みんなの議会

標茶町議会 令和5年第1回定例会 2023年3月3日

酪農・畜産業の危機的現状を乗り越える実効ある施策を

2023年3月3日、標茶町議会の一般質問で、渡邊定之議員が「酪農・畜産業の危機的現状を乗り越える実効ある施策を」について質問し、町長 佐藤𠮷彦、農林課長 村山尚が答弁しました。

質問者
渡邊定之 議員
答弁者
町長 佐藤𠮷彦、農林課長 村山尚

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 1番 渡邊定之

次に、酪農・畜産業の危機的現状を乗り越える実効ある施策をについて質問いたします。新聞、テレビ等で報道されている酪農・畜産業の危機的状況は本町においても同じであると考えますが、実態について伺います。根釧の酪農について議論する組織として「根釧酪農ビジョン推進会議」をはじめ農協を中心とする組織があるが、どの程度の頻度で議論されているのか。また、その主な内容についてお聞きいたします。国の対策として、「乳牛リタイア事業」「セーフティネット資金」等が出されています。どの程度活用されているのか伺います。このような生産制限を前提とした対症療法的な施策では、現在の危機的状況を乗り越えることはできないと考えます。今後、持続可能な酪農・畜産経営に結びつく施策が、今、最も重要であると考えますが、町長の所見を伺います。

答弁 町長 佐藤𠮷彦

1番、渡邊議員の酪農・畜産業の危機的現状を乗り越える実効ある施策をとのお尋ねにお答えいたします。1点目の本町酪農・畜産の危機的状況の実態についてのお尋ねについてですが、議員ご指摘のとおり、新型コロナに伴う需要低迷を受けて令和5年度も生乳の需要緩和傾向が続く見込みであるほか、脱脂粉乳の在庫も5年度末には18.7%増の12万トンになるとの業界団体Jミルクの見通しも新聞報道されております。また、ロシアのウクライナ侵攻や円安の影響により燃料、配合飼料などの生産資材が高騰しており、令和4年度の農業物価指数によりますと、令和2年度を100とした指数で生産資材の価格は116.6%となり、統計が残る昭和26年度以降で最高とのことであります。昨年夏から価格が暴落している初生トクをはじめとする個体販売価格についても依然として状況は改善していないことから、本町酪農・畜産業は、かつてないほど非常に厳しい状況下に置かれていると理解をしております。2点目の「根釧酪農ビジョン」での議論の頻度とその内容はとのお尋ねについてですが、根釧酪農の将来のための大きな組織をつくり、一定の方向性を持った取組を進めることを期待する声が高まり、根釧地域の市町村長及びJA組合長が一堂に集まり、新たな根釧酪農構想検討会議を立ち上げ、平成27年2月、根釧酪農ビジョンが策定されております。現在、ビジョンの目標などを踏まえ、3回程度の幹事会と年1回の推進会議を開催し、各市町村やJAの取組の情報共有や担い手育成確保などの共同取組活動を実施しております。3点目の国の対策としての「乳牛リタイア事業」「セーフティネット資金」がどの程度活用されているかとのお尋ねについてですが、JAしべちゃからの情報によりますと、酪農経営改善緊急支援事業、いわゆる乳牛リタイア事業については令和5年3月から9月までで、第一次取組として54件の農家で426頭の削減計画があるという状況です。セーフティネット資金についてですが、JAしべちゃの実績、見込みを含め令和4年度末で延べ194件の実行件数とのことで、令和3年度の延べ25件を大幅に上回る状況となっております。釧根管内、北海道においても同様の傾向にあることから、この部分においても酪農情勢がかつてないほど厳しい状況下にあるものと考えます。4点目の持続可能な酪農・畜産経営に結びつく施策が最も重要ではないかとのお尋ねについてですが、生産基盤の維持については、まずは国や業界団体が現状の課題を把握し、需給調整の在り方や各種対策を検討するなど、様々な対策を講じていくことが大前提であることから、今後も引き続き、国、道に対しましてカレント・アクセス輸入枠の見直し、飼料、肥料の資材高騰対策、適正な乳価の設定などについて要望を継続してまいります。町としましては、JAしべちゃと情報交換をする中で生産抑制や資材高騰の諸課題を踏まえ、国の飼料高騰に伴う緊急支援事業では不足しているとの認識から、昨年末には経産牛1頭当たり計2,800円、町が1,200円、JAが1,600円の助成をさせていただいております。また、元旦の多和平初日の出を見る会では牛乳の無料配布を実施しておりますが、今後も酪農振興会連合会との連携など牛乳の消費拡大やPR活動を実施し、牛乳消費拡大を国民全体で取り組むという機運を高め、活動を展開してまいります。根釧酪農ビジョンが掲げる大きな目標の一つに草地型酪農推進があります。家畜飼料が高騰する中、酪農の基礎であります根釧の強みである広大な草地を生かす中で環境とも調和し、自給飼料に立脚した草地型酪農を推進することとしており、JAしべちゃの中期農業振興計画においても、草地植生改善率6%から8%に向上させるという目標を掲げております。また、町としても本町の有する広大な面積の草地を最大限に活用することが持続可能な酪農・畜産経営につながるものと考えており、新年度の予算においても酪農再興事業の継続とその支援メニューの拡充についてご提案させていただく予定です。いずれにしましても、今後の対応につきましては引き続き関係団体との情報交換を図る中から効果的な施策を検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

