当別町議会 令和5年第4回定例会 2023年12月8日
介護人材不足について
2023年12月8日、当別町議会の一般質問で、海野学議員が「介護人材不足について」質問し、町長 後藤正洋が答弁しました。
- 質問者
- 海野学 議員
- 答弁者
- 町長 後藤正洋
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 2番 海野学
それでは、議長の許可が出ましたので、通告に従い一般質問を始めさせていただきます。今日は介護人材不足について3点質問させていただきます。当別町では今年半年の間で人材不足によるデイサービスの休業が2か所ありました。現在西当別地区で営業しているデイサービス事業所がない状況です。地域共生社会の現実に向けた当別町版地域包括ケアシステムを含め、その根底にある介護福祉施設の危機と感じています。当別町在住の高齢者の方々やご家族が安心して生活できるためには、継続的な介護サービスの提供は不可欠であり、人材確保、育成が急務と考えられます。介護事業所が廃止、閉鎖、休止に至る理由は様々ですが、次に言う要因が影響しています。1つ、介護報酬改定の影響。2つ、人材不足。3つ、新型コロナウイルスの影響。4つ、物価高騰や経費増加による資金の不足。以上が要因です。その中でも2つ目に上げた介護職の人材不足は、日本高齢化社会において深刻な課題となっています。この問題が引き起こす影響ですが、2つ、一人一人に目が行き届かない介護になる。これは、介護職員が不足すると1人の職員が多くの要介護者を担当することになります。その結果、個々のケアに目が行き届かなくなり、質の低い介護が生じる可能性があります。結果、要介護者の方の生活、ケアの質が低下します。2つ目、過重労働とストレス。これは、人手不足のため介護職員は長時間労働や過重な負担が強いられることになります。これにより体力的、精神的なストレスが蓄積され、職員の健康やモチベーションに悪影響を及ぼすことがあります。以上が影響です。2つ目の過重労働とストレスの結果退職ということになるのですけれども、退職の原因としては4つ。1つ目、とにかく忙し過ぎる。人手が足りないので、負担が増える。負担が増えるので、自分の時間がなくなる。自分の時間がなくなるので、退職する。結局人手がさらに足りなくなる負のスパイラルに陥ります。2つ目、低賃金、重労働。もしかしたらこれが一番大きな原因かもしれませんが、労働の対価に見合った賃金は支払われていません。介護業界の平均月額給与は、全産業の平均よりも10万円安いという厚生労働省の調査があります。また、サービス残業も常態化しています。低い人件費に抑えないと事業が成り立たないという経営的な事情もあります。3つ目、リスクが高い。要介護度者の重症度はそれぞれ異なりますが、どんな段階であれ人の命を預かる職業です。万が一事故が発生したら、その責任は担当者の上にのしかかります。手が回らなかった、目が行き届かなかったは人手不足のせいにはできません。人を預かるのはリスクが高過ぎると感じている介護職員が多いのです。4つ目、職員同士の連携不足や関係機関との交流。施設内でのコミュニケーションの不足や協力体制の弱さが職員のストレスを高めたり、モチベーションを低下させています。また、コロナ禍もありましたが、関係機関との交流も少なく、自分の職場や仕事を客観的に評価できない状況があります。以上が原因です。国は令和3年7月9日に第8期介護事業計画の介護サービス見込み量に基づき都道府県が推計した介護職員の必要人数を公表しています。別紙を御覧になってください。厚生労働省は、2025年に介護職員が全国で32万人不足するという推計を発表しました。ちょうど団塊の世代が75歳以上になる頃ですから、少子高齢化がかなり進んでいることになります。高齢者が増えて介護が必要な人はたくさん増えているのに、介護してくれる人が減っているのですから事態はとても深刻です。2025年に必要な介護職員の総数は243万人と言われています。2019年の時点ですが、211万人しか確保できていません。2040年には280万人、69万人の介護職員を確保する必要があると推計されています。現状でも人手不足で苦しんでいるのに、今後さらに人が集まらなくなります。介護は親がいる以上誰もがいつか直面することです。以前はスローガンのように高齢になっても住み慣れた地域で安心した老後が送れるようにと言ってきましたが、介護人材が確保できなければ実現できません。