江別市議会 平成20年第3回定例会 2008年9月12日
江別市土地開発公社について
2008年9月12日、江別市議会の一般質問で、林かづき議員が「江別市土地開発公社について」質問し、市長 三好昇、総務部長 北口彰が答弁しました。
- 質問者
- 林かづき 議員
- 答弁者
- 市長 三好昇、総務部長 北口彰
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は会議録の目次の表記です。
質問 林かづき
市民の方々から、江別市の財政は大丈夫なのですかと聞かれることがあります。議員として仕事をし始め、1年4か月が経過しました。この間、財政という点に着目し事業を見ているところです。江別市全体をふかんしてみますと、江別市が出資して設立された江別市土地開発公社の存在を避けて通ることができないと認識するようになりました。なぜなら、江別市土地開発公社の借入金は平成19年度現在で約53億円であるとともに、江別市が江別市土地開発公社に60億円の債務保証を行っているからです。つまり、江別市土地開発公社に係る借入金などが一般会計や基金に影響を与えております。さて、全国に1,000ほどある土地開発公社の問題は、広く奥深く、かつ複雑で難解な問題であるととらえています。ですから、私はこの問題を一つひとつ取り上げ、市民の皆さんとひもといていきたいと考えています。そして、より良い江別市を目指して、どのようにこの問題を解決していけばいいのか、その方法を一緒に考えていきたいと思っています。江別市土地開発公社所有の土地は全部で24か所あります。平成13年度から平成25年度まで、江別市では長期保有地解消事業計画が進められており、今後、九つの土地を市が計画的に買戻しを行っていく予定となっています。江別市土地開発公社は、長期保有地解消事業計画が終了する平成25年度以降、江別市土地開発公社の解散のめどについて検討をすると昨年12月議会の一般質問においてご答弁いただいています。解散をするという目標があるのですから、その目標に向かってどのように長期保有地解消事業計画が進められているのかを客観的に見ていくことが重要ではないでしょうか。私は今年の3月議会で、江別市土地開発公社が先行取得した土地を江別市が買戻しを行うことについて、平成20年1月の最高裁判決を例に挙げて質問しました。よくよく最高裁判決文を読んでみました。京都府宮津市が、丹後地区土地開発公社との間で、約3,860万円の土地の先行取得を行うことを宮津市土地開発公社に委託する内容の契約を締結し、平成8年に宮津市土地開発公社は土地を購入しました。その後、平成14年に借入金調達のための金利分を加えた約4,200万円で買い受ける旨の売買契約を締結し、宮津市は宮津市土地開発公社に対し上記代金をすべて支払いました。そこで宮津市の市民が、同土地は取得する必要のない土地であり、その取得価格も著しく高額であるから、この委託契約は地方財政法等に違反して締結されたものであって、これに基づいて行われた買戻しの売買契約の締結も違法であると主張して、市に代わって、この売買契約の締結時の市長に対し上記売買契約の代金に相当する額の損害賠償を求めました。大阪高裁では損害賠償の請求は認められませんでしたが、最高裁判決では破棄差戻しとなり、高裁での審理をやり直させる判断がされました。この最高裁判決文の中に、自治体が土地開発公社との間に締結した委託契約が無効となる場合が幾つか述べられています。まとめてみますと、一つ目は、用地取得に係る土地開発公社に委託した市の判断に裁量権の範囲の著しい逸脱又は乱用がある場合。二つ目は、違法に締結されたものであって、当該普通地方公共団体がその取消し権又は解除権を有しているとき。三つ目に、当該委託契約が著しく合理性を欠くため、その締結に予算執行の適正確保の見地から看過し得ないかしが存し、かつ、客観的に見て当該普通地方公共団体が当該委託契約を解消することができる特殊な事情があるときなどです。最高裁判決では、今述べたようなこれらの事情を考慮することなく、漫然と違法な委託契約に基づく義務の履行として買取りのための売買契約を締結してはならないという財務会計法規上の義務を当該普通地方公共団体の契約締結権者は負っていると解釈すべきだとあります。これは、例え委託契約が締結されていたとしても、買戻しの売買契約自体が無効となり得る余地があるものだと認識しています。