せたな町議会 平成29年第3回定例会 2017年9月25日
不漁対策について
- 聞いた人
- 大野一男 議員
- 答えた人
- 町長 高橋貞光
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 10番 大野一男
議長より質問のお許しがありましたので、不漁対策について町長に答弁を求めます。今年のイカ漁はさっぱりだ。海水温の影響か、いつもと全く違う。ホッケもさっぱりだったし、魚はどこ行ったんだろうなど切実な浜の声が聞こえてまいります。先般、平成29年8月末現在、ひやま漁業協同組合魚種別水揚げ統計表が示されました。このデータによると、特にイカの水揚げの記録的な落ち込みが目に止まります。それによりますと今年度平成29年度8月末現在のイカの水揚げ高は、前年度平成28年度8月末現在と比較して、ひやま漁協全体では数量で16%、金額で18%の実績であり、せたな町合計では数量で15%、金額で17%の水揚げ実績となっております。さらに、せたな町合計分の過去5年間、平成24年度から平成28年度までの平均と、本年度、平成29年度との比較では数量で15%、金額では23%の水揚げ実績となっております。平成25年度からのデータから見ても水揚げの年ごとの増減は確かにありますが、その繰り返しはありますが、前年度また過去5年間平均と本年度平成29年度と比較した実績が数量では15%前後、金額では20%前後であり、水揚げが極端に少なく、極めて異常な状況であり、かつてない程のかなりの不漁状況にあると言えます。当町にとって漁業は、農業と共に町を支える基幹産業であります。豊漁、豊作であってこそ町の経済は潤い、循環していくものであると考えております。町はウニ、ナマコ、あわび、アオヤギガイなどいわゆる育てる漁業に力を入れ、さまざまな方策、支援を行なってまいりました。その成果は徐々に表れ結果、安定的な漁獲量の確保が図られ、漁業者の経営安定の大きな柱になってきていると考えています。また一方で、従前からの漁船漁業経営の大きな柱となっております。このいか等の不漁の原因は色々と言われておりますが、はっきりしたことは分かっておりません。今年のいかの記録的な不漁など浜の全体的漁模様の実態を鑑み、今後の漁模様の回復を願うところでありますが、現実はかなり厳しい状況にあると考えます。こうした事態を考慮し、町として何らかの方策を持って支援をし、町の基幹産業である漁業、漁業者の下支えを図っていかなければならないと考えます。町長の所見をお伺いいたします。
町の答え 町長 高橋貞光(町長は2025年10月まで)
それでは、大野議員の質問にお答えをいたします。現在の水揚げ状況につきましては、9月12日開催の産業教育常任委員会の中でも報告させていただいたところであります。今年度は水揚げが大きく落ち込んでいるという状況にあります。この主な要因は議員のご質問にもありましたとおり、スルメイカの不漁が挙げられ、その水揚は8月末現在で例年の2割程度に溜まっており、昨年対比では地元船28隻分でありますが、地元船の部分としましては1億2,000万円の減収となっております。ひやま漁協によりますと昨年度の夏場を中心とした最盛期のイカ釣り漁は8月で概ね終了をしておりましたが、今年度は小規模ながら回遊が継続しており操業が現在も続いているなど、例年にない様子も見られているようですが、先程申しあげたとおり平年には程遠い状況とのことでありました。スルメイカの漁場が最盛期に前浜で形成されなかった要因として、研究機関によりますと今年は対馬暖流の勢力が強かったことに加え7月の好天で海水温の上昇も進んだことから、例年より早いペースでスルメイカが北上したのではないかとの見方をしているようです。近年はスルメイカだけではなく、回遊資源全体がこのような環境変化を初めとする様々な要因で低迷しているという状況にあることから、漁業経営の安定を図るため、道が示した日本海漁業振興基本方針に基づき、漁業の基本的収入となる養殖や前浜資源を中心に、これまで支援を行ってきたところであり、ウニやナマコなどでは一定の成果が見られているほか、現在、最盛期を迎えている秋サケ漁については好調に推移しているようであります。しかしながら、例年水揚量が1番高い、イカ釣漁業におけるこの度の不漁は、漁業者はもとより地域や漁協などにとっても大変大きな影響があるというふうに感じております。このようなことから、今後も水揚の推移に注視しながら、回復の兆しが見られない場合は、関係機関や漁協、漁業者からの情報を基に、何らかの対策を検討していかなければならない状況にあるというふうに考えておりますことで、ご理解願います。