これはもう国や自治体、施設運営者だけの問題ではなく、家族や自身の老後も見据えて町民全体が考えなければならない重要な課題と言えるのではないでしょうか。介護業界の人手不足を解決するため、国の対策では介護業界の人手不足はどうやったら改善できるか、超高齢化社会の日本で若い層がこの業界に入ってきてくれるかなど絶望的な意見も聞かれていますが、国も介護人材不足の問題に取り組み、今まで幾つか解決策を上げています。平成27年度補正予算の中で3つの柱を上げています。1つ、離職した介護人材の呼び戻し。2つ、介護人材新規参入促進。3つ目、離職防止、定着促進。令和3年からの第8期介護保険事業計画では、入門的研修、介護人材育成に取り組む事業所の認証評価制度、多様な働き方導入モデル事業、介護のしごと魅力発信等事業、介護人材確保地域戦略会議などどれも一つ一つではあまり効果が出ていない状況です。続いて、最初にお話ししました介護事業所が廃業、閉鎖、休止に至る理由に上げた4つ目ですが、物価高騰、または経費増加による資金不足について、2021年度に実施された調査によれば14都道府県の緊急事態宣言対象地域の通所介護事業所、デイサービスのことなのですけれども、約42.5%が赤字。対象外の地域でも40.1%が赤字であり、コロナ禍での施設の利用率の低下が影響していると見られています。このデータから介護事業所の経営は厳しい状況にあり、人材不足によるコスト増加などがさらに赤字率に影響を及ぼしていることが分かります。さらに、2022年の倒産、休廃業、解散は全国で過去最多の638件に急増しています。施設や介護事業の経営面から見れば、介護保険の財源が厳しく、介護報酬も薄い状況です。人材確保のためたくさんの介護施設が求人を出しています。当別町の施設でも求人や紹介料に年間1,000万円程度拠出しているところもあります。現在は求人を出したところで数多い求人の中に埋もれてしまうだけのように見えてなりません。求人は今後さらに熾烈な奪い争いになるかと思います。施設、事業所が高いお金を払って人材を確保できない。例えは悪いかもしれませんが、宝くじですとか、詐欺のような状況になってきています。結局人材確保ができなければ介護が必要な方がいたとしてもサービス提供ができなく、さらに介護福祉施設の経営が悪化する負のスパイラルに入ってしまいます。先日、産業厚生常任委員会の道内所管事務調査で道北の鷹栖町に行かせていただきました。旭川に隣接する鷹栖町は、人口は当別の半分以下の町ですが、早いうちに介護人材の確保に動かれていました。町内に高校が1つありまして、平成24年より定員割れとなり、高校存続の危機の問題になっていました。その町は、高校側から学校存続と介護人材の確保の観点で町と協議をして道教委のほうに申入れを行ったそうです。高校での介護職員初任者研修がそれで開校できたそうなのですけれども、開講後の志願倍率は1.6倍にまで上がったそうです。研修の主催者は町で、受講料のほうは無料、全て町が負担しています。対象の方は高校2年生で、実習や講義は町内の介護福祉施設が中心に近隣の大学や専門学校も協力していただいているそうです。また、町内の福祉関係事業所に就職している方や就職を予定している方も受講の対象としているそうです。また、高校1年生には先ほど言った入門的研修を受けていただいて、ボランティアですとかバイトの人材に貢献してもらっているそうです。鷹栖町では保健福祉課だけではなく、違う部局もほかの制度や助成金を利用して垣根を越えて介護人材の確保に協力していると話されていました。また、そのほか外国人労働者の方の導入も行っているそうで、道北の市町村もそれぞれ介護人材不足なため、外国人労働者の方の獲得についても競争率が高くなってきているそうです。思うように人数を確保することはできないのですけれども、総合的に人材確保に取り組んでいるということでいろいろと勉強になりました。それでは、介護人材不足について町長にお尋ねいたします。1つ目、厚生労働省では介護人材確保に向けた取組を打ち出していますが、当別町の介護人材不足について町としてどこまで現状を把握し、今後対応をどう考えているのか。2つ目、2022年にはデイサービスの倒産や休廃業が全国で過去最多の状況になっています。物価高騰や人件費、人材確保の支出が増えています。町では、介護人材確保の観点から何の支援を考えているのかお聞きしたいと思います。また、3つ目、当別町版地域包括ケアシステムについて、今後は介護人材の確保が大きな課題となると記載されています。第8期当別町介護保険事業計画のPDCAを踏まえて第9期にはどのような介護人材確保を計画しようとしているのか。3つお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