江別市に置き換えて考えてみますと、何のために土地を買い戻すのか、買い戻す価格が妥当か否かなど、妥当性と合理性を考慮した上で、江別市と江別市土地開発公社の委託契約が成立するかどうかをまず議論、検討し、判断すべきだと思います。このプロセスを透明化することが大事だという市民からの提案もいただいております。その上で、長期保有地解消事業計画で市が買戻しを行うべきかどうかを決めるべきであると私は考えます。これから、長期保有地解消事業計画対象地である二つの土地について質問いたします。市が買い戻す理由、市が買い戻す予定価格、これらが本当に妥当なのか否か、皆さんと共に考えていきたいと思います。まず、江別市土地開発公社が市に代わって昭和52年に先行取得した朝日町公共代替地についてです。ちなみに、この土地は東光町とあけぼの町の間に位置する道道江別長沼線沿いにあります。以下、五点お聞きします。1点目に、広さ1,286平方メートルで、坪に直しますと約389坪の土地です。取得したときの価格、そして取得価格に金利等が加算されて簿価になると理解しますが、その簿価をお尋ねします。2点目に、平成20年3月31日現在、不動産鑑定士による現在の査定価格は約1,800万円で間違いないでしょうか。3点目に、朝日町公共代替地の取得当初の目的は何でしょうか。4点目に、現在は一部を駐車場用地として賃貸中ということですが、例えば平成19年度の賃料収入は幾らでしょうか。5点目に、長期保有地解消事業計画の内容を見ますと、平成23年度に市が買い戻す予定となっています。では、この土地は市が買い戻した後、具体的にどのような事業に利用される予定でしょうか。この土地の利用目的についてお尋ねいたします。続きまして、平成2年に江別市土地開発公社が取得した西野幌地区調整池関連緑地についてお聞きします。これは、野幌中学校裏に位置する土地です。五点質問いたします。1点目に、1万9,213平方メートルで、坪に直しますと約5,812坪の広さを持つこの緑地の取得価格は幾らでしたか。2点目に、この緑地に対しては、取得した価格にこれまでに金利や管理費などが掛かっていると理解します。平成2年当時から平成19年までの金利は合計で幾らでしょうか。3点目に、この西野幌地区調整池関連緑地の平成20年3月31日現在の不動産鑑定士による査定価格は幾らでしょうか。4点目に、市民の税金を使って買戻しをするということは、それ相応の目的と適正な価格があると私は考えます。平成19年7月1日現在、長期保有地解消事業計画によりますと、西野幌地区調整池関連緑地の市による買戻し価格は約1億6,200万円となっています。ここで、質問いたします。一つに、この売却価格、つまり買戻し価格の積算根拠はどのようになっていますか。二つに、この買戻しの資金は、どのようにねん出するお考えでしょうか。5点目に、長期保有地解消事業計画では、この緑地は平成21年度及び平成22年度に江別市が買戻しをすることになっています。ここは当初、リサーチ・トライアングル・ノース、通称RTNパークの第一工区開発整備用地として取得したとお聞きしています。公園用地として分類されていますから、市が買い戻した後は公園用地として使われるおつもりでしょう。ここは池や沢であり、木が生い茂った斜面となっています。この場所に公園を造るには多大な費用が掛かるのではなかろうかと考えられます。ここで質問します。一つに、もし公園を造成する場合、その費用はどれだけ掛かるのかという試算が必要でしょうが、幾らくらいを見積もっていますか。二つに、予定が変更され、公園以外として利用しようとお考えでしょうか。そうであれば、どのように利用されるお考えでしょうか。長期保有地解消事業計画対象の二つの土地について質問いたしました。冒頭に紹介しました最高裁判決について改めて触れます。今年の3月議会で最高裁判決の認識について、三好市長は、宮津市が必要のない土地を高い金額で宮津市土地開発公社に取得させ、その土地を買い戻したものであり、土地開発公社本来の業務とは異なるものであります。土地開発公社の土地の買取り義務がないということにはならないのではないかと考えているところでございますとご答弁いただきました。これは要するに、江別市土地開発公社は市より依頼があったため、取得目的もあり先行取得したのですからそもそも委託契約は有効であり、江別市土地開発公社が保有する土地は最高裁判決とは趣旨が異なると判断されているということだと理解します。