深川市議会 平成31年第1回定例会 2019年3月7日
国連の小農宣言決議
2019年3月7日、深川市議会の一般質問で、佐々木一夫議員が「国連の小農宣言決議」について質問し、経済・地域振興部長 伊藤久人が答弁しました。
- 質問者
- 佐々木一夫 議員
- 答弁者
- 経済・地域振興部長 伊藤久人
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 6番 佐々木一夫
続きまして、5番目の質問です。国連の小農宣言決議についてです。2018年11月、国連総会第3委員会は、小農と農村で働く人々の権利に関する国連宣言、小農の権利宣言、以下、小農宣言と言いますが、賛成119の多数で採決しました。棄権は49、反対7、アメリカやイギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどが反対し、日本は棄権しました。この小農というのは、深川市の農業形態、家族経営の形態のことを指すと思っているのですが、同年12月18日の国連総会での小農宣言決議にも日本は棄権しました。日本農業新聞の報道では、この宣言は、家族経営農家の十分な生活水準を保つことや、協同組合の権利促進や支援の必要性も明記したと言いますし、背景には農業のグローバル化の問題もあると聞いております。2017年12月20日、第72回国連総会の本会議で、家族農業の10年間の設置には賛成した日本政府の、この国連との対応豹変についての見解と評価を伺います。
答弁 経済・地域振興部長 伊藤久人(経済・地域振興部長は2020年3月まで)
国連の小農宣言決議についてお答えいたします。国連が昨年12月に採択しました小農と農村で働く人々との権利に関する国連宣言は、家族経営など小規模な農家である小農と農村で働く人々における食料生産や生物多様性の保全などに対する貢献を評価し、加盟国に対し、小農と農村で働く人々のさまざまな権利を確保し、支援を促すものでありまして、その中では協同組合などの組織に対する支援などについても明記されているところであります。議員が触れられました本宣言の採択に当たっては、総会決議に向けて加盟国から採決をとった昨年11月の国連総会に第3委員会と同年12月に開催された国連総会では、ともに日本は投票を棄権したものと承知しているところです。一方で、家族農業の10年につきましては、世界の食料安全保障確保と貧困撲滅に大きな役割を果たしている家族農業について、2019年から2028年を国連家族農業の10年と定め、各国が家族農業に係る施策を進めるとともに、その経験を他国と共有することなどを求めているもので、一昨年の12月の国連総会において採択されているところでありますが、こちらにつきましては、日本は賛成票を投じております。そこで、質問の家族農業の10年の採択に賛成した日本政府の対応と今回の小農宣言との対応の違いについての見解と評価でありますけれども、小農宣言を棄権したことについては、昨年11月と12月に開催された参議院農林水産委員会や本会議において質疑質問がなされております。12月3日の本会議では、外務大臣から、国連総会第3委員会での対応については、政府としては小農民及び地方で働く人々の人権を保護すること自体は重要であると認識しているが、他方、これまで人権条約などにより定められてきた人権に加えて、新たに小農民に特化した個別の権利を確立するべきか否かについては、国際社会において意見が収れんされていない。また、これらの人々の人権を保障するためには、既存の人権メカニズムを活用することが効果的であるとの考えから棄権票を投じたとの答弁がありまして、また関連しまして、家族農業などの小農の役割と価値についての質問に対しましては、農林水産大臣から、家族農業経営は我が国農業経営体の約98%を占めており、今後とも、その健全な発展を図っていくことが重要との答弁があったところであります。このように、この小農宣言は、家族農業だけでなく、人権や基本的自由のほか多岐にわたるものでありますが、家族農業を否定するものではなく、また本市におきましても、地域農業・農村の維持、発展に大きく貢献してきた家族農業の持つ役割は、非常に重要なものと認識しておりますので、今後とも家族経営を主体とする担い手が持続的に営農に取り組めるよう、生産振興・消費対策、生産基盤の整備など、そういった各種施策の推進に努めてまいりたいと思います。
再質問 6番 佐々木一夫
一部、再質問をさせていただきます。今、そちらでも回答されましたけれども、日本政府の理屈でございますけれども、小農民や地方で働く人々の人権を保護することは重要だが、人権条約で定められてきた人権に加えて、小農民に特化した個別の権利の確立は国際社会でまとまっていない。これらの人権保障には既存の人権メカニズムの活用が効果的だから棄権したとの意味は理解できますか。私は、日本語になっていないと思っています。ここで言う国際社会はアメリカのことでしょう。これは、たしか国会で立憲民主党の議員が質問したものだったかな、ここで言う国際社会というのはアメリカのことですよね。この小農宣言の目的と価値は、行き過ぎたグローバル経済が途上国の資源を収奪し、環境を破壊し、人権をないがしろにしながら格差拡大を招いたことへの批判と反省がベースになって、グローバルリズムへの対抗思潮としての家族農業の再評価と復権を後押ししたもので、家族農業が主体の日本の農業こそ、その重要性を積極的に評価すべきものだったと思いませんか。この政府の見解というのは、反対よりたちが悪いと思いませんか。
答弁 経済・地域振興部長 伊藤久人(経済・地域振興部長は2020年3月まで)
再質問にお答えさせていただきます。この小農宣言につきましては、第1条から第28条までにわたります。本当に多岐にわたる内容のものでございます。その中で、政府としては小農民の権利とその辺の議論が未成熟といったことを理由として棄権したということのみ承知しているものでございますが、この件に関して、私どもが支持するとか否定するとか、あるいは擁護するといった考えは今のところ持っておりません。ただ、家族農業を否定しているわけではないと理解しておりますし、棄権したとしても、決議の内容については、国として守らなければいけない事項と、あるいは改善等をしていかなければならない事項がたくさん含まれていると思いますので、そういった点は今後とも注視し、実践としていかなければならない部分もあると思っております。