みんなの議会

江別市議会 平成20年第4回定例会 2008年12月12日

江別市自治基本条例(仮称)案について

2008年12月12日、江別市議会の一般質問で、伊藤豪議員が「江別市自治基本条例(仮称)案について」質問し、市長 三好昇、企画政策部長 福井宏行が答弁しました。

質問者
伊藤豪 議員
答弁者
市長 三好昇、企画政策部長 福井宏行

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は会議録の目次の表記です。

質問 伊藤豪

風邪を引きまして、お聞き苦しいかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。今朝、控室に入りましたら、先ほど岡議員から話がありましたように、雨漏りがしておりまして、昨日控室で寒気がしたのはこのせいかと半分思いながら、岡議員に市庁舎は改築すべきだろうと言いましたところ、市庁舎よりも学校校舎の方が先ですとのことでした。さすがに無所属議員は筋が一本、がちっと通っていて立派なものだと感心いたしました。それでは、通告をいたしました江別市自治基本条例(仮称)案について質問をさせていただきます。私は、9月議会における一般質問のときまで、江別市自治基本条例(仮称)案について、次のように考えていました。それは、他の市町村と比べて、余り見劣りのしない程々の内容を盛り込んだ条例を制定しさえすれば、今後の江別市行政の伸展に多少なりとも寄与するのではないかということでした。しかし、条例案について質問をし答弁をいただくという過程の中で、そしてまた、新しい時代を開くという地方分権の流れの中で、自治基本条例の根底にあるものはそんな甘いものではない。先ほど申し上げたような、なあなあ主義では収まらない重大な課題を、私に、あるいは江別市民に突き付けているのだということを次第に悟りました。その新しい理解から申し上げると、私の鈍さ、理解力の遅さを改めて自覚し、市民の皆様に申し訳のないことをしたと考えていることを表明し、改めて江別市自治基本条例(仮称)案について質問いたします。前回、私は江別市自治基本条例(仮称)案について何回か読み直し、市民懇話会の提言のうち、市又は市政に対する市民の権利の条文が、余りにも簡略にくくられていることに不審を抱き質問をいたしました。市民の権利について、市民懇話会の案は、恐らく徹底的に考え尽くした結果と思われますが、五つの項目に分けて表現されました。その大切な市民の権利案が、江別市自治基本条例(仮称)制定審査委員会中間報告では2項目しかありません。市民は、市政に関する情報を知る権利がある。市民は、市政に参加する権利を有するとなっておりますが、なぜ、市民懇話会の提言は後退させられ、簡略化されたのかとの私の質問に対する答弁では、市民の権利については、他の条文でも触れられ、条例全体として表現されているからとのことでした。そのときは、何となく納得して引き下がりました。しかし、なぜ、市民の市に対する権利は、書かれるべき場所にきちんと記されていないのか。私の疑問はそのときから始まりました。大げさな言い方ですが、今回の地方分権改革は、第一に明治維新、第二に敗戦時の民主主義制度の導入に次ぐ、第三の改革とさえ言われています。それは、今まで機関委任事務等によって政府の末端機構を兼ねてきた市町村が、地方分権改革により国や都道府県と対等の関係になったことにより、自立・自営を迫られてきたからであります。そのことは、地方自治体が地方政府になったとさえ、例えられています。例えば、昨日までは、市民からの苦情の大部分について、それは国、政府が決めたことですからどうにもなりませんと答えられたとしても、これからは、自治体自身が答えを見付け出していかなければならないということであります。