上富良野町議会 平成15年第2回定例会 2003年6月18日
農業振興について
2003年6月18日、上富良野町議会の一般質問で、西村昭教議員が「農業振興について」質問し、町長 尾岸孝雄が答弁しました。
- 質問者
- 西村昭教 議員
- 答弁者
- 町長 尾岸孝雄
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 6番 西村昭教
私は、農業振興について、3点質問をしたいと思います。まず最初に、1点目の平成16年度からスタートする米の生産調整にかかる対応についてであります。昭和46年に始まった生産調整も、30年以上も経過し、いまだにその問題は十分に解決していません。過剰米の解消には、成果が上がっていないのが現状であります。この30年を経過した間、さまざまな制度改正をしながら今日まで経過してきており、我が町も、今では水田面積は50%以上の転作率となっており、水田地帯の経営は大変厳しい状況となってきているのが現実ではないでしょうか。平成16年度からは、米政策改革大綱に沿って大きく変わろうとしております。これは、平成22年までに米づくりのあるべき姿を実現しようとし、また今後の食糧供給体制を築き上げようとするものであります。この内容を見ますと、需給調整のあり方が従来の減反、いわゆる休耕させるという考え方から、生産調整すべき面積の配分が需要に合った生産量と、その生産量に合った面積配分に変わったことであります。また、生産者、農業者団体みずからが主体的に取り組んでいくことが、また求められております。これからの農業の行うものを明確にし、農業を行う経営体として、種々の政策も焦点をはっきりさせていることが挙げられます。また、地域の水田農業のあり方を地域みずから策定し、それに基づいた取り組みによって、従来ある― 26 ―休耕奨励金と言われていた助成金が、産地づくり推進交付金と変わっていくことであります。過剰米処理対策の制度ができたことも、また大きく変わったところであります。この政策の改革大綱は、平成16年をスタート年として、平成22年には米づくりの本来あるべき姿にしようとするものであり、平成15年度は、その準備期間として位置づけられているわけであります。この1年間の中で、来年度からスタートするこの米政策改革大綱にとって十分に検討し、我が町の水田農業のあるべき姿を確立しなければならないものと考えるわけであります。町は、この大きく変わろうとしている米政策改革大綱について、現状の中での課題と、また16年度からスタートする今後の対応について、どのように考えているのか答弁を求めるものであります。次に、農業振興計画作成に当たって、その進め方と町の農業政策の振興についての考え方を問うものであります。第4次農業振興計画が平成15年度で終わり、16年度に向けて第5次の農業振興計画を策定しなければなりません。第4次農業振興計画は、旧上富良野農協が、まだ合併前のときにつくられたものであります。今現在、富良野沿線の各土地改良区が大同団結をし合併し、また農協がこの富良野圏域の中で一つに合併したところであります。まさに、この一つになった農協が、この富良野圏域の農業政策をどうしていくかということが大きく我が町においても左右されるところであります。この第5次の農業振興計画策定に当たって、私は従来の農業振興計画と違った視点から、この計画を策定するべきだと思うわけであります。従来のハード的な面、いわゆる農地の流動化対策あるいは後継者の育成、あるいは土地の基盤整備と、そういったもろもろのいわゆる経営基盤の整備については当然必要でありますが、やはりこれから農業者が進もうとしているこれからの農業のあり方も、また十分見据えた中で組まなければならないと考えるわけであります。私は、その中で、一つは消費者のための食の安全、安心を追求した一つの大きな取り組みが必要であると思うわけであります。また、今までは生産から販売まで、いわゆる販売は農協に一元委託をするというような形から、生産者みずからが生産から販売まで取り組むというような状況になってきている今日、やはり生産者のために販売力をつける人材の育成も、また必要と思うわけであります。また、あわせまして、今の農村事情を見ますと、高齢化、それから後継者の不足、また高齢化、あるいは後継者がいないというがために、自分の代だけで農業経営を断念をするというような状況になってきつつあります。また、郡部を見ますと、非常に非農家の戸数がふえまして、郡部の地域でも特に水田地帯と言われるところは、農業者の戸数が減り、非農家の数が非常に多くなってきているのが現実であります。そういった中で、やはり農業後継者の育成のためには、そこの家の後継者と、それから新しい考え方、あるいは新しい発想を持った人材の導入もまた必要なわけであります。そういう意味におきましても、新規就農者育成のためのやはりプログラムをこの計画の中に盛り込む必要があるのかと考えるわけであります。