せたな町議会 平成27年第3回定例会 2015年9月16日
前浜漁業振興への取り組みについて
- 聞いた人
- 大野一男 議員
- 答えた人
- 町長 高橋貞光
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 3番 大野一男
ただ今議長より質問の許可がでましたので町長に1問質問させていただきます。前浜漁業振興への取り組みについて町長に答弁を求めます。北海道水産林務部総務課の資料によりますと、北海道を取り巻く海域を日本海海域、オホーツク海海域、太平洋海域と大きく区分し、この3海域での平成25年度における漁業生産量を比較すると、オホーツク海域、42.6万トン、太平洋海域68.3万トンに比べ、日本海海域は19.7万トンと全道3区域で一番低くなっており、また、沿海地区漁協正組合員1人当たりの生産額で比較をしますと、日本海では全道平均の約5割に留まっており、海域間で大きな格差が生じております。北海道はこの現状を重く受け止め、水揚げが低迷する日本海漁業に対して振興策を検討しなければならないとの方針を示して、昨年12月に日本海漁業振興基本方針を策定しました。この基本方針に基づき、本年5月に日本海漁業振興緊急対策事業要領が示されたところであります。これは主に栽培漁業生産を高めるため、ナマコ、キタムラサキウニ、マボヤ、ホタテ、マガキなどの増養殖魚を奨励するさまざまな支援策、藻場回復、磯焼け対策、トドなどの海獣による漁業被害対策、ニシン、サクラマスなどの放流事業、水産基盤整備事業、漁場の整備などが示されております。これを受けて当町においても地域協議会を立ち上げ、4要望事業の申請があり、6月定例会で事業予算の75%補助する日本海漁業振興緊急対策事業補助金を予算措置し、この4事業の推進を図ろうとしております。しかし、この施策は平成29年までの時限立法であります。ゆえに北海道は、今日の日本海漁業、前浜の現状を踏まえたとき、集中的かつ早期短期間でその事業着手に取り組まなければ、前浜はますます疲弊していく。待ったなしの状況にあるとの認識のもと、緊急かつ速やかにそれぞれの地域が漁業の将来ビジョンを描き、地域が主体となって、さまざまな事業展開、方策を打ち出し着実に実行に移していくことを求めていると考えます。1、こうした北海道の意向を踏まえて、当町においても地域協議会における産官学が連携を密に、短期、中期、長期の展望のもと、日本海漁業振興基本方針で示された振興策への更なる取り組みを模索し、事業着手、拡大押し進めていくことが待ったなしで今求められていると考えます。漁業などの一次産業を基幹産業として位置付け、私の営みを考える時、この前浜振興は地域の存続の根幹をなす大きな課題と考えます。町長の所見をお伺いいたします。2番、大成水産種苗センターの活用も期待を大にするところであります。先般、種苗センターの業務見直しも示されたところではありますが、今後の施設整備、運営等について所見をお伺いいたします。
町の答え 町長 高橋貞光(町長は2025年10月まで)
大野議員の質問についてお答えいたします。1点目の前浜振興についてでありますが、大野議員の言われるとおり、大きな課題であると認識しております。高橋町政の3期目に向けての政策の柱の一つとして、これまでもウニの移殖やナマコ種苗の放流などに対し、まちとして支援を行ってきたところであります。昨年12月に北海道は栽培漁業などへの転換を柱とした、日本海漁業振興基本方針を策定し、これに基づき本年5月に、北海道の補助事業として日本海漁業振興緊急対策事業の要領が示されております。これを受け、まちとしましても、北海道の基本方針と方向性を同じくしながら漁業者が意欲を持って取り組む増養殖事業に対し支援を行うため、6月定例会において、まちの上乗せ補助を含めた予算措置を講じたところであり、現在、地区から要望のあったホタテやナマコなど4つの事業を実施しているところです。前浜振興を進めるためには、栽培漁業の推進や今ある資源の付加価値向上など、漁業者の積極的な取り組みが、何よりも重要であると考えております。そのためには従来から大きな課題となっている養殖を行うための漁業権や地区ごとに決められている操業上のルールの見直しなど、漁業者自らの環境整備も必要であり、意欲のある漁業者が新たな取り組みにチャレンジ出来るような仕組み作りに向け、まちとしても積極的に関わっていきたいと思っております。7月には檜山振興局においても局内に檜山地域漁業振興対策室を設置したところであり、浜の活力を取り戻す契機として、漁業者の積極的な取り組みに弾みが付くものと大いに期待しているところであります。まちとしましても北海道をはじめ関係機関と連携しながら、しっかりと前浜漁業の振興を図っていきたいと考えております。2点目のご質問にお答えをいたします。大野議員同様、前浜漁業振興に果たす大成種苗育成センターの役割については、大変重要な施設であると認識しているところであります。