せたな町議会 令和4年第1回定例会 2022年3月11日
水田活用の直接支払交付金の見直しが町の農業に与える影響とその対策について
- 聞いた人
- 横山一康 議員
- 答えた人
- 町長 高橋貞光
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 8番 横山一康
それでは水田活用の直接支払交付金の見直しが町の農業に与える影響とその対策について町の考え方をお伺いしたいと思います。水田活用の直接支払交付金は水田に主食米以外の牧草や大豆、飼料米などの作物を作付けした場合、作物に応じて10アール当たり2万円から10万5,000円の交付金が支払われる制度です。今回、大幅な見直しが国から示されました。細かく分ければ数点の変更はあるのですが、私が考えるところ影響が大きいものが2点あります。まず一つ目、今後5年間、水張りをしない水田は交付の対象から除外することとした交付対象水田の厳格化といった点。2点目に、牧草に対する交付金単価の大幅な見直し、この2点が新年度から影響が出るものと考えます。せたな町の農家は長い間、国の方針に従い転作に協力し、牧草やデントコーンなどの飼料作物、大豆や野菜などを水田に作り水田を有効に活用してきました。しかし今回のような唐突な政策の見直しは、現場に大きな不安と混乱を招くおそれがあります。その中でも特に影響が大きいと思われるのが、転作田で牧草を栽培する農家で、交付金が10アール当たり3万5,000円から1万円にまで減額されることが示されており、賃借料の支払いや機械投資の償還など様々な不安の声を私も耳にしております。去る2月22日に開催されました農林水産省函館農政事務所からの説明会には、関係者も含めて80名以上の方が来られ熱心に説明を聞いておられました。参加者を動員するわけでもないのに、これだけ多くの方が参加するというのは、よほど農家をはじめ関係機関の皆さんの関心が高いことを示すものと思われます。この制度の見直しは、水田の転作率が高い上、高齢化や後継者不足、米価の下落等たくさんの課題を抱えた我が町の農業に与える影響は計り知れないものがあると考えます。現在のところは、交付金の減額ということが差し迫った大きな課題だと思いますが、この減額の陰には、農地の売買価格や賃借料、そして評価額、さらには土地改良区の賦課金など表面化していない数多くの課題もあると思います。できるだけ早急に町として制度の見直しが与える影響を整理、把握し、農家や関係団体とともに対策を講じる必要があると考えますが、以下の点についてお伺いいたします。1番、新年度制度の見直しが農家に与える影響をお伺いいたします。2番、今後制度の見直しが町の農業に与える影響をお伺いいたします。3番、現時点での町の対応をお伺いいたします。
町の答え 町長 高橋貞光(町長は2025年10月まで)
それでは横山議員のご質問にお答えをいたします。水田活用の直接支払交付金見直しについては、昨年末に農林水産省から突然示されたところでございます。当交付金は生産者の経営安定に重要な財源であり、現場では今後の経営への影響が不安視されていると認識しております。さて1点目の制度の見直しが農家に与える影響でありますが、令和4年度からすぐに影響が出るものとしては牧草の収穫のみを行う場合、交付単価が10アール当たり2万5,000円減額の1万円に引き下げられることになります。令和3年度の当交付金対象農地における牧草作付実績は111戸、360ヘクタールであり、総額9,000万円の減額ということになりますので、牧草を作付けしている生産者に大きな影響があるものと考えております。ただし当町をはじめ道内各市町村からの意見、現況を北海道で汲み取っていただいたことにより、北海道農業再生協議会では産地交付金全道枠において牧草交付金減額の激変緩和措置として、令和4年度限定ではありますが10アール当たり5,000円以内の助成が検討されていることから少しではありますが影響は緩和されるものと考えております。次に2点目の今後、制度の見直しが町の農業に与える影響ですが、今後5年のうちに水張りをしない水田は令和9年度から交付対象とはなりません。そのことにより受取交付金の減少やブロックローテーションを取り入れるための施設整備などの生産コストの増加、生産の目安を守らない生産者が出てきた場合の主食用米作付け増加に伴う米価への影響が考えられます。また水張りを諦め畑地化をすることにより、経営者はもちろん各関係機関などへの影響も生じてくることとなり離農や担い手不足、耕作放棄地の増加など本町農業振興に影響が出てくることを危惧しております。最後に現時点での町の対応についてですが、昨年末に当交付金見直しが示されて以来、的確な情報収集に努めてきたところであります。ある程度国の方向性も見えたことから、本年2月2日に両農協、土地改良区、農業委員会などの関係機関と情報交換の場を持ち、生産者や町、各関係機関に与える影響や課題などを整理し、今後も協議を重ねていくことを確認いたしました。