してまいります。次に、小規模特認校の状況と新年度の方向性についてでありますが、令和7年度当初の市内の新小学1年生の児童数見込みは約180人で、潮見小学校を除く8小学校のいずれも1学級もしくは複式学級による編成が見込まれているところです。このように、少子化が急速に進む中、地域における将来的な学校の維持存続を図るべく、学校、PTA並びに地域からの要望を受けて、令和7年度より呼人小中学校は、網走市内では初めてとなる、指定の学校区以外からの通学希望者の受入れを可能とする小規模特認校として、新たなスタートを切ることとなりました。この1年間は、児童生徒や保護者に対し、小規模特認校制度の周知とPR、また、昨年9月には、学校見学会・説明会を行い、新年度からの通学希望者の申請受付を行った結果、呼人小学校で5名、呼人中学校で3名、合計8名の児童生徒が新年度から小規模特認校で、新たな学校生活を始める予定となっております。今後につきましては、少人数での教育のよさを生かしたきめ細やかな指導や、呼人小中学校の環境を生かした特色ある教育活動を通じて、児童生徒が健やかに成長できる学校運営に努めてまいります。次に、学校の適正規模・適正配置の検討についてでありますが、昨年3月に策定しました網走市学校施設等改修計画では、本市の学校施設等の約6割が建設から30年以上経過し、老朽化・機能低下が進行しており、建物の健全性を評価する健全度が40点から49点の施設が、校舎、屋体、調理場、教職員住宅で20施設に上る状況であり、今後、健全度が40点未満なら優先的に長寿命化改修等の対策を講じることが望ましいとされているところでございます。また、向こう30年間で必要な長寿命化改修を算出いたしますと、小学校が約224億円、中学校が約98億円、学校給食施設が約5億円、教職員住宅が約10億円となり、総体で約337億円を要することとなっております。本計画を踏まえながら、今年度より本格的に教育委員会協議会で議論を重ね、地域と連携した義務教育における9年間の一体的教育の実現を目指して、網走市小中学校適正規模・適正配置に関する基本的な考え方を現在まとめている状況でございます。この基本的な考え方がまとまりましたら、市議会に内容を御説明させていただいた後に、本件に関する検討協議会を設置し、(仮称)網走市立小中学校適正規模・適正配置基本計画を策定し、学校施設と改修計画も踏まえながら、学校施設等の再編や改修を進めてまいりたいと考えているところでございます。次に、高校及び高校生に対する支援についてでありますが、少子化による中学卒業生の減少、また、高校進学時における生徒の進路選択の多様化などにより、公立高校の今後の維持存続は当市のみに限らず、全道、全国的な課題となっております。今後も急激な人口減少が見込まれる中、生徒数の減少により、募集定員に対し欠員が生じる状況が続くことになれば、北海道教育委員会が毎年度策定する高校配置計画により、間口の削減や高校再編などの措置がここ数年のうちに具体的に提示されることも十分想定されます。地元高校の維持存続は、義務教育である小中学校の将来の在り方にも密接につながっており、さらには未来のまちづくりにも大きく関わる重要な課題だと考えています。そのため、市内二つの高校がそれぞれの役割を明確にして、多様な学習ニーズに対応した教育課程の工夫改善のほか、今後の社会変化に柔軟に対応できるよう、今年度、高校の在り方検討懇話会を設け、市内高校の在り方の方向性、論点整理を今月中にまとめることとしております。これを基に、令和7年度に地域に根差した魅力ある高校づくりに向けて、学校をはじめ市内関係機関が一体となって取り組む検討組織を新たに設立し、具体的な内容、取組などを検討することを考えておりますので、その中で、高校や高校生に対する必要な支援策についても議論されることと考えております。次に、網走南ケ丘高校定時制課程に対する支援についてでありますが、定時制課程の教育環境の充実のため、教材教具などの整備に対する支援のほか、夜間に通学される生徒の利便性の向上、また安全性の確保という目的から、下校時における公共交通手段の確保に対する支援を行っています。今後も引き続き定時制教育への支援を行ってまいります。次に、スポーツ合宿についてですが、令和6年度はラグビーで男子セブンズ代表など3チームのほか、陸上競技、女子プロサッカー、スピードスケート、車椅子レーサーなど合計56団体、911人に合宿を実施していただいており、令和5年度と比較しますと、5団体67人の増加となっております。令和7年度につきましても、ラグビー合宿の増加は厳しい状況ではありますが、ラグビーリーグ戦では開幕時期の変更が検討されているとの情報があり、開幕時期が変更となった場合、以前のように多くのチームに合宿を実施していただける可能性がありますので、これまでのチームスタッフとのつながりを生かし、社会人や大学のチーム、ラグビー協会に対して誘致活動を継続してまいります。ラグビー合宿が減少する中、令和2年度からは女子プロサッカーチームへの積極的な誘致活動を展開し、令和6年度は前年に引き続き3チームに合宿を実施していただいており、令和7年度も合宿を実施していただけるとの連絡をいただいております。また、Jリーグが2026年から秋春制へシーズン移行されることに伴いまして、北海道で多くのチームがトレーニングキャンプを実施することが想定されております。本市におきましても、昨年7月にJリーグ所属の数チームに視察していただいており、練習環境や空港からのアクセスのよさ、冷涼な気候などの利点につきましてPRをしたところです。視察していただいたチームは、網走合宿実施を前向きに検討いただいていると考えますが、今後、受入れに際して、グラウンドの使用方法などの課題について、それぞれのチームと協議、検討し、受入体制を整え、合宿実現に向け誘致活動を積極的に実施してまいります。スポーツ合宿誘致活動において、ここ数年は宿泊施設の確保が大きな課題となっております。スポーツ合宿時期は、観光客が多数訪れる時期であるとともに各種スポーツ大会開催時期とも重複しておりますことから、各競技のチームとともに宿泊施設の確保に苦慮されております。宿泊施設の総数が限られている中、近隣市町の宿泊施設の活用など、広域でのスポーツ合宿受入れを視野に、近隣自治体との連携を図ってまいります。