答弁 町長 後藤正洋
海野議員の一般質問にお答えをいたします。ただいま産業厚生常任委員会の研修等々を踏まえまして、あるいはまた海野議員個人の専門的な知識を基にいろいろと現状把握をされてご質問をいただきました。その中で、初めに町の介護人材不足について現状把握と今後の対応をどう考えているかというご質問でありましたけれども、現状の把握につきましては町内の介護福祉施設の人材不足によりまして、今年度においてデイサービスが2か所、そしてショートステイにおいても1か所が休止となっております。また、夜勤がある事業所につきましては、大変少ない人数でシフトを回しているなど、厳しい状況が長く続いているということもお聞きをしております。今後の対応につきましては、全国的な介護人材不足による人材確保の困難さや、他業種より平均賃金が低いなど町単独では解決が難しい課題につきましては、国の動向を注視するとともに、必要に応じて関係機関に要請を行ってまいりますが、議員の質問の中でご指摘いただいたように持続可能な介護福祉施設の運営につきましては人材確保は必須であることから、必要な対策について町としても検討しているところでもあります。次に、介護人材確保の観点から何か支援は考えているのかとのご質問でありますけれども、具体的な支援策として町内事業者が行う求人募集等に対する補助ですとか、あるいは介護福祉士などの有資格者に対する就労支援などについて検討をさせていただいております。次に、介護人材の確保について第9期の計画においてどのように反映するのかとのご質問でありますけれども、厚生労働省が示した第9期介護保険事業計画の基本指針において介護人材確保及び介護現場の生産性向上の推進を重点項目としていることから、その方針を踏まえて現在町の策定委員会において審議をしているところであります。そういった中でしっかりと示していければというふうに考えております。以上、海野議員の一般質問に対する私からの答弁といたします。よろしくお願いいたします。
再質問 2番 海野学
ありがとうございます。まず1つ、現状把握についての再質問になります。町内の法人が運営している社会福祉士の現状の把握について、人材不足のためショートステイの事業所もやむを得ずというような現状を把握しているという部分で町長のほうからご答弁いただいていますが、そこで現状当別では介護人材の不足に対する人材確保の取組は行っていないと思いますが、近隣市町村では介護人材確保のために市町村独自での人材育成や就職マッチング事業を行っています。例えば江別市では介護人材養成支援事業、千歳市では介護医療連携の会というものを立ち上げて、無料で職業紹介所の開設ですとか、介護人材を逃がさないような仕組みづくりですとか、初任者研修なども実施しています。もう一方で、介護人材や介護資格者を当別町から流出させない方策として社協のボランティアセンターですとか、シルバー人材センターの機能を活用して町の人材登録バンクや介護職員の紹介所を新たに設置するなど新たな対策を検討してはどうかなと思ってはいるのですけれども、町長のお考えをお尋ねいたします。よろしくお願いします。
答弁 町長 後藤正洋
海野議員の再質問にお答えをさせていただきます。今ほどご指摘をいただきました人材の育成ですとか、就職マッチングなどの事業実施、あるいは人材登録バンク、社協ですとか、そういったことを活用してというお話がありましたけれども、介護職の紹介所の新たな設置などの検討をしてはどうかというようなご質問だったかなというふうに思いますけれども、先ほどの答弁で述べましたように必要な対策につきまして今検討をさせていただいておりまして、議員ご指摘のように国の第8期ではそれがしっかりと結果が出せていないというご指摘をされましたけれども、そういったことも踏まえて9期の中で国が示したものを洗い出しをした上で町としても今検討しているということですので、その中でしっかりと全体的な施策の優先度ですとか、そういったものを踏まえて総合的に判断して必要な対応を取っていくということで対応したいというふうに思っております。
再質問 2番 海野学
