洞爺湖町議会 令和6年9月会議 2024年9月10日
当町における生物多様性の取組状況について
2024年9月10日、洞爺湖町議会の一般質問で、室田崇行議員が「当町における生物多様性の取組状況について」質問し、産業振興課長 仙波貴樹、洞爺総合支所副支所長 片岸昭弘、町長 下道英明が答えました。
- 聞いた人
- 室田崇行 議員
- 答えた人
- 産業振興課長 仙波貴樹、洞爺総合支所副支所長 片岸昭弘、町長 下道英明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 6番 室田崇行
それでは、次の質問に移っていきたいと思います。生物多様性地域戦略の策定について町の考えはということです。生物多様性というのがちょっと分からない方もいたら困るので、ちょっと説明したいと思います。環境省の広報誌のecojinというのがあるのですが、それが分かりやすく解説してくれていたので、そちらから抜粋します。私たちの地球には、目に見えない細菌から象のような大きなものまで3,000万種類もの生き物がいると言われています。全ての生き物は長い歴史の中、異なる環境下で自分たちの居場所を見つけながら共に進化してきました。アリもハトも、ライオンも人も、タンポポも柿の木も、バクテリアも、それぞれの個性を認め合い、お互いにつながり、直接的・間接的に支え合ってきたからこそ、私たちは今存在しているのです。このことを生物多様性と呼びます。これは人間の社会にも当てはまると僕は思っていて、いろんな業種の方々がいて社会は成り立っているというふうに見ればちょっと分かりやすいのかなと思います。そこでですが、当町における生物多様性の取組状況についてお伺いいたします。
町の答え 産業振興課長 仙波貴樹
ただいまのご質問でございます。当町における生物多様性の取組状況ということで、2005年に洞爺湖で初めてウチダザリガニが発見されて以来、これらの生息域内では水草やスジエビなどの在来種が激減したことから地域を挙げて洞爺湖固有の生物多様性を保全するため、隣の壮瞥町やボランティア団体UWクリーンレイク洞爺湖をはじめ関係機関などと連携し、洞爺湖生物多様性保全協議会を設立し、当該協議会を中心としたウチダザリガニの防除に取り組んできたところでございます。直近の捕獲数を申し上げますと、令和3年度で7万8,184匹、令和4年度で6万6,008匹、令和5年度で6万4,984匹となっておりまして、2年連続で減少傾向となってございます。協議会設立後15年間継続したこれまでの防除活動と関係機関の支援による効果であると考えられております。その一方で、近年はウチダザリガニの生息域は洞爺湖一円に広がりつつあり、国の補助金などを活用しながら限られた予算の中で捕獲調査や洞爺湖の水草の生息調査、また、生物多様性保全の意識醸成のための啓発活動などを実施しているところでございます。以上です。
町の答え 洞爺総合支所副支所長 片岸昭弘
私のほうから洞爺湖の中島のエゾシカの状況についてご説明をさせていただきます。平成15年に過去最大の400頭を超える頭数が確認されておりますが、植物への食害による壊滅的な状況に陥ってございます。かつて生息しておりました動物、昆虫も減少しまして生物多様性が壊されているという状況になってございました。30年以上続きました鹿の採食の影響によりまして、島内の植生構造が大きく変化してございます。1977年に460種確認されておりました植物種は、2000年の初頭では150まで減少してございます。フッキソウやハンゴンソウなどのエゾシカが好まない植物の密度が増加する状況となってございました。平成24年2月10日に洞爺湖中島エゾシカ対策協議会の設立と同時に、酪農学園大学が代表として環境省による環境教育総合推進費を受託して、洞爺湖中島のエゾシカを大量捕獲した結果、200頭超から平成26年3月には56頭まで減少させることができてございます。その後、環境省による試験捕獲等事業によりまして年間数十頭の捕獲を行い、低密度の維持をしてきてございます。令和6年3月の時点では49頭と報告を受けてございます。洞爺湖中島エゾシカ対策協議会では、令和3年度に新たな洞爺湖中島エゾシカ管理計画を決定して、生殖頭数をゼロとし、植生回復に向けたモニタリングを継続しながら、中島の森林植生の再生を目指すことを目標として、本年3月に環境省及び農林水産省が実施主体となる国立公園内で実施されます洞爺湖中島生態系維持回復計画を決定され、島内の植生が健全に更新できる生態系へと回復させ、その生態系を維持する事業目標を定められたところでございます。次年度以降につきましては、各種対策が講じられる計画となっている現状にあります。以上でございます。
議員の質問 6番 室田崇行
