せたな町議会 令和4年第4回定例会 2022年12月15日
近年にない厳しい経営環境下に置かれている酪農、畜産農家への町の取り組みについて
- 聞いた人
- 横山一康 議員
- 答えた人
- 町長 高橋貞光
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 8番 横山一康
それでは質問させていただきます。近年にない厳しい経営環境下に置かれている酪農、畜産農家への町の取り組みについてお伺いいたします。2020年に始まった新型コロナウイルスの影響で世界経済は一気に減速いたしました。加えて今年の2月に始まったロシアのウクライナ侵攻は悪化していた世界経済に更なる混乱を与えています。これらの影響を受け、これまで安定した需要や価格に後押しされ順調な経営環境だった町内の酪農、畜産農家は一転して厳しい経営環境下に置かれております。このような背景から農業生産には欠かせない肥料や燃油、電気などあらゆる生産資材が高騰しております。とりわけ酪農、畜産農家に欠かせない飼料は7月以降急激に高騰し、農林水産省の調査によると飼料価格は2020年を100とした指数で2021年後半で120程度、今年の7月では140を超える水準だと報告されています。酪農家は更に深刻です。酪農家の副産物となる初生牛の価格が暴落しています。ホクレン市場の価格を今年11月の価格と昨年11月を比較してみますと7割以上の下落となっております。過去に経験がないほどの厳しい経営環境に乳価の改定も11月に行われましたが、道内の生乳は加工原料乳の割合が多いため上げ幅は2円程度に留まっており、生産資材価格の高騰を補うには程遠い現状であります。この現状に国は飼料価格高騰対策として、経産牛1頭あたり7,200円の補填金を打ち出しています。道も同様の対策を検討しております。町もこれまで畜産飼料高騰対策事業補助金として年間の飼料購入額の1%以内を支援することを決めていますし、燃油、物価高騰対策支援として定額で法人15万円、個人事業者10万円の支援をしていただいていることは大変大きなことだと思いますが、現在の酪農、畜産農家の現状を考えると私は更なる支援が今必要だと考えております。以下の点について町の考えをお伺いします。1番、酪農、畜産農家の置かれている現状認識をお伺いいたします。2番、更なる支援が必要だと思いますが町の考えをお伺いします。3番、このような経営環境は今後もしばらく続くと思われます。濃厚飼料の自給対策が必要だと考えていますが町の考えをお伺いいたします。以上、3点よろしくお願いいたします。
町の答え 町長 高橋貞光(町長は2025年10月まで)
横山議員の質問にお答えをいたします。1点目ですが、現在の酪農、畜産経営は、コロナ禍やウクライナ情勢により肥料、飼料価格の上昇、さらには燃油や生産資材の高騰など酪農、畜産経営は大変厳しい状況だと思っております。なかでも酪農家においては、牛乳消費の減退による生乳の生産抑制、併せて個体価格の下落などにより、北海道においても酪農家がやむなく経営を中止する事態に追い込まれており、大変厳しい経営環境下にあると認識しております。次に2点目ですが、飼料価格高騰対策として国においては、経産牛1頭あたり7,200円、北海道においても国の対策事業の上乗せとして1頭6,800円の支援が出されました。町は飼料価格高騰の影響は酪農家に限らず畜産経営全体に影響しているとの思いから、負担軽減を図るため畜産飼料高騰対策事業を予算化しており、今後においても飼料価格の高騰は長期化するものと判断し、畜産経営が維持できるよう支援について前向きに検討したいと考えております。次に3点目の濃厚飼料の自給対策でありますが、まず濃厚飼料につきましては、原料である子実用トウモロコシ、大豆などを増産する必要があり、せたな町でも飼料用米の生産は国の支援もあり増加しておりますが、国内での自給というのは少し時間がかかると、すぐにとはまいりません。また酪農家の生産については、技術的にも難しいというふうに考えております。そこで町としては、濃厚飼料より粗飼料である良質な牧草やデントコーンなど栄養価の高い飼料生産を目指して令和4年度から4年間草地畜産事業に取り組んでいるところであります。併せて町営牧場の整備も実施しており、牧場を利用することにより牛の飼養期間の低減や飼料生産の省力化が図られ生産者のコストを大幅に低減できることから、町営牧場の積極的な活用を推進していきたいと思っております。また現在、国においても輸入飼料から国産飼料への転換ということが進められておりますが、それらを見極め当町としても対策を検討していきたいと考えておりますことでご理解いただきたいと思います。