また、市民も、お上の決めたことですから文句や苦情は政府に言ってくださいと言わんばかりに職員に対応されると、せいぜい悪態をついてあきらめていたものが、今後はあきらめることなく市役所に答えを求めることができるわけです。つまり、市が国や都道府県と対等になったということは、市役所に対する市民の立場にも変化が起きているということです。市民は、今までは、市民である前に国民であり道民でした。地方自治法では住民と一くくりで表現されています。市民が、国民であり道民であることに今も変わりはありませんが、市という行政組織に対して、国民として向き合うのではなく市民として向き合うために、その立場を改めて確立しなければならない状況に置かれたということです。今までは、国の定めた地方自治法上の住民という立場であれば用が足りていたものが、江別市が自立したのですから、市民はその江別市とどのような関係にあるのかを、改めて定義しようというのが自治基本条例であり、その具現化が江別市自治基本条例(仮称)案であるはずであります。市についての市民の権利を定めるものが自治基本条例であり、それゆえに自治基本条例は自治体の最高規範であると言われ、国で言えば国民の権利義務を定めた憲法に当たるものと言われるゆえんだと考えます。そこで、第一の質問として、私はこのように理解いたしましたが、市長は自治基本条例が自治体の最高法規や最高規範と言われる意味について、どのように受け止め、考えておられるのか伺います。今回は、議論が煩雑になるので付言しませんが、市に対する市民の義務についても当然考慮しなければなりません。重ねて申し上げますが、市すなわち市議会と市長のほか教育委員会をはじめとする行政委員会等については、それぞれの関係について、地方自治法をはじめとするいろいろな法律、条例等により詳細に規定されていますが、市民と市との関係については、憲法の国民、地方自治法の住民の規定以外は余りないと言われています。それゆえに、全国で自治基本条例やまちづくり条例の制定が急がれています。最高規範として検討されつつある、江別市における自治基本条例案では市民の権利条項に具体性がなく、余りにも簡略な表現であることにきぐを感じています。先ほど申し上げたように、かつて、市には政府の末端組織としての立場から、市民に対して上からもの申してきた歴史があります。市の中に、市民に権利を主張されると面倒だという気持ちがあり、それが市民の権利に関する表現を極めて簡略な表現にしているのではないかと思われるのです。そのように考えなければ、なぜ簡略化したかについての疑問を消すことができません。第二の質問となりますが、市などに対する市民の権利は市民の活動のすべての基本となるものですから、改めて深く検討して、より具体的に記述する必要があります。現在のような記述では賛成できません。ご意見をいただきたいと思います。次に、まちづくり及びまちづくり条例についてです。江別市自治基本条例(仮称)案では、まちづくりについての定義があります。それは、暮らしやすく、魅力あるまちを実現するためのすべての公共的な活動をいうと書かれています。今まで、まちづくりとは区画整理事業や街路事業、大規模開発事業などのハード面での事業を指してきました。それが、ニセコ町が全国で初めての自治基本条例と言われるニセコ町まちづくり基本条例を制定して以来、まちづくりへの市民参加こそが条例の骨格と受け止められ、すべての公共的活動はまちづくりであるという解釈になったようです。なるほど、すべての市や市民の活動は、結果としてまちを形作っていくと言われれば、そのとおりです。しかし、行政学者や先進的な市役所職員の方々は理解できても、多くの一般市民はそのような広い意味で理解できるでしょうか。従来の狭い意味のまちづくりと、新しく広い意味でのまちづくりを、どう区別して市民に認識してもらうのか。このまちづくりの定義は、新たな混乱を引き起こすことにならないかと私は考えるものであります。