一般的に、契約というものは速やかに履行されるのが常であると思います。そして、そのように履行されない場合を想定して時効があると私は認識しております。土地開発公社は、公有地の拡大の推進に関する法律にも書かれておりますが、特別法人となります。法律の専門家に、市と土地開発公社の契約についての効力及び民法の適用についてお話をお聞きしました。市及び江別市土地開発公社双方の契約目的に営業性が全くなければ、民事の契約となると説明いただきました。本件の場合、双方の契約は利益を発生させる性質ではありませんから、営業性は全くないと理解できます。民法第167条には、債権等の消滅時効の規定があります。第1項、債権は10年間行使しないときは消滅する。第2項、債権又は所有権以外の財産権は20年間行使しないときは消滅する。今回の市と江別市土地開発公社間の委託契約は債権債務関係です。すると、民法第167条第1項を適用し、10年間契約が履行されなければ消滅するという解釈が可能になります。さて、先ほど質問いたしました朝日町公共代替地は、江別市土地開発公社が取得したのが昭和52年で、西野幌地区調整池関連緑地の取得は平成2年です。前者は取得から30年以上、後者は18年が経過した土地です。つまり、今回質問させていただきました土地は、消滅時効を既に迎えていることになると理解します。市と江別市土地開発公社間の委託契約自体が無効ととらえることができるのではないかと考えます。ただでさえ地価が下がっています。財政状況も厳しいという現在において、将来的な土地の利用目的、そしてその価格が本当に妥当であるのかどうかを慎重に検討していかなければならないと、私はとらえています。土地開発公社の根拠法である公有地の拡大の推進に関する法律が制定された昭和47年当時は、ご存じのとおり、田中角栄氏の日本列島改造論が世に出て、公共事業が盛んに行われていた時代です。現在の時代背景のように、土地開発公社に塩漬けの土地が保有されるとは想定していなかったのでしょう。土地開発公社が土地を先行取得すれば、すぐさま自治体が買い戻し、事業に活用されるのが当然であったのだと考えられます。再度、公有地の拡大の推進に関する法律を読んでいきますと、土地開発公社が独自に土地を売却してはならないとの条文はございません。この法律の反対解釈として、土地開発公社が独自に土地を売り払うことも可能であると理解できます。また、平成19年度の決算から導入される地方公共団体財政健全化法による将来負担比率の算出には、土地開発公社などの市の外郭団体の借入金なども対象となってきます。ここで、最後に確認のための質問をいたします。長期保有地解消事業計画は、市が税金を使って市に土地を買い戻す話ですから大変重大であり、実効性の伴うものでなければ意味がないと考えます。1点目に、この計画策定時に、江別市は市の顧問弁護士、若しくは総務省自治財政局などから助言や相談を受けながら策定をしたのでしょうか。2点目に、先ほどの最高裁判決などの解釈もいろいろとあります。もし、この計画策定時に、専門家のご意見を伺ったり、打合せなどをしていないのであれば、様々な角度から江別市土地開発公社の今後及び現在進行している長期保有地解消事業計画の見直しについて、内外の専門家と情報交換すべきだと思いますが、江別市ではいかがお考えでしょうか。自治体財政が右肩上がりの時代から一転して現在の状況となっています。土地開発公社の塩漬けの土地を抱える自治体は全国にあります。それぞれが工夫を凝らし ながら、先送りしてきた課題に挑戦していると聞きます。三好市長は、江別市土地開発公社の課題をはじめ様々な市政の課題に取り組むために就任されたと受け止めています。市長になられて1年4か月が経過し、お疲れも大変多いとは思いますが、市長独自に決断を下し、解決の道を進んでいただきたいと切に願います。市長が、前例にとらわれず、断行をし、腕を振るいやすいよう、優秀な職員の方々が日々支えていらっしゃることと存じます。私も重ねてサポートさせていただきたいと思っています。言うまでもなく、市民の税金を使っている江別市土地開発公社です。是非とも長期保有地解消事業計画をお進めになるときには、慎重に、そして外部の意見をお聴きになって進めていただきたいとお伝えし、これにて質問を終わります。
答弁 市長 三好昇(市長は2023年3月まで)