議員の再質問 10番 大野一男
再質問させていただきます。3件の提出された資料をもとに私もこのデータを見させていただいて2割程度の水揚げということで本当にびっくりしております。去年も相当の不漁だったというふうに言われてますので、それと比べても2割やら8割減という実態は、かなりこのイカ釣り漁業者を初め、せたな町の漁業者にはずいぶん打撃を受けてると、体力も相当消耗してるんではないかなと、今心配をせざるを得ないような実態にあるんだなというふうに思ってます。そういう状況を鑑みてですね、町として何らかの対応を今からきちんと考えて、その姿勢を示していただきたいという意味で、今日質問さしていただきました。過去に、浜の様々な状況を踏まえて、こういったアピール運動が起きた事例が何個かあります。平成20年7月15日に、全国の漁業者が一斉に休業をしております。この主な原因は燃油高騰による救助を、政府や国民に訴えるため全国の漁業者が一斉に休業したと。これに先立って6月18日、19日には全国のイカ釣り漁業者が一斉に休業しております。当時の A 重油の燃油の1リッターは96.7円とされてまして、今60円くらいだそうですから、相当な高値だったということで、いわゆる舟を出しても経費倒れだということで、この現状を訴えることでシュプレヒコールをしたという事例がありました。それから平成25年4月26日、27日で、これも一斉休業をしております。全漁連に入る全国イカ釣り漁業協同漁業協議会所属のイカ釣り船の約3,000隻が4月26日、27日に一斉休業したと。これもいわゆる燃油高騰によるのが原因だと言われています。当時のレートで1リッター当たり91円から96円というふうになっておりまして、4年前と比べて1リッター当たり37円ほどが上昇したと。この時国は、いわゆる漁業経営セーフティネット構築事業というのを行なっておりまして、漁業者、養殖業者と国の拠出により燃油配合肥料の価格が、それぞれ設定基準以上に上昇した場合に、一定の補填金を交付する事業を創設して対応を考えると。ただその当時の実行は、1リッター当たり14円を補填するという程度であって、その程度ではとてもでないけれども現状には間に合わないという状況だったというふうに資料を見て書いております。それから平成25年の5月29日で、我が国の漁業を守れ、燃油高騰対策の実現をというスローガンのもとに、全漁連の全国漁業者代表会の2,000人を超える全国漁業協同組合連合会、JF全漁連の集会が行われています。この中に円安によって持たされた燃油価格や養殖用飼料の急騰によって漁業、養殖業者が廃業にまで追い込まれることに許されるものではないと緊急対応を求めた。そしてこの中で、青森県の小型イカ釣り漁の代表であります三國さんという方がコメントを寄せております。夜のイカ釣り漁は集魚灯でイカを集めて獲りますと。コストの中で油代が3割から4割を占める我々にとって、燃油高騰は致命的な問題であると実情を訴えたと。この事例はいずれにしても、燃油高等によって、非常にその採算が合わないという現状を訴えて、国あるいは道、自治体にそれぞれの支援を皆さんでやろうということで全国組織やったという事例です。今回は燃油ではなくて、実際に魚が獲れない、イカが獲れないという根本的なこの状況が今あるわけです。先程町長の方から、この原油等についてはいろいろありましたけれども、どうもその海水温が、イカというのは東シナ海沖で産卵をするんだそうです。そして日本海を上がってくるイカと、太平洋を上がってくるイカが北上してくると。ちょうど7月8月に、この檜山の沖にイカの群れが来るというのが通例だったわけですけれども、海水温等の変化によって、今年は北のほうに早くイカが追いやられたんではないかということで、稚内が非常にそれによって好景気だと、非常に水揚げが多いという一例があるわけです。