そうした区別が十分できないのに、まちづくりはすべての公共的活動だと言うのであれば、江別市自治基本条例(仮称)は江別市の最高規範なのだという理屈になるのでしょうか。どうも釈然としません。第三の質問として、まちづくりの条例なのだから協力、賛成して当たり前との押し付け感を感じますが、まちづくりはすべての公共的活動との意味について、改めてご説明をいただきたいと思います。第四の質問は、市民の定義についてです。条例案によれば、市民とは、一つに市内に住所を有する者、二つに他の市町村から来て江別市内で働き、又は学ぶ者、三つに他の市町村から来て事業活動その他の活動を行う者若しくは団体とありますが、極めてあいまいな規定です。住民票を江別市に移さずに市内で活動し学ぶ者をどうやって市民と認定するのか。さらに、どのような団体を想定し、また、それをどのように市民と認定するのか。また、外国籍の人をどうするのか。私は決して排外主義者ではありませんが、だからと言って、これらの問題を無原則にしてよいとも思っておりません。自治基本条例案においてはどのように規定すべきなのか、市長のお考えを伺います。第五の質問ですが、ただいま申し上げたように、市民の定義については大変広い範囲を想定しているにもかかわらず、住民投票における住民の定義については市内に住所を有するものに限定しています。この理由は何か。また、住民投票については、今後の検討を待つことになるとは思いますが、市長の提案で住民投票を行うことも想定されております。住民投票の対象事案をどのようなものと想定しているのか、伺いたいと思います。第六の質問です。江別市は、間接民主主義によって、様々な課題について審議を行っていますが、この審議会と住民投票の関係についてはどのように考えておられるのか、市長のお考えを伺います。第七の質問です。江別市自治基本条例(仮称)案は、江別市の広報に記載され、今月号には寄せられた市民意見についての記事も載っております。しかし、この内容について、どれだけ市民に知られているのか。その浸透度合いはどうなのか。私は、余り市民に理解されていないように思います。江別市の最高規範であり、今後様々な政策や条例等の中心に置かれる江別市自治基本条例(仮称)なのに、市民に深く認知されていないとするなら大きな問題と考えますが、いかがでしょうか。市民に理解を深めてもらうための方策についてどのように考えておられるのか。また、その方策の一つともなり得るように、市民の理解度の調査を兼ねてアンケート調査を行ってはいかがかと思いますが、どうでしょうか伺います。最後に第八の質問です。私の考えを申し上げながら、るる質問を重ねてまいりましたが、来年3月に条例案が市議会に提案される予定となっております。しかし、今まで申し上げたとおり、根本的なところで大きな課題があるため、この江別市自治基本条例(仮称)案の中身が大きく前進しない限り、私は3月議会に提案されても、簡単には賛成しかねるとも考えているところであります。市民意見の一部には、制定を急ぐべきとのご意見もありますが、特段の理由もない意見と思えます。むしろ、最高規範であるだけに、後世にも高い評価をいただけるような、しっかりした内容に作り上げる努力が現在求められていると思います。江別市自治基本条例(仮称)案の制定を1年ぐらい延長して、さらなる校正を重ねるべきと考えますが、いかがでしょうか。三好市長のご判断を伺いたいと思います。もし、1年ぐらい延長して市民の皆さんの理解を深め、さらなる説明責任を果たすつもりがおありなら、後ればせながら、そして及ばずながら、私は市民理解を深めるための会合などで解説役を務めさせていただこうと、老骨にむち打つことを考えております。市会議員の皆様方も、恐らく喜んで積極的に参加されると考えております。以上をもちまして、1回目の質問を終わります。

