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鹿追町議会 令和3年第3回定例会 2021年9月18日

鹿追型ゼロカーボン実現に向けて

2021年9月18日、鹿追町議会の一般質問で、上嶋和志議員が「鹿追型ゼロカーボン実現に向けて」について質問し、町長 喜井知己、企画課長 草野礼行が答弁しました。

質問者
上嶋和志 議員
答弁者
町長 喜井知己、企画課長 草野礼行

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は町のサイトの一般質問の一覧の表記です。

質問 6番 上嶋和志

それでは議長の許可を得まして一般質問をさせていただきます。私は、「鹿追型ゼロカーボン実現に向けて」と題しまして町長に答弁を求めるものでございます。今年6月の鹿追町の平均気温は、平年値を 2.3 度上回る 17.2 度、7月は3度上回る 20.7度と観測開始以来いずれも2番目となっており、特に7月から8月上旬にかけては連日 30度を超える真夏日も続いており、また、降水量も少なく高温・干ばつで推移しております。鹿追においても、温暖化を実感する気象状況になってきております。世界気象機関(WMO)の報告書においても昭和 45 年(1970 年)からの 50 年間で気候変動や異常気象を背景に干ばつや洪水などの気象災害が5倍に増えたと警告しており、経済損出は 400 兆円を超え、死亡も 200 万人に上ると報告されております。地球温暖化の原因は、温室効果ガスの排出量が増えたことが主な原因とされており産業革命以降、化石燃料の使用が増え、その結果大気中の温室効果ガスが増え続けております。温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素などがあるそうですが、その中で一番割合の多いのが二酸化炭素だそうです。鹿追町は、3月の議会定例会で令和 32 年(2050 年)の二酸化炭素実質排出量ゼロを目指す鹿追型ゼロカーボンシティ宣言を行いました。鹿追町では、再生可能エネルギーのバイオガス発電や、太陽光などを使った自営線ネットワークが既に整備されており、これらをより生かしゼロカーボンを推進することが町をアピールする手段として有効であると評価させていただきます。ゼロカーボンは、言うまでもなく人が活動して排出される二酸化炭素の排出量と森林などによる吸収量を差し引いたものをゼロにするというものですが、わが町では、排出量、吸収量がどのような状況にあるかお答え願います。企業の生産活動などにおいてCO₂ の排出をできるだけ削減して、それでも削減が困難な部分をクレジットとして購入して埋め合わせるというカーボンオフセットがありますが、J-クレジット制度などの炭素クレジットを売り手側として活用する予定があるのかお尋ねいたします。鹿追町には2万ヘクタールを超える山林と 1 万2千ヘクタールの農地があります。山林はCO₂ の吸収源ですが、農業は化石燃料を使うことなどにより排出源とされています。農地において販売なり自給作物を栽培しない時期に作物を栽培して収穫しないで作物をすきこみ、炭素クレジットとして販売したということが紹介されていました。また農地も不耕起栽培などで土壌にCO₂ を貯留することにより吸収源となりうるという研究がありますがどう考えますか。以上3点、町長にお聞きいたします。