しかし私たちの前浜は、現状のように数値が表すように、前年対比約2割の水揚しかないというような実情になっています。で、今後の漁業回復ということも期待されているわけですけれども、今年の当初で専門家あるいは学者さんの意見では、その東シナ海の海温が去年と比べて非常に産卵に適した温度なので去年ほど酷くないだろうと。今年のスルメイカ漁は漁獲に期待出来るんではないかというような予想をもとに6月1日解禁日を迎えましたが現状は非常に厳しいと。稚内で一部水揚げがあったり、先般、八戸沖で少し大量になったという事例はありましたけれども、どうも芳しくないというのが実態です。今後、昨日も漁火見えていましたけど、どのくらいまで回復するかというのは、非常に難しい状況にあるということが現実的に見えてきてますので、今、町長から具体的な支援の事例というものは示されませんでしたけれども、やはり私は今からきちんと、その辺の対応を考えていく必要があるだろうと思います。函館市は、2017年今年の5月13日に、イカ不漁対策として国に要望を出しております。函館市は、いわゆるいかの加工産業の町として1つの一大産業を築いているわけで、函館市は輸入イカの助成に、1億円を助成して不漁を受け函館市の加工業者団体に、昨年に続くイカ不漁で函館市はイカの加工団体に対し、輸入イカの共同で購入する際、費用として総額1億円を助成することを決めた。9月の定例会に補正予算として提出する。対象とするのは、市内の加工業者、55社が加盟する函館特産食品加工業協同組合が購入する加工用輸入イカの費用です。昨年の購入実績や国の追加輸入額を考慮し、1キロ当たり100円で計100トンを見込むと。こういう函館市なども独自の、これは加工ですけれども、水産関連の予算を計上して下支えをしているという事例もありますので、私たちの町もぜひ今から、魚量が回復して結果的に1月まで漁期あるというふうに聞いていますが、今最盛期ちょっと過ぎてますけど、その様子を見ながらぜひ具体的に何らかの、支援策を今からきちんと検討して、漁師の方に町も挙げてしっかりと支えていますよとそういう町の姿勢を示して、漁師の方々の安心安全をしっかり確保していくと。いう姿勢を示すことは大変必要ではないかというふうに思いますので、今、町長の答弁にはまだ具体的なことを云々という段階では無いにしても、もう少しこう何か見えてくるような答弁をぜひお願いをしたいと思います。
町の答え 町長 高橋貞光(町長は2025年10月まで)
それでは2回目の質問にお答えをさせていただきます。大野議員からはこれまでの原油高騰に対する支援などの事例を挙げて、今回もその必要があるのではないかというお話でございました。当然、このひやま漁協も、こういった状況への対応について、これから検討されるものというふうに考えております。場合によっては道への要請といったこともあるかも分かりません。町としてはこうした動きにしっかりと協力あるいは支援ということをしていかなければならないというふうに思っておりますし、町独自の支援につきましても、これは当然そういった場合にはしっかりと対応して参りたいというふうに思いますと同時に、今こうしてイカ釣りに対する経営における依存の体質といいますか、このウエイトをやはり少しでも少なくするための方法というものにもこれは取り組んでいかなければならないというふうに思っているところであります。これは育てる漁業あるいはこの前浜の資源の拡大をさらに進めて行きながら、経営におけるイカ釣りの水揚げの割合を少しでも軽減をしていくというなことがこれから大切だろうというふうに思っているところでございます。いずれにしましても、漁業の中でのイカ釣り漁業というのは大変大きなウエイトを占めておりますし、漁協に対する影響あるいは地域の経済に与える影響も大きいということでありますから、こうした事態には町としてもしっかり対応して参りたいというふうに考えておりますことで理解いただきます。
議員の再々質問 10番 大野一男