答弁 市長 三好昇(市長は2023年3月まで)

伊藤議員の一般質問にお答え申し上げます。江別市自治基本条例(仮称)に関しまして、まず基本事項について申し上げます。自治基本条例は、地方分権の伸展に伴い地方自治体の権限と責任が増す中で、市民を主体として、自分たちで考え自分たちの責任で特色あるまちづくりを行っていく、いわゆる自己決定、自己責任による行政運営を進める上から、市民、議会、市のそれぞれの役割や責務を明確にし、連携、協力していく仕組みづくりと、まちづくりを進める上での理念や共通のルールなど、自治体運営の基本となる枠組みを定めるものでありますことから、江別市自治基本条例(仮称)市民懇話会や江別市自治基本条例(仮称)制定審査委員会におきまして自治体の最高規範として位置付けされているところであり、私もそのように認識しているところでございます。次に、市民の権利についてでありますが、去る9月の第3回定例会でもご答弁申し上げておりますとおり、江別市自治基本条例(仮称)市民懇話会から提言のあった市民の権利に関する各項目につきましては、他の条文との文言や趣旨の重複を解消するため、江別市自治基本条例(仮称)制定審査委員会での審議の結果として、条例全体の中で表現の整理が図られたものであり、市政の各過程における具体的な市民参加につきましては、市民参加の推進の条文の中で表現しているところであります。また、市民の権利の条文は、市政に関する情報を知る権利や市政に参加する権利を幅広く規定しているものであり、江別市自治基本条例(仮称)市民懇話会の提言の趣旨に沿って表現したものと考えております。次に、まちづくりについてでありますが、江別市自治基本条例(仮称)案の中でのまちづくりの定義は、建物や道路、水道などのように、いわゆるハードを整備することだけではなく、福祉や教育、環境など、江別市民が心豊かで、暮らしやすく、魅力あるまちにするための地域社会における公共的な活動すべてとされております。このようなことから、公共的な活動の意味は行政が担うものに限定しているのではなく、市民の福祉や生活環境の向上等を目的として、自治会、市民活動団体等により行われる地域活動やボランティア活動、社会貢献活動等が含まれるものであると考えております。次に、市民理解についてでありますが、自治基本条例の策定に当たりましては、平成17年6月に市民で構成される江別市自治基本条例(仮称)市民懇話会による検討を開始してから今日まで、3年6か月にわたり論議を重ねるとともに、意見交換会や意見募集、講演会などを実施してまいりました。この間、広報、ホームページ、情報公開コーナーでの情報提供などを行い、随時、検討状況の報告や自治基本条例に関する市民周知を図ってきたところであります。また、本年10月に実施した江別市自治基本条例(仮称)制定審査委員会の中間報告に対する市民意見募集におきましては、175項目に及ぶ多くの意見をいただき、市民の関心も決して低くはないのではないかと考えておりまして、改めて調査を行う考えはございません。最後に、議会提案についてでありますが、先ほども申し上げましたように、3年6か月にわたる策定作業におきまして十分な論議が行われてきておりますとともに、市民周知も図ってきたものと考えております。また、市民や策定に携わった方などからは早期の制定を願う意見もありますことから、一定の手順を踏まえながら作業を進めてまいりたいと考えております。なお、今後は市の案をお示しし、議会でのご論議をお願い申し上げたいと思っているところであります。私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、企画政策部長から答弁いたします。

答弁 企画政策部長 福井宏行(企画政策部長は2009年3月まで)

私から市民の定義及び住民投票についてお答えいたします。まず、市民の定義についてでございますが、現段階の条例案における市民の定義につきましては、市内に住所を有する者、市内で働き、若しくは学ぶ者又は市内で事業活動その他の活動を行う者若しくは団体をいうとされているところであります。したがいまして、江別市に住所を有する人に限らず、江別市のまちづくりに関係が深いと考えられる市内で働く人や学校で学ぶ人、あるいは市内で事業所や店舗を設けて事業活動をしている法人や自治会、NPO、ボランティア、市民活動団体等の団体も市民と定義しているところであります。なお、外国籍の人につきましても、同じ考えとしているところであります。次に、住民投票についてでございますが、最初に、市議会と住民投票制度との関係についてです。地方自治制度は、議会制民主主義を原則としているのはご存じのことかと思いますけれども、住民投票は、これを補完する制度として定めるもので、議会及び市は住民投票の結果を尊重することとされております。また、対象事案といたしましては、市民生活に重大な影響を及ぼす市政運営上の重要な事項を直接市民に問う必要が生じた場合ということでございまして、実施の要件といたしましては、地方自治法上の直接請求に基づく住民投票条例の制定や市長又は議会の提案による住民投票条例の制定等が必要となるところであります。次に、住民投票権者についてでありますが、住民投票を実施する際には有権者を明確にする必要がありまして、現実的に市内に住民登録がない人の把握は困難でありますことから、定義の上での市民ではなく、江別市に住民登録がある人、いわゆる住民を住民投票の有権者としているところであります。以上でございます。