議員の質問 8番 横山一康
今1点目のところで町長も厳しい認識だとおっしゃっていた。私もそれと同じような認識であります。東京大学大学院の鈴木宣弘教授という方がおられます。この方は今回のこの酪農畜産経営の厳しさ、二重苦三重苦をはるかに超えているとおっしゃっていました。町長おっしゃったように生産資材、肥料ですとか飼料、燃料これらの高騰、またそれに加えて販売価格の低迷、3番目に子牛価格の暴落、4番目に2023年度からは、生乳の減産要請が来ており、そちらに舵を切っております。また5点目としまして、今まで積み上げてきた在庫の処理が非常に大変だということで二重苦三重苦をはるかに超えている。これだけ厳しい現状だということを有識者の方がおっしゃっています。これは近年にない、かつてないと言ってもいいくらいの厳しい状況に今酪農、畜産農家の経営環境があるということをまず皆さんに知っておいていただきたいと切に思います。そこで町長も今、町が打ち出しました畜産飼料高騰対策、これにさらに上乗せをしていただけるような答弁だったと私は受け取っております。このことは非常にありがたいことだと思いますし、今日この議会を見てる方もたくさんおられると思うので、酪農、畜産農家の方にとっては一つの明るい希望になるものだと思われます。もう1点、私はお願いをしたいと思います。飼料高騰に加えて、やはり子牛の価格の暴落というのは、これが非常に大きいんです。国や北海道はこのことに関して、国は7,200円、北海道は6,800円これはもう決定したということを聞いておりますので、合わせて1頭あたり1万4,000円の支援をするということであります。私は考え方の一つとして、直接大きく影響を受けている飼料価格の高騰に一つはきちんと支援をすること。もう一つは、牛1頭あたりにかかるコスト、これは飼料代だけでなくて機械を動かすための燃油、施設を維持するための電気ですとか、水道代このようなものもたくさんかかってきます。ですから北海道や国は、これを1頭あたりに換算して7,200円、6,800円というものを付けておりますので、やはり私は町もできる限りそれに近づけるような努力はするべきだと思います。新函館農協から要望が1つ上がってると思います。本来、国のこの7,200円というのは、北海道は7,200円で府県は1万円、国から補填されてるんです。新函館農協から上がってる要望というのは、府県並みの1万円にしていただきたい。2,800円を何とかして町で補填していただけないかというような要望が上がっていると思います。私はこの要望もぜひ聞いていただいて、何とか1頭あたりの支援というものもやっていただきたい。これは酪農家だけになってしまいますので、ほかの畜産農家には不公平になるということも考えられるかとは思うんですが、ただ、やはり酪農家の今の現状というのは、先ほど言いましたように何重苦にもなっております。特に子牛の暴落というところが非常に大きいこともありますので、そこはもう一度検討していただきたいと思います。さらに一昨日、政府と与党は2023年度の酪農畜産対策を決定しております。昨日の道新でも報道されておりました。加工原料乳の生産者補給金49銭の引上げということで決着したそうです。本来、生産者団体は5円の引上げをお願いして中央要請を重ねておりましたが、結果として49銭ということで約10分の1で妥結したということです。このことを49銭がどれぐらいの効果があるのかと思いまして私ちょっと試算してみました。町内の酪農家の1年間の出荷乳量というのは大体200トンぐらいだそうです。それに49銭を掛けてみると、ほぼ10万円程度のアップにしかならないというようなことで、やはりこの49銭ないよりはいいんですが数十万円の上昇というのは、かなり酪農家の方は落胆しているのではないかと思います。昨日の農業新聞でも道東の酪農家の方のコメントとして、やはりこの乳価が上がってこないとどうしようもないというふうなことをおっしゃっておりました。さらにもう1点だけ町長にお諮りいただきたいことがあります。日本政策金融公庫という政府系の金融機関があります。ここでセーフティーネット資金というものがあります。これは今回ウクライナの侵攻のことや燃油や物価の高騰ということを含めて5年間無利子、無担保で融資するという特例措置が取られております。これを今回、申請している農家が畜産農家の約2割の方が申請していると農務課に調べていただいた結果出ております。2割の方が申請しているということは、これはかなり緊迫感がある状況だと私は認識しております。ですから何としても私は農協から上がっている1頭あたり2,800円の支援という、このこともしっかりと今後考えていっていただきたい。今やらないと次にいい波が来た時に人がいなくなっては困ります。これ以上、私は酪農、畜産農家がこの町から減っていくことは、どうしても見過ごせませんので、ぜひ町長のご決断をお願いしたいと思います。1頭あたりの定額の補填を検討するかどうか。これを2点目にお聞きしたいと思います。
