深川市議会 令和2年第2回定例会 2020年6月10日
種子法廃止と種苗法改正
2020年6月10日、深川市議会の一般質問で、佐々木一夫議員が「種子法廃止と種苗法改正」について質問し、市長 山下貴史が答弁しました。
- 質問者
- 佐々木一夫 議員
- 答弁者
- 市長 山下貴史
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 佐々木一夫
それでは、最後に、種子法廃止と種苗法改正について質問いたします。今回、コロナ禍で審議延期となりましたが、種苗法改正案について、種子法廃止とあわせて市長の考え方を改めて聞きたいと思います。種子法廃止及び農業競争力強化支援法は、主要農作物である米・麦・大豆の国費開発及び国費による知見の保護を放棄して、外国資本による遺伝子組み換え資本を含む民間資本にその知見を提供するものであり、逆に米・小麦・大豆以外の知見は、そのほとんどを外国種子メーカーが保有しております。今回の種苗法改正は、農家の自家採種を禁止して、その国際農業資本の保護の強化と日本の農業者への共謀罪を含めた規則と罰則の強化を目的とするという見方も示されております。今回の改正は、農業者の権利条項第21条の削除であり、自家採種の禁止です。農産物は単なる食料ではなくて、国家戦略物資とされるのが世界の趨勢であります。前回たしか韓国とイチゴを例に取り、種苗法改正に肯定的な考え方を市長はおっしゃったと思いますけれども、改めて市長の見解を伺います。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
ただいまの種子法廃止と種苗法改正についての質問にお答えいたします。まず、廃止されました主要農作物種子法は、主要農作物であります稲、麦及び大豆について、優良な種子の生産及び普及を促進するため、都道府県内に普及すべき優良な品種を決定するための奨励品種決定試験や、採種を行うために必要な原原種、あるいは原種の生産、種子の審査の実施をそれぞれ都道府県に義務づけていたものであります。しかし、国は農業の戦略物資であります種子について、多様なニーズに対応するため、民間のノウハウも活用して品種開発を強力に進める必要があることを理由に、都道府県と民間企業の競争条件を改善するため、平成30年4月1日にこの法律を廃止したものであります。一方、北海道においては、本道農業が我が国の食料安定供給を担い、持続的に発展していくためには、稲や麦、大豆といった主要農作物の安定生産が重要であり、その基本となる優良な種子の安定供給が不可欠である。このため、主要農作物の種子生産については、本道における種子生産に関する課題解決への的確な対応や、道、そして農業団体、生産者等の役割と責任の明確化などのもとで、安定供給に向けて推進していかなければならないという考えから、北海道は主要農作物等の種子の生産に関する条例を平成31年4月1日施行で制定しました。この制定によりまして、現在も道において、種苗・種子生産が継続されておりまして、このことについては、やはり北海道農業にとって、主要農作物等の種子の安定供給及び品質の確保を図る上で非常に評価できるものと考えているところであります。次に、種苗法につきましては、新品種の保護のための品種登録に関する制度や品種登録した育成者の権利・利益を保護する制度などを定めたものでありますが、今回の種苗法改正案の中には、登録品種について、育成者権者の意思に応じて、海外流出の防止等の措置が取られるようにする。それから、育成者の権利をより活用しやすい権利にするといった目的を持って、登録品種の種苗などが譲渡された後においても、当該種苗等を育成者の意図しない国へ輸出する行為でありますとか、意図しない地域で栽培する行為について、育成者権を及ぼすことができるようにするという特例を設けるといったことが内容の一つ。また、農業者が登録品種の収穫物の一部を次の作物の収穫物の生産のために登録品種の種苗を用いる、いわゆる自家増殖につきまして、育成者権者の許諾に基づいて行うようにすることが改正の内容として盛り込まれているものであると理解しております。それで、国におきましては、この法案を3月3日に今国会に提出いたしておりましたが、新型コロナウイルス感染症対応を最優先するといったことから、この法案の審議が次期の国会以降に先送りされることになったものと理解いたしております。しかし、今回の改正案に対しては、生産者等から自家増殖ができなくなる、難しくなるのではないか、自家増殖に許諾が必要となれば、許諾料による生産コストの増加につながるおそれがあるのではないか、それから国内の中小種苗会社が資金的に余裕がない場合、特定民間企業による種子の独占、あるいは市場の寡占化が進み、農業者の選択肢を制限することになるのではないかなどの理由から、慎重な取り扱いが必要という声も上がっていたところでございます。このため、我々としても、この法案が、我々の生産現場における種苗の利用といったことに、実際のところ、どのような影響を及ぼすことになるのか、慎重にその状況を見きわめる必要があると考えております。いずれにしても、しっかりこの先も、この法案の取り扱いの動向については注視してまいりたいと考えております。
再質問 1番 佐々木一夫
簡単に再質問させていただきます。改めて申し上げますけれども、市長はかつて郵政民営化の反対を貫かれまして、私は当時の姿勢を政治家として明白な意思を持った憂国の士、愛国者としての正しい姿だと高く評価しています。この場で、種子法・種苗法から食糧管理法まで含めての歴史的経緯を言うのは釈迦に説法ですけれども、第2次安倍政権においては農業を産業化し、農林水産省をなくすことが理想だと言い放ちます新自由主義者の奥原農水省事務次官が登用されてから、あなた様のいた農林水産省は180度変わってしまったのだと私は思っております。今の答弁の中にございましたけれども、そもそも種子法自体に何も問題はなかったのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。それと、前回も言われましたし、今回も知見といいますか、種子の権利者の流出とか、育成者の権利ということがうたわれておりますけれども、これ自体も、育成者の権利は種苗法の第25条で守られております。そして、海外流出の問題につきましては、農林水産省自身が海外流出を防ぐ有効な対策は、海外での品種登録を行うことが唯一の方法であるということを2017年11月に食料産業局の知的財産課が明らかにしております。結局、農林水産省の研究機関であります農業・食品産業技術総合研究機構いわゆる農研機構が、例えばブドウの優良品種、シャインマスカットなどが韓国へ持ち出されて無断で増殖されたのは、農研機構が海外での登録を行わなかったからだと指摘されております。そういった件についてはどうお考えでしょうか。
答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)
いろいろ今、再質問ということでお話がありましたが、私は、この種苗法の改正問題というのは、種苗開発に取り組む人たちが仕事をしやすいように、汗水流した苦労の成果がきちんと得られるように権利を守っていこうという狙いの制度だと理解しておりますので、日本の種苗生産者がしっかり発展していく方向につながる改正であれば、これは大いに結構なことであります。しかし実際にこの法律改正の結果は、もしかしたらさまざまな弊害が生じて、結局は日本農業にとってプラスにならない場合もあるかもしれないということで、先ほど申し上げたように、この問題がどういう経過をたどるのか、しっかり見ていかなければならないと思っています。開発した種子、あるいはその品種の利益をきちんと得るためには、あらゆる国や政府の定めにのっとって、それぞれ品種登録をしていかなければいけない。確かにそのとおりだと思いますが、それをやると大変膨大な費用と人的な労力が必要になるのは目に見えているわけでありまして、それが唯一の道だとなると、なかなか厳しいことになると、お話を聞きながら思いました。いずれにしても、繰り返しになりますが、この制度改正が日本の農業なり種苗産業の活性化につながるようなものになるように期待したいと思っております。