質問 伊藤豪

ご答弁をいただきましたので、不明な点について一つ、二つ質問をしていきたいと思います。自治基本条例が最高規範と言われる意味について伺いましたが、市長の方からこれは自治体運営の基本となる枠組みを定めると言いますか、枠組み論と言いますか、そういうものが中心であるというお考えを示していただきました。しかし、私は、条例の中で一番大事なのは、市民の権利というこの規定だと考えているのです。ここは考えの別れるところかもしれませんからご答弁は要りませんけれども、市民の権利を定めた条項以上に大事な条項がどこかにあるのかという疑問はやはり生じます。そういう私の見解だということをお知り置きいただきたい。答弁は不要でございます。二つ目は、江別市自治基本条例(仮称)市民懇話会が大変苦心して提言された市民の権利をなぜ簡略化したのかという質問ですけれども、この江別市自治基本条例(仮称)市民懇話会の提言の中心になるのは、市民は、政策の形成、実行、評価などの課程に参加する権利を有しますという表現です。一昨日からいろんな質問がありましたが、予算編成への市民の参加あるいは地域自治区の問題を提案された方もいらっしゃいました。とにかく、もっと市政に市民がどんどん参加できる体制をつくってほしいという質問だと私は思いますし、そのことをこの市民懇話会の提言も示していたのだと思うのです。それがなくなりましたが、それでも市長のお話では江別市自治基本条例(仮称)市民懇話会の提言に沿って幅広く規定をしたというご答弁でした。これはちょっとどういう意味かなと私は考えてしまうのですが、担当部局が直したのか、あるいは江別市自治基本条例(仮称)制定審査委員会の学職経験者の先生が直したのか、どういう経緯で市民が提案したものを削ってしまったのか。大切な市民からの提案を削ったのに自治基本条例と名のるのはおかしいのではないか、市民無視ではないかと思いますけれども、これも私の見解でございますので、答弁は不要でございます。次に、市民の定義について伺いたいと思います。私は、住所を市内に有していない人を市民と認定するのかと聞きました。私は、市内で働いているあるいは学んでいるから市民ですと名のってきた人はみんな市民と認定するのか。あるいは江別市に関心を持っている方、例えば隣の札幌市あるいは近隣市町村の方で、江別市について私は非常に関心を持っているので市民として認定していただいて意見を言いたいという者も市民として扱うのかということを伺いました。どうやってその方を市民として認定するのかということを伺ったのですが、特に触れられておりませんので、ここのところはもう一度、どういう方法で認定するのか伺いたいと思います。そのほか、たまたま江別市内を車で通ったら、その人も市民になるのか。そうすると、世界中の人が江別市民になる可能性もあり、だんだん広がっていってしまうのではなかろうかと思うのですが、この市民の定義をどうするのか伺いたいと思います。それから、今申し上げたように、市民というのを非常に広く認定しておきながら、住民投票については、住所を有している者だけを住民投票に参加させる。これではせっかくの市民という自治基本条例の眼目がちょっとおかしく曲がってしまうのではないか。大勢の人に江別市のまちづくりに参加してもらおうという趣旨が、住民投票のところでカットされてしまう。あなた方は住民ではありませんから投票の権利はありませんと、カットしてしまうと、先ほどの市民の定義の考え方と矛盾するのではないか。そこのところをどう考えるのか。また、重要事項というのはどういうものを想定しているのかと伺いました。例えばこの間、新篠津村との合併問題がありましたが、そういう場合は住民投票ということになるのかならないのか。この自治基本条例そのものを住民投票に付すべきという意見も提出されておりましたけれども、その辺のところはどうなのか、お考えを伺いたいと思います。それから、市民の認知度合いとアンケート調査についてですけれども、市民の理解が進んでいるとどうして考えられたのか私には理解できない。アンケート調査などもしないで、もういいのではないかという程度のお考えということであれば、残念に思うのです。自治基本条例の勉強をする中で、理念としての自治基本条例というものと、行動規範としてのまちづくり条例があり、そういう二つの考え方が混在して原案になっているのかなと。それが一つの原因なのかとも思うのです。今回、この中間報告への意見募集の結果、市の方ではどなたが書き加えられたのか知りませんが、市民の権利の第3項として、市民はまちづくりに関する意見を表明し、提案する権利を有するという文章が加えられたのです。これは今申し上げた二つの理念のうち、まちづくり条例の方の理念ではなかろうか。そういうことも考えますと、この混在の形が一つの原因かなとも思いますけれども、理念としての自治基本条例という観点からは、やはりこれでは不十分だと思います。アンケート調査は絶対にやらないというふうに考えていらっしゃるのかどうか、この辺のところをもう一度確認したいと思います。それから、検討期間の延長をご提案申し上げたのですけれども、もうそろそろ決めたい、早く決めるべきだという意見もあるということでございました。だから決めたいということですが、この中間報告への意見募集結果の中身を拝見してみましたら、早期制定というご意見が2件、もっと十分に時間を掛けるべきだという意見が10件近くあります。やはり市民の側として、もっと時間を掛けてみんなが理解できるようにしてほしいと言っているのではなかろうかと思うのです。その中の一つに、こういう意見もあります。条例の文面は全体的にあいまいで、どうにでも取れる内容としか思えないので理解に苦しみました。事前説明会もなく、どれだけの市民に関心を持ってもらえたか、相互理解に至ったのか、正に市民に対する自治基本条例の視点が欠けてはいませんでしたか。大変だと思いますが、条例を作っただけでは意味がないので、生かされる条例になることを期待します。このように、非常に全うな意見だと思うのですけれども、そういうご意見も出ておりました。前市長の時代の事案を三好市長になってから受け止めて、これを何とかしなければならないということですから大変だと思いますけれども、もう少し説明責任を尽くすべきではなかろうかなと思います。それと、3月にどうしても提案されるとすると、この施行日というのはいつからと考えておられるのか、その辺も伺っておきたいと思います。以上です。