また2月22日には、北海道農政事務所函館地域拠点の職員を招き、町内生産者や各関係機関へ水田活用の直接支払交付金見直しに関する説明会を開催し、多数の生産者が参加するなか情報提供を行い、今後の営農に向けて活発な意見交換をしております。今後は令和4年度以降5年間の内に、該当転作田での水張りが可能なのか個々に調べる必要があります。そこで作付け調整を行うせたな町農業再生協議会を中心に、令和4年度中に当交付金対象生産者に聞き取り調査を実施し、また生産者並びに各関係機関と連携を密にしながら情報交換や地域課題の洗い出しを進め、国や北海道に当交付金見直しにおける当町の課題をしっかりと伝えていきたいと考えております。また現在町では令和5年度から始まる第2期農業振興ビジョン策定作業を進めておりますので、当交付金見直しに関わる影響も考慮しながら、そのビジョンの中で町として進むべき農業方針を示してまいりたいと考えているところでございます。
議員の再質問 8番 横山一康
それでは再質問をさせていただきたいと思います。町長から今細かいデータもお示しいただきました。私はこの見直しに関する中で課題が2点に整理されるのではないかと思います。まず1点目は、短期的な視点で見ること。短期的な視点、そしてまた制度の移行期間がある5年間、そしてその先を見据えた中長期的な視点、この2つの視点でしっかりと対応していかなければならないと考えております。まず短期的な視点であります。先ほど町長から道の再生協議会の激変緩和措置の追加があるということもおっしゃられましたが、この転作田で牧草を作付けしている方3万5,000円から1万円に下がるということでかなり衝撃が走りました。全く準備する時間がないです。私が知っている方でも休耕田を有効に利用して新たに機械を投資して、経営をさらに効率化していこうという方もいらっしゃいます。そういう方には交付金の単価の激減というのは、まさに寝耳に水で相当ショックを受けておりました。これを国の政策だから仕方がない。資本主義の経済体制なのだから自分たちの経営の中でしっかり対処してくれと。個別の経営の中に国の政策の転換を、このしわ寄せを押しつけるのは、あまりにも私は厳しい対応だと思います。数十年にわたり国の政策にしっかり協力し水田からほかの作物に転換し、農地とそして地域を守り続けてくれている人たちへの対応としましては、唐突で厳しい対応だと言わざるを得ません。先ほど町長が説明してくれたように、道の再生協議会のほうで地域の判断で単価を設定できる全道枠を激変緩和措置として数千円の緊急助成を行う方針というふうに決まったということですので、12月に制度の見直しが発表されてから農家や関係機関の皆さんの切実な訴えが少しばかりでも届いたのではないかと思っております。また少々手前味噌になってしまうのではありますが、当町の議会としましても1月の臨時会にて、この件に関する意見書案を提案し、採択し、議会としての考え方もしっかり明確に表したことも少しは役立ったのではないかと思っております。今後ともこの急激で唐突な見直し案に関しては、しっかりと粘り強く行動していきたいと思っております。次に中長期的な影響への対応です。先ほど町長の答弁の中では賃借料や売買価格、このようなことについてはあまり触れられてなかったとは思うんですが、私はこの賃借料や農地の売買価格、このような問題が今後一気に表面に出てくる可能性が高くなってくるものと思われます。実際に今もう雪が解けると営農が始まります。休耕田を借りて牧草を作付けしている方々においては、新年度の賃借料どうしたらいいかという相談が農協や農業委員会に寄せられていると聞いてもおります。このような問題が今後一気に噴出してくるものと思います。この農地の流動化、そしてその先にある遊休地化の問題など、この表面に見える問題よりさらに根深い、深く難しい問題を含んでいるので、ここはぜひ適切な対処をしないと基幹産業である農業に大きな不安や混乱を招きかねないと思いますので、しっかり対応していただきたいと思います。このことを踏まえまして以下2点についてご質問させていただきます。道の再生協は、牧草への激変緩和措置を講ずると打ち出しました。町として、これにさらなる対策をするお考えがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。2点目、今私が申しました中長期的な課題、農地の問題、賃借料や売買価格このような問題に対する町長の考え方をお伺いしたいと思います。
町の答え 町長 高橋貞光(町長は2025年10月まで)