質問 1番 渡邊定之

第1点目にテレビ等で報道されている実態について伺いましたけれども、今日の農業新聞だと思うのですけれども、北海道と千葉の酪農の実態調査を行った結果、107戸の農家を対象に行った数値でしたけれども、98%がもう赤字だという報道がされていました。それで、2点目の酪農ビジョンの会議の内容についてですけれども、ここでは今、酪農の状況でこういう点が問題なのだとか、そういう具体的な議論はされる機会があるのですか。

答弁 農林課長 村山尚

担当課のほうからお答えさせていただきます。根釧酪農ビジョンで酪農の置かれている厳しい状況下について議論されているかというところだったのですけれども、その部分につきましては、当然議論はしております。様々な支援をそれぞれの町やJAにおいてしているわけなのですが、その支援についての情報交換を図りながら今後どのような対策が必要なのか、結果的にそれぞれの町やJAでそれらについては取り組むことになるのですけれども、そういった情報交換と今後の対策について幹事会等で話合いを進めているところでございます。

質問 1番 渡邊定之

そういう場で、今いろんな報道や何かで、今回の生産抑制の中で現場の人間には生産抑制として北海道で9万トンぐらい予算、全国でいくと14万トンぐらいという報道があります。この数字というのは、逆に乳製品の輸入されている数字とちょうど同じぐらいの数量になるのです。ここの部分での議論、これはやっぱり何としてもこの地域を挙げてそれを止めると。それを、もう輸入をしないでくれという、そういう行動を起こすような議論はされるのですか。

答弁 農林課長 村山尚

お答えさせていただきます。議員今おっしゃったとおり、ホクレンは令和5年度の生乳生産量につきまして9万トンの減産を決めております。2022年度の当初の目標が415万9,000トンなので、約4%ほどの減産だったと思います。それで、議員おっしゃっておりました乳製品の輸入の部分につきましては、単純にカレント・アクセスの部分に関しましても、生乳換算でたしか13万7,000トンの輸入を行っているわけなのです。なので、議員おっしゃるとおり、それがもしなければ今回の減産分をのみ込めるわけなのです。なので、その辺については、これまでも期成会や町村会で国や道に対して、平時はともかく異常時においてはそれらの取扱いについて改善していただく、要するに輸入をやめてその分の需要を国内に振り向けてといいますか、そういった要望をしているところでございます。

質問 1番 渡邊定之

いろいろな情報交換の場でもあると思うのですけれども、そういう具体的な、やっぱり今、危機的状況に迫っている酪農情勢に対応する行動も積極的に起こすような、そういう組織であってほしいなという具合に思います。次に、乳牛リタイア事業とセーフティネット資金のことについてお伺いいたしますが、今お答えがありました乳牛リタイア事業の数字、四百六十……、数字、400ちょっと……(「426です」の声あり)

質問 1番 渡邊定之

426ですね。そして、セーフティネットが194件ですね。ちなみに、本町の酪農家、このセーフティネットに対応できる条件がある農家戸数は幾らありますか。

答弁 農林課長 村山尚

今、酪農情勢が大変厳しい情勢ということでお話しさせていただきましたが、酪農家戸数で言いますと207戸ございます。それと、あとセーフティネットの利用状況については、先ほど町長から答弁申し上げましたが、延べ件数で194件ですね。金額で言うと2億1,030万円の貸付実行を年度末までに見込まれているということでした。それから、乳牛リタイア事業についてなのですけれども、もう少し詳しく説明させていただきます。この乳牛リタイア事業なのですが、農家が行う低能力牛を早期淘汰する場合に1頭当たり15万円、国が支援するというもので、前提として5万円を生産者等が基金に積み立てることとなってございます。それで、仮になのですけれども、JAがその5万円を負担した場合には実質補助金額が1頭当たり20万円になるというような事業なのですが、これは単純に淘汰すれば20万円の助成を受けられるわけではなくて、淘汰する牛1頭当たり7.5トンの減産をしなければならない、そういう条件がついております。ちなみに、これは基準とする期間が令和3年10月から令和4年の9月までの乳量が対象になるのですが、仮にそのときの乳量が、例えば牛の乳房炎が多かったのだだとか、あと餌の質がちょっと悪くて乳量が落ちてしまったのだという農家さんにつきましては、例えばその次の年に乳量が例年並みの乳量を確保できた場合、実質の減産幅というのが大きくなってしまいます。そんなこともあってちょっと使いづらい事業というふうに町内の酪農家さんも判断した結果、これ、利用率でいくと、54戸というと26%ぐらいなのです。なので、そういった事業と判断したものなのかなと担当課のほうでは理解しております。