答弁 市長 三好昇(市長は2023年3月まで)

伊藤議員の再質問にお答え申し上げます。答弁の前でございますが、先ほどの質問の中で、伊藤議員から自治基本条例の制定に関連しまして、市民理解のための解説役のお話をいただきました。伊藤議員のこれまでの経歴等を踏まえまして、大変心強く感じている次第でございます。伊藤議員の条例に対する思いや市政に対する熱い思いには、前提条件がちょっと気になるところではありますけれども、強くご期待申し上げたいと思います。それでは、私から市民への理解に関連しまして、理念と行動規範、アンケート調査の実施の考え方、さらには条例の施行日につきましてご答弁申し上げたいと思います。まず理念と行動規範ということについて、これは一般論になりますが、自治基本条例は自治体運営に関連します総合条例ということですので、市の各条例は自治基本条例を規範としながら制定や運用をしなければならないということだと思います。これが、一般的に最高規範であるというふうに考えられる理由の一つではなかろうかと思っております。一方、まちづくり条例は、これも一般論ですが、まちを活性化するための条例という考え方から始まりまして、今はそのまちづくり条例を生かして、自治基本条例と同じような総合条例に位置付けしている自治体が随分ございます。そういう意味からしますと、当初は違いがあったかもしれませんが、分権化が進んでいく下では、同じような考え方に立っているというふうに思われるのではなかろうかと思っています。したがいまして、私は自治基本条例とまちづくり条例をあえて区分する必要はないのではなかろうかと考えているところでございます。次に、アンケート調査等及び条例の施行日でございますが、先ほど申し上げましたとおり、改めて調査をする考えはございませんが、この一連の手続が終了次第、議会のご審議をお願いしたいと思っております。伊藤議員と同様に、私もより完成度の高い条例にしたいと思っております。そして、市民の皆様の自治に関する考え方は時代とともに変化するものというふうに考えております。この自治基本条例におきましても、こうした常に変化します時代背景を意識しながら、条例を改正するなどして常に成長させていかなければならないものと考えています。そのため、条例の制定をもって完成するということではございません。完成後には、これに付随する例えば市民参加を保障する条例ですとか、先ほどもご答弁申し上げましたけれども、パブリックコメントのようなものも出てくるでしょうし、さらにはどういう行動を定めるかといったようなこともいろいろと出てくると思っております。したがいまして、制定後においてどのように取り扱うかということが一番大きな問題ではなかろうかと考えております。私は、常に社会の変化というものに対応しながら、また、把握しながら見直しや検討、改正を行い、その時代にふさわしい条例にしていく必要性があるというふうに考えております。私からは以上でございます。

答弁 企画政策部長 福井宏行(企画政策部長は2009年3月まで)

