みんなの議会

標茶町議会 令和2年第4回定例会 2020年12月8日

現状に合った根釧酪農ビジョンの積極的取組を

2020年12月8日、標茶町議会の一般質問で、渡邊定之議員が「現状に合った根釧酪農ビジョンの積極的取組を」について質問し、町長 佐藤彦、農林課長 長野大介が答弁しました。

質問者
渡邊定之 議員
答弁者
町長 佐藤彦、農林課長 長野大介

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 1番 渡邊定之

私は、現状に合った根釧酪農のビジョンの積極的な取組をについて質問いたします。平成26年8月、根釧酪農構想検討会議が設立され、5年余りが経過していますが、現在どのような検討がされているのか伺います。当初は、将来像の実現に向けた新たな挑戦として「草地型酪農の推進」「担い手の育成確保」「高付加価値化の推進と新たな可能性の追求」、この3つの視点から具体的展開を目指すとしていましたが、この視点は今でも変わらないのか伺います。現状は、相次ぐ貿易の自由化による競争力強化政策により、畜産クラスター事業の推進で規模拡大が進み、離農が後を絶たず、1975年に根釧管内合計5,440戸あった戸数が今は半減しています。このように競争と企業的考え方で進められてきましたが、農家戸数が減っても生産量さえ確保できればとの考え方について町長の認識を伺います。現在、新型コロナウイルス感染症の発生により、多くの国では食料不安が広がっています。根釧の酪農においても、家畜飼料を際限なく海外に依存し、肥料、農機具等も輸入されている今、感染症、気候の変動、国際情勢の激変に最も影響される環境にあることを考え、それを踏まえた議論がなされるべきではないかと考えますが、いかがですか。日本の農業が発展してきたのは、家族農業が基礎にあると考えます。国際的にも家族農業の再評価がされています。根釧酪農ビジョンの取組としても、このことを検証し、SDGsの持続可能な開発目標として、その内容を国の政策に反映するよう求めるべきではないですか。今、都会の若者の間で、農業に対する関心が高まっています。そのニーズがどこにあるのかを深く考察し、「高付加価値化の推進と新たな可能性」に結びつくよう、様々な情報を提供できるビジョンをつくり上げるべきではないですか。

答弁 町長 佐藤彦

1番、渡邊議員の現状に合った根釧酪農ビジョンの積極的取組をのお尋ねにお答えします。ご案内のとおり、根釧酪農ビジョンにつきましては、根釧農業の現状や将来の方向性を共有し、さらには新たな可能性を追求するため、平成26年8月、根釧地域の市町村長及びJA組合長が一堂に集まり、新たな根釧酪農検討会議を立ち上げ、平成27年2月に「根釧酪農ビジョン」として策定されています。そこで、1点目のお尋ねですが、本ビジョンについては、おおむね10年後を目標とした根釧酪農や地域の将来像とその実現に向けた取組の基本方向を示したもので、「草地型(循環型)酪農の推進」「担い手の育成確保」「高付加価値化の推進と新たな可能性の追求」という3つの視点については変わっておりません。2点目のお尋ねですが、根釧酪農ビジョンでは、規模拡大という過重労働や高齢化に伴う担い手の減少など、厳しい酪農情勢の中、地域の生乳生産も減少傾向にあるという当時の現状を認識した上で、根釧の優位性を生かし、次世代が夢を持てる根釧酪農の将来像として家族経営をはじめとする多様な担い手が支える農業経営の確立を目指すという方向性が示されております。本町といたしましても、家族経営から協業あるいは法人など、多様な経営主体が存在することが本町の酪農の基盤の維持には必要なことだと考えているところであります。したがって、生乳生産量イコール生産額ですが、本町経済にとっては重要な指標ですが、一方で地域コミュニティーを考えると、農家戸数の維持も必要だと認識しているところであります。3点目のお尋ねですが、根釧酪農ビジョン推進会議は幹事会並びに本会議を年1回以上開催しており、ビジョンの実現に向けた各構成団体での取組の報告などを行っており、ご指摘の農業生産上のリスクヘッジについては、そこで共有されるものと認識しております。4点目のお尋ねですが、ご案内のとおり、国連は2019年から2028年までの10年間を家族農業の10年とすることを2017年末に決定しております。家族農業をめぐっては、国連が2014年を国際家族農業年に位置づけた経緯があり、農業の大規模化が加速する一方で、家族農業が世界の食料生産において大きな役割を担っていることを認識するきっかけとなり、今回の決定は2014年の国際家族農業年をさらに発展させ、家族農業に対する意識をさらに世界中へと喚起するきっかけになると考えております。根釧酪農ビジョンとSDGsの関係については、根釧酪農ビジョンが策定された後に国連サミットでSDGsの採択がされておりますので、根釧酪農ビジョンにはSDGsという文言はありませんが、目指すところは根釧酪農の持続的発展であり、意を同じくするところであると認識しておりますし、国においては、既に内閣府を中心に国全体としてSDGsの概念を政策に反映する取組がされていると認識しております。5点目のお尋ねですが、議員ご指摘の若者の農業に対する関心の高まりは、今年、東京及び大阪で開催した新・農業人フェアの来場者数が昨年と比べて1.5倍から1.8倍程度増えていることから、農業への関心は幅広い世代で高まっているものと思います。また、会場アンケートでは、コロナ禍における地方移住の手段と考えている方が増えているようですが、以前から家庭で一緒に仕事ができるという理由が1位となっており、これは大きく変わるものではないと思っております。高付加価値化の推進と新たな可能性に結びつく様々な情報を提供できるビジョンをつくり上げるべきではないかとのお尋ねですが、今年開催の根釧酪農ビジョン推進会議の中では、高付加価値化の推進と新たな可能性について意見交換をしていますが、全体的には新規就農者の六次産業に対する関心は高いが、現実的には育児や労働力の観点から実現は困難であるという意見が出されております。また、根釧酪農ビジョンは、根釧酪農や地域の将来像とその実現に向けた取組の基本方針を示したものであり、構成する関係機関や団体が本ビジョンの方向性に基づき、それぞれの立場に応じた役割を主体的に果たしながら、具体的な政策を推進していきますので、本町の取組としましては、関係団体と連絡しながら、担い手育成協議会のホームページなどを活用し、まずは着実に経営基盤づくりと、その先の6次化を含めた可能性について情報提供できるよう努めていきたいと考えておりますので、ご理解をお願いしたいと思います。

