標茶町議会 平成31年第1回定例会 2019年3月11日
TPP11、日欧EPAの発効、日米FTAの交渉による本町の基幹産業への影響と対策
2019年3月11日、標茶町議会の一般質問で、渡邊定之議員が「TPP11、日欧EPAの発効、日米FTAの交渉による本町の基幹産業への影響と対策」について質問し、町長 佐藤彦、農林課参事 柴洋志、農林課長 村山裕次が答弁しました。
- 質問者
- 渡邊定之 議員
- 答弁者
- 町長 佐藤彦、農林課参事 柴洋志、農林課長 村山裕次
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 8番 渡邊定之
私は、TPP11、日欧EPA発効、日米FTA交渉の開始による本町の基幹産業への影響と対策について町長の所見を伺います。TPP11は2018年12月30日、日欧EPAは2019年2月1日に発効されました。また、引き続き日米FTAの交渉が始まるとされています。本町の基幹産業にとっても大きな影響があると考えますが、町長の所見を伺います。また、協定の中身については、生産者、消費者ともに十分な情報が示されない中での発効であったと考えられます。とりわけ酪農家の生乳生産、経営に大きな影響がある内容だと考えますが、輸入される製品についても消費者にとっても大きな関心事だと考えます。JA、消費者団体と連絡をとり、情報を得るための講演会等の開催をすべきだと考えますが、どうですか。規模拡大が進み戸数が減る中、生産量は維持されています。多くの生産者が情勢の先行きを不安に思っていると考えます。この情勢の先行きをどのように見ていますか。また、どのような対策を考え、関係機関に何を求めていくのか伺います。また、新規就農、親元就農の状況についても伺います。さらに、小規模農家、家族農業に対する支援が今後課題となると考えますが、いかがですか。今日、国際的には、家族農業を守り、本来の農業のあり方が問われています。本町においても検証と今後の進むべき方向の検討が必要ではないのか伺います。
答弁 町長 佐藤彦
8番、渡邊議員のTPP11、日欧EPAの発効、日米FTAの交渉による本町の基幹産業への影響と対策についてお答えします。議員ご案内のとおり、TPP、環太平洋パートナーシップ協定については、平成27年10月に大筋合意した後に米国が離脱し、TPP11として平成29年11月に大筋合意し、昨年6月に国会で承認、12月30日に協定が発効したところです。また、日欧EPA、経済連携協定については、平成29年7月に大筋合意し、昨年12月に国会で承認され、本年2月1日に協定が発効されたところです。1点目の本町の基幹産業への影響に対する所見についてのお尋ねですが、TPP11や日欧EPAにおける農林水産物等の関税削減などの影響で、長期的には安価な輸入品が増加し、国内需要の緩和や国産品価格の低下が懸念されると考えておりますが、国の「総合的なTPP等関連政策大綱」による体質強化対策や経営安定化対策など国内対策の確実な実施により、本町の基幹産業である酪農家の所得を確保してまいりたいと考えております。また、日米FTAにつきましても、今後の動向等を注視してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。2点目の情報を得るための講演会等の開催についてのお尋ねですが、これまでも農林水産省からは協定の交渉経過や合意内容のホームページの掲載や釧路市内において説明会が開催されてきましたが、今後も農業関係機関、団体と連携し、必要な情報提供について求めてまいりたいと考えております。3点目の情勢の行方について、どのような対策を考え、関係機関に何を求めていくのかについてのお尋ねですが、意欲のある農家の不安を払拭し安心して経営に取り組めるよう、国は「総合的なTPP等関連政策大綱」を策定し、省力化機械の整備等による生産コストの削減や品質向上などの生産基盤の強化対策を推進しておりますが、本町としても、酪農家が希望を持って経営に取り組めるよう、事業の継続や必要な予算の確保などの万全の措置を講じるよう国や道に要請してまいりますので、ご理解をお願いいたします。4点目の新規就農、親元就農の状況についてですが、平成29年の新規就農者については、新規参入者が2組、新規学卒者とUターン就農者が計4名となっております。5点目の小規模農家、家族農業に対する支援策や今後の進むべき方向の検討についてのお尋ねですが、本町においても家族経営がほとんどを占めている状況にありますが、国の支援策は、小規模な家族経営であっても、畜産クラスター事業やalic事業による搾乳ロボット等の省力化機械の導入が対象となっているほか、簡易畜舎の整備や養育環境の改善を図るための牛床マットの導入などの幅広いメニューが支援対象となっております、酪農経営の進むべき方向性については、個々の経営者の意向にもよると考えており、そのために必要な対策について農業関係機関、団体と連携し、取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