また、機械化農業がどんどん進んでいるわけでありますが、そういう中において、やはり農業経営も一家族のいわゆる自己完結型の農業経営から、経営の仕事の作業の分担、あるいは受託といったものもこれから大きく変わってくるだろうと思うわけであります。そういう意味で、より一層専業化を進める意味でも、また大規模経営あるいは集約的な農業を進めるためにも、そういった作業を引き受ける、あるいはそれによって農業というものに取り組めるような受託組織の育成もまた必要と思うわけであります。特に水田地帯においては、16年度からスタートする米政策改革大綱が地域の自主的な、いわゆる地域の水田ビジョンを策定した中で取り組みなさい、地域の独自な発想で取り組みなさいと言われている中では、当然この改革大綱の十分見据えた中での農業振興計画の策定が必要と思うわけであります。そういう意味におきましても、今の第4次農業振興計画の終了年に当たり、特に第5次農業振興計画の策定については、本当に真剣に、またかつ長期にわたった視点に立って、いろいろな角度から私は検討しながら策定しなければならない、非常に大切な第5次の農業振興計画策定の年だと思うわけであります。そういう意味におきまして、町部局としてその進め方と、また今後の町の農業振興政策について、どのように現在考えておられるか、町長の答弁を求めるものであります。次に、第3点目は、国営しろがね事業が完了に伴い、今後施設の活用を図る必要がありますが、どのように考えているか答弁を求めるものであります。平成14年度に事業が完了し、しろがね土地改良区が立ち上がり、15年度よりいよいよ受益者、町もその賦課金の支払いが始まるところであります。― 27 ―これから事業の始まりが、この賦課金の支払いではなくて、この施設の活用がこれからの事業の始まりと考えるわけであります。せっかくの施設も、そして多額な投資をしたこの施設を十分活用しなければ、何の有益性もないわけであります。そこで、現在この活用状態がどのように進んでいるのか、ひとつお聞きするところであります。また、今後より一層の活用を図るために、今後どのようにこの取り組みについて考えていくか、答弁を求めるものであります。以上、3点について、町長の力強い答弁をお願い申し上げます。以上でございます。
答弁 町長 尾岸孝雄(町長は2008年12月まで)
6番西村議員の農業振興についての3点の御質問にお答えさせていただきたいと思います。まず、1点目の米の自主生産調整への対応についてでありますが、国は昭和46年から続いている米の生産調整などに多大な財政支出を行ってきたところでありますが、過剰米に関する成果が上がらなかった、また国民の税負担に対する公平性が問われてきていたところであります。このことから、課題はいかにして売れる米づくりを進めるかということであります。その対応は、非常に難しいものと考えますが、効率的かつ安定的経営体が市場を通じて需要動向を敏感に感じ取り、売れる米づくりを行うことを基本に、消費者重視、市場重視の米づくりを行わなければならないと言われているところであります。これらの対応として、平成16年までに、全国の市町村は地域水田農業ビジョンを策定し、米政策と生産調整を一体的に実施することとなったところであります。地域水田農業ビジョンにあっては、地域農業の特性、作物振興及び水田利用の方向、作物の販売目標、担い手の明確化、担い手への土地利用集積など、地域の自由な発想で策定することとなっているところであります。平成20年には、現行の米の生産調整制度を農業者や農業団体が主役になって取り進める仕組みとなりますので、町も農業者、JAと一体となって生産調整の取り組み、地域水田農業ビジョンの策定、進行管理に積極的にかかわってまいりたいと思っておりますので、御理解を賜りたいと思います。2点目の農業振興計画の策定に当たって、その進め方と農業施策についての御質問にお答えさせていただきます。第4次の上富良野町農業振興計画については、平成15年度をもって振興計画期間が終了するため、16年度から20年度までの第5次農業振興計画の策定については、農協、農業改良普及所などと関係機関との協議を進め、食に対する安全、安心への取り組み、クリーン農業への取り組み、農地流動化の取り組み、土地改良事業の取り組み、水稲作付適地への集約化、農業女性グループ活動などに対する支援、低コスト経営を目指す農業機械、施設の有効活用などの7項目を柱にして、町の総合計画との整合性をとりながら、地域の特色に沿った計画を策定するよう検討作業に入っておりますので、御理解を賜りたいと思います。次、3点目の国営しろがね事業の完了後の施設の活用等についての御質問でありますけれども、国営しろがね事業については、平成14年度をもって完了し、受益農家には畑地かんがい施設の設置と、あわせて野菜を初め畑作物に灌水するためのリールマシンを12機導入しておりますので、積極的な活用をお願いするものであります。畑作物への灌水は、収量が増加するばかりでなく、高品質の農作物の収穫も期待できますので、営農計画に基づき、野菜を初めとする高収益作物の導入により農業所得の向上が図れるよう、今後もより一層農協、農業改良普及センターなどとの関係機関とともに一層の活用方法の普及指導に努めてまいりたいと思っております。以上です。
