深川市議会 平成28年第2回定例会 2016年6月16日
TPPへの深川市としての対応
2016年6月16日、深川市議会の一般質問で、佐々木一夫議員が「TPPへの深川市としての対応」について質問し、副市長 坂本光央が答弁しました。
- 質問者
- 佐々木一夫 議員
- 答弁者
- 副市長 坂本光央
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 6番 佐々木一夫
それでは、2番目の質問に移らせていただきます。2番目は、TPPへの深川市行政としての対応について伺います。民主党の菅政権から野田政権へと小沢氏ら反対派を実質追い出しながら、アジアの成長を取り込むなどと理屈をつけて、締結に向けて動き出したTPP。TPP反対、特にISD条項反対を掲げたはずの自民党と公明党の安倍連立政権は、今や安倍首相が「私は、TPP反対などとは一度も言ったことはございません」と国会で宣言し、強力に国会承認に向けて推進しております。TPP自体は、ネガティブ条約であり、要は書いてあること以外はオールフリーといったものでありまして、極めてわかりにくく、多国籍資本の動きの想定も困難であると考えております。一番の問題は、自民党が野党時代に絶対に反対すると言ったISD条項の対象が政府だけでなく、自治体も含まれるということであり、深川市を初め各自治体がそれを自覚し、対策を考えているのかということが最も懸念されるところです。そういった考えのもとに、政府は現在発表しているTPP協定訳文について、とりあえず深川市行政及び深川市民にとって影響が大きいと考えられる数点について伺います。1点目、まず大前提として、TPPの最大の問題、いわゆるISD条項の対象が政府のみならず、自治体も対象であるということの認識があるのでしょうか。そして、第2章に内国民条項が出てきますけれども、基本的にTPPは加盟国全ての企業ほかを対等に扱い、市場開放することを原則としている。例えば新規就農者補助等は、深川市民限定とすることはできなくなり、その周知、公開方法も大きく変えられるのではないかを伺います。2点目に、同様の考え方は特に第15章の政府調達に顕著であります。これによって、特に公共工事の地域限定入札はできなくなるのではないか。第10条において、実質地域限定入札を禁じ、第12条においては、技術基準を国際基準とすること、地域特性を禁じる内容と思うが、深川市の考え方を伺います。3点目としまして、さらに医療関係、ここではとりあえず薬価基準について、第18章知的財産、第51条生物薬剤及び第53条特定薬品の販売等において製薬会社の市場保護及び特許権保護、そして、第26章透明性及び腐敗行為の防止について、附属書A、医薬品及び医療機器に関する透明性及び手続の公正な実施において、製薬会社の大幅な権利拡大を認めることになっています。薬価の高騰及びジェネリック薬品の規制の強化につながるのではと危惧しております。事実、既に市場においてはそれを先取りする形で1錠8万円のC型肝炎薬品も登場しており、国保会計に大きな影響を及ぼし、ひいては国民皆保険制度の実質的形骸化を招きかねないと思いますが、考えを伺います。総じて深川市単独の問題ではないと思いますので、全国自治体の連携はどうように考えているか伺います。
答弁 副市長 坂本光央(副市長は2017年3月まで)
TPPへの深川市としての対応についてお答えいたします。1点目の内国民待遇条項の適用に伴う農業補助における新規就農者への補助等の影響ということであります。初めに、ISD条項が自治体も対象であるかとの認識につきまして質問がありましたけれども、TPP協定において、投資家と国との間の紛争解決、いわゆるISDSの手続が規定されていると承知しております。このISDSは、国が公表しております資料によりますと、TPP協定への投資の章に規定されております投資のルール、投資の許可、または投資に関する合意のいずれかに投資受け入れ国が違反し、投資家が損害を受けた場合に国際仲裁廷を通じて投資家と投資受け入れ国との投資紛争を解決するものとされております。次に、新規就農者への補助等への影響についてでありますが、新規就農者補助等の自治体の農業振興補助金につきましては、これまで国等からはTPP協定の発効によって、その扱いが変更になるとの説明はなく、現時点においては影響があるという認識は有しておりません。いずれにいたしましても、本市の農業振興施策を着実に実施するため、引き続き国等から必要な情報を得ながら、TPP協定に関する理解を深めてまいりたいと考えております。次に、2点目の第15章政府調達、第10条限定入札及び第12条技術仕様について、工事、特に地元業者への影響についてお答えいたします。TPP協定第15章政府調達では、特定の調達機関が基準額以上の物品及びサービスを調達する際の規律を規定しております。具体的には、公開入札を原則とすること、入札における内国民待遇及び無差別原則、調達の過程の公正性及び公平性、地方政府を含む適用範囲のさらなる拡大に関する交渉等について規定しております。この章のうち第10条限定入札では、調達機関は入札書が提出されなかった場合、物品またはサービスが特定の供給者によってのみ供給されることが可能であり、かつ他に合理的に選択される物品もくしはサービスまたは他の合理的な代替の物品もしくはサービスがない場合等に限り、限定入札を用いることができるなどと規定しております。第12条技術仕様では、調達機関は締約国間の貿易に対する不必要な障害をもたらすことを目的として、またはこれをもたらす効果を有するものとして、技術仕様を立案し、制定し、または適用してはならず、また適合性評価手続を定めてはならないこと等を規定しております。現在、WTO政府調達協定における地方公共団体の入札、契約制度の概要では、建設工事などの予定価格が一定額を超えるものについては、一般競争入札を行うことと規定されておりますけれども、その対象は国や都道府県、政令指定都市となっているものでございまして、本市など地方の市町村への影響が及ぶものではないものと認識しておりますし、TPP協定におけるこれらの内容についても、現在のところ市町村まで影響が及ぶという情報は得ておりません。次に、3点目についてお答えいたします。TPP協定の第18章の医薬品の知的財産に関連する合意の概要は、一つ目は、医薬品承認のための試験、審査によって、特許権による利益を享受できなかった期間を勘案し、特許期間の延長を認めること、二つ目は、新薬のデータ保護期間を5年以上、生物製剤は8年以上のデータ保護期間の設定、またはその他の手段による同等の保護を行うこと、三つ目は、後発医薬品承認審査時に有効特許を考慮することなどとなっております。これらに対する国の見解は、国内の関連制度の範囲内であり、生物製剤を含む医薬品について、実質8年間のデータ保護が与えられているため、TPP協定によりジェネリック医薬品の承認がおくれることはないとしております。また、第26章の透明性及び腐敗行為の防止については、医薬品、医療機器に関する手続の公正な実施が合意されておりますが、これについても国は、既に日本では公開の中央社会保険医療協議会においてルールを決めるなど、透明、公正な手続により、薬価収載に関する決定を行っており、制度変更やこれに伴う薬価の影響はないとしております。しかし、質問のような薬価の高騰やジェネリック医薬品の規制の強化などが行われた場合におきましては、医療費全体の増加が危惧され、その結果として、国民健康保険の財政悪化につながるものと思っております。今後、衆議院におけるTPP協定等に関する特別委員会の審議の過程の医療分野の影響などの議論等も注視してまいりたいと考えております。最後に、4点目の全国自治体連携についてでありますけれども、TPP交渉が保秘契約というもとで進められていく中、情報収集にはかなりの困難を伴うことが予想されますけれども、本市といたしましては、国の動向を注視するとともに、仮に深刻な影響が及ぶことになるのであれば、北海道市長会や全国市長会を通じ、全国の自治体と連携しながら、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。