質問 8番 渡邊定之
まず、最初の影響があるかということに対する町長のお答えでありますけれども、新聞等でも連日報道されているように、牛肉の輸入が非常に急激にふえているということで、これ協定が始まってまだ1カ月、2カ月ぐらいなのですけれども、もう4月から新たな年度がわりなるということで、また関税が4月から下がるということで、その輸入量のふえ方は本当に注視すべき内容だと思いますので、その辺の情報はしっかり捉えていただいて、本町のそういう肉等々の影響調査を常にしていただきたいというぐあいに考えますが、いかがですか。
答弁 農林課参事 柴洋志
お答えいたします。牛肉の価格推移等、しっかり情報を把握していきたいと考えております。
質問 8番 渡邊定之
よろしくお願いいたします。2つ目の生産者、消費者に十分な情報が開示されないままこの協定が発効されたという部分につきましては、テレビ等ではワインとかチーズが非常に安価で入ってきて消費者を喜ばすような報道が続いているのですけれども、その反面、非常にこの中身については、食品の安全基準等々についてはなかなか明らかにならない、そういう状態にあります。アメリカの食品基準なんかは、そういう意味ではウジ虫が何匹までとか、ハエが何匹までとか、ハエの卵が何匹までとか、そういう食品基準、消費者の人が具体的に知ると、えっと思うような中身があります。そういう中で、消費者団体と情報を交換しながら、そういうものが消費者、食卓にのっていくのだと、そういう情報をしっかりと皆さんのものにしていくための情報交換を、いろんな団体が催しされる、企画される、そういうときには、ぜひ本町としても講演等をしていただいて、消費者に中身が知らされるよう支援していただきたいなというぐあいに思うのですけれども、いかがですか。
答弁 農林課長 村山裕次(農林課長は2019年3月まで)
お答えいたします。先ほど町長の答弁にありましたが、農林水産省ではホームページ等でいろいろな細かな情報等を開示しております。ただいまご指摘ありました虫の基準ですとか、そういうのが今後、問題視されるようであれば、関係機関と協議しながら、もしそういうものが必要だというふうに判断した場合には検討させていただきたいなというふうに考えております。
質問 8番 渡邊定之
今、もしそういうものがあればということなのですけれども、これは本当に日本の、やっぱりもう少し消費者の食卓といいますか、そういうものを守るという立場、こちらの側から積極的にそういう情報を皆さんに提供していく、そこが欠けると、いつの間にか何が何だかわからないようなものがどんどん日本の中に入ってきてしまうというおそれがありますので、そういう面では積極的にそういう情報を提供していただく努力をしていただきたいというぐあいに思います。どうですか。
答弁 農林課長 村山裕次(農林課長は2019年3月まで)
お答えします。先ほど、もしというふうに言ったのですが、今現在、私どもにそういう具体的な情報等が入っておりませんので、もし今後そういう情報等が入ってきましたら検討させていただきたいと思います。
質問 8番 渡邊定之
もしそういう情報が入ったらではなくて、もうどんどんそういう情報が出ているので、やっぱりそこら辺はやっぱり積極的に情報の収集をしていただきたいというぐあいに思います。次に、今の関係機関に何を求めていくのかという答えの答弁ですけれども、今何を求めていくのかという点では、この交渉再開によってそれぞれ組合を代表する組合長さんなんかは、このFTA、EPA、TPPについて、この農政に対する評価という部分で非常に不安を抱いておられます。そういうアンケートなんかは、ことしの農業新聞1月4日、そういう中で非常に今の農業政策に対して評価できない、農政の決定の仕方について評価しないというのが、もう9割を超えているのです。そういう調査結果が出ているのですよ。そういう意味で、やっぱり標茶としても、農政に対してどうしてそういう不満の声が多いのかということをしっかりと分析して関係機関に要請していく、今出されている政策が全てよしではないということをしっかり分析して物を申し出ていただきたいというぐあいに思いますが、いかがですか。
答弁 農林課長 村山裕次(農林課長は2019年3月まで)
お答えいたします。今言われました9割というのはちょっと私ども情報は得ていないのですが、さきにクラスター等が大規模農家偏重でどうなのだろうということも過去にはありまして、今現在、制度の中身的にも小規模農家、家族経営農家が使えるような制度等々にもなっておりますので、今後もそういう使いやすい制度となるように、今後、農水省等、何か上部の機関等々あれば要請してまいりたいというふうに考えております。
質問 8番 渡邊定之