町長、ありがとうございます。また、2つ目の部分なのですけれども、今後の対応についての再質問です。町長から必要な対策について検討すると前向きなご回答をいただき、大変心強く感じました。ありがとうございます。近隣市町村では介護人材の確保や移住促進の面からも就労支援金ですとか、家賃の助成、あと補助金制度も設けている自治体が出ています。例えば新篠津村では福祉人材確保対策就労支援金ですとか、石狩市では介護サービス事業者人材確保補助金ですとか、外国人介護技能実習促進補助金、月形町では資格取得支援事業など、こうした既に取組を開始しているほかの自治体を参考に当別町独自の支援を検討するべきかなと思っていますが、町長のお考えをお尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。
答弁 町長 後藤正洋
今介護人材の不足、いろいろな業種で人材が不足しているという状況が全国レベルで起こっていますので、そういった中でそれぞれの自治体の中で人材を確保していくということは大変厳しい状況にあるという認識をさせていただいております。そういった中で今海野議員のほうから再質問で他の自治体を参考に町独自の支援を検討すべきではないかというご質問だったかなというふうに理解をしておりますけれども、先ほどの再質問につきましても町全体の施策の優先度ですとか、事業規模を総合的に判断をして今検討させていただいておりますし、人材を確保するという点で危機的な状況にあるという認識はしておりますので、そういったことを総合的に判断をして必要な対策を検討してまいりたいというふうに思っております。
再質問 2番 海野学
ありがとうございます。3つ目の第9期当別町介護保険事業計画についてなのですけれども、どのように反映しようとしているのかについての再質問になります。現在当別町の第9期介護計画策定時期で、そのプロセスの中で委員会で審議していくという町長のお答えをお聞きしましたけれども、策定委員会の審議はもちろん重要なものであると認識しておりますが、併せてこの介護人材の確保問題については全国的に多くの市町村においても重大な課題となっているとお聞きしています。解決の糸口を見つけるためには、やはり介護現場の状況をよく理解していただくことが重要かと思っています。町、行政と事業者、関係機関が一丸となって風通しよく情報を共有して対策を考えていく、これができてしっかりと連携していくことが大切ではないかと思っています。そういった情報を共有する場所が今後できていければいいなとは思っています。町長のお考えをお尋ねしたいと思います。
答弁 町長 後藤正洋
ありがとうございます。海野議員の再質問にお答えをいたしますけれども、介護人材の確保につきまして、先ほど申しましたように大変危機的な状況であるという認識をしておりますが、町と事業者、そして関係機関が一丸となってしっかりと連携していくことが大切で、そういった状況、共有の場が必要であるというふうに認識をしておりますし、そういう質問であったかというふうに思っております。これまでも町と事業者、関係機関において医療ですとか、介護など様々な分野で連携ですとか、あるいは情報共有をしてきているものと認識をしております。今後必要に応じてそういった情報交換などを行っていって、全国的な課題でもありますこの人材不足という部分についてどう対応できるのかということを協議をしてまいりたいというふうに思います。また、先ほどご質問の中で視察をされたことで具体的に事例を上げて、例えば高校での取組ですとか、そういったお話もいただきましたけれども、そういったものも参考にさせていただきながら今後幅広く協議をし、自治体としてできることと、それから国や道に要請をしていくこと、それをしっかり分けた中で全体的に人員の確保ですとか、介護の質の向上ですとか、そういったことにつなげていくような施策の展開を図っていきたいというふうに思っています。以上です。
再質問 2番 海野学
質問のほうはこれで終わらせていただきますが、私はこの介護人材の不足の問題については北海道内、または当別において介護従事者も要介護の方も札幌市のほうに流れているように推測しています。介護人材の不足や介護施設の運営は今後人口流出のリスクも視野に入れながら町、行政も連携した上で減少につながる危機感を共有して、町民のニーズに合わせて対応を講じていく必要があるのではないかなと感じます。また、反対に介護人材を町外から呼び込むことができれば人口増加に結びつく、そういうようなことも考えられますので、介護分野の影響のみならず総合的な視点で介護人材の対策を検討していただきますようお願い申し上げて、私の質問を終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。