美唄市議会 平成21年第1回定例会 2009年3月6日
(1)美唄地区国営農地再編整備事業について/(2)鳥獣食害対策について/(3)宮島沼保全体対策について
2009年3月6日、美唄市議会の一般質問で、白木優志議員が「美唄地区国営農地再編整備事業について」「鳥獣食害対策について」「宮島沼保全体対策について」について質問し、市長 桜井道夫が答弁しました。
- 質問者
- 白木優志 議員
- 答弁者
- 市長 桜井道夫
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 9番 白木優志
平成21年第1回市議会定例会に当たり、私は大綱3点を市長に質問します。大綱の1点目は、美唄地区国営農地再編整備事業についてであります。平成11年に食料農業農村基本法が制定され、その目的は、担い手の育成、経営の改善等であり、平成19年には、中・大規模農家に支援が集中する経営安定対策も制定され、現在に至っていますが、私は以上の経緯を基に具体的成果が上がっていない理由として、小規模農家の切り捨てとの批判を恐れ、従来の農政を支持する人、新農政を変えようとしない人が原因で、水田農家の経済力の弱体化を招いたと考えています。私は、FTA、WTOにおける関税引き下げや撤廃が避けられそうにもない状況であることから、本市農業が持続的に発展し、安全安心な食料供給や、さらなる生産力をつけ、経済競争力が高まるためには、強い農業生産基盤整備も必要であり、農地再編整備事業は必要な投資と考えています。本市において、国営農地再編整備事業が期成会を中心に、実施に向け活動中であるが、以下3つを市長に質問します。1つ目は、事業効果についてであります。- -37受益者が営農上のさまざまな分野で、多面的な効果が期待できると思われるが、その事業の目的及び事業効果と合わせて、完了地区の効果についてお伺いします。2つ目は、事業の波及効果についてであります。この事業は、すそ野が広く、国土や地域の農業など、実際経済にも高影響が考えられる。そこで、私はこの事業の実施による直接効果及び波及効果についてお伺いします。3つ目は、事業負担と負担軽減策についてであります。国営農地再編整備事業を実施するに当たり、受益農家の負担軽減策について市の考え方をお伺いします。大綱の2点目は、鳥獣食害対策についてであります。今年も少雪で雪解けも早まることと思います。それに合わせて、北へ渡る水鳥や野鳥が飛来する時期が来ました。宮島沼においても白鳥やマガンの飛来推移が述べ数で100万羽以上と想定され、その食害も相当数に及ぶものと想定されます。また、アライグマ等による食害も確認され、被害防止に向けた対策が必要なことから、私は特にマガン、アライグマに絞って4つ市長にお伺いいたします。1つ目は、特に小麦に対するマガンの食害の被害状況と、防除資材の効果についてお伺いします。2つ目は、本市におけるアライグマの被害状況や捕獲頭数と処分方法についてお伺いします。3つ目は、有害鳥獣で、特にアライグマについてであります。元はペットから野生化した動物であることから、人への警戒心も薄く、餌付けも簡単であると聞いています。市民、特に子ども達が、被害に遭遇しないような啓発活動等の対策が必要と考えているが、お伺いします。4つ目は、マガン等による食害防止向上における対策についてお伺いします。大綱3点目は、宮島沼保全対策についてであります。間もなく宮島沼においては、1年で一番の活気のある季節がやってきます。国内最大の寄留地として多くのマガンでにぎわう姿は、来訪者などに大きな感動を与え、また、自然や環境の学習の場として、高い評価をいただいている宮島沼ですが、私はここ4、50年の間に、宮島沼を取り巻く環境が随分と変化をしたなと感じているところです。そこで、国が沼における保全対策事業の中で、環境調査を実施したと聞き、その結果の概要等、以下3つ市長に質問します。1つ目は、沼の縮小浅底化についてであります。沼の水深、湖底の地形、堆積物等による影響など、現状ではどうなっているのか。また、縮小化への原因と現状をお伺いします。2つ目は、沼の水質悪化についてであります。その原因と現状をお伺いします。3つ目は、マガンの生育環境と、生物相の変化について、具体的に現状ではどうなっているのかお伺いします。
答弁 市長 桜井道夫(市長は2010年6月まで)