それではお答えをさせていただきます。まず町としての対応ということでの質問がございました。これにつきましては先ほど答弁差し上げましたとおり、北海道農業再生協議会において激変緩和措置が検討されているということでありますから、それを活用するとともに、実情に合わせまして当町農業再生協議会におきましても定める産地交付金地域枠で、牧草への支援を調整できるよう、これをお願いしてまいりたいというふうに考えているところでございます。またこうした制度の見直しによりまして、農地の価格あるいは賃借料への影響というものも、これも出てくるというふうに思っておりますが、現在、転作田として借り受け、牧草を生産している生産者からの賃借料が負担となるといったような声が上がっております。農業委員会の賃借料情報の範囲内で、賃貸者、賃借者間の相対で契約しているということでありますので、これまでどおり農業委員会の許可内容を尊重させていただきながら契約を進めるということになろうかと思います。いずれにしましても影響が大きいということが考えられますので、町としてもしっかりとそうした動きを注視してまいりたいと考えているところでございます。
議員の再々質問 8番 横山一康
それでは再々質問をさせていただきます。ただいま町長から私の再質問の1点目の答弁としまして、同再生協の激変緩和措置を利用しながら当町の再生協の地域枠もしっかりと考慮しながら地域の再生協でしっかり考えていくという答弁をいただきましたので、この答弁を聞いて農家の方、今ネットでも見てる方も大勢いらっしゃると思うんですが、少しはメッセージになっているかと思いますので、ぜひそこは地域の再生協議会の判断になってくると思いますが、ぜひ牧草を栽培して一生懸命頑張ってる方々当町にたくさんおりますので、その方たちへのしっかりした支援をお願いしたいというふうに重ねてお願い申し上げておきます。それでは再々質問に入らせます。町内には約5,900ヘクタールの農地があると伺っております。そのうちの約40%、2,400ヘクタールあまりが水田で、さらにそのうちの56%、1,300ヘクタールあまりが転作田、半分以上の水田を転作しているという実態が本町にはあります。この水田活用の直接交付金の見直しは、町の基幹産業である農業の根幹を揺るがす大きな問題だと私は認識しております。その認識の下これからもしっかり行動していきたいと思います。ただ一方、長年にわたって水田が畑地として利用されて、今後、水田に復帰するには多額の費用がかかっていくというふうな水田も一定程度存在する実態も認識しております。このような実態から考えると、今後5年間に土地の利用形態についてしっかりとした答えを町として、農家はもちろんですが出していかなければいけない時期に来ていると思います。最初の質問の時に農業ビジョンにしっかり今度、この水田活用の交付金について入れていくという答弁をいただいておりますので、ここは新しい農業ビジョンにしっかりと交付金の減額によって受ける影響について入れていってほしい、このことを要望したいと思います。あともう1点、先ほど最初の質問で2月2日に関係機関との情報共有の場を設けたというふうに町長は答弁なされましたが、北海道のほうでもいち早く昨年のうちにワーキンググループを作って実務者レベルで、農産、水田作への影響、また畜産飼料作物への影響、そして農地流動化の影響、また治水対策や基盤整備、土地改良区の維持管理、このような4つのワーキンググループに分かれてしっかりとした対策を打ち出しております。当町としても2月2日に行われた関係機関の連絡会、このようなものを1段格上げしてしっかりしたワーキンググループを作って水田活用交付金の見直しの対策にあたっていただきたいと強く願いますが、町長のお考えをお聞きしたいと思います。
町の答え 町長 高橋貞光(町長は2025年10月まで)
お答えをいたします。まず中長期的な視点から見ますと、大事なことは、この減収分をどういった形でカバーするかということが大事になってくると思います。現在、議員おっしゃいましたように1,300ヘクタールあまりの転作田がございます。この中で水張りができて見直しをクリアできる、そういった転作田がどのぐらいあるのかということを調べる必要があると。クリアできる部分について今までどおり交付金の対象となるということでありますので、それはそれでよしとして、そのクリアできない部分についてどのようなことが考えられるかということになりますが、これは農家当事者はもちろんその減収分をどういった形でカバーしていくかという経営戦略の練り直しということは当然されるものというふうに思いますが、そうしたことが農家はもちろん、農協あるいは関係機関、町としてもしっかりサポートしていかなければならないのではないかと考えているところでございます。そうした中で、議員おっしゃいましたようにワーキンググループという提案もございました。これらにつきましても各関係機関と相談をさせていただいて、しかるべき対応をさせていただきたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいというふうに思います。