答弁 町長 喜井知己

上嶋議員からは、「鹿追型ゼロカーボン実現に向けて」と題して、3点御質問をいただきましたので、順次お答えいたします。世界を取り巻く環境問題は、議員御指摘のとおり、数々の気候変動や異常気象を招く「地球温暖化」、マイクロプラスチックなどが海洋生物に影響を与える「海洋汚染」、生活排水などが原因とされている「水質汚染」、PM2.5 などが問題となっている「大気汚染」、野生動物の生息や気候変動に影響を与える「森林破壊」など、そのほとんどは私たち人間が利便性を追求したことによる代償と言っても過言ではなく、国際的な重要課題であります。このような中で、京都議定書やパリ協定など世界的な枠組みで、二酸化炭素やメタンガスなどの温暖化を引き起こす「温室効果ガス」削減に向けた数値目標が定められ、先進国・途上国問わず全ての国が共通の目標のもと温室効果ガス削減に取組、平成 27 年(2015 年)には国連サミットにおいて持続可能な開発目標、いわゆるSDGsが採択され、気候変動対策をはじめとする地球環境保護が世界共通目標と位置づけられたところであります。我が国においても、昨年10月の菅内閣総理大臣の所信表明演説において、令和32年(2050年)カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現を目指すことを宣言するなど、地球温暖化対策を取り巻く環境は大きく前進し、地域や企業などの脱炭素化の動きが加速しております。本町におきましてもこれらの取組が、SDGsの理念に合致することや鹿追町第7期総合計画の重点プロジェクトとして位置づけていることから、本年3月にバイオガスプラントを核とした「鹿追型ゼロカーボンシティ」を宣言させていただいたところであります。さて、1点目の「本町における二酸化炭素の排出量、吸収量について」でありますが、環境省では毎年度「部門別CO₂ 排出量の現況推計」を自治体ごとに公表しており、地域のエネルギー使用量や活動量の実績値のほか統計上の炭素量の按分などによる手法により公表され、最も新しい平成 30 年度(2018 年度)の推計によりますと、本町の二酸化炭素排出量は約5万5千トンとされております。これを部門別に見ますと、製造業や農林水産業などの産業部門で 29%、業務や家庭などの民生部門では 38%、旅客や貨物自動車などの運輸部門では 33%となっております。次に吸収量でありますが、温室効果ガス吸収量の推計対象となるのは、全体的な吸収量の寄与度や推計の難易度などから、地域において吸収源対策が実施されている「森林」及び「都市緑化」とされており、本町では「森林」を吸収源として推計しております。毎年度北海道が公表しています「北海道林業統計」の森林の蓄積量などから試算しますと、最も新しい令和元年度(2019 年度)の推計では約5万6千トンでありまして、そのうち国有林が 98%と大半を占めている状況にございます。2点目の「J-クレジット制度などの炭素クレジットを売り手側として活用する予定があるか」についてでありますが、化石燃料や原子力からの電力と再生可能エネルギーからの電力は、同じ電気ですが、バイオマスなどによる再生可能エネルギーによる電気は「グリーン電力」と呼ばれておりまして、電気や熱そのものの価値の他に、発電や熱利用のときに二酸化炭素をほとんど排出しない環境価値を有しており、また、企業が経済活動を行うときに排出される二酸化炭素を減らすことは、ビジネスを行う上で世界的なトレンドでありまして、この環境価値を購入して、自社が排出する二酸化炭素と相殺し、脱炭素化を推進することが企業の事業戦略に欠かせないものとなっているところであります。日本では、現在、「非化石証書」、「グリーン電力証書」、「J-クレジット制度」の3種類が市場等で取引されておりますが、それぞれ取引量や価格について課題もあり、目的や特徴、企業等のニーズもそれぞれ異なることから、導入については卒FITも見据えた上で、本町にとっての収益性なども考慮して、しっかりと調査・研究・検討をしてまいりたいと考えております。3点目の「農地の不耕起栽培などで土壌にCO₂ を貯留することにより吸収源となりうるという研究がありますがどう考えますか」ということでありますが、収穫対象とならない作物を畑にすき込む「カバークロップ」、これは町内の耕種農家において取り組まれており、不耕起栽培においても、飼料作物や一部耕種作物で行われているとお聞きをしております。不耕起栽培は、土壌中の炭素貯留を増加させるための手法として最も効果があると言われておりまして、EUでは、令和5年(2023 年)から実施予定の次期共通農業政策においても農地の炭素貯留を表す「カーボンファーミング」が加わる予定で、具体的な手法として不耕起栽培が挙げられております。また、米国でもEUと同様、農地の炭素貯留に金銭的インセンティブを与えるための「カーボンバンク構想」を策定し、不耕起栽培の普及推進を図っているところであります。また、「カバークロップ」についても、化学資材(肥料・農薬等)の使用削減につながり、不耕起栽培を併せ行うことで温暖化の緩和が増し土壌健全化に効果があるという研究結果もあります。我が国においては、本年5月に「みどりの食料システム戦略」を策定し、令和 32 年(2050年)までに農林水産業におけるCO₂ ゼロエミッションを目指すため様々な取組を実施する中、令和 12 年(2030 年)までに農地における炭素貯留を最大 890 万トンにする目標が掲げられております。今後、農地における炭素貯留について、研究機関あるいは関係機関と連携し、持続可能な農業の実現に向け、これから欠かすことのできない脱炭素を推進し基幹産業である農業の生産性向上に努めてまいりたいと考えております。以上、3点についてお答えいたしましたが、今年度新たに発足します「鹿追町ゼロカーボン推進協議会」の中でも委員から御意見等々をいただきまして、令和 32 年(2050 年)に向けた推進戦略を策定し、本町ならではのゼロカーボンを推進してまいりたいと考えておりますので御理解と御協力を申し上げまして答弁とさせていただきます。ありがとうございました。