白木議員の質問にお答えします。初めに、美唄地区国営農地再編整備事業について、国営農地再編整備事業の目的などについてでありますが、本事業の目的は、区画整理を中心に用水、排水、道路等のほ場条件を総合的に整備すると共に、農地の利用集積- -38や流動化を図り、営農形態に適合した農業機械の効率的な利用や、合理的な水管理、生産性の高いほ場条件を整備することにあります。次に、事業効果としましては、労働力や施設の維持管理費の節減などによる生産コストの縮減に加え、良食味米の安定生産や、収量及び品質の向上、消費者ニーズに合った安全・安心な農作物の生産などの効果が期待されるものと考えております。なお、道内の完了地区においては、生産量が13%向上したほか、11の農業生産法人が発足したことにより、共同作業等で労働時間が5割に短縮され、農業機械の共同利用等で生産コストが20%節減したとの例もあるものと承知しているところでございます。次に、直接効果及び波及効果についてでありますが、本事業は、本市農業の振興や農家所得の向上を始め、食料農業農村基本法の基本理念の1つである、農業の多面的な機能として、国土の保全、水源涵養、自然環境の保全など、さまざまな直接的な効果が期待されます。また、農業基盤の整備や、農業に対する効果にとどまらず、事業の実施に伴い、工事や測量の資材、重機燃料の購入などの一時波及効果や、雇用労働者の所得が消費され、新たな生産活動を誘発する2次波及効果も大きいものと考えております。次に、事業の負担軽減策についてでありますが、本事業は、農業の生産性向上や安全・安心な農作物の生産と共に、国土保全、水源涵養などの農業の多面的な機能や、道路排水などの生活環境の向上、さらには地域経済へのさまざまな波及効果が期待されることから、本市の厳しい財政状況を十分に踏まえ、受益農家負担の軽減措置を検討してまいります。次に、鳥獣食害対策について、被害の状況と防除資材の効果についてでありますが、マガンによる小麦の被害については、春先の水田起こしが終わり、落ちもみなどの餌が無くなり、小麦の若芽が食べられるといった食害に対し、市では平成14年度から自己防衛のための防除資材として、農家の皆さんにポールと鳥よけテープを貸し出し、防除対策を進めてきております。こうした取り組みにより、マガンは防除対策を行っていないところへ餌場を求め移動するなど、一定の効果があったものと考えております。次に、捕獲頭数と処分方法についてでありますが、本市においては、平成18年からアライグマの出現を確認しており、数件の農家でスイカやトウモロコシなど、自家用野菜に被害がありました。アライグマは繁殖力が高く、生息域も全市に拡大しており、平成18年度は22頭、平成19年度は51頭、平成20年度は40頭捕獲しました。捕獲したアライグマについては、特定外来生物による生態系等に関わる被害防止に関する法律に基づき駆除しております。次に、有害鳥獣の習性等における市民への啓発についてでありますが、アライグマは繁殖力が高く、食欲旺盛で生息域を拡大し、農作物に被害を与えるばかりでなく、地域固有の生物の生態系や市民生活に大きな影響を与えることから、市としましては、箱わなによる捕獲を行っており、箱わなの貸し出しや設置の際に、使用方法とアライグマへの対応に十分注意をするよう啓発しております。- -39今後ともアライグマの習性や有害鳥獣としての危険性などについて、広報紙メロディーなどで市民の皆さんにお知らせしてまいりたいと考えております。次に、マガンによる食害防止策についてでありますが、平成14年度から取り組みを進めている、ポールと鳥よけテープにより一定の効果がありましたので、今後もポール等の対応で小麦の食害対策を進めてまいりたいと考えております。次に、宮島沼保全対策について、宮島沼の現状についてでありますが、従前の石狩川の河川改修や農地改良などの開発に伴う土砂の流入や、よしなど植生の堆積により、水深は沼の中心で約55センチと極めて浅い状況となっており、堆積速度は年間平均で約1センチと自然的な事象以上に早く沼の浅底化が進行しております。また、沼の面積につきましても、過去の調査において45年間で最大5.7ヘクタールにわたり開放水面が縮小しているとの報告を受けているところでございます。次に、宮島沼の水質環境についてでありますが、水質につきましては、沼の富栄養化の進行が著しく、周辺の池や沼と比較して水質の濁りを表すCODの値や、富栄養化の原因となる窒素や燐の数値も高い濃度を示している状況にあります。水質悪化の原因につきましては、これまでの調査において、時期において沼の水が滞留しやすいことや、マガン等の飛来ピーク時に富栄養化度が上がるとのデータもあることから、糞による影響が原因となっている可能性も考えられるところであります。