最後の再々質問になります。今、町長から漁業者の経営の実態についてあるいは具体的な支援ということで答弁を求めましたが、数字が表れてこない状況で具体的に何に対していくらという金額等々の提示というのは難しいのかなってのは配慮し、理解をしておきたいと思いますが、よくよく今後の水揚げ高等々の推移を見ながら、その状況が判断出来るときにはそれなりの町としての一時的な支援というものはしていくんだと、こういうことだけでも、しっかり言及した言葉をいただきたいというふうに思います。また北海道、国にも、そういった状況を訴えて緊急避難的な意味もありますけれども下支えをしていくことで、この状況を切り抜けていくということが必要だと思うんです。去年も大変不漁だったと。今年はその不漁に増してイカが獲れないという、これは漁業者自身が、自助努力をしてもどうにもならない、ある意味自然災害という言葉は当たらないかもしれませんけど、自然がなすそういういろいろな作用によって、そういう状況があるということを考えますと、やはり公の部分でしっかりと基幹産業を支えていくという理念観点から行くと十分私は整合性のある話だというふうに思いますので、その辺をよくよく検討を進め、具体的な施策を示してもらうということを、状況によってという再三の1つの条件はつきますけど、そこはぜひお答えをいただきたいと思います。それから幅広く今後の漁業形態について、今、町長からありましたが、育てる漁業、やっとせたな町にも根づいて来て、そちらの方も一方の柱として十分育ってきてるという状況は私も見て取れますし、北海道の3海区の中で日本海のこの海区の水揚げ高が1番低いんだという状況を見て、日本海漁業振興と政策にお金入れて、まず育てる漁業をしっかり推進していこうという姿勢は私も十分読み取れますし、また今年は漁業チャレンジ事業等の、そういう予算をやって漁業者にそういうものを促していくということは高く評価をしていきたいというふうに思います。ぜひその辺も、積極的にさらなる予算を付けていわゆる資金投入の際の軽減であるとか、あるいは利息の負担軽減であるとか、そういった側面からの応援もぜひ考えていただければというふうに思います。先般、AI 人工知能というのがあるんですが、AI でイカの漁場予測をという記事が載っておりました。所謂こうしたイカが不漁の中で、さまざまな方法でイカの確保しようと模索する取り組みが始まっていると。その一つとして AI 人工知能を使った魚予測システムの開発が今行われていると。京都大学や JAMSTEC 海洋研究開発機構などのチームが、八戸港を拠点として漁業者の協力で今年の漁からイカ釣り漁船にシステムの構築に必要な装置を設置したと。漁船が操業した漁場の位置や海水温などのデータを集めるのが目的ですと。開発中のシステムでは AI 人工知能が蓄積された魚の量のデータと潮の流れや、海水温などの海洋環境の予測データをもとにいかの漁場を分析していると。その分析した結果を漁業者に届け、漁に役立ててもらうものであると。漁業者は長年の経験や勘に基づいて、イカの漁場を探って来ていますが、AI 人工知能を使えば蓄積された膨大なデータを短時間に処理し分析するため、より確実に漁場を見つけることが期待されていると。チームでは5年後です、5年後の実用化を目指しているということが、この間NHKの解説員の解説に載っていまして大変おもしろいなと思っていました。ぜひ町長、こういうことにも、私たちの町も注目をして、いろいろ研究機関とも連絡をとりながら先駆けて、そういう先進的な漁法等も取り入れれるような、そういう提供を町も率先してやっていただきたい。ぜひその辺もしっかり政策の中に折り込んで、今後の漁業推進を進めていただきたいと思いますが、再度答弁を求めます。
町の答え 町長 高橋貞光(町長は2025年10月まで)
議員大変しっかりと勉強しておられる様子、しっかりとお聞かせをいただきました。最終的に現在の不漁という、そういった判断、最終的な判断をする時期がこれはもう迫っているというふうに今感じております。管内、同じような状況にあるところでありますから、ひやま漁協あるいは管内各町の考えもよく聞かせていただきながら、しっかり対応させていただきたいというふうに思っております。また議員おっしゃいました試験研究機関等の情報につきましても、これはしっかり参考にさせていただきながら、この前浜振興も図っていかなければならないというふうに感じたところでございまして、こうしたことにつきましても、しっかり気を配って、これから取り組んで参りたいといふうに考えておりますことで、ご理解を願います。