質問 6番 西村昭教
まず最初に、16年度からスタートする米政策改革大綱ですか、今答弁にありましたように、いわゆる地域水田農業ビジョンの策定ということが大きく取り上げられて、これができなければ、これに基づいていわゆる地域づくり推進交付金というのが、また国から出てくるということでありますけれども、実はきのうの新聞ですか、いわゆる道の農協米対ですが、ここに新聞に載っているのですが、いわゆる道の地域水田農業ビジョンという中で、実はここに載っているのが、いわゆる転作で需要があるパン用秋まき小麦の新品種を生産、それから黒毛和牛の繁殖経営を組み合わせた複合農業の導入など複数の選択肢を示したと。まだほかにもあると思うのですが、いわゆるそういう一つの例になるのかどうかちょっとわかりませんが、そういうものが明示されたと。こういったものを、これは北海道としてだと思うのですが、いわゆる上富良野町もそういうことで農業ビジョンを策定しなければならないということで、多分今準備をされているだろうとは思うのですが、ここにもう一つあるので― 28 ―す。いわゆる米生産の担い手となる農家の経営規模の目標を家族経営で25ヘクタールに定めたということは、これは25ヘクタールぐらいになっていかないと、農業経営として成り立っていなかいという一面も私はあると思うのです。ここにもう一つ例があるのですが、別な意味です。価格の問題です。米が今60キロ当たり1万2,500円ぐらいです。これが1,000円下がると、いわゆる所得が4万2,000円から2万9,000円、約3割下がるわけであります。ところが経費も3割下がればいいのですが、これは下がらないのですね。そうなると、非常に規模を大きくしていかないと、いわゆる経営も成り立っていかないということになってきますが、実際にこの25ヘクタールを目標にしていくぞと。我が町もそういう形でやや近い数字を目標にするだろうとは思うのですが、そういう中で、現実にいわゆる進めていったときに、今水田をつくっている農業者というのは、約多分半分以下になると思うのですね。以下にならないと1戸当たりの経営がならないですから、今大体900町ですから、30戸でいいですよ。30戸から40戸。ところが今その倍以上います。ですから、当然そこで大きな問題が出てくるということが一つ挙げられると思うのです。ここで今そういうことが課題として横たわっているわけですから、当然そういう問題も十分踏まえた中で、この地域水田農業ビジョンというのを策定していかないと、私は来年度から米農家というのはだんだんだんだん先細りになっていなくなるという非常に危惧を持っている1人でありますけれども、そういう点、町長その現実的なものがスタートしたときに、どういう状況になっていくかと、今のままでいると。そういう面で、町長どういう認識をされているのか、今答弁いただいたのですけれども、そういう部分どういう認識を持っておられるのか、またあわせていわゆるそういう現実がありますので、その水田農業ビジョンの策定に当たって、当然行政単独ではできないと思うのですが、今農協も一生懸命取り組んで今策定中のようであります。そういう中で、どういうぐあいに取り組もうとされておられるのか、もう一度町長に答弁を求めたいと思います。それから、2点目の農業振興計画ですが、やはりこれもいわゆる米改革大綱と大きく絡んでくると思うのです。当然水田地帯で米改革大綱に沿っていきますと、当然転作でもう約五十何%転作率があるわけですから、当然畑作物もそこに植えられるということになりますと、同じ農業者でありながら、畑作物の経営をまた圧迫するというような形も現象として出てくるところであります。いわゆる政府管掌作物であるならば、まだいいのですが、いわゆる市場原理に基づいてつくられる豆だとかあるいはバレイショ、そういったものについては非常にうちの町の基幹作物の一つでありますから、非常に苦しいところに追い込まれるという状況も懸念されるわけでありますけれども、そういう意味においては、この振興計画の第5次の策定については、やはりここに今答弁にありました地域の特色に沿ったというよりも、どういう特色を出して農業経営というものを成り立たせていくかという考え方に立ってもらわないと、どうも後ぼい的な施策になりがちに私は思うのでありますけれども、その点で町長としてどういう考え方をされているか、もう一度お伺いをしたいと思います。それから、国営のしろがね事業ですが、非常に機械なんか入れて活用しておられるようでありますけれども、定期的に雨が降ればそう使うこともないのですが、使っても使わなくても、受益者にとっては大きな負担を強いられているわけでありますけれども、やはりそういう面で、もっともっとこの施設を活用した、水を使って大いに利益を上げる、経営を展開できるような施策というのは、私はもっともっととるべきだと思うのです。