私からは市民の定義と住民投票についてお答えいたします。先ほどもご答弁いたしましたけれども、市民につきましては現段階の条例案では第2条で市内に住所を有する者、市内で働き、若しくは学ぶ者又は市内で事業活動その他の活動を行う者若しくは団体をいうと規定をしているところでございます。これにつきましては、そういう定義でございまして、特に認定行為等を想定しているものではございません。考え方といたしましては、現に住所を有する方だけではなく、江別のまちづくりに関心を持ち、実際に参画していただいている方もいらっしゃいますので、そういうことも含めて広く市民としてとらえているところでございます。続きまして、住民投票についてでございます。今言ったように市民というとらえ方は少し広めにとらえているわけでございますけれども、実際に住民投票をする際には、一定の限られた期間の中で対象者を明確化したり、周知をしたり、投票方法を定めるなど手続面で多くの課題がございます。そういったことから、住民登録のない方を住民投票の対象とするということにつきましては、これは非常に難しいのではないかと考えております。現に他の自治体の自治基本条例についても同様の考え方で施行されているものであります。対象事案について、どのようなものが対象となるかというのは、その時点でその重要性にかんがみ判断すべきものと考えてはおりますけれども、これまでの事例を見ますと、例えば原子力発電所の関係ですとか在日米軍基地の関係、あるいは産業廃棄物処理場の関係などで住民投票が行われている例があるようでございます。以上でございます。

答弁 市長 三好昇(市長は2023年3月まで)

大変恐縮でございます。先ほどの答弁の中で、条例の施行日につきまして答弁漏れがありましたので、再度答弁させていただきます。条例の施行日でございますが、私はこの一連の手続が終わり次第、議会のご審議をお願いしたいというふうに考えております。先ほどるる申し上げましたけれども、条例制定後の問題にもいろいろと対応をしなければならず、また、対応をする必要性があるということでございますので、そういうことも含めて、今後の進め方につきましては、議会の皆様と相談をしながら進めてまいりたいと考えている次第でございます。以上です。

質問 伊藤豪

いろいろとお考えが分かりました。ありがとうございます。住民投票の件ですけれども、やはり市民と住民の違いを明確にしなければ、場合によりましては外部から地域の中に大勢の方々が入り込んで、その地域の意見を変えると言いますか、動かすと言いますか、そういうことも現実にあり得るのです。私の知っている例で恐縮ですが、幌延町の問題に関係したことがございまして、かつて町長選挙があった際に住民の意思は確定していたと思われたのですが、全北海道労働組合協議会をはじめ多くの団体が町の中に入り込んで、様々な活動を行ったという事例を現実に見聞きしております。今後の課題として、住民投票と市民との関係については、もう少し突き詰めて考えていく必要があるのではなかろうかと思いますが、市長が前向きに今後対処したいということですので、大変うれしく思いました。たまたま、私がこの件で勉強をしている際に、理念としての自治基本条例という関係で、あるレポートに、こういう考えなのかなという部分がありましたのでかいつまんで、読ませていただきます。自治基本条例を市長決裁と議会の議決で制定できると考えるのは、自治の主体である市民をそっちのけにして自治体の憲法をつくるということである。市民合意、市民決裁を意図的に省略した制定手続では市民自治の憲法とは言えない。しかるに、流行のように制定されている自治基本条例は、市民の承認、合意は必ずしも必要ではないとの見解に基づき制定されたものである。北海道ニセコ町のように、条例制定が目的との安直な考え方が悪しき前例になっているのであろう。さらにまた、まちづくり基本条例と自治基本条例との違いをも認識せず、あいまいに混同したままでの最高規範条例の制定である。そして日ごろは市民自治を唱える学者も、制度をつくれば一歩前進だと加担しての制定である。自治制度は定着し、役割を果たさなければ意味がないではないか。これは現北海学園大学法科大学院の森啓講師のレポートの一部ですが、こういう厳しい考え方もあるのです。ちょっと極端な言い方かもしれませんが、自治体理論の原理主義的な観点から、とにかく市の職員が変われと。意識変革を行い、それにより住民をも変えていかなければいけないという原理主義的な考え方です。私はここまで突き詰めなくてもいいと思うのですが、先ほど来申し上げているように、市民の権利というものを基礎に据えて、今後江別市の市政が市民に開かれたものになっていくように、一歩ずつのご努力を市長にご期待申し上げまして、要望として質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

出典:江別市議会 平成20年第4回定例会 2008年12月12日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる