厚沢部町議会 平成30年第4回定例会 2018年12月11日
TPP発効への対応
2018年12月11日、厚沢部町議会の一般質問で、佐々木宏議員が「TPP発効への対応」について質問し、町長、副町長、農林商工課主幹が答弁しました。
- 質問者
- 佐々木宏 議員
- 答弁者
- 町長、副町長、農林商工課主幹
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 佐々木
それでは、平成30年第4回定例会一般質問をさせていただきます。日本の人口が減少する中、人手不足に対応した外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法が成立されました。一方、近年の農業情勢は市場原理に基づく競争力強化を推し進める農政改革や安倍政権の成長戦略である国際貿易交渉では、TPP11が6カ国で国内手続を終え、12月30日に発効するのを初め、日EU・EPA協定が国会承認され、来年2月発効するなど、過去最大規模の農産物市場開放が見込まれております。さらに、来年1月からは、新たに日米物品貿易協定の締結に向けた二国間協議が開始されます。トランプ政権は対日貿易赤字の削減を重要課題に掲げており、農業が工業製品の犠牲となる貿易交渉が進められる状況下にあります。前から質問事項でございます。1点目のTPP発効への対応というようなことでくくっております。本年の農産物の作況については、6月からの低温、日照不足など、天候不順により、北海道の水稲作況不良が90、檜山93と、本町においてもJA新はこだて厚沢部支店の農産物取り扱い数量・販売額とも計画を大きく下回っている状況であります。政府は、TPP対応等の農水産業への強化策を打ち出しておりますが、生産現場では本年の不作とあわせ強い懸念が広がっております。本町農業の振興を考えたときに、国の政策とあわせて町独自の政策を講じていく必要があると思うところであります。そこで、以下、4点について町長の見解を伺います。1つには、収入保険への加入状況であります。2つ目に、スマート農業推進に向けた今後の支援であります。そしてまた、3つ目に、スマート農業実証農場設置の考えはないか。そして、4つ目に、小規模農家支援、ハウス事業などの考えはないのかと。以上であります。よろしくお願いいたします。
答弁 町長
佐々木議員のTPP発効への対策についての質問であります。まず、TPP発効による本町農業への影響についてでありますが、平成30年2月に、北海道が影響についての分析をした結果では、農畜産物全体の生産減少額は293億円から470億円、うち畑作物に限定すると55億円から79億円と試算されているものの、国内対策により、生産や所得が確保されると見込まれておるところであります。ただし、TPPの発効による影響が少ない場合においても、将来的にわたり本町農業が維持・発展していくには、未来を見据えた技術の導入と農業経営の安定、農業の担い手の確保を図ることが基本的な事項として認識をしているところであります。御質問の中での1点目、収入保険制度への加入状況についてでございますけれども、収入保険制度は農業経営者ごとの収入全体を対象とした総合的なセーフティーネットとして、平成31年1月に始まる新たな保険制度であります。収入保険制度のメリットは、収入の予期せぬ減少が生じた場合、品目や減少理由によることなく農業収入そのものが補填されることにあります。現在、みなみ北海道農業共済組合で、加入についても周知やアドバイスを行っているところですが、現時点での申し込み件数はゼロとなっております。その要因の1つとして、制度的な部分においては、対象が青色申告を行っている個人・法人に限定されて、加入対象者にならない点があるわけで、また、個々の農家の方々の状況や判断となりますけれども、現状の共済制度やならし対策において収量減少や価格低下に対応しているため、収入保険のメリットが見えにくい点があるというふうに考えられます。2点目のスマート農業推進に向けた支援についてでありますけれども、町ではスマート農業を導入するため、平成29年度にはGPS基地局を町内3カ所に設置して、利用環境を整備するとともに、平成30年度は国の補助事業を活用し、GPSガイダンスや自動操舵の導入を促進しています。次に、3点目のスマート実証農場の設置についてでありますけれども、農林水産省では、ロボットやドローン、AIなどの先端技術を活用したスマート農業加速化実証プログラムを平成31年度に概算要求しております。実証実験の導入については、確かな補助金活用による形式的なメリットがあるとは考えられる反面、モデル的な事業には先端技術を持った研究機関や事業者との連携、そして、農業生産団体と一体となって推進しなければ、その持続性も課題となってまいります。現状では確立された技術を補助金活用により、いち早く有利な条件で導入できる環境の構築がより現実的であるというふうに考えております。4点目の小規模農家支援ハウス事業を町単独事業で導入することについてでありますが、現在、農に生きるパート7を策定するためのワーキンググループを設置して、定期的に内容を協議しております。その中で営農規模及び類型ごとのあるべき姿についても今後議論されますので、議論が一定程度進んだ段階で、ハウス事業にかかわらず町全体の農業をどう発展させていくかを検討した中で判断してまいりたいと、このように考えております。
質問 佐々木
さっくりとした丁寧な返答ありがとうございました。1点目の収入保険に関してでございますけれども、TPP11、そしてまた、日EU・EPA、実質的に来年度から発効されるわけです。それに基づいて米国はTPP以上の市場開放と関税引き下げを求めてくるのが目に見えていることであります。当然経営を守っていくということになると、やっぱり今年も大変共済制度のお世話になっていますけれども、それ以上に収入保険の加入というものは必然的な部分になるんでないかなと私は認識しておるところであります。質問通告の仕方がちょっとまずい面もあったんですけれども、農業経営の安定と担い手確保といった観点で、本年の不作に応じた対応という部分は考えておられませんか。JAでは、畑作物全般で3割から4割の収量的な減収があるというようなことで、生産高では山崎さんがおっしゃられたような金額の実態にあるというようなことで、農協では早々に11月段階で減収対応というようなことで、資金面の手だてをしているわけです。従来の町の対応としては、そういった部分の利子助成といいますか、支援といいますか、そういう対応はできないものなんですか、どうなんですか。
答弁 副町長
実績対比というか、今のJAで決算見込みは、厚沢部町の場合約29億円ということで、計画対比であると4億円ほど下がっているんですけれども、実績対比、いわゆる29年度の実績対比すると3億円くらいの減、10パーセントぐらいの減ということでございます。去年の共済組合のほうのあれがちょっとよくわからないんですけれども、先ほど資料もらいますと、3億円くらいということがありましたので、そうすると、実績と共済だけで比べると、そこそこのところはいくのかなというふうにも思ってさっき聞いていたところでございます。かつてであれば、農協が資金対応した分の利子補給等という対応というのが、やった年もあるわけでございますので、その辺、結構早い時期に農協のほうが動いていたというふうに聞いているんですけれども、うちのほうには何も言ってきていない。それに何人の農家が手を挙げたのかも全く報告がないような状況でございますので、その辺、本当に貸し付けは、対応はしたけれども、実績があったのかどうかも含めて確認したいと思いますけれども、現時点では何もないということで、現段階では町として何も考えていないという状況でございます。
質問 佐々木
その中で、ジャガイモ、バレイショが相当狂っているというようなことがあります。バレイショ作付関係者から、種芋施設更新というようなことで積み立て、キロ2円やっていますけれども、今年については、1年先送りといった形とれないかというような声も聞こえておりますけれども、その点についてはいかがなものでしょうか。
答弁 農林商工課主幹
バレイショの選別施設の利用料ですが、現在はキロ当たり2円ということで納めていただいている状況ではございます。ただ、毎年の計画量が6,800トンということで計画しておりますので、まずはその通知に対してどうなのかということと、あとは実際の、先ほど収量とかも少なくて共済金が補填されるということで、実際の収支を勘案しながら検討する必要があるんですが、先ほど副町長の答弁からありましたとおり、まだちょっと正式にJAから要請とか、数値的なデータというのをいただいておりませんので、今後の検討事項として考えたいと思います。以上です。
質問 佐々木
年末いつも農協等のほうからも要請があると思います。そういった中で、利子の手助け、あわせて、またそういった施設の積立金といった分を考え合わせた中で前向きな部分で検討していただければというふうにお願いを申し上げておきます。次に、②のほうですけれども、スマート農業に向けた支援というようなことで、土は我が町は整備されて、そして今年も実際的に国の補助事業を活用して進んでいるというようなことであります。今後も大規模経営体においては、ITをような技術だろうというふうに思います。そういったような部分で、国の制度とあわせて、今後も積極的に町単も上乗せした中で事業を進めていく考えが大事だろうというふうに思っているところであります。以上、深くは言いません。あと、次、3点目のスマート農場設置といった部分です。これについては、来年度と年度変わるんですけれども、31年、32年という2カ年でロボットとAI含め先端技術のスマート農業といったものが国で進めていると。それにあわせての実証のプロジェクトといった中で、農場という部分も出てきております。そういった中で、活性化センター等を含め、その辺で何とかできることないですか。何か考えられるようなことないでしょうか。逆にこっちのほうから提言して、やっぱり取り組んでいったらいいんでないかなと。
答弁 副町長