町の答え 町長 高橋貞光(町長は2025年10月まで)
お答えをいたします。農協からの要請は北海道の国の補填金が1頭あたり7,200円、都府県が1万円の補填ということでありました。農協からの要請は1万円にしてくれということで差額の2,800円の支援ということが要望としてきております。これに対しまして、北海道が6,800円ということで1万4,000円になりました。これは農協の要望の1万円を大きく超える結果ということになりましたので、これは要望は実現したというふうに感じております。現在140%という議員のご指摘もございました。いわゆる5,000万の餌代がかかっているところは2,000万増えて7,000万ということになるわけでございます。こうしたことから飼料についてもしっかり今回対応させていただきたいというふうに思っております。先ほど公共牧場の活用ということもお話しいたしました。実は公共牧場の活用については、コスト低減の効果としまして春から秋まで育成牛1頭あたり計算をしますと14万円のコスト削減できるという試算結果が出されております。これは国、道のこの支援と比べましても決して小さいものではないと、大変大きな効果が現れるというふうに思っておりますので、酪農家の皆さん方には、ぜひ公共牧場をご利用していただき、コストの削減に努めてほしいなというふうに思っております。それから牧草等の良質な粗飼料の確保というのも経営にとっては大きなメリットになります。そうしたことから濃厚飼料、多給型酪農から放牧型酪農という転換も一部進められている状況にございます。こうした酪農家自身がまだ取り組めることがあるということも感じておりますので、そうしたことも含めて総合的に酪農が、これからも経営の維持、発展ができるよう町としても、しっかり考えてまいりたいというふうに思っております。ご理解をいただきたいと思います。
議員の再々質問 8番 横山一康
再々質問をさせていただきます。ただいま町長の答弁から農協から上がってきている2,800円の部分に関しては、北海道が6,800円上乗せしているので合わせて1万円以上に4,000円も超えているので十分だというご答弁でした。ただ北海道は北海道の自分たちの考え方で6,800円付けなければいけない、このような思いで付けていただいてると思います。北海道の趣旨を調べてみますと、子牛の価格下落ということが第1点、また今後、経営環境が回復してきたときの牛群回復、牛を余り減らしてしまってはよくないので牛群をしっかり確保するため、このようなためで1頭あたり6,800円ぐらいは必要だということで補填しております。私は町も町なりに、この今厳しい酪農家の状況を考えると、しっかりと町独自で道がやってるから町はやらなくていいんだということには私はならないと思います。ぜひ町も町の考え方でこの農協から上がっている支援2,800円というものを、しっかりつけるというような決断は必要だと思います。何といっても今が1番大変な時です。先日私、農協の幹部の方とお会いしてお話ししてきました。その方のお話を聞きますと、令和4年度から生産抑制体制に入っていますので、生乳に関しては入っていますので、その効果が現れてくるのが令和6年以降に現れてくると、需給バランスが取れて乳価も安定してくるというようなお話でありますので、何としてもこの令和4年、5年を酪農家の皆様方は越えなければいけないんです。ただ先ほどもお話ししたとおりセーフティーネット資金を使用している方が2割もいる。これ本当に深刻な状況です。私は今、財政出動をしっかりして、この方たちを支えなければ自給バランスが取れてくる令和6年度以降、その方たちが欠けてしまったら何の意味もありません。公共牧場も使えないんです。ですから今何とかしっかりとした思い切った財政出動をして、これらの困難の中にある人たちに手を差し伸べていく。このような姿勢が私はせたな町の姿勢としてあるべき姿だと強く思っております。