マガンの生息環境などについてでありますが、マガンの生息環境につきましては、宮島沼水鳥・湿地センターの開館による来訪者の増加がマガンに与えるストレスの原因の1つとも考えられており、他の鳥類や沼周辺の動植物などにも影響を及ぼすことが懸念されております。また、沼の生物の生息環境につきましても、かつては多くの水生植物が生息しておりましたが、近年、水質の悪化等に伴い、水生植物の生育種数が減少しております。本市の貴重な地域資源である宮島沼の環境を取り戻し、地域の財産として次世代に引き継いでいくためにも、今後、環境省の保全事業と連携した取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。
再質問 9番 白木優志
自席から何点か再質問させていただきます。まず、美唄地区国営農地再編整備事業についてでありますが、この事業は、今後確実に訪れる厳しい産地間競争を勝ち抜くための投資であり、経営体の体質強化でもある。私は投資に見合った効果が発生するため、行政責任において推移を見守っていかなければならないと私は考えています。市長は本市農業の未来像をどう思い浮かべているのかお伺いします。次に、食害防止についてであります。ポール等食害防止に効果があるとの答弁ですが、私は、マガンの食害防止策には限界が来ていると認識しています。その上に立って鳥獣保護区を条件に指定した食糧保障制度がもっと弾力的に運用できるよう、再検討も含め、ま- -40た、宮島沼やマガン等を通じて、お互いに支え合うような対策が求められている時期にきていると思いますが、それに向けた考え方があればお伺いいたします。次に、宮島沼保全対策についてでありますが、沼の水深は30センチを切ると、一気によしなどがはびこると聞いております。したがって、私は沼の開放水面寿命は、20年位と思っているところでございます。早急な対策が必要と思われるが、その対応策をお伺いします。また、水質改善に向けた有効な対策など、考えがあればお伺いします。多様な生物相の保全・再生に向けた課題についてもお伺いします。
答弁 市長 桜井道夫(市長は2010年6月まで)
白木議員の質問に順次お答えいたします。最初に、本市農業の将来像についてでありますが、今日、農業を取り巻く国内外の情勢は大変厳しい状況にありまして、本市の農業が将来にわたって持続的に発展するためには、活力に満ちあふれ、魅力ある農業農村の構築が必要となっております。このようなことから、効率的かつ安定的な営農を図るため、多様な米生産や高品質な農産物の生産、担い手の育成に資するための農地の利用集積や流動化を促進し、生産性の高い地域農業の展開を目指してまいりたいと、このように考えております。次に、マガンによる食害対策についてでありますが、現段階では、防除資材の貸与で対応してまいりますが、地域の農業振興や活性化を図る為の宮島沼やマガンといった、地域資源を有効に活用した新たな対策について、地域の皆さんと一緒になって検討してまいりたいと、このように考えてございます。また、食害にあって廃耕し、他の作物に転作した場合に適用される、美唄市小麦食害対策事業実施要綱の弾力的な運用の見直しにつきまして、研究を進めてまいりたいと考えております。次に、宮島沼の保全に向けた取り組みでございますけれども、現在、環境省で進めている国指定の鳥獣保護区保全事業において、昨年度の基本計画の策定後、沼の現状に沿った課題の整理を行っておりまして、沼面積の縮小や浅底化、水質の改善などの事業メニューの選定を行っているところでございます。本市といたしましても、鳥類のモニタリング調査や植生物に関するデータベースの管理などを継続していくと共に、宮島沼を適切に保全し、次世代に確実に残していくためにも、宮島沼保全活用計画の推進や、宮島沼への環境負荷を軽減し、水質や沼周辺の環境を回復させるための方策について、今後とも環境省など関係機関と協議し、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。また、昨年から実施しております、冬水田んぼにつきましては、沼に隣接する水田を利用し、通常よりも早く水田に水を張ることで、沼の乾燥化を防ぎ、水質浄化など沼の環境悪化を防ぐ方策の1つとして進めているものであり、宮島沼のファンを増やす方策の1つとして、今後とも取り組んでまいりたいと考えております。