質問 6番 上嶋和志

当町の吸収量、排出量をお聞きしまして、吸収量が5万6千トン、排出量が5万5千トンということで、既にゼロカーボンも実現されているのかなという理解で、私も実際森林面積の多さとか考えると鹿追町は恐らく吸収量のほうが多いと思っておりまして、具体的な数字として見て実感したところでございますけど、これに慢心することなく、やはりゼロカーボン、排出量を減らしていくことは続けていかなければならないかなと実感するところです。気候変動ということで、本当に気候変動を実感するところですが、昔は鹿追町においても全ての地区で小豆を作れる気象状況ではなかったのです。笹川の奥からはもう春には遅霜、秋には早霜で、何年かに1回は小豆を収穫することはできない状況でしたけど、最近の気象では本当にどこでも小豆なり、まして暖かいところでしか作れないサツマイモも鹿追町で栽培できる状況、本当に温暖化、良い面もあるのですけど、気候変動、線状降水帯なり台風の上陸なり、前線による降雨で、今まで経験したことのない雨が降ったり、竜巻などが温暖化・温室効果ガスの影響があるのかと思っております。過去には温室効果ガスの影響ではなくて、水蒸気による影響だというお話もありましたけど、現在においては温室効果ガスの影響が一般的な流れかと思っております。そんな中で令和 32 年(2050 年)に向けて、ますます温室効果ガスの吸収量を高めて排出量をわが町は減少していかなければならない。そのための行動計画として、すぐにこれから検討することでございますけど、その中で今年予算化された再生エネルギー導入調査事業、環境省の補助事業でありますけど、脱炭素型地域づくりモデル形成事業、実現可能性調査業務委託料ですか、990 万円の予算付けがされておりますけど、ある程度の具体的な調査内容とか方向性についてお聞かせ願いたいと思います。

答弁 企画課長 草野礼行(企画課長は2025年6月まで)

お答えさせていただきます。冒頭、町長からもお話がありましたけど、推進協議会をこのあと設ける予定でございます。10 月 1 日現在予定をしていまして、全体で 13 人の方、12 人の方と1人アドバイザーの方、ほとんどが地元の方でございますが、北海道の職員ですとか、国の職員ですとか、あとうちバスが通っていますのでバス会社の方ですとか、そのような方々に入っていただいて、まず、現状についてお話をさせていただくのと、今現在はいろいろな形で調査をしています。先ほど排出量が5万5千トンあるという話をさせていただきましたけれども、これらをベースに、それぞれの立場の方々に出席をしていただきますので、それぞれの立場でどのような課題があるのか御意見等をいただきまして、推進協議会はこれから2回行う予定です。その下に事務方の会議を設けまして、そこでの実務者レベルの会議をやっていきたいと思っています。最終的には令和 32 年(2050 年)に向けての戦略を立てる予定となってございます。以上です。

質問 6番 上嶋和志

これから進めていくということで了解をさせていただきました。それと国も令和 32 年(2050 年)という目標で、近い将来、令和 12 年(2030 年)ですか。新車がもうガソリンの車はだめになるという目標も掲げております。それと住宅についてはZEH、排出量ゼロの住宅を作る目標、それから水素に力を入れるとか、洋上風力を使うということでございますけど、その中で車の関係で町の所有車で水素で動く車が1台、それからバイオディーゼルでなくてその燃料を使う車が1台かな。その2台のみで、最近はEV、電気自動車、バッテリーで動く車とか、もしくはハイブリッド車を使っている自治体も結構あります。それと車を所有して 13 年経つと、重量税がぐっと上がります。そういう状況で仕様を見ますと昭和の車もある状況でございますし、その点を考え、これから購入する車については、そういうことも考慮してやっていただけるのがよろしいのではないかなと思っております。それともう1点ですけど、時間も限られておりますので、農業分野で、今、農地は排出源という話がありますけど、不耕起栽培によって吸収源にもなるような状況がある中で、家畜の「げっぷ」、消化管内発酵、昔、結構話題になっていたのです。それが農業で使う燃料より温室効果ガスの発生が多い状況、主成分はメタン、CH₄ なのだけど、メタンはCO₂ の 25 倍の温室効果があるということです。その関係で昔は結構テレビでも話題になったことがあるのですけど、今、農研機構という政府の機関で、腸内発酵をコントロールする餌の配合に不飽和脂肪酸を何か投与すれば、メタンの発生が 15%削減できる。炭素クレジットにしても何しても今、行なっていることよりもっと進んだことをやらなければ、クレジットとして今、鹿追町は排出量のほうが少ないから、クレジットをもらうことにはならない状況なのです。だから新しい取組、1万2千ヘクタールの農地を生かして排出源とされているものを、不耕起栽培などで農地にため込む。農耕の歴史は土壌中の炭素を排出しているのが農耕とも言われておりますので、昔の炭素の埋積量より減ってきているのが農耕によってそれを土壌に貯留する流れ、農業を基幹産業とする町、農地に貯留すること、それから家畜では豚からも同じく発生しているそうですけど、家畜から出る温室効果ガスの削減に向けて調査研究をしていただきたいと思います。車の関係と耕地の関係について、町長から答弁いただきたいと思います。