林議員の一般質問にご答弁申し上げます。江別市土地開発公社に関連しまして、長期保有地解消事業計画などについてでございます。江別市土地開発公社につきましては、去る3月の第1回定例会でもご答弁申し上げているところでありますが、公有地の拡大の推進に関する法律に基づき、地域の秩序ある整備を目的に、必要となる公有地の先行取得のために地方公共団体のみが設立できる公法人として江別市の全額出資により設立した特別法人で、市と一体的な法人であります。また、土地開発公社の経営健全化の課題につきましては、江別市を含め、道内はもちろんのこと、全国の市町村においても同様な課題を抱えているところであります。議員ご指摘の平成20年1月の最高裁判決の宮津市の事案につきましては、さきの第1回定例会でもお答え申し上げましたとおりでございまして、改めて申し上げますが、取得の必要のない土地を著しく高額で土地開発公社に先行取得させたものであり、そのことから、先行取得の委託契約自体が裁量権の著しい逸脱、乱用であり違法であるとして、更に審理を尽くすよう大阪高裁に差し戻したものであります。一方、平成15年6月の最高裁判決では、土地開発公社の土地取得代金に金利及び諸経費を加えた金額で買戻しをすることを認めたものであります。したがいまして、二つの判例から、ご指摘の点は江別市には全く当てはまらないものではなかろうかと考えております。そこで、長期保有地解消事業計画策定についてのご質問でありますが、本計画はバブル経済の崩壊及びその後の景気の低迷により地価下落と市の財政状況の厳しさが増す中で、先行取得した江別市土地開発公社保有地の買戻しが遅れるとともに、江別市土地開発公社の借入金が長期化し金利負担も増加しますことから、江別市土地開発公社の健全化に向けた取り組みとして策定したものであります。本計画策定に当たっては、庁内の関係部局の課長職による土地開発公社等保有地処分計画策定会議を設置して国の通達等に基づき検討を行ったものであります。他市町村とも情報交換を行っておりますが、今後新たな問題等が生じた場合には、必要に応じて国及び北海道との協議や顧問弁護士とも相談をしてまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でありますが、そのほかの質問については、総務部長をもって答弁いたします。
答弁 総務部長 北口彰(総務部長は2010年3月まで)
私から朝日町公共代替地ほか1件についてご答弁申し上げます。江別市土地開発公社保有地の状況等につきましては、本年8月22日の総務文教常任委員会に資料を提出し、ご説明申し上げておりますが、まず、朝日町公共代替地に係る取得目的につきましては、宅地造成による人口増に対応するため、消防署出張所の建設用地として取得させたものであります。次に、市の買戻し後の利用計画でありますが、消防署出張所の建設は現状では極めて難しいと判断しており、売却も含めて検討してまいりたいと考えております。また、土地の取得価格は1,954万4,000円で、簿価につきましては本年3月31日現在で5,660万7,224円でありまして、不動産鑑定士による査定価格につきましては本年3月31日現在で1,832万円となっております。なお、土地の一部、50平方メートルを駐車場用地として5月から11月までの7か月間貸付けしておりますが、賃料収入は平成19年度においては3万1,600円となっているものであります。次に、西野幌地区調整池関連緑地に関するご質問でありますが、取得目的はRTN第一工区開発整備用地の調整池関連緑地として取得させたものです。市の買戻し後の利用計画でありますが、同用地は既に周辺の雨水処理機能としての調整池の役目を果たしているほか、現状の緑地としての活用を含めて検討してまいりたいと考えております。また、取得価格は9,491万2,763円でありまして、不動産鑑定士による査定価格につきましては、本年3月31日現在で3,170万2,000円となっております。なお、取得時から平成19年度までの簿価に反映されております金融機関からの借入金に対する金利の総額は、4,243万507円となっているものであります。次に、市の買戻し価格の積算根拠でありますが、簿価による買戻しとなりますことから、江別市土地開発公社が取得した価格にその後の金利、手数料等を加えた額となるものであります。次に、買戻し資金についてでありますが、一般財源による買戻しとなるものでありますので、市予算全体の中で考えております。以上でございます。