当センターの運営については、平成27年6月1日開催の第9回産業教育常任委員会で説明しておりますが、これまで道内外各地にアワビ稚貝の供給をしてまいりましたが、近年、アワビ種苗購入団体の減少に加え、市町村の補助金の縮減などにより需要数の減少が、今後とも続くものと推測されます。このことから、減少傾向にある町外向けアワビ種苗の供給につきましては、平成28年度の秋出荷をもって終了することとし、その飼育スペースを活用して漁業者からの強い要望に応えるため、ナマコ種苗の増産体制に向けて施設の業務の見直しを図ることにしております。このことにより、今年度はナマコ種苗生産目標数を50万個として、現在、種苗生産しておりますが、平成29年度以降については70万個から100万個の種苗生産を目指すことになります。また、この業務見直しによる施設整備については、既存の施設をそのまま利用する形で種苗生産を行うことから施設改修は、当面必要ないものと考えていますが、ナマコ種苗の増産に向けて必要な資材及び備品等に関しては、当然整備していかなければならないものと考えておりますで、ご理解をいただきたいと思います。
議員の再質問 3番 大野一男
再質問させていただきます。まず、これからの漁業振興に向けてでありますが、今、基本法にしたがってまちもいろいろ関係者と協議しながら、地域協議会の中で4事業者が手を挙げて、すでに事業に入っていると。大変結構な状況だと思うんですが、これで今前浜の要望がすべてということで私はないだろうと思うんです。もっといろいろ条件が揃えば、あるいはいろいろ要件が整えば、やってみたい、あるいは拡大をしたいという地域の要望はあると思うし、また、そういう声をしっかり、まちも吸い上げてあるいは掘り起こして更なる拡大を図っていただきたいと思います。その中で、私なりにちょっと考えさせていただいたんですが、今事業者の負担が4分の1です。4分の3は国と道が補助してる事業体系ですが、例えば、本人負担を、今は4分の1ですけども10分の1程度まで軽減を図って、その分をまちでもう少し多く見るとか、あるいは本人負担の資金というものもある程度100万程度を用意して、今回事業に参入したホタテの業者もいらっしゃいますけど、ある程度の規模になるとやはり4分の1とはいえ、相当の本人負担の資金が必要だという背景もありますので、そういうことは、まちで貸付制度を行うとか、あるいは利子の負担をして軽減をするといったような、そういう奨励の制度をぜひ考えていただきたい。6次産業化のときも、今地域の再生に向けて、これは民間の市中銀行ですけれども、それにファンドを起こして支援するということも行われているようですので、ぜひそういったことも具体的にまちのほうで考えていただきたい。当町には、産業振興基金というのを創設しておりまして、平成26年度決算で2億641万円ほど執行されています。まだまだ産業基金残高もたくさんありますので、そういったこともぜひこういったことに対して、補助率のアップであるとか、そういったものに活用していただきたいと思います。それからもう一つはこの養殖事業、日本海でどうして進まなかったのかということですが、それは時化が多くてなかなか養殖に取り組みずらい、それから、いかとかホッケとかすけそうだらといった回遊性の資源が多くて、前浜が結構潤っていたということで、どうしても養殖事業になかなか取り組むという形が見えなかったという背景があるわけですけれども、この静穏海域を利用して養殖業を進めていこうということが、一つの大きな課題となってます。この間の産教の資料を見させていただきましたら、小さい漁港を整備をしてやっていこうという動きも見られているという資料をいただきました。特に瀬棚地区で小規模漁港統合について協議が進められて、4漁港が一つに集積を図っていくという姿が見えてきたわけですが、こういう空いたスペースといったら語弊がありますけれども、そういったところを大いに活用して、そこに可能であれば増養殖業の基地にする。それから久遠漁港も大変広い漁港で、特に本陣川の方の1カ所は、今でもそういう増養殖業の基地として利用されてますけれども、あの辺をもう少し整備してもっと大きく投入できないのかと。これはちょっと素人ぽい考えですけども、そういったこともぜひいろいろ状況をよく調査しながら、漁業者と相談をして拡大の状況を作り上げていただきたいと思います。その他振興事業の中で行われているものの中に、トドなどの海獣被害についてですが、国は平成26年8月にトド管理基本方針というものを策定して日本海でもトドの発生が顕著に見られるということで、適切な採捕管理であるとか、漁業者のハンター育成等を手掛けていこうという方針を出されています。せたな町においても実態被害は、それぞれあるんだろうと思うんですが、この辺の駆除についても、もう一つ現場として何らかの方策を作りながら、被害の回避に向けて一つ方策を作っていただきたいと思います。