スマート農業、聞こえは大変すばらしいし、私もこれが当然主流になってくるんだろうなというふうに思っております。スマート農業自体が、いわゆる今うちが導入しているような、何というんですか、無人操舵だとか、GPSで動くとか、そういうことだけではなくて、いわゆるロボットというんですか、産業ロボットなり、あとAIやIOT、いわゆる、そういうコンピューター技術を使ってデータ蓄積する中で、どういう栽培方法だとか気象条件によって、今何が必要だとか、そういうことを調査し活用していくというようなことも含めて、スマート農業なわけでございます。現実的には、そこまでやるとなりますと、活性化センターとかよりも、さらに本当の日本の先端技術の大学なり、メーカーなりとタイアップしながらでないと、なかなか難しいのかなと思っております。今、現時点でのうちで進めている自動走行のトラクターなりのレベルでありますと、各、おのおのの実証実験するというよりも、の圃場でも利活用できる段階に入っているということでございます。できれば、そういう大学なり民間企業とタイアップしながらやれればいいんですけれども、どちらかというと、町長の答弁にありましたとおり、ある程度、もう少し確立されてから導入する、補助金を入れながら導入するという形がベストなのかなというふうに考えております。
質問 佐々木
山崎議員からもお話あったように、新はこだてで厚沢部町だけが何といいますか、自然を相手にした一般畑のウエートが多いというようなことで、災害に対応ができていないと、できていないというか、何というか、そういう自然の条件をまともに受ける農業経営体であるんですよね。そういったことで、町長以前に、土層改良といったような、作物はやっぱり町長が言われたように、人は土をつくるんだと、土は堆肥だと、堆肥は人のやる気だというような大変明言を残していますけれども、その土層改良といったような部分で、以前、大変連れてきた講師先生が、すばらしく改良できる内容だなと思ったんですけれども、そういった部分をこういった実証実験の中に載せて取り組んでいったらいいがかというような、ただ一遍の講習会だけでなくして、きちっと実態に沿った行動といいますか、事業を進めていくのが大事でないかなというふうに思いますけれども、そういった部分は組み合わせ、今回のこのスマート農業の部分には組み入れることはできないんですか。どうですか。
答弁 町長
今、佐々木議員が言われるように、一番基礎的な話であります、これは。今は厚沢部町で何を部分的にその会議をしても中途半端になってしまいます。というのは、今、佐々木議員が言われるように、土層改良ができていない農地はばかりの中でやるからこういうことだね。土層改良というものは、もう既に熊本県のほうでは、既にもう市町村が条例化して、既にみずからの町の農地は守るというふうな感覚なり、条例まで起こされております。私も厚沢部町のメークイン、特に作物を死守するためにも、そしてシストセンチュウからこの農地を守るためにも、この土壌保全基本条例というものは必要であるというふうに実は考えているところであります。早い機会にこの土壌保全基本条例というものを厚沢部町は起こして、そして厚沢部町の農地はみんなで守るというふうな、こういう基本的な考え方持っていきたいと、こふうに考えております。その過程の中で、今言う、佐々木議員が言われるような、こういうモデル的なものもセットでものを進められれば、これは農家負担もやや少なくて、そして、そういうふうな基本的な考え方、モデル的な考え方、そして、全道、全国、まだ見当たらない施策というものが出てくる、こういうふうに思っております。いずれにしても、この土壌保全基本条例の制定する時点に、こういうものを含めた佐々木議員の考え方の今のものも含めた中で検討していくべきだろうと、こういうふうに思っております。
質問 佐々木
条例制定まででなくして、すぐに今日から取り組んでいかなければならない大きな課題でございますので、JA含め、当然関係機関大きい大学という専門機関も組み入れた中で、ぜひとも進めていただきたいというような提言をしまして、④のほうです。小規模農家といった部分でございます。これに町長冒頭、収入保険等でも御答弁あったように、収入があれば教え合っている方もおられますけれども、ほとんどはやっぱり個人経営体というようなことで、弱い体質になっているというようなことであります。農に生きるパートナーも新バージョンで来年度中にはでき上がってくるのかなというふうに思っておりますけれども、ただ、町内見渡しても、国の政策もそうなんですけれども、力のある、競争力に勝っている経営体が生き残っているというか、そういう集落の状況でもあります。集落は大きいのばかりであれば、それでいいのかというようなことは決してならないんですね。いろいろな集落の環境保全考えたときに、いろいろな農業者含め、人々がいないと集落はなっていかないと。次の2番目の質問にも関連してくるんですけれども、再度集落を農業者の主体的な取り組みといったものを農業政策に講じていく必要があるというふうに改めて思ってございます。集落に関しては、2回ほど以前もやったんですけれども、何か堂々めぐりの私の思いと違う、違うというか、なかなかかみ合わない状況にありますけれども、そういうようなことで、ぜひとも、これ次に関連しますので、よろしく、あわせて御答弁していただければというふうに思うところであります。