ありがとうございます。現在は主に洞爺湖、湖のほうと中島のほうで生物多様性の取組が行われていることだと思います。その中でも、水草の調査の部分では絶滅危惧種の水草があったりですとか、そういった取組をする中で、そういった守るべきものが見つかったりもしてくると思います。その範囲を洞爺湖とか中島以外で、もうちょっと広い範囲で考えてやっていく必要もあるのかなと思います。生物多様性というのは地域ごとで異なってくるものであると思います。生物多様性地域戦略という部分ですが、ちょっと法律の部分を持ってきてみますと、生物多様性基本法第13条において、都道府県及び市町村は生物多様性国家戦略を基本として、単独でまたは共同して、当該都道府県または市町村の区域内における生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならないとされています。努力義務というところですかね。そうしたことがありますので、当町においても生物多様性地域戦略が必要となってくると思いますが、町の考えはいかがでしょうか。
町の答え 産業振興課長 仙波貴樹
ただいまのご質問でございますが、生物多様性地域戦略につきましては、地域を支える土台である生物多様性ですとか、自然資本を管理、保全するための全ての土台となる計画というふうに認識してございます。地域の社会経済活動の基盤となる生物多様性や自然資本がなければ人間生活を営むことができず、その地域は立ち行かなくなるというふうにもなります。また、当町の特産品であります農作物や水産物はまさに生物多様性、自然資本から得られる効果の上に成り立っているものとも言えます。持続可能な地域社会を形成する上では生物多様性や生態系を維持することが何よりも重要であることから、地域戦略は大変重要な計画であるというふうに認識してございます。また、先ほどのご質問でもありました生物多様性における取組の中で、洞爺湖生物多様性保全協議会におけるウチダザリガニ防除についても国の補助金を活用していると答弁したところでございますが、最近は洞爺湖以外でも外来種防除対策に取り組む地域が急速に増えてきておりまして、今後は補助金を獲得するためには当該計画が必要となってくるものと認識しているところでもございます。こうしたことから、生物多様性地域戦略の策定につきましては、今後取り組まなければならないものというふうに考えてございます。以上です。
議員の質問 6番 室田崇行
ありがとうございます。生物多様性地域戦略の策定に取り組まなければならないものと考えていると答弁がありましたが、その策定に当たっての考える部分があればお聞かせください。
町の答え 産業振興課長 仙波貴樹
ただいまの質問でございます。洞爺湖町では、2009年7月に酪農学園大学と地域総合交流協定を締結し、これまでの間、多くの学生や指導者がこの地を訪れ、町をはじめ、関係団体、関係機関と連携して洞爺湖周辺の自然環境保全に関する調査研究を行っていただきました。このようなことから、酪農学園大学は、洞爺湖における生物多様性保全や外来種問題に関して多くの知見や洞爺湖周辺での多くの活動経験を有していることから、当該協定の枠組みを活用して策定することが最も現実的な方法であるというふうに考えてございます。以上です。
議員の質問 6番 室田崇行
ありがとうございます。酪農学園大学の環境の分野です。研究者というか環境の専門家が近くにいる環境ってなかなかないのではないかなと僕は思うので、ぜひそういった部分での連携を深めてやっていただければなと思います。それでは、次の質問に移っていきたいと思います。地域総合交流協定を締結している酪農学園大学との連携について伺うという部分です。酪農学園大学の利用状況についてお伺いいたします。
町の答え 洞爺総合支所副支所長 片岸昭弘
酪農学園大学の利用状況についてということでご答弁させていただきます。先ほど答弁の中の協定でございますけれども、協定の内容につきましては具体的な交流内容を規定するのではなくて、地域と大学との交流を促進するため、大学と地域の関係者とともに地域の課題を探り、共に解決策を探っていくことができる協定となってございます。具体的な大学の利用状況でございますが、当初は旧成香小学校であります成香教育研究センターを拠点としまして様々な教育研究をはじめ、地域の各種の行事に参加されておりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の発生後は、新入生合宿オリエンテーションなどが軒並み中止されまして、当町に学生等が来られない状況が続いている現状でございます。また、成香教育研究センターを拠点としておりましたが、調査研修に来られる学生が目的地までの交通手段が確保できず、使用が難しい状況があるとお聞きをしてございます。大学とも今後の利用方法の検討が必要と感じている状況でございます。
議員の質問 6番 室田崇行