質問 1番 渡邊定之

僕も乳牛リタイア事業の中身、本当にこの数字というのは、今、課長が説明されたように農家にとっては利用することが本当にいいのかという中でのこういう四百六十何頭の利用希望があるということにちょっと驚いています。そこで、このセーフティネット資金なのですけれども、貸付条件として、僕の記憶で間違いなければ3年据置きの15年ぐらいの償還だと思うのですけれども、この2億円という金額が半端でない数字だなとも思うのですけれども、このセーフティネット資金というのは何回でも借りられるのですか。

答弁 農林課長 村山尚

お答えいたします。この農林漁業セーフティネット資金なのですけれども、先ほど延べ件数でと僕ご説明申し上げましたが、それにつきましては、通常時の資金と新型コロナ特例、あともう一つがウクライナ情勢に伴う原油価格・物価高騰への特例と、別に2タイプあります。それらを別々に借りることができまして、延べ件数と申しましたのは、同じ農家さんが、ちょっと具体的に農家さんがどれとどれを使ったかという情報は持っておりませんが、それら一般以外にもその特例の資金を使って延べ件数で194件というふうになったと伺っております。

質問 1番 渡邊定之

このセーフティネット資金は、さっきちょっとお答えいただけなかったのですけれども、僕の記憶で3年据置き云々という、この数字、金利とか、ちょっとお答えいただきたいと思います。

答弁 農林課長 村山尚

すみません。お答え漏らしてしまいました。申し訳ございません。この特例なのですけれども、5年間の無利子と無担保、無保証というふうな特例が受けられると伺っております。(何事か言う声あり)

答弁 農林課長 村山尚

ごめんなさい。それと、この据置期間は5年間、それと貸付期間なのですけれども、15年以内となっております。(何事か言う声あり)(「据置きも含めて15年という意味かな」の声あり)

質問 1番 渡邊定之

今ちょっと、これ、据置きも含めて15年という意味ですか。それとも、5年据え置いて15年なのですか。

答弁 農林課長 村山尚

先ほどの貸付期間に関するご質問についてお答えいたします。貸付期間は15年以内、うち5年間については無利子ということでございます。それから、あと資金を今3つほど、特例含めますと3つあるのですけれども、別々に借入れしますと、基本的には別々に償還するような形になります。

質問 1番 渡邊定之

僕がなぜこの質問をちょっと詳しく聞いているかといいますと、結果的にこれが今後、営農をやっていくうちに大きな負債となって、5年後には金利が発生すると思うのです。今、町でもいろいろ、いろんな資金に対して利子補給等が行われていますけれども、今後、この酪農情勢いかんによっては、酪農家が大変な危機的な状態に至っている中でこういう資金も利子補給の対象になる可能性はあるのか。

答弁 農林課長 村山尚

お答えいたします。基本的には5年間無利子です。当然5年後どんな情勢になっているかというのは、まだまだこの先、厳しい状況は続くとは思うのですけれども、改善されることを願っているところでございます。それから、利子補給する意思があるかというところだったのですけれども、基本的に無利子期間については利子が発生しませんので、利子補給についてはないのかなと考えております。それから、農林漁業セーフティネット資金以外の資金については町のほうでもいろいろ利子補給しているのですけれども、それらにつきましては貸付条件として、例えば農協さんのプロパー資金などは町の利子補給が条件になっております。そうしたこともあって町のほうが、大体の場合、町2分の1、農協さん2分の1という具合になっているのですけれども、半分を利子補給している資金もございます。以上です。

質問 1番 渡邊定之

ありがとうございます。いろんな新聞なんかでは将来的にこの借りたセーフティネット資金等は、今後、経営の大きな足かせになる可能性が非常に高いという報道等もありますし、今後この資金に対して、先ほど根釧酪農ビジョン推進会議等で、この資金が経営の足かせになるようなことが起こらないように何らかの対策をやっぱり政府に要望する、そういう等の議論を積極的に発言していただきたいという具合に思います。この質問の最後に、非常に目立たないといいますか、気になるニュースというか記事がありました。非常に今、酪農情勢がこういう状況で厳しいのですけれども、そうではない、本当にこういう大変な状況、環境にありながら安定した経営をしている人たちも、それぞれの町の中に1戸や2戸、それ以上かもしれませんけれども、そういう人たちがやっぱり存在しているのではないかと。そういう人たちの経営の検証みたいなものをして、そこから今のこの酪農危機を乗り越えるヒントがあるのではないかと、そういうことを言っている人もいます。そういう意味では、今、標茶の酪農状況をやっぱり具体的にきめ細かに検証していただいて、こういう酪農のやり方をやればこういう時期でも乗り越えられる、そういう条件はあるのだということを導き出す努力もしてほしいと。そのこともしっかりと受けていただいて、今後の農政活動を発展させるというか、していただきたいということをお願いして質問を終わりたいと思います。

出典:標茶町議会 令和5年第1回定例会 2023年3月3日 議事録 PDF(61ページ) 間違いを知らせる