質問 1番 渡邊定之

私は、この質問をするに当たりまして、今、新型コロナウイルス感染症のこういう局面を迎えた中で、輸入穀物に依存しながらやる今の根釧の酪農にとっては非常に議論をし、この状況をこのまま放置していいのかという部分で質問したわけですけれども、この根釧の酪農について、コロナ禍の感染症についての議論というのは、将来的なことも含めて議論をなされた経緯はありますか。

答弁 農林課長 長野大介(農林課長は2022年3月まで)

お答えしたいと思います。コロナの関係の感染症の部分のご質問だと思いますけれども、感染症が酪農家でコロナになった場合のそういった取組というところについては、今年開催の幹事会の中でも議論しているところでございますけれども、感染症を予防するとかというような、そういった部分の議論については話していないところでございます。

質問 1番 渡邊定之

ちょっと言葉が足りなかったと思うのですけれども、こういう感染症やなんかによって、輸入穀物の日本に入ってこないとか、ちょっと大きな問題なのですけれども、そういうことの議論とか、それによって根釧の酪農に及ぼす影響はどのようなものなのかという議論なんかはされていませんか。その部分ではどうですか。

答弁 農林課長 長野大介(農林課長は2022年3月まで)

お答えしたいと思います。輸入穀物に依存しないというような観点ではなくて、結果としては同じようになるかと思うのですけれども、自給飼料に立脚した草地型酪農を進めていくというのがこの根釧酪農ビジョンの中の3本の柱のうちの一つですので、結果として輸入穀物は減らすことができるというふうにはつながっていくのかなと思っております。以上でございます。

質問 1番 渡邊定之

もう少し深い議論されるべきだと思うのです。非常にウエートが高い現状であるので、そういう意味では本当にそういう穀物が止まる、それで逆にといいますか、やっぱりそういうものに依存しない根釧の酪農をどうつくり上げていくかという議論は非常に今後大切な課題だと思いますので、そういう議論が展開されることを期待したいと思います。それと、草地型酪農の推進についてですけれども、5年前に出されたビジョンでは、ニュージーランドを例に挙げ、放牧酪農について非常に強調するビジョンなのですけれども、現在、放牧酪農については、この検討会議の中ではそういう推進というような議論はされていますか。

答弁 農林課長 長野大介(農林課長は2022年3月まで)

お答えしたいと思います。放牧酪農の推進というのは、具体的な展開の中での一つでございます。基本的には、そういった志向のある方は現在もやってきているところと、あと新規就農者の中にはそういった希望するというようなところがあるところでございます。基本的には、経営主が農業の形態というのは決めてやるわけですから、そちらの部分で今ある農業形態から放牧酪農に推進するというような取組というのは、具体的にはこちらのほうではやっていない状況でございます。以上です。