今、答弁の中で、使いやすい制度になってきているという答弁があったので、もし具体的に答えられる部分があったらちょっとお知らせ願いたいのですけれども。
答弁 農林課長 村山裕次(農林課長は2019年3月まで)
お答えいたします。クラスター事業については皆さんご承知だと思うのですが、過去には大規模農家で法人化に向けてとか、あと生産額の増産とか、あとは時間的な削減とか、そういう足かせというかがなければ使えなかった事業だったのですが、今現在においては、そういう規模拡大をしなくても構わないですし、例えば生産額についても、増産はなくても、例えば今の規模を現状維持したりする事業でも使えるというふうになっていますので、必ずしも規模拡大だけに限っての事業ではないと、今現在と同じような規模でも使うことができますし、例えば規模縮小になる場合でも事業は使えるというふうに変わってきておりますので、ご理解願いたいと思います。
質問 8番 渡邊定之
今ちょっと規模縮小のことを非常に興味深く聞かせていただいたのですけれども、それは例えば単純にフリーストールからつなぎに変える、そういうもし経営の転換ということも可能なのでしょうか。
答弁 農林課参事 柴洋志
お答えします。施設整備する場合には、基本的に費用対効果といったような部分が関係してきますので、基本的には規模を大きくしないとその費用を賄えないといったような状況があろうかと思います。今、質問がありました中で、つなぎ牛舎の方が必ずしも大きい牛舎をつくらなくても、今既存のつなぎ牛舎の中で、例えばウオーターカップの交換をするとか、牛床を延長するとか、改修可能な中で使いやすいメニューがふえてきているというような内容のことでございます。(「例えばフリーストールからつなぎに、そういう方向転換をするのも対象か」の声あり)(何事か言う声あり)(「手を挙げて」の声あり)
答弁 農林課参事 柴洋志
仮にそういうようなケースがあったとしても、牛舎の中を改修するといったような場合にそういうようなメニューが使えるといったことでございます。
質問 8番 渡邊定之
どうも失礼しました。ちょっと僕の期待している答弁とは違うのですけれども。最後に、家族農業と小規模農家をいかに守っていくかということが国際的にも非常に話題になっているということに対するお答えですけれども、要するに国際的に言われる家族農業の重要性と小規模農家を守らなければいけないという部分では、余りにも農業をやるのに膨大な投資が必要であるという現実と、非常に化石燃料を使った穀物の輸送等に係るエネルギーの、CO2の問題なんかもあると思いますけれども、標茶においても先ほど規模拡大だけでなく経営規模の転換にも道が開かれているという情報、答弁をいただきましたので、そういう意味では、標茶の酪農の検証をしっかりしていただいて、やっぱり小規模、大規模共存して標茶の酪農が発展するために、今後、積極的な支援等を検討していただきたいというぐあいに思いますが、よろしくお願いします。答弁お願いします。
答弁 町長 佐藤彦
お答えします。細かい部分については、今、担当からいろいろあったのですが、やはり皆さんが、一番経営者の方が心配しているのは、この先酪農関係の環境、畜産関係も含めて、どういう方向性に行くのかということが一番懸念されているのかなと思います。小規模経営のままでこのまま酪農経営が本当に存続できるのか、あるいは大型化にしても本当に国際情勢が変化する中で対応できるかと、そういう大きなことがなかなか先が見えない中で、いろんな対策を講じていかなければならない。もちろん後継者問題も含めてということですので、そういったことにつきましては、もちろん関係団体であります農協さん、あるいは酪農振興会といろんな情報交換しながら、標茶町にとって一番ふさわしい酪農経営の方向性について、これからも国や北海道に、それから関係団体に意見を出していきたいというふうに考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
質問 8番 渡邊定之
そういう意味では、こういう今まで経験のしたことのないような農業の貿易の自由化が始まった中で、本町としては10年後にどんな酪農の姿をこの町でつくり上げるのかということが、非常に経済団体、行政あわせて真剣に取り組んでいかなければいけないことだというぐあいに思います。あのアメリカでさえ99%が家族農業が行われているということだというぐあいに伺っていますし、ただ、日本の平成28年度の食料・農業・農村白書には家族農業を守るという言葉が残念ながら日本の農政の中にはないということが、非常に私は問題だというぐあいに思います。今後この体制、EPA、TPPの中で標茶の酪農がどう生き残っていくのかということは、本当に国の農政ということではなくて、標茶の町が酪農を基幹産業としてどうやって生き残り、標茶の経済を支えていくのかということに大きな力を注いで、行政として頑張っていっていただきたいというぐあいに思います。