答弁 町長 喜井知己

お答えさせていただきます。まず、公用車の関係でございます。公用車の関係は、今、上嶋議員御指摘のとおり現在実証事業で貸与されている水素車、ミライが1台、それから今年度中古で入れましたけれども、CNG車、天然ガス自動車でバイオガスで動かしている自動車だけというのが現状であります。これからですけれども、今年度で水素の実証事業が終わりますけれども、その後の水素ステーションを含めた各施設の在り方について、今いろいろ関係機関と相談をさせていただいております。協議途中ですので、なかなか確定的なことは申し上げられませんが、私としては以前から思っておりますけれども、何とかせっかくのこの取組、継続させていきたいと思っていますので、水素ステーションを含めて何とか違う形でやっていきたいと思っております。そういうことを前提に当面水素ステーション、今度実証事業が終われば商用化という形になりますので、町としても水素の自動車あるいは町内の関係機関の方にも御協力をいただいて水素の自動車をある程度導入していかなければならないと思っております。これも当然予算との関係、いろんな関係がありますけれども当面は水素ステーションが存続されることを前提に水素の自動車を数台ずつ導入していくことになろうかと思っております。ハイブリッド車の関係がどういうふうになっていくか。諸外国については、完全にもう令和 12 年(2030 年)以降云々という話もありますけれども、日本の動きがいろいろ当然あると思っていますのでその流れに沿って、いずれにしても今後公用車を更新していくとしたら、まず最低でもハイブリッドが基本になっていくと思っています。いずれにしても水素を中心にと考えているところであります。それから農業の関係ですけれども不耕起栽培の関係については、諸外国がそれをクレジットにして取引することも既に行われている状況にあります。不耕起栽培はせっかく地中にため込んでいる炭素を、畑を起こすことによって放出をしてしまうことを防ぐことが一番大きくて、他で減らす効果を考えると、それを地中から放出しない取組が非常に大事だということを読んだことがございます。その辺の在り方についても、当然研究、いろんな研究機関もありますし諸外国の状況も見ながら、先ほどの緑の食料システム戦略のこともありますけれども、どこの分野でも温暖化防止、二酸化炭素の排出を限りなくゼロにすることを念頭に置いてこれから進めて行かなければならないという世界的な状況にあると思っています。あと、先ほど家畜の話もありました。農林水産部門の温室効果ガスの排出量、これは何年前の統計か分かりませんけど 4,800 万トンあるうち、家畜の消化管内発酵、いわゆる「げっぷ」だと思うのですけど、これが 756 万トンですか。割合よりも先ほどおっしゃったような非常に影響があるというお話は私も聞いたことがあります。こういったことも含めて、JA鹿追町も今回ゼロカーボンシティの協議会に入っていただきますけれども、非常に農業団体の方もその辺については相当関心というか、いろいろ対応が必要だということで、町の取組にも非常に関心を寄せていただいておりますので、しっかりと今年作る戦略の中でそういう方々の意見も取り入れながらしっかりとした工程を作っていきたいと思っております。終了の表示が出ていますので、以上で答弁とさせていただきます。

質問 6番 上嶋和志

何の事業にしても行政が行う事業、ゼロカーボンにしても他の事業にしても、やはり行政が行うべきこと、また、町民も一緒に行う事業、2つとも一体になっていかなければゼロカーボン実現に向けていかないかなと思っています。町民においても夏の冷房の温度を1度上げるとか、冬の暖房の温度を1度下げるとか、近いところは歩いていくとか、そういう小さな心がけ、そんなに大きな数字には結びつきませんけどその精神をもってすれば、ゼロカーボン、温暖化阻止の一助になるのかなと思っております。積極的に進めていただきたいということで質問を終わらせていただきます。

出典:鹿追町議会 令和3年第3回定例会 2021年9月18日 議事録 PDF(25ページ) 間違いを知らせる