ありがとうございます。今、成香の教育研究センターについてちょっと利用が落ちていっているということでありますけれども、アクセスの面ではちょっとあの辺は厳しい面もあるのかなと思うので、できるか分からないですけれども、うまく団地を使って、空いている部屋を使ったりして、そういう研究目的で来る学生をちょっと支援するということで、そういった取組もあってもいいのかなとは感じます。当町を訪れた学生の活動状況についてお伺いいたします。
町の答え 洞爺総合支所副支所長 片岸昭弘
学生の活動状況でございます。成香の先ほどご紹介しました教育研究センターを拠点といたしまして、平成21年から学生の活動が行われている現状にございます。まず、令和5年度の活動の状況について報告させていただきます。まず洞爺湖マラソンへのボランティアのスタッフ、洞爺湖中島におけるカウント調査、自然環境学実験・実習洞爺湖実習、虻田小学校5年生の環境教育事業、また、4年ぶりに対面となる洞爺湖生物多様性フォーラムを開催し、住民との交流事業を再開している現状でございます。また、新型コロナウイルス感染症の発症を機に、学生の現地活動が減少しているという現状です。さらに、洞爺湖中島におきましてのエゾシカの調査においても中止をされたりということから、新たな確認方法としまして、令和3年度からなのですが、ドローンを用いた少人数のカウント調査に切り替えているとのことでございます。ですので、学生が活動する機会が減少しているという現状でございます。また、これまでの酪農学園大学との自然環境再生委託業務に令和5年度から食と健康学類の教授にも加わっていただきまして、ふるさと納税の返礼品になり得る特産品の開発研究や既存商品の問題に対する改善方法を提案いただいたり、新規に栽培が始まってございますサツマイモの品種の統一を図るための食味分析を数値化するなど、北海道の栽培方法の高位平準化を行うため、JAとうや湖との交流など地域の課題を探り解決する交流が始まっていることも現状にございます。以上でございます。
議員の質問 6番 室田崇行
ありがとうございます。学生の活動がちょっと減少しているとのことですけれども、この部分は当町においても関係人口、交流人口の部分にも関わってくる部分であるのかなと思います。酪農学園大学を卒業して民間ですとか、洞爺湖町に移住して仕事をされている方も結構いらっしゃいますので、そういった部分、関係人口とか交流人口の部分でも関わってきますので、その辺もう少し環境分野等でもさらなる連携の強化が必要かと思いますが、町の考えを伺います。
町の答え 産業振興課長 仙波貴樹
ただいまの質問でございます。先ほどの私の答弁と一部重複する部分もございますが、2009年7月に酪農学園大学と地域総合交流協定を締結し、これまでの間、多くの学生や指導者がこの地を訪れ、町をはじめ関係団体、関係機関と連携して洞爺湖周辺の自然環境保全に関する調査研究を行っていただきました。こうしたことから、これまで蓄積した多くの知見や活動経験を基に、生物多様性地域戦略の策定に係るご協力をいただきたいというふうに考えてございます。また、環境分野以外になりますが、特産品の利活用に係る食の分野においても連携を深め、地域活性化につなげていきたいというふうに考えてございます。以上です。
議員の質問 6番 室田崇行
ありがとうございます。環境の分野、そして食のほうでも連携ができて、いろいろ進んでいっているという状況をお聞きしました。いろいろ連携が多岐にわたってくるので、その辺も町側と大学のほうとコミュニケーションをしっかり取って、さらなる連携の強化を図っていただければ町としてもよろしいのかなと感じました。この環境への取組、連携について、最後に町長からあればお願いいたします。
町の答え 町長 下道英明
今、酪農学園大学との提携云々ということでございますが、課長のほうから答弁ありましたので重複しますが、ちょうど2009年、当時の長崎町長が、当時の学長と提携を結んだと。それから既に15年たっているところでございます。そういった中で大学においても学術研究の進展の中で、研究は常に進化していくところです。新たな知見や技術が生まれております。自治体が最新の研究成果を取り入れて地域の課題に役立てるためには、協定の定期的な見直しも必要なのかなと思っているところでございます。そういった点で、今、議員からご提案ありました補助金を獲得するためには、生物多様性地域戦略の策定というのはマストでやらなければいけない形になりますので、協定の中でさらなる形で大学側とも交流協定の更新という言葉の中で、現場の先生方も15年前の方と大分変わっていますので、そこは最新の提携をどうやって結んでいくか、先ほどありましたように環境だけではなく、JAともつながってサツマイモのほうも一生懸命やっておりますので、食の分野ということも、これはまだ入っていなかったので、そこも含めて検討させていただきたいと思います。以上でございます。