それから生産多面機能発揮対策事業、いわゆる藻場再生や維持管理の保全活動ですけれども、これはもう5、6年ずっと続いてます。国と道とまちで予算をつけて、せたな町では4団体が補助いただいて執行しています。平成26年度の決算実績では170万ほど、100%執行ということで大変業者については、根気よく取り組まれているのかと思います。ぜこれも継続でしっかりと長い年月掛かりますので藻場再生については、引き続き取り組んでいただきたいと思います。次に水産種苗センターの件ですが、今町長が縷々説明いただきましたように、アワビの生産量を縮小して、空いたスペースをナマコの養殖場に転嫁していきたいと。大変地域の要望等を踏まえますといいアイデアだと聞きました。今町長、施設の改修については当面必要ないようなお話をされました。ただし資材については、これは対象物が変わりますので、それについては、それなりの充当した予算を付けてやるということです。私がいう施設の改修というのは、そういう資材の手当も含めて速やかに1年、2年ということではなくて、50万尾体制、70万尾体制というものを確立していくよと。それから町長冒頭に大成水産種苗センターは、非常に貴重な施設であると。私なんか初めて言っていただいたような気がするんですけれども、ぜひそういう観点で、これからあの施設をしっかりと活用していくという腹づもりが町長にも出来たと理解しますので、ぜひそこは、しっかり予算を付けて期待に沿うような施設整備、資材整備をしていただきたいと思うんです。特にこのナマコは、幼生管理が大変大事で、現場を見ましたら、高温室で幼生管理をしてる。こういうハウスがあるんです。これは冷蔵庫みたいところの中に0.5トンのパンライト水槽を6基収納して、1基当たり 100 万個の種を入れているんですが、それでは絶対量が足りないので、保険の仕事も含めてウォーターバス方式ということで幼生管理をしているということです。これは普通の清掃の中に、このパンライト水槽3基を入れて水流を流して温度管理をしながらやっている。しかしやはりウォーターバス方式ではなかなか管理が難しいという実態があるようです。私これまた勝手な言い分ですが、できればこの高温室での幼生管理の体制をもう1基増設していただくことによって、将来の70万、100万という体制でしっかりとした体制が整うと思いますので、これ相当高い施設なようですけれども、現場の担当に聞きますと、今でも十分いろいろ良くしていただいているので、これ以上施設に云々という遠慮深い話も聞きましたけれど、ぜひその辺は、まちで先ほど町長が言うように地場産業の養殖事業を推進していくんだと。そういう大きな根幹に係る問題だと捉えていただいているのであれば、ぜひこの高温室での幼生管理のハウスをもう1棟増設していただくということを検討していただきたいし、できれば、そういった形で、現場の担当の人の声が一番大事ですけれども、ぜひその辺もう一度見ていただきたいと思います。それから今言った水槽管理ですが、これは採苗という作業があるんです。これ採苗作業をアワビで使っている水槽が空きますから、そこにナマコの採苗の波板を入れてやるんだそうです。これもいわゆる70万、100万という体制を作るとなれば、絶対量として本当に今の水槽で足りるのかという思いがしますので、そこはぜひ町長、施設をもう少し整備してしっかりとした体制で取り組んでいけるそういう状況を作っていただきたい。もう一つはこれ非常に温度管理が大事だということで、今屋根がプラスチックというんですが、透明のハウスになってました。遮光があるんです。そうすると室温が高くなって温度管理が難しいという話です。しかし一方では明りも取らないと育たないということなので、そこは屋根をどうするかっていうのは難しい問題なんでしょうけれども、ぜひその辺も現場の担当とよく協議をされて、一番いい生育環境を作るということにひとつ前向きに取り組んでいただきたいと思います。ナマコは道の第6次栽培事業基本計画において、栽培漁業を推進することが適当な水産動物と位置付けられておりまして、北海道もさまざまな技術開発で支援していく体制をとっておりますので、ぜひ特化した形でこれからも取り組んでいただきたい。それから先の道新にこういう記事が載ってました。エゾバカ貝という貝があるんです。これは長磯の漁協青年部が大変大事に資源として育ていって、ことしは資源管理で獲らないんだということのようですが、この新聞記事9月3日の新聞ですが、生育順調エゾバカ貝、上ノ国です。上ノ国でエゾバカ貝の養殖事業を手がけて、いろいろ成功して、将来一つの大きな資源としてやっていきたいというような実証例もあるわけです。ぜひ長磯地区の漁業者がエゾバカ貝に注目して、自分たちでもそういう地域の大きな資源として活用していこうという動きもあるわけですから、ぜひこういう上ノ国町でそういう実証実験やってるということであれば、その連携でそういったところの調査をしていければ、将来大成種苗センターもこういったものを入れて、エゾバカ貝の養殖業に着手するというような事業展開もどうぞ発想として取り入れてやっていただきたいと思います。何点か希望をも含めて質問させていただきましたが、町長に具体的な答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