今上富の何カ所かそういうハウスを利用してどんどん水を使ってやっているところもありまして、水は何ぼ使っても無料だということで、ポンプも要らないし、非常に楽だということで、初期の設備投資は、施設園芸ですからかかりますけれども、やはり契約栽培でやって非常にいいということも一つ評価をしていることが出ておりました。そういう意味では、やはりそういう面でもっともっと灌水だけに使うのではなくて、いわゆる同じ灌水でも高収益作物の導入によって、やはりもっともっと使ってもらえるような施策というのは、私は必要だと思うのです。当然そういう施設でありますと、雇用としての機会も多いに出てくると。もっとそういう携わってくれる人がいれば、もっと広げてみてもいいというようなことも言葉として出ていたわけでありまして、そういう意味では、この水を使う施策の推進というのは、私は大いに必要だと思うのですが、今後財政の問題もあろうかと思うのですけれども、国のそういう補助制度、あるいは振興政策もあると思うのですけれども、極力そういうものも大いに活用しながら私は進めていくべきだと思うのですけれども、その点で町長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。まず、3点よろしくお願いいたします。
答弁 町長 尾岸孝雄(町長は2008年12月まで)
6番西村議員の再質問にお― 29 ―答えさせていただきます。まず、地域水田農業ビジョンの関連でありますが、これにつきましては、今JAさんとも調整を図っているところでありますけれども、町といたしましても、JA、農協さんとの調整を図りながら、地域水田農業の推進のための今後の基本となる分野でありますので、十分地域の対応を進めていくように努力していかなければいけないなというふうに思っておりますが、要は議員が先ほど御質問いただいたように、JAさん、農協さんがどれだけの米の販売量を確保、対応でき得るのか、そのことによって作付面積が自然と出てくるわけでありますし、また先ほど議員からもお話しありました、個々の農家が自主販売をどのようにどれだけのものを対応できるのかということを含めながら、我が町におきます水田農業の面積が確定するというか、決まってくるのではなかろうかなというふうに思っております。そのためには、今言うように販売、売れる米をつくるということが重要であるというふうに思っているところでありまして、そういう体制の中で、しからば今現在900ヘクタールからの水田面積が、その販売量に見合ってどれだけの面積が縮小されるのかは別としても、必ず出てきますその転作農地をどのように今後対応していくのか、どういう作付をしていくのか。昨日の新聞にも出ておりました、議員御質問にありました北海道としてのいろいろな考え方、そういうような部分もあるわけでありますが、この転作の今後の対応ということも含めて、農業の全般的な施策の展開をしていかなければならないなというふうに思っているところであります。そういうような状況を踏まえた中で、偶然にも16年度からスタートします第5次農業振興計画におきましては、今現在、先ほど報告させていただきましたように、7項目の重点課題、柱を立てながら、今我が町の農業振興としての基本的な方向づけを今策定しているところでありますが、このことにつきましては、JAさんとも十分調整を図りながら、地域農家の皆さん方の意見を十分集約させていただきながら、この第5次農業振興計画が私が町に即した計画となるように対処していかなければならないと、計画を策定していかなければいけないというふうに思っております。この策定した中で、今後地域農業の推進のために行政施策をどのように推進していくかということの位置づけを今後していくつもりでいるところであります。要は、今最も重要な地域水田農業ビジョンの策定と、それに見合った水田農業の推進と、またそのことによって転作していく転作田の対応等々も含めながら、総体的な7項目を柱とした農業振興計画を策定して、今後の農業振興施策の展開を進めていくということが基本であるということで御理解をいただきたいと思います。最後に、国営しろがねでありますが、議員御質問にありますように、巨額の財政投資をし、巨額の財政負担をしてでき上がりましたこのしろがね土地改良区、そしてその施設等々につきましては、御案内のとおり私はいつも申し上げておりますが、農機具を洗浄するための水が確保できたということでは、全く問題外であると。このことよって、先ほどお答えさせていただきましたように、農業所得の増収につながる営農計画を策定して、その営農計画に基づいたこの水利用を、議員御質問のように最大限活用した中での農業所得の増進を図っていかなければならないというふうに思っておりますので、今後もJAさんとの調整、また農業改良普及所との調整を図りながら、このしろがね地区の対応について、より一層の支援、指導をしてまいりたいというふうに思っておりますので、御理解を賜りたいと思います。