先ほど飼料価格にまた上乗せをしていただくことも検討されるということをいただいて、まだその上に2,800円も横山は要求するのかと思われるかもしれませんが、私も本当に足繁く酪農家の方たちの皆さんのところに足を運んでおります。その人たちの窮状を聞くと、やはりここは何としてでも町長の決断を求めたいというふうに思います。あまりしつこく言っても仕方ありませんので、そこは高橋町長であるならば、しっかりと考えていただけることを信じたいと思います。これは1点、強く要望しておきます。もう1点、3番目にありました濃厚飼料のこと、ここだけもう一つ、私は今緊急事態を回避したあと、そのあともやはりこの体質では町の酪農畜産業の発展は成り立たないと思います。飼料の外部依存度をできるだけ下げていくという取り組みが必要だと思います。町長おっしゃるとおり良質な粗飼料生産はまず欠かせません。コスト削減のために公共牧場を使うことも、これも大事な視点だと思います。もう一つ酪農にとっては、濃厚飼料の給与というのも欠かせませんのでこの濃厚飼料を今後どうやって低コストで生産するかということも非常に大切な視点だと思います。これまで飼料用トウモロコシ、デントコーンですね。デントコーンの栽培がせたな町では広く行われておりました。ただ新しい機械への投資ですとか、高齢化や雇用力不足の減少で、今町内の約2割の農家でしか実際デントコーンの栽培ができない状況になっております。デントコーンは非常に酪農家の皆さん良い物だとわかっているんですが、なかなかできない状況にあるということです。このように厳しい情勢が今後長く続くと思われますから、以前あったこのデントコーンの栽培の取り組みというものをもう一度分析して、どうやったら濃厚飼料の自給率の向上のためにやれるのか、このような研究も私は必要なものだと思います。また子実コーン、実を取るトウモロコシですね。これも2015年に北海道子実コーン生産組合というものが立ち上がっております。このような新しい濃厚飼料の研究ということも片方で必要になってくると思います。これはまだ栽培方法ですとか、機械への投資など解決しなければいけない課題もたくさんあるのでかなり挑戦的な取り組みになると思いますが、この子実コーンというのは膨大な需要があります。また遊休地の防止、飼料の安定供給などといったメリットもたくさん紹介されておりますので、このようなデントコーンの再考、また子実コーンの新しい研究、このような濃厚飼料もしっかりと今後研究していく必要があると思います。未来に今後展望を見いだせるような十分な支援を要請するとともに、その先を超えた飼料自給率の向上のための研究が私は必要となってくると思いますが、町長はどうお考えになるかお聞きしたいと思います。
町の答え 町長 高橋貞光(町長は2025年10月まで)
お答えをいたします。今回この価格高騰対策ということで農協から2点要望が上がっております。1つは、先ほど議員言われましたように、経産牛1頭あたり北海道と府県の差額2,800円というこの補填、それからもう一つは、飼料高騰対策に対する補填の引上げの要望、この2つが上がっております。北海道と都府県の差額の補填につきましては、これは先ほどご説明いたしましたように農協からは1万円にしてくれという強い要望でございました。これはご承知のように北海道が補填をして1万4,000円になったということで要望はクリアされたというふうに思っております。次の飼料高騰対策の補填の引上げの要望、これは国、道はやっておりませんので、これは町でしっかり対応しなければならないというふうに考えているところでございます。いずれにしましても、こうした大変厳しい状況の中で酪農畜産の経営の維持ということは、町も農協も力を合わせて考えていかなければならないものというふうに考えております。それから濃厚飼料の生産の関係ですが、これは議員言われているとおり濃厚飼料というのは原料は穀物ということで子実用の穀類の生産、これは現状いろいろ課題はあるというふうに思っておりますが、しかし長期的な観点からいうと、これは輸入穀物を減らすと、自給率を高めるという方向で進めていかなければならないものと認識をしているところでございます。いろいろな課題につきましては、これから国や道、あるいは試験研究機関などとしっかり連携をしながら、せたな町でどういった取り組みができるのか、今既に飼料用米の生産が拡大傾向にありますので、そういったことも含めて、これは酪農家ばかりでなくて子牛農家についても、こうしたことをしっかりと取り組めるようにということも考えていかなければならないという認識でおりますので、ご理解をいただきたいというふうに思います。