町の答え 町長 高橋貞光(町長は2025年10月まで)
3回目の質問にお答えをいたします。たくさんいただきましたので、すべて整理できているかどうか。答弁漏れはありましたらおっしゃっていただきたいと思います。まず、漁業振興についてでありますが、まず補助率の問題でありました。これはある程度補助率を上げることで、漁業者の取り組みがスムーズにいくと私たちも考えておりまして、現在、ナマコの種苗、稚ナマコにつきましては今無償で放流をさせていただいているということでございます。こうしたことを通じて、また一層の漁業振興を図れればと思っております。それから漁港等の利用についてですが、これは漁港ばかりでなくて養殖する場合の海面につきましても、早期に対応をしなければならないと思っておりますが、ただ漁業者同士の利害も当然、絡んでくると。これは先ほどの質問にもお答えをしましたが、漁業権であるとか、操業上のルールです。これは漁協の中でそれぞれ細かく決められていることになっておりまして、これが一部増養殖事業の障害となっているという側面もございますので、この辺は漁業者と十分相談をさせていただきながら、しっかりこうした増養殖事業が推進出来るようにそういったものを整えていきたいと思っております。それから海獣被害の話もございました。これは随分駆除の割り当ても増えてきていますので、こういった状況をしっかり捉えて出来れば海獣被害も押さえて参りたいということ。それから密漁対策です。これはまちでは監視カメラ等を漁協に設置して、密漁防止ということにも積極的に取り組んでいるところでございます。海獣被害、密漁いずれもこの資源を保護する。前浜資源を保護するということでありますので、これらについてもしっかりやっていきたいと思っております。それから藻場再生事業ですが、これは漁業者の皆さん方にもしっかりこの事業に取り組んでいただいておりまして、これからも前浜の環境、海の環境の改善ということでは、漁業者の皆さん方と一緒になって取り組んでまいりたいと考えております。それから種苗センターの関係でございますが、これは議員ずいぶん勉強されておりまして、いろいろ課題等あるわけでありますが、言われたとおりでございます。ただ高温室につきましても、これは現場の話を聞いたところによりますと、これまで1回の産卵で必要量を確保してきたということでございまして、これが50万あるいは70万、100万ということになりますと、当然足りないということになると思います。そこで、そうした部分を改善するためにはどうするかということですが、この1回の産卵を数回に分けてやるということで、十分乗り切れるんだということでございましたので、これらについては、そういった技術的な部分で解決が可能と判断をしております。ただ、それぞれの資材、当然、数が多くなると資材は足りないことになると思いますので、そういった部分については、しっかり必要な資材は確保することで、稚ナマコの生産が順調に進むようにそうした施設環境の整備に取り組んでまいりたいと思っております。それから上ノ国のエゾバカ貝の紹介がございました。実は新聞には載っておりませんが、せたなでも既にもうエゾバカ貝の蓄養試験これはもう取り組んでおります。このほかにも、その他の取り組みとして紹介させていただきたいと思いますが、先ほどから申し上げましたナマコの採苗、これは漁業者自らから久遠漁港で種苗センターとは別に自ら採苗に取り組んでおりますし、また価格付加価値の向上ということでは、これはイカの活〆、これも今試験的に取り組んでおります。また、貝取澗の青年部では、アワビとウニを活用した加工品の開発も行われておりまして、さまざま漁業者の発案で行われている。こういった取り組みに我々も大いに期待をしているところでございます。いずれにしましても檜山沿岸の漁業が大変厳しい状況に置かれているという認識は議員と共通のものでございますが、この原因の一つにやはり回遊性資源を頼りにしている檜山沿岸の漁業という部分がございます。この太平洋やオホーツク海の漁業は増養殖漁業のウエイトが非常に大きい。この差が漁業者の水揚げや所得の差につながっていると分析されているところでございまして、我々としては出来るだけこの回遊性資源を頼りにしている漁業から、増養殖の漁業へ転換を図るということで、さまざまな北海道の事業もそうですし、まちの事業もこういったところを大きな目標として取り組んでいるところでございまして、しっかりこの部分はやらせていただきたいということで、ご理解をいただきたいと思います。
議員の再質問 10番 大野一男
はい。