質問 1番 渡邊定之

本当に放牧酪農というのは、新規就農とかそういう人たちが希望する、具体的に放牧酪農を根釧で進めることの意義とか、そういうものについては、あまり議論されていないのが現状だと思うのですね。そういう意味では、この放牧酪農が釧根の酪農の経営コストを本当に下げるのだという、そういう観点から、やっぱりもう少し積極的な議論が必要だという具合に思います。家族農業の問題でお答えいただきましたけれども、SDGsの持続可能な開発目標としての項目でありますけれども、非常にここの部分で、世界的にはやっぱり家族農業、小農業といいますか、そういう農業の在り方を再検証して、食料の自給率、そういうものを高めていかなければ将来的には農業そのものが大変になり、飢餓に飢える人が増えてしまうと、そういう観点からこの取組が国際的に出されているのだという具合に思いますけれども、そういう意味では、国の政策としても家族農業、それから小規模農業、そういう農業に対する支援策も大いに検討し、その小農業を守るためにはどうしなければならないのかという検討もされるべきだという具合に思いますが、いかがですか。

答弁 農林課長 長野大介(農林課長は2022年3月まで)

お答えしたいと思います。家族農業の関係の部分ですが、基本的には国の政策で、今、既にSDGsの概念を政策的に反映しているということと、あと家族農業の具体的な政策につきましては、農水省のほうで申し上げますと、地域農業担い手としての重要性というのを考えた中で、現状でもございますけれども、施策の例としましては、農業経営基盤強化資金ですとか、産地生産基盤パワーアップ事業ですとか、数々の政策をやっているというような状況でございますので、そういったものを活用しながらというのが基本なのかなというふうには思っているところでございます。以上です。

質問 1番 渡邊定之

低投入型の家族経営をやっている、実践されている方々の意見も実際に聴きながら今後進めていっていただきたいという具合に思います。最後にお答えいただいた都会の若者の間で農業に対する関心が高まっているという部分ですけれども、やっぱり農業そのものの魅力というのと併せて、先ほど町長から答弁がありましたように、そこで生活して育児、それからいろんな生活環境がどのようになっていくのかということが心配だという、そういう答弁がありましたけれども、そういう意味では、もっともっといろんな意味で生活環境、そういうものも考慮して、無理のない形で農業に従事しながら就農できる、そういう中身についても研究して情報の発信をしていただけるような、そういう中身をつくり上げていただきたいという具合に思いますし、様々な地域での取組、奥さん方の加工の取組とか、今、全国のいろんな農業高校で取り組まれているような農産品に対する加工の研究とか、そういうものが実際取り組むことの可能なこういう地域であるということをしっかりとビジョンにつくり上げて発することによって、農業に希望と夢を持って参入してくる人が出るのではないかという具合に思うのですけれども、いかがですか。

答弁 農林課長 長野大介(農林課長は2022年3月まで)

お答えしたいと思います。基本的には先ほど町長答弁させていただいたとおり、ビジョンというのは、まず根釧酪農の地域の将来像とその実現に向けた取組の基本方針でありますので、平成27年2月に策定されてから、おおむね10年後の将来を描いているものでございます。それと、あとまた、構成する関係機関だとか団体がそのビジョンの方向性に基づいて、どういった役割をやっていくかということで実現に向けて取り組んでいくというのが基本でございます。それで、先ほど渡邊議員がおっしゃられた部分で言うと、農業の魅力だとか生活環境あるいは地域の取組、6次産業化のPRとかというような部分については、実は今、本町の部分で言うと、新規就農の部分を担っている担い手育成協議会のほうでは、今こういったコロナ禍の状況でございますので、ホームページをリニューアルしましてPRしていこうと、直接の接触というのは、なかなか来られないものですから、そういった部分で言うと今年また、今リニューアル中なのですけれども、そういった6次産業化の部分だとかというのをPRして標茶の魅力というのを発信していこうというふうに考えておりますので、ご理解いただければと思います。

質問 1番 渡邊定之

今後このビジョン検討会議では、様々なそういう条件、いろんな課題を具体化しながら議論し、ビジョンをつくり上げていって、根釧の地域にお知らせしていっていただきたいという具合に思います。以上で、この質問は終わります。

出典:標茶町議会 令和2年第4回定例会 2020年12月8日 議